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 今回の欧州行きの目的はただ一つ、西ヨーロッパ最高峰・モンブラン(4810m)に登ることである。2年前のフランス在住時から友人との間で話には出ていたものの、まさか本当に登るとは思ってもいなかった。昨年、メイルのやりとりで急に話が具体化し始め、今年の2月には友人の方から山岳ガイドの予約も取り付けて頂いた。 <br /> さて、フランス側の手配はリヨンに住む友人に全て任せっきりである。彼の方も着々と高度順応の訓練をしているようである。で、当初、山岳リゾートして有名なシャモニーの隣村にルズーシュという村があり、そこのホテルを登山基地として使用することにしていた。が、その後彼から、知人の別荘を使わせて貰えることになったから、ホテルはキャンセルしたい、と連絡が入った。モンブラン登山のためだから、金に糸目はつけないつもりだったが、やはりホテル住まいは高くつくと考えていた矢先だったので、一も二もなく別荘住まいに決めた。別荘の持ち主も相当の山好きのお姉さんのようである。<br /><br />日本出発前夜<br /><br /> 最初、山用のバックパックに全て詰めて行こうと考えていたが、どうしてもピッケルがネックになってしまった。バックパックにピッケルを結わえ付けただけで荷物を預けるわけには行かない(当然機内持ち込みは不可)。結局滅多に使わない巨大なトランクを持ち出し、登山用品を詰めだしたら、驚いたことにそのトランクが一杯になってしまった。うわっ、である。本当にこれと同じ重量を背負って山に登れるのか、という不安がよぎる。さりとて、登山用品に減らせる荷物もない。<br /><br />日本出発<br /><br /> 重いトランクを引きずり、成田空港へと向かう。チェックインカウンターで発券して貰うとき、手荷物重量をちらっと見たら軽く20キロを超えている(でも幸い超過料金は無し)。<br /> 午後4時前、シャルルドゴール空港に到着。地下駅からリヨン行きのTGVの切符を友人に頼んで手配して貰っていたのだが、列車の時刻は飛行機がディレイする可能性も考慮して6時過ぎとしたので、約2時間何もすることもなくプラットホームの上をぶらついていた。<br /><br /> さて、実に2年ぶりのリヨンである。すでに午後9時を回っているが、まだ外は明るい。寝るには早いし食事もせねば、というわけで、駅からほど近い昔住んでいたアパートを散歩がてら見に行き(残念なことに、我が家の隣にあった美味しい鴨料理の店はなくなっていた)、パーデューショッピングセンター内のクイック(ハンバーガーショップ)で食事を済ませた。<br /><br />時差ぼけ解消日<br /><br /> この日は、とりあえずの休養日である。友人は今日の深夜に出張先のドイツから戻ってくる予定で、明日の朝ホテルで落ち合うことにしている。この日は午前中市内を散策(この間、ビューキャンパーで モンブラン山群の掲載されているサンジェルベ地区の山岳地図を入手)を、午後は郊外に足を延ばし(シャンベリー)た。<br /><br />シャモニー移動、ルズーシュ(Les Houches)入村<br /><br /> 朝8時、ホテルのチェックアウトを済ませていると、丁度友人が現れた。そのまま彼の車でシャモニーに移動である。<br /><br /> 実に2時間ちょっとでシャモニーの谷に入る。雲一つ無い良い天気である。彼曰く、本当に今年の欧州は暑いが良く晴れているとのことである。暑いのはともかく、晴れているのは山に登るための必須条件である。<br /><br /> サンジェルベの谷に入ると、高速道路の真正面に真っ白に雪を被ったモンブランが見えてきた。お互い声を潜め、本当にあそこに登るのか、とぼそぼそと言い合う。とにかく高い。<br /><br /> シャモニーの村に入り、ソシュール広場からモンブランを見上げる。友人がガイドに電話し、ガイドの都合で急遽登山は明後日ということに決まった。当初、近所の山を歩いて練習しようと考えていたのだが、どうやらそれは無理のようだ。そのようなわけで、明日はロープウェイでエギュイ・ド・ミディへ行って高度順応のみすることにその場で決めた。<br /> 今度は、午後1時にルズーシュの別荘でそこの持ち主と会う約束である。一度通り過ぎたルズーシュの村へ車で戻る。少々見つけにくかったが、漸くその別荘にたどり着くことが出来た。<br /><br /> この別荘の持ち主は、マガリさんという方である。マガリさんちに間借り、というしょうもない駄洒落を思い浮かべつつ家に入ると、なんとテラスに昼食の用意をしてくれているではないか。何とも恐縮な話である。<br /> 彼女の家のテラスから外を見ると、目の前に迫るようにエギュイ・ド・グーテ(3786m)の黒い峰、その奥にはドーム・ド・グーテ(4304m)の白い斜面、そこからつながってモン・モーディ(4465m)、エギュイ・ド・タキュル(4248m)、目を左に転じるとエギュイ・ヴェルテ(4122m)が屹立している。全くもって何とも贅沢な別荘である。登山のために持っているとしか思えない。実際、部屋の中は山関係の本、絵、写真で一杯である。中には、彼女のおばあさんが若かりし頃、ボソン氷河の洞窟に入っていこうとする写真(100年前のものだそうだ)も飾ってある。<br /> 彼女自身、明日は家の裏手のポワン・ド・ラパス(2312m)に登り、翌日ジュアン大氷原(エギュ・ド・ミディの展望台から一望できる氷河雪原)の先にあるマルブレス針峰(3535m)にロッククライミングをしに行くそうだ。何とも元気なお姉さんなのである。勿論彼女はすでに3年前にモンブランには登頂済みとのことであった。<br /><br /> 長い昼食の後、ルズーシュの村を案内してもらう。シャモニーほど騒々しくはないが、冬のリゾートということであろうか、リフトが山に向かって何本も延びている。家から数分歩いたところが村の中心で、ちゃんとスーパーもある。村はずれまで来ると、シャモニー谷が一望できる高台があり、そこからの景色はなかなかのものであった。

モンブランに登る(その1)

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2003/07/30 - 2003/08/06

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覇王樹

覇王樹さん

 今回の欧州行きの目的はただ一つ、西ヨーロッパ最高峰・モンブラン(4810m)に登ることである。2年前のフランス在住時から友人との間で話には出ていたものの、まさか本当に登るとは思ってもいなかった。昨年、メイルのやりとりで急に話が具体化し始め、今年の2月には友人の方から山岳ガイドの予約も取り付けて頂いた。 
 さて、フランス側の手配はリヨンに住む友人に全て任せっきりである。彼の方も着々と高度順応の訓練をしているようである。で、当初、山岳リゾートして有名なシャモニーの隣村にルズーシュという村があり、そこのホテルを登山基地として使用することにしていた。が、その後彼から、知人の別荘を使わせて貰えることになったから、ホテルはキャンセルしたい、と連絡が入った。モンブラン登山のためだから、金に糸目はつけないつもりだったが、やはりホテル住まいは高くつくと考えていた矢先だったので、一も二もなく別荘住まいに決めた。別荘の持ち主も相当の山好きのお姉さんのようである。

日本出発前夜

 最初、山用のバックパックに全て詰めて行こうと考えていたが、どうしてもピッケルがネックになってしまった。バックパックにピッケルを結わえ付けただけで荷物を預けるわけには行かない(当然機内持ち込みは不可)。結局滅多に使わない巨大なトランクを持ち出し、登山用品を詰めだしたら、驚いたことにそのトランクが一杯になってしまった。うわっ、である。本当にこれと同じ重量を背負って山に登れるのか、という不安がよぎる。さりとて、登山用品に減らせる荷物もない。

日本出発

 重いトランクを引きずり、成田空港へと向かう。チェックインカウンターで発券して貰うとき、手荷物重量をちらっと見たら軽く20キロを超えている(でも幸い超過料金は無し)。
 午後4時前、シャルルドゴール空港に到着。地下駅からリヨン行きのTGVの切符を友人に頼んで手配して貰っていたのだが、列車の時刻は飛行機がディレイする可能性も考慮して6時過ぎとしたので、約2時間何もすることもなくプラットホームの上をぶらついていた。

 さて、実に2年ぶりのリヨンである。すでに午後9時を回っているが、まだ外は明るい。寝るには早いし食事もせねば、というわけで、駅からほど近い昔住んでいたアパートを散歩がてら見に行き(残念なことに、我が家の隣にあった美味しい鴨料理の店はなくなっていた)、パーデューショッピングセンター内のクイック(ハンバーガーショップ)で食事を済ませた。

時差ぼけ解消日

 この日は、とりあえずの休養日である。友人は今日の深夜に出張先のドイツから戻ってくる予定で、明日の朝ホテルで落ち合うことにしている。この日は午前中市内を散策(この間、ビューキャンパーで モンブラン山群の掲載されているサンジェルベ地区の山岳地図を入手)を、午後は郊外に足を延ばし(シャンベリー)た。

シャモニー移動、ルズーシュ(Les Houches)入村

 朝8時、ホテルのチェックアウトを済ませていると、丁度友人が現れた。そのまま彼の車でシャモニーに移動である。

 実に2時間ちょっとでシャモニーの谷に入る。雲一つ無い良い天気である。彼曰く、本当に今年の欧州は暑いが良く晴れているとのことである。暑いのはともかく、晴れているのは山に登るための必須条件である。

 サンジェルベの谷に入ると、高速道路の真正面に真っ白に雪を被ったモンブランが見えてきた。お互い声を潜め、本当にあそこに登るのか、とぼそぼそと言い合う。とにかく高い。

 シャモニーの村に入り、ソシュール広場からモンブランを見上げる。友人がガイドに電話し、ガイドの都合で急遽登山は明後日ということに決まった。当初、近所の山を歩いて練習しようと考えていたのだが、どうやらそれは無理のようだ。そのようなわけで、明日はロープウェイでエギュイ・ド・ミディへ行って高度順応のみすることにその場で決めた。
 今度は、午後1時にルズーシュの別荘でそこの持ち主と会う約束である。一度通り過ぎたルズーシュの村へ車で戻る。少々見つけにくかったが、漸くその別荘にたどり着くことが出来た。

 この別荘の持ち主は、マガリさんという方である。マガリさんちに間借り、というしょうもない駄洒落を思い浮かべつつ家に入ると、なんとテラスに昼食の用意をしてくれているではないか。何とも恐縮な話である。
 彼女の家のテラスから外を見ると、目の前に迫るようにエギュイ・ド・グーテ(3786m)の黒い峰、その奥にはドーム・ド・グーテ(4304m)の白い斜面、そこからつながってモン・モーディ(4465m)、エギュイ・ド・タキュル(4248m)、目を左に転じるとエギュイ・ヴェルテ(4122m)が屹立している。全くもって何とも贅沢な別荘である。登山のために持っているとしか思えない。実際、部屋の中は山関係の本、絵、写真で一杯である。中には、彼女のおばあさんが若かりし頃、ボソン氷河の洞窟に入っていこうとする写真(100年前のものだそうだ)も飾ってある。
 彼女自身、明日は家の裏手のポワン・ド・ラパス(2312m)に登り、翌日ジュアン大氷原(エギュ・ド・ミディの展望台から一望できる氷河雪原)の先にあるマルブレス針峰(3535m)にロッククライミングをしに行くそうだ。何とも元気なお姉さんなのである。勿論彼女はすでに3年前にモンブランには登頂済みとのことであった。

 長い昼食の後、ルズーシュの村を案内してもらう。シャモニーほど騒々しくはないが、冬のリゾートということであろうか、リフトが山に向かって何本も延びている。家から数分歩いたところが村の中心で、ちゃんとスーパーもある。村はずれまで来ると、シャモニー谷が一望できる高台があり、そこからの景色はなかなかのものであった。

  • ルズーシュのメインストリート。この日はたまたまお祭りの日。

    ルズーシュのメインストリート。この日はたまたまお祭りの日。

  • シャモニーの谷。

    シャモニーの谷。

  • ルズーシュ村遠景。

    ルズーシュ村遠景。

  • 別荘の真ん前に建つ格安ホテル。シャモニーは高いが、隣村まで来ると値段もぐっと下がる。

    別荘の真ん前に建つ格安ホテル。シャモニーは高いが、隣村まで来ると値段もぐっと下がる。

  • 夕日に染まるエギュイ・ヴェルテ。

    夕日に染まるエギュイ・ヴェルテ。

  • テラスから見たエギュイ・グーテ。明後日そこに登る。

    テラスから見たエギュイ・グーテ。明後日そこに登る。

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