パンパシフィック・シンガポールで3泊、フェスティブ・ホテルで1泊、次いでこちらで2泊しました。
Expediaを通じて、アトリウム・プレミア・ルームをツインベッド・禁煙で予約しました。
『スムーズにチェックインできない』という書き込みが散見されましたが、夕方5時頃のチェックインだったからか比較的スムーズにチェックインできました。
部屋はかなり低層の7階。
アトリウムでの予約だったのでそこは了承していましたが、入室すると煙草臭が。
慌ててフロントに言ってクレームするも、予約時点では禁煙と聴いていないと一蹴。
ここはExpediaに責任があるのかもしれないので、一概にホテルを責める事は出来ないかもしれません。
ですが、ここからが悪い。
部屋を替えて欲しいと懇願すると、(ダウングレードの)デラックス・ルームに変更するか、今日は我慢して明日部屋交換するか選べと言われました。
考えた挙句後者を選択。
翌日、更に低層の6階に案内されましたが、アトリウム・グランドにアップグレード。
ちょっとラッキーと思いきや、夜寝る時に子供が枕を動かしたら枕の下から数十匹の蟻が出てきてちょっとした騒ぎに。
翌朝は飛行機の都合で4時半のチェックアウトなので部屋を替えて欲しいとフロントにお願いするも、今日は空きが無いからルーム・キーピングを呼ぶのでちょっと待てと。
結局、蟻の出現箇所探し、殺虫剤の散布、リネン交換やらで1時間半程掛かり、深夜1時近くになりました。
2泊しましたが、客室で心休まる事は無かったです。
係員の対応はまちまちです。
タワー3コンシェルジュの女性職員は英会話の不得手な私の言いたい事を汲み取ろうと努力してくれました。
蟻の駆除に来てくれた2名の職員も深夜だと言うのに嫌な顔一つせず、懐中電灯で部屋の隅々まで調べてくれました。
フロントの男性職員の一部に『責任は我にあらず』的な発言が散見され不快でしたが、概ね個人レベルで見るとそれ程悪いとは思えませんでした。
しかし残念な事に組織的な活動ができていない。
係から係への連携が全然とれていないので、対応が遅かったり、全く対応されていなかったりするのです。
私はホテルに限らずサービスを旨とする職業の真価はトラブルの時に発揮されるものと思っています。
前泊のパンパシフィックでも予約時にトラブルがありましたが、複数の係員が粘り強く対応してくれたお陰で全く不快感はありませんでした。(むしろこちらが恐縮するくらい丁寧だった)
このホテルに不満の少ない方は、恐らくトラブルに見舞われていないからだと思います。
トラブルにならなければ個人レベルでは概ね良好な対応なので、箱が良いだけに満足感が高かったのではないかと想像します。
これは運ですね。
今回の宿泊でマリーナ・ベイ・サンズは素晴らしい『箱』をお持ちだと言う事は分かりましたが、人によって運営される組織としての完成度は低いと感じました。
『箱』を生かすも殺すも組織力次第です。
経営者各位は勿論ご存知でしょうが、実際にホテルを運営する立場の方々には、あれだけの巨大な『箱』を個人の力だけで生かす事は至難だという事を学んで欲しい。
さて一方、呼び物のスカイ・パークですが、これについては素晴らしいと言う他ありません。
上述の通りホテルとしてのマリーナ・ベイ・サンズに低い評価を与える私でも、殊更屋上のスカイ・パークに限っては5つ星を差し上げるしかございません。
特に宿泊者専用であるプールからの夜の眺望。
シンガポールの夜景をまるで自分の物にしたかのような錯覚に陥る程の素晴らしさです。
これは外来者用のデッキとは一線を画しており、一見の価値有りです。
この為だけに1泊したとしても、それが間違いだとは思いません。
それくらい良いです。
この素晴らしい箱を生かす組織力が身に付いたらまた泊まってみたいですね。