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ミラノも典型的なイタリア都市の例にもれず中世では城壁都市であった。<br />その城壁の内側はチェントロストリコ(旧市街)と呼ばれドウオモを中心に<br />古い由緒ある建物が多く荘厳である。<br /><br />下町の風情のある場所は城壁の外、ポルタティチネーゼから南に向かう<br />とナビリオ(運河)地域があり、ヴェッキオミラノ(古いミラノ)と人々に呼ばれ<br />ている。もともとミラノは運河が縦横に張り巡らされた「水の都」で<br />ドウオモ教会の石材も船で運ばれた。<br /><br />ムッソリーニが近代都市計画と共に、ほとんどの運河にフタをして、<br />現在残っているのはこの周辺だけである。<br />それだけに100年前の写真と現在を比べてもほとんど変わって<br />いない家並びが見られる。<br /><br />この界隈は部屋の外に手すりの廊下があるCasa di ringhieraというタイプ<br />の古いアパート群がある。 最近は若いデザイナーや職人に人気があり<br />ロフト感覚のアトリエや工房になっている。 <br />これらのアパートには地中海文化特有の内庭があり、花や緑がいっぱいで<br />都心のアパートと違った豊かさがある。<br /><br />何十年前に閉鎖されたジノリの陶器工場とかアルファロメオ工場の廃屋が<br />そのまま残っていたりする。 この辺はゆったりと時間の流れるミラノの中でも、<br />時間が停止したような空間と空気が感じられる。 このアルファロメオの廃屋で<br />アルマーニがファッションショーを開いたことがあるが、そのエレガントな手法に<br />多くのメディアから絶賛された。<br /><br />運河に沿ってアンティックショップ、画廊、古いレストラン、バールが並び、<br />夕方から「パッサジャータ」に訪れる人でにぎわう。 パッサジャータは辞書に<br />よると「散歩」とあるが、別の意味として、夕食前に市民が家々から出てきて、<br />家族、友人達と、会話を楽しみながら歩いて行ったり来たりすることを指し、<br />その場所は、暗黙のうちに決められており、ミラノではドウモ近辺とこの<br />ナビリオ界隈だろう。<br /><br />ミラノの夏の夜は長く、午後9時半を過ぎてやっと太陽が真っ直ぐのびた<br />運河の先に沈み、あたり一面真っ赤に染まった夕焼けになる。人々は<br />オープンエアのカフェや運河に浮かべられた、フローティングバールで<br />夕食前のひと時を過ごす。午後10時頃になってやっと夜の帳が下りる頃、<br />レストランやピッツエリアがにぎやかになる。<br /><br />古い洗濯場が目印のレストラン「エルブレリン」はピアノバーもある洒落た<br />ナイトスポットで、日本の雑誌に紹介されて、一時は日本人旅行客に<br />占領されたこともあったが、今はまた、地元の人達だけが訪れる静かな<br />雰囲気にもどった。<br /><br />春には両河畔に、真っ赤なケシの花が咲き乱れ、夏は船上バールがオープン、<br />秋は青空絵画市、花市が開かれ、冬は霧の漂う運河に幻想的なクリスマスの<br />電飾が淡く輝く、タイムマシンに乗って過去にさかのぼる、<br />そんな風景の見られるミラノで唯一の場所がナビリオだ。<br />

ミラノで一番風情のある場所

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1989/08/01 - 1997/12/25

1847位(同エリア2973件中)

3

5

ミラネーゼ

ミラネーゼさん

ミラノも典型的なイタリア都市の例にもれず中世では城壁都市であった。
その城壁の内側はチェントロストリコ(旧市街)と呼ばれドウオモを中心に
古い由緒ある建物が多く荘厳である。

下町の風情のある場所は城壁の外、ポルタティチネーゼから南に向かう
とナビリオ(運河)地域があり、ヴェッキオミラノ(古いミラノ)と人々に呼ばれ
ている。もともとミラノは運河が縦横に張り巡らされた「水の都」で
ドウオモ教会の石材も船で運ばれた。

ムッソリーニが近代都市計画と共に、ほとんどの運河にフタをして、
現在残っているのはこの周辺だけである。
それだけに100年前の写真と現在を比べてもほとんど変わって
いない家並びが見られる。

この界隈は部屋の外に手すりの廊下があるCasa di ringhieraというタイプ
の古いアパート群がある。 最近は若いデザイナーや職人に人気があり
ロフト感覚のアトリエや工房になっている。 
これらのアパートには地中海文化特有の内庭があり、花や緑がいっぱいで
都心のアパートと違った豊かさがある。

何十年前に閉鎖されたジノリの陶器工場とかアルファロメオ工場の廃屋が
そのまま残っていたりする。 この辺はゆったりと時間の流れるミラノの中でも、
時間が停止したような空間と空気が感じられる。 このアルファロメオの廃屋で
アルマーニがファッションショーを開いたことがあるが、そのエレガントな手法に
多くのメディアから絶賛された。

運河に沿ってアンティックショップ、画廊、古いレストラン、バールが並び、
夕方から「パッサジャータ」に訪れる人でにぎわう。 パッサジャータは辞書に
よると「散歩」とあるが、別の意味として、夕食前に市民が家々から出てきて、
家族、友人達と、会話を楽しみながら歩いて行ったり来たりすることを指し、
その場所は、暗黙のうちに決められており、ミラノではドウモ近辺とこの
ナビリオ界隈だろう。

ミラノの夏の夜は長く、午後9時半を過ぎてやっと太陽が真っ直ぐのびた
運河の先に沈み、あたり一面真っ赤に染まった夕焼けになる。人々は
オープンエアのカフェや運河に浮かべられた、フローティングバールで
夕食前のひと時を過ごす。午後10時頃になってやっと夜の帳が下りる頃、
レストランやピッツエリアがにぎやかになる。

古い洗濯場が目印のレストラン「エルブレリン」はピアノバーもある洒落た
ナイトスポットで、日本の雑誌に紹介されて、一時は日本人旅行客に
占領されたこともあったが、今はまた、地元の人達だけが訪れる静かな
雰囲気にもどった。

春には両河畔に、真っ赤なケシの花が咲き乱れ、夏は船上バールがオープン、
秋は青空絵画市、花市が開かれ、冬は霧の漂う運河に幻想的なクリスマスの
電飾が淡く輝く、タイムマシンに乗って過去にさかのぼる、
そんな風景の見られるミラノで唯一の場所がナビリオだ。

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  • 毎月最終日曜日、この両岸でアンティック市が開かれ<br />300店舗くらいが集まる。

    毎月最終日曜日、この両岸でアンティック市が開かれ
    300店舗くらいが集まる。

  • 春と秋には絵画市も開かれる。画家が自分の絵を持ち込んで売ります。この界隈は画廊も多い

    春と秋には絵画市も開かれる。画家が自分の絵を持ち込んで売ります。この界隈は画廊も多い

  • 運河の両側にはアンティックショップ、画廊、占い師、古着屋、ブティック、レストラン、バール、夜になると<br />人々が集まりだす

    運河の両側にはアンティックショップ、画廊、占い師、古着屋、ブティック、レストラン、バール、夜になると
    人々が集まりだす

  • 運がよければ、素晴らしい夕焼けを見ることができる。

    運がよければ、素晴らしい夕焼けを見ることができる。

  • ナビリオ地区の夜は暗い、レストランやバールの灯が<br />なんとなく人恋しい気分にさせてくれるのでカップルが<br />多い

    ナビリオ地区の夜は暗い、レストランやバールの灯が
    なんとなく人恋しい気分にさせてくれるのでカップルが
    多い

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この旅行記へのコメント (3)

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  • jamyamaさん 2005/04/07 19:13:52
    「ナヴィオリ」是非行ってみたくなりました。
    ミラネーゼさんこんにちは。
    まだ先ですがこの7月にイタリア旅行を夫婦で計画しているものです。
    ミラノは2泊といっても初日は成田から夕方7時頃中央駅に到着して翌々日の朝早くヴェローナに向けて午前8時頃立ちます。
    ミラネーゼさんによると夜9時ごろから暗くなるとのこと、到着したその日にナヴィオリの「エル・ブレリン」などで食事をするのは無理でしょうか?
    今回は個人旅行なのでイタリアは怖いという警戒心でこの日はホテルで静かにしていようと思っていたのですが夜の運河がステキで翌朝ゆっくりできる初日のほうがいいかなぁと迷っています。
    質問
     ?夜の出歩きは大丈夫でしょうか?
     ?中央駅からはタクシーがいいでしょうか?(ホテルは中央駅すぐそば)
      いくら位でしょうか?
      もより駅は?
     ?フルコースの食事でなくても大丈夫でしょうか?
      (ふたり共小食なほうなので)
     ?「エル・ブレリン」の他におすすめのところは?
    質問ぜめですみません。ご回答いただけたらうれしいです。

    ミラネーゼ

    ミラネーゼさん からの返信 2005/04/23 02:25:07
    RE: 「ナヴィオリ」是非行ってみたくなりました。
    お返事遅くなってすみません。
    先週までイタリア出張で不在でしたので、そのまま失念しておりました。
    ミラノのにも2日滞在しましたので最新情報をお知らせします。
    マルペンサから中央駅は多分空港バスだと思いますが、中央駅は結構治安が悪いです。すぐにタクシーでホテルに移動されると良いと思います。
    もしくは空港から出ている列車(マルペンサエキスプレス)でカドルナ駅まで行きほうが安全だと思います。9ユーロでした。帰りは荷物が重かったので市内ホテルよりタクシーでマルペンサへ行きましたが70ユーロでした。

    今はサマータイムなので、なかなか日が暮れません。ナビリオのエルブレリンで十分食事ができます。7時半頃から開きますが、地元のイタリア人で混み始めるのは午後9時頃からです。ホテルのフロントに予約を頼んでからタクシーで行くのが正解です。夜の運河は最高にロマンチックです。暗い場所ですが、むしろ治安は問題ありません。
    ?基本的に夜の出歩きは問題ありません。但しブランドもので着飾ったり、ガイドブックや地図など持って旅行者とわかるような姿はだめです。
    ?中央駅から地下鉄もありますが、中央駅周辺は治安が悪いのですぐにタクシーで移動するのが無難です。市内のホテルでしたら10〜15ユーロくらいでしょう。イタリアはタクシーは安くて親切です。
    ?パスタだけというのはやっぱりだめです。例えばメインは1皿にして二人分に分けてもOKです。あとサラダと食後のコーヒーでも取れば問題ありません。
    また量が多ければ残してもOKです。ネクタイは必要ありません。
    ?ピッツエリアという手もあります。高級なレストランでしたらナビリオにある「サドラー」をお勧めします。
    4月5月が新緑と花のイタリアを観光されるのに最高の季節です。

    jamyama

    jamyamaさん からの返信 2005/04/23 10:01:05
    RE: RE: 「ナヴィオリ」是非行ってみたくなりました。
    ミラネーゼさん

    ご丁寧な回答ありがとうございます。
    タクシーを利用して危ない目にあわないよう注意しますね。
    ミラノでの楽しみがひとつふえました。
    ご報告もしますね。(失敗談ばかりだと思いますが・・)

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