フランス近代絵画と珠玉のラリック展開催中(2018年8月)
- 4.0
- 旅行時期:2018/08(約6年前)
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by しそまきりんごさん(男性)
旭川 クチコミ:223件
2018年7月12日から9月2日開催のフランス近代絵画と珠玉のラリック展が開催されていた。
風景画から始まり、人体・人物画、藤田嗣治、現代抽象画、ラリックのガラス作品という構成だった。
風景画に関しては、北海道が本州よりもヨーロッパの風景に似るところがあるのと、絵の選者が荒々しいヨーロッパの山岳地帯よりも、湿地や川辺などの風景画をそろえているところからも、北海道の人にはよりなじみのある風景として映ったかもしれない。
特に道内を車や列車で回ると、”そういえばこんな景色もあった”と感じるだろうが、歩いて見て回っている身にとっては、”あるある”という風景が散りばめられていた。
人物画については、「ベリサリウスと子供」が迫真に迫るものがあった。
多大な功績をあげながら、政争に敗れ、両目をつぶされ、物乞いにまで貶められたという伝説の将軍の姿である。
おびえる子供をかかえ、力強く差し出す彼の手の先にあるものはいったい何なのか。
解釈は人それぞれだろうが、権力や社会を暗示させて現代に通じるものがあった。
また、この場面の後の展開がどうなるのかハラハラさせる絵でもある。
このような絵があると思いきや、「マグダラのマリア」はなかなか笑えた。
一日の仕事や家事を終え、呑気に休んでいるようで、まるで「サザエさん」のような牧歌的な雰囲気が感じられた。
「マグダラのマリア」は、過去、多くの画家が描いてきた題材で、いずれも人間臭さがオーバーに演出され、中にはこんな描かれ方は可哀そうだとか、こんなことをする女性はいくら何でもいないのではないかと思え、違和感を覚える作品が多かったが、この作品は心が和らいで良かった。
シリアスな作品もあったが、北海道の美術館の企画展で感じることだが、特にご年配の女性の方が好みそうなおっとりした印象派の作品やメッセージ性の薄いトーンの和らいだ作品も展示されていた。
特に母性をくすぐるような小さな子供を描いた「犬を抱いた少女」のほか、子供に乳を与える「母子像(アリーヌと息子ピエール」などは身構えることなく心の緊張を解いて鑑賞できる作品だった。
最後にラリックの「シレーヌ」や「水差し 葡萄」など見事なガラス作品を鑑賞して終わった。
- 施設の満足度
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4.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 3.0
- コストパフォーマンス:
- 3.0
- 人混みの少なさ:
- 3.0
- 展示内容:
- 4.5
- 「フランス近代絵画を珠玉のラリック展」については
- バリアフリー:
- 3.0
クチコミ投稿日:2018/08/24
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