大谷駅(おおたにえき)は、滋賀県大津市大谷町にある、京阪電気鉄道京津線の駅。逢坂峠より西で山科盆地の縁で逢坂関(おうさかの...
続きを読むせき)跡や蝉丸神社の最寄駅。
逢坂関(おうさかのせき)は、山城国と近江国の国境の関所で蝉丸(せみまる、生没年不詳)の小倉百人一首に収録されている「これやこの 行くも帰るも分かれつつ 知るも知らぬも逢坂の関」の和歌で知られている。「逢坂の関記念公園」と関の明神として蝉丸を祀った「蝉丸神社」は京阪電車京津線・大谷駅の近く、国道1号沿いにある。
蝉丸(せみまる、生没年不詳)は平安時代前期の歌人で皇室の血筋を持っていた、盲目の琵琶法師だった、単に乞食だったなど諸説あるが詳細は不明。だが逢坂の関に庵をむすんで歌を詠んでいたのは事実のようで「坊主めくり」で子供にもおなじみの人だ。
蝉丸神社(せみまるじんじゃ)は、822年に小野岑守(おののみねもり778−830年)が旅人を守る神とされる猿田彦命・豊玉姫命を逢坂山の山上(上社)と麓(下社)に祀ったとされ、平安時代中期蝉丸が逢坂山に住んだことで歌舞音曲の神として祀られ信仰されるようになったそうだ。
「逢坂の関記念公園」は2009年4月11日に開園している。「逢坂の関」は不破の関や白川の関などと並んで文化的・歴史的に著名な関所であり、平安時代から蝉丸や清少納言など多くの歌人がこの関を歌った歌枕の地として有名で大津市が文化遺産として整備したもの。「逢坂の関記念公園」には
蝉丸 「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」
清少納言 「夜をこめて鳥の空音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ」
三条右大臣 「名にしおはば逢坂山のさねかづら人にしられでくるよしもがな」
の歌碑が建てられている。
「逢坂の関」は源氏物語「関屋の巻」で石山詣に向かう光源氏と空蝉がすれ違う場面、安藤広重の浮世絵「東海道五十三次・大津宿」には江戸時代の東海道を行き交う牛車が描かれており公園には、平安時代の関所をイメージした木製の門柱や柵、牛車の走行をスムーズにする「車石」(実物)を設置し当時を再現している。「逢坂の関」を文化遺産として大津市が整備してくれたことは嬉しいことだ。
閉じる
投稿日:2011/11/28