夜の八十八ヶ所
- 3.0
- 旅行時期:2015/07(約10年前)
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by しそまきりんごさん(男性)
札幌 クチコミ:1139件
標高255mの円山登山道には、各所にお地蔵様が鎮座し、その昔、八十八ヶ所巡りとして信仰を集めていた。
今回、豊平川の花火大会を円山頂上から見るため夜の登山道を登ったが、暗闇の森の中で照らしだされる石仏はどことなく不気味な雰囲気も漂う。
予報では夜から雨。
時々低く垂れ込める雲が湿り気のある生温かい風を運び、暗闇の中で木々が枝葉を揺らしていた。
円山は昼間は小さな子供でも登る入門用の山である。
多くの人が登るため、登山道は踏みならされ、岩や木の根がごつごつしているが、不安定にごろごろしているところはほとんど無い。
終始、森の中の道なので、夜は暗いが、ときどき木の間から垣間見える街の灯に勇気づけられる。
登山用のヘッドライトを持って行ったが、100円ショップのLEDライトが特に役立った。
水場は無く、暑い時期は特にペットボトルの飲料など持参が必要だ。
ただ、距離がそれほど長く時間がかかる訳でもないので、凍らしていく必要はない。
最初、誰もいなかった登山道だったが、花火をすいている高い場所から眺めようという人はほかにもいるらしく、途中で他のグループに追いついた。
暗闇でライトに照らされて不気味だった石仏は一挙に何でもなくなった。
やや上まで登ったところで、馬の背のように少し平坦な場所に出て、道が尾根筋と少し下の道の2本が並行するが、夜は下の本道の方を行った方がよい。
円山動物園裏からのもう一つの登山道と合流したら山頂はすぐである。
山頂からは宝石箱をひっくり返したような素晴らしいパノラマが眺められた。
なお、山頂では暗い中たどり着いた10人ほどの勇者がいたが、そのほとんどは女性であった。
ただ、夜にこんなに登山者がいるのは、初日の出の日か、この日ぐらいなものだろう。
花火は小さかったが、街の一角からわき上がってははじけ、消えていく幾つもの光の玉が美しかった。
なお、動いている時はそれほど気にならなかったが、座っていると蚊などが寄ってくるため、虫除けスプレーは必須である。
帰りも道を踏み外したり、見失わなったりしないよう、ジグザグ道を慎重にライトを照らしながら進むが、落ち着いて見てみると、まるで暗闇の中でお地蔵様が道案内をしているように角で道の進む方向を向いて立っていた。
八十八ヶ所のお地蔵のおかげが、予報に反して雨は夜半過ぎにずれこみ、ケガもなく無事に下山することができた。
- 施設の満足度
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3.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 3.0
- 街中隣接
- 人混みの少なさ:
- 4.5
- 夜
- バリアフリー:
- 1.0
- 見ごたえ:
- 4.5
- 山頂からの景色
クチコミ投稿日:2015/08/01
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