まだまだ研究の余地が多いコレクションではないかと感じました
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- 旅行時期:2023/02(約3年前)
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by たびたびさん(男性)
下鴨・宝ヶ池・平安神宮 クチコミ:196件
有鄰館は、開館の日が限られるのでハードルが高いですが、今回は日を定めて初訪問です。
滋賀県出身の実業家、藤井善助が収集した東洋美術コレクションを保存展示するため、大正15年に設立。日本の私立美術館としては草分けの1つなのだそうです。
コレクションは、国宝1点を含む殷代から清代の中国民族遺産である絵画、書、仏像、青銅器、陶磁器、古印などなど。ただ、展示品は豊富なのですが、あまりにも膨大だし、途方もないような代物もあって、きちんとその価値や意味合いが把握されて整理されているかというとどうなんでしょうね。
一階の巨大な石仏群も中国の奥地にあったものだと思いますが、岩山にあったものを引っぺがしてきたような感じ。例えば日本でも摩崖仏を引っぺがしてきたりするのはありえないことですけど、それを乱暴にやってしまったんでしょうね。調査を十分に行って、記録を残したりしたうえで、それをやるだけの価値があるものならいいと思うのですが、私はちょっと心が痛みました。
二階は殷や周の時代の青銅器。泉屋博古館のコレクションと比べても、鉢のような巨大な祭器とか途方もないです。で、こちらが殷で、こちらが周みたいにさらっと表示されていましたが、私の感覚でいうと、殷のものと周のものがこんなに似ているのは違和感があって、大丈夫かいな?みたいな感じ。清の時代だと皇帝の巨大な印璽とかも、日本にこんなものがあること自体信じられない。悪いですが、偽物なんじゃないかと疑ってしまいます。
コレクターは素人ですから、まあ、偽物が混じっていても全然おかしくはないかな。やっぱり、その世界感の方がずっと大事ですからね。ただ、せっかくこれだけのものがありますから、真偽や時代考証も含めて、引き続きさらに検証をしていくという姿勢も必要かも。まだまだ研究の余地が多いコレクションではないかと感じました。
- 施設の満足度
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4.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 4.0
- コストパフォーマンス:
- 4.0
- 人混みの少なさ:
- 4.0
- 展示内容:
- 4.0
- バリアフリー:
- 4.0
クチコミ投稿日:2023/11/01
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