2003/07/30 - 2003/08/06
538位(同エリア346件中)
覇王樹さん
この日は早起きしてエギュイ・ド・ミディのロープウェイ駅へと向かう。夏場なので、始発が6時、次発が7時のはずである。始発は登山客で混むので、2番目の空いているはずの便でエギュイ・ド・ミディに上ろうという魂胆である。
この日も良く晴れている。駅に着いたが、確かにそれほど混んでいない。我々の読みは当たったようである。が、切符を買って改札で待っていてもなかなかゲートが開かない。そうこうしているうちに出発予定時刻を過ぎてしまった。ホームを見ると、ロープウェイのゴンドラが小刻みに行ったり来たりしている。どうやらトラブルのようである。
少々のことでは慌てないフランス人。時間通り出発できなくても誰も騒ぎ出さない。と、乗車待ちの集団の中に一人の日本人の女の子を発見。彼女はドイツ在住で、ヴァカンスでシャモニーまで来たそうだ。双方特に決まった用事があるわけでなく、彼女と我々とでエギュイ・ド・ミディ往復をすることとなった。
待つこと30分、漸くロープウェイに乗ることが出来た。乗客の何人かは登山家のようで、ヘルメットとザイルを持っている。途中プランで一度ロープウェイを乗り換え、氷河の中に屹立する岩峰、エギュイ・ド・ミディに到着。それにしても、ヨーロッパ人はどうしてこんなところまで観光開発してしまうのであろうか。前回、クライン・マッターホルンにも登ったときと同じ感想を持つ。
エギュイ・ド・ミディの標高は3842m、ロープウェイから今度はエレベーターに乗り換えて上がる。エレベータ内には現在の標高が表示されるようになっているが、乗り場の標高は3776m。日本人を意識した表示ではないかと疑う。
エレベータに乗る前に、岩峰を一巡りしてみた。いや、実に爽快な眺めである。逆転層より下には霞が掛かっているものの、その上はどこまでも澄み切った青空が広がっている。
ロープウェイ乗り場の反対側の岩山にはイタリアサイド行きのロープウェイが架かっている。このロープウェイに乗ると、ジュアン大氷原を横断することになる。氷原の上を見ると、テント村が出来ており、その先には氷原を行くパーティーの姿がある。
当のモンブランを眺める。頂上にも何グループかいるようである。それにしても、遠い、高い。エギュイ・ド・ミディよりさらに1000mも標高が上なのである。幸い、私はこの地点で頭痛などの高山病の症状は出ていない。ただ、地上より足取りが重いようである。
ここから見ると、モンブランはそれほど険しく見えるわけではない。登山技術より高度障害との戦いになるかも知れない。
高度順応が目的なので、なるべく長くエギュイ・ド・ミディに留まることにしていた。すると、7時のロープウェイでは日本人は我々だけだったのだが、時間が遅くなるにつれてどんどん日本人が増えだし、極端に言えば、今現在エギュイ・ド・ミディにいる人間の半数近くが日本人ではないか、という状況になってきた。
ロープウェイ駅のカフェテリアに降り、朝食兼昼食を取ることにしたが、お土産コーナーを見ると、日本円も使えます、と掲示されている。ここは超一級の日本人観光コースなのであった。
とにかくゆっくりと食事をし、お昼頃、ようやくここを出ることにした。が、そのまま降りてもつまらないので、友人の提案で、途中駅のプランからすぐに行けるラック・ブルー(青湖)に行こうということになった。プランから15分ほど歩いたところにあるラック・ブルーはまさに文字通りの青い湖(というか池)であった。
さすがにここには日本人はいない。皆ロープウェイを往復するだけのお上りさん観光をしているのだろう。しばし湖畔で涼んでいると、友人が直上の針峰群(エギュイ・ド・ピーニュ)の中に人がいるのを見つけた。よくやるものである(私たちのシャモニー出立の日、マガリはこの針峰に登りに行ったようである)。
漸くにして、麓まで下りてきた。ここで、今まで一緒だった彼女ともお別れである。我々も部屋に戻り、私自身は時差ぼけ解消のため一眠りした。
夕方、村の中心部に買い物に出、部屋に戻るとマガリたちも下山していた。彼女のヤマ友達のエリックも一緒である。今日も夕食は彼女の手作りである。ささやかながら我々もお手伝い。食事は毎回テラスで摂る。こちらの日暮れは夜9時頃と遅いので、真っ赤に染まるモンブラン山群を見ながらの食事である。贅沢な話である。
さて、もう明日はモンブラン入山である。朝6時起きとなるので、今夜は早めに寝ることとする。
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