美味しいです

4.0
旅行時期：2018/04（約8年前）

by たいきさん（男性）

神戸クチコミ：185件

カウンターのみのコンパクトなお店を
　若い女性が取り仕切ります。
　Ａコース２８００円をチョイスですが、
　ここで暗雲が立ち込めます。

　まず、サービス料が５％かかることはわかっていましたが、
　必ずドリンクを注文しなくてはならないシステムになっています。
　これは私の好きな神戸フレンチのスタンダードではありません。
　この時点で大阪某店・ショックが頭をよぎります。

　しかもオードブルは２種から選べますが、１品は５００円アップ。
　これにも正直、良い気はしません。
　前菜で５００円アップのメニューというのは初めて見ました。
　この時点でベナトンクラス、ランチ３５００円級のお店です。
　
　同じ前菜では楽しくないので５００円アップの
　地鶏とフォアグラのテリーヌと、
　ジャガイモのフラン海鮮添えの両方をチョイスしました。

　しかもサーブに時間がかかり、
　トータル２時間半のランチになりました。
　これも我が家の好みではありません。
　この気分はアミューズの、１０種類の野菜の冷製ポタージュが出てきても
　晴れることはなく、途中で帰ろうかとも思いました。

　続いて前菜が登場します。
　５００円アップのテリーヌはイチジクのソースがついてきています。
　わたしはフルーツソースにはいやな思い出があるので
　この時点でテンションはミニマムでしたが、
　ここから大逆転が始まるのです。

　テリーヌは地鶏も非の打ち所がないほどおいしく、
　フォアグラにいたっては軽く衝撃が走りました。
　今までフォアグラを好んで食べたことはなかったのですが、
　なぜこの食材が重宝されるのかが
　初めて理解できたような気がしました。

　まったく味付けが違うのは当然として、
　それだけで十分おいしい地鶏のテリーヌ。
　そこにフォアグラが必要かどうかといわれたら、
　やはり必要なのかもしれません。
　トータルのバランスが見事に取れており、
　いちじくのソースもまったく違った味わいを
　見事に演出してくれていました。

　ジャガイモのフランも自家製イクラが
　かつてないほどの歯ごたえがあり、
　ぷりぷりだったのが驚きでした。
　これもおいしい。

　そしてメインに進みます。
　今回は、イベリコ豚のハラミのオーヴン焼きは
　当然のチョイスとして、あえて魚を見送って
　あまり好きではなくなってきているビーフを選択しています。　
　そしてこれがヒットするのです。

　ハネシタという肩近くのロース肉は
　余分な脂肪がないのに柔らかくてジューシー。
　そしてソースが絶妙で自家製パンはほとんど
　このソース味に染まりました。

　きのこ類のソテーも実においしくて、
　付け合せの野菜と一緒に堪能しました。

　デザートも、
　注文を受けてから焼き始めるショコラケーキ、
　同じく注文後に皮むきから始まる、
　旬のイチジクのタルティーヌ。
　添えられたピスタチオのアイスクリームなどは
　緑色をしていて、
　いかに素材を生かしきっているのかがはっきりわかります。
　タルティーヌに添えられたのは
　ブルーチーズのアイスでしたが、
　チーズそのものです。濃厚極まりなく、
　かつて味わったことのない、
　ハイレベルなアイスクリームでした。

　いやはや、なんとおいしいのでしょうか。
　料理のおいしさは十分ベナトンやバエレンタルに匹敵します。

　残念なのはお店の経営方針でしょうか。
　サービス料と１ドリンク制はかえすがえすも残念です。
　普段使いのお店でないと考えれば問題はないのでしょうが。
　もう少し顧客側にたってのサービスに移行していただければ
　完全に５点なので残念です。

　