札幌を代表する秀逸な映画館です

4.5
旅行時期：2019/10（約6年前）

札幌クチコミ：1062件

シアターキノは市民出資によるNPO型の市民映画館です。1998年の開館以来、多くの市民に愛され続けている狸小路にある小さなシアターが二つあるだけのアットホームな雰囲気にまずホッとします。

ここで上映される作品は、大衆向けのロードショー等は一切なく、世の中に問題を提起するような、内容は素晴らしいけど、”金にならない”ような作品が多いので、正直小さなお子様にはお勧めできませんが、中学生以上なら、本当の意味での映画作品を観たい、という場合にお勧めできる映画館です。

今回は、米軍統治下の沖縄で世間の色々な荒波と戦った瀬長亀次郎の半生を描くドキュメンタリー映画を観に行きましたが、凄く良かったです。

一般観覧料金は1800円となっていますが、各種割引デーを利用すると1100円、また会員になると1回1000円（2020年4月からは1100円になるそうです）で観ることが出来ます。ここで放映される作品は上映期間が短いので、月一のファーストデーに該当するタイミングで観られない映画も多くて残念ですが、その場合は、財政的には決して潤沢な映画館ではありませんので、これからもステキな映画を上映して頂けるよう、半分寄付した感覚で作品を楽しまれると良いかなと思います。

まあ、私的には最近の札幌に溢れている、うわべだけ豪華で、阿保みたいに高いランチやディナーを1～2回我慢して、それを半額食材とかに切り替えて浮いた分で、高尚な映画を鑑賞する、みたいなスタンスの方が、ずっと”人生の栄養”になるのではないか、と思っていますので、貧民ではありますが、作品のクオリティを考えると、今回の1800円の料金は安く感じました。

ここの唯一の欠点は、映画上映前に利用する待合所が狭いことで、上映開始前には座るところがない位混雑することが多いので、その部分はストレスになることもあるかと思います。そんな時は、壁面にびっしりと記された、著名人を含む寄せ書き等を読んで楽しんだり、チケット購入後は一旦離れて、上映開始10分位前に戻ってきてシアター内に、という過ごし方がお勧めです。