白虎隊の飯盛山と会津日新館跡

2005/01/01 - 2005/01/03

会津若松市といえば「白虎隊」! 白虎隊の悲劇は有名です。飯盛山と会津日新館跡を観光しました。

エリア 福島

白虎隊が辿り着いた「戸ﾉ口堰洞穴」。会津同盟軍が次々に西軍の圧倒的人数と武器に負けていき、会津藩は孤立していきました。白虎隊は応援に戸の口原（猪苗代湖北西）に出陣しました。怒濤の勢いで攻めて来る西軍。見方は「ばらばら」食料調達に出かけた隊長は行方不明。翌朝はまたも激戦、退散を余儀なくされました。近道のため、暗く冷たい洞門（灌漑用水用トンネル）を通り飯盛山にたどり着きました。

「戸ﾉ口堰洞穴」を通り飯盛山にたどり着いた彼らが見たものは。黒煙に包まれた鶴ヶ城！生き残った白虎隊２０名の内、何人かは重症をおっていました。

鶴ヶ城と飯盛山は2.8Km離れています。鶴ヶ城は矢印の上に小さく見えます。(写真中央）「日新館」の教えが徹底しており、落城を悲観し、主君に従うべく、城の見えるこの場所にて自刃（じじん：刃物を使って自らの生命を絶つこと）しました。実際の落城はこの日から一ヶ月後です。

この場所が自刃した所です。会津盆地が一望できます。白虎隊とは16・17歳の約300人（実際は合計251名）です。士中１番・２番、寄合１番・２番、足軽１番・２番に分かれていました。交戦状態で藩の主力は四囲へ出撃時「戸の口原攻防」応援に駆り出されたのは士中２番隊です。（人員不明）士中とは上級藩士の師弟で編成された隊です。寄合は中級藩士。足軽は下級藩士。

「白虎隊士の墓」鶴ヶ城方向を向いています。　遺骸（死体）は西軍の命令で、手を付けては、ならないと定められたが、村人がひそかに近くのお寺に仮埋葬して、後にこの地に埋葬されました。写真の形になったのは明治２３年だそうです。

「白虎隊士の墓」説明板。このお墓の他に右側には会津の各地で亡くなった白虎隊の仲間３１人のお墓がありました。１９士の仲間には一人、奇跡的に蘇生した飯沼貞吉は７９歳、昭和６年仙台で生涯を閉じました。彼の話から白虎隊の全貌が明らかになったそうです。

松平容保の弔歌「幾人の涙は石にそそぐとも　その名は世々に朽じとぞ思う」1862年、会津藩は京都守護職に一千名を連れ本陣を構えました。（6年間続きました）幕命はロシア侵略に備え、樺太及び蝦夷の警備、黒船に備えて房総半島、三浦半島、品川沖に砲台を建設と警備、膨大な費用が掛かったようです。

戊辰戦争で自刃または戦死した婦女子二百余名の霊を弔うために建てられた顕彰碑（けんしょうひ）。籠城に際し、老幼婦女子は食料を食いつぶすと共に足手まといになり奉公出来ぬと、邸や城外で自決したそうです。

「戸ﾉ口堰洞穴」と「白虎隊士の墓」の間にある「さざえ堂」国重要文化財。1796年に建立された、高さ16.5メートル、六角三層のお堂です。上りに一回転半、下りに一回転半、合計三回転することになりますがすれ違う事なく、登って降りる事ができます。

市営無料駐車場から見た「飯盛山」

「日新館跡」会津藩は教育のため藩士の就学を義務づけました。産業の振興に役に立つ知識・技術の習得のため、「会津日新館」を建設しました。１８０３年７,０００坪の敷地、文武両道・実学尊重を重んじました。田中玄宰（たなかはるなか）が藩政の改革を実施。鶴ヶ城の西側、国道１２１号線沿いに記念碑がありました。

「天文台跡」日新館内には天文観測所、日本最初のプールもありました。長州藩はこれより４０年遅れてプールを設置したそうです。当時の日新館跡はこの天文台跡のみ残っています。天文台跡も最初の半分だそうです。現在は商用ですが、当時の施設をそのまま忠実に復元した野外歴史博物館が市郊外にあるそうです。

「天文台跡」説明文。「日新館跡」記念碑より西に200ｍほど入り、北へ80ｍ住宅地に入った場所にあります。

当時の「日新館」「ならぬことはならぬ」直線的な藩風・士風を生んだ「日新館」松平藩家訓１５条、徳川本家への忠誠、心構え、時代の流れに遅れがちな気風を残してしまったそうです。

「天文台跡」から住宅の屋根越しに「鶴ヶ城」が見えました。天文台跡頂上には小さな祠がありました。末永く残して欲しいと思いました。

鶴ヶ城内に設置された「歴代の鶴ヶ城・城主家紋」こんなにも城主が変わったお城が他にあるでしょうか？歴史に翻弄された会津藩の観光は勉強させられました。なお、内容は「会津若松市観光公社」のホームページ及び学研の「会津戦争」を参考にさせていただきました。

飯盛山から見た「飯豊連峰（いいでれんぽう）」新潟県、山形県、福島県にまたがっています。手前の低い山は大塚山古墳と坊主山と思います。その向こうの会津盆地に霧が立ち込めて雲海のように見えます。