2015/08/27 - 2015/09/02
10位(同エリア64件中)
玄白さん
地球磁場と太陽風が、大気圏と深宇宙のはざま、いわば宇宙の渚で繰り広げる神秘なる光の舞、オーロラ。初めて2年前にアラスカにオーロラハンティングに行くも、満足できるオーロラが見られず残念な想いをして以来、リベンジしたいという気持ちを抱き続けてきたが、ようやく、再挑戦の機会が巡って来た。
オーロラを見るだけなら晴天率が高く空気が澄んだ冬が良いのだが、あの極寒はつらい。夏が終わり初秋であれば、オーロラが見られるとともに、極北のツンドラの紅葉にも出会えるとあって、今回はカナダ極北、ユーコン準州のホワイトホース、ドーソンシティに出掛けた。
海外旅行では行動の自由を確保するため、いつもは個人手配旅行が多いのだが、さすがに今回は広大な無人の荒野に点在する小都市でオーロラとツンドラ紅葉という特定の目的のための旅行なので、それにふさわしい某旅行社の撮影ツアーに参加することにした。
ツアー日程の概略は以下の通り
8月27日 成田よりバンクーバー経由でホワイトホースへ。
当日23時よりオーロラ撮影
8月28日 バスにて北米最後のフロンティア、ドーソンシティへ移動
夜中にミッドナイトドーム山頂上にてオーロラ撮影
8月29日 ロケハンをかねてツンドラ紅葉のポイント、トゥームストーン準州立公園へ。23時、ドーソンのユーコン川河畔にて3回目のオーロラ撮影
8月30日 寝る間もなく、早朝4時半に再びトゥームストーン準州立公園へ。
グリズリー山脈のモルゲンロートとツンドラ紅葉撮影
9時ごろホテルに戻り、夜のオーロラ撮影に備え、仮眠など。
23時、ユーコン川河畔にてオーロラ撮影
8月31日 クロンダイクハイウェイをひた走りビューポイントで撮影しながらホワイトホースに戻る。夜は、シュワカ湖畔にて最後のオーロラ撮影
9月1日 早朝4時にホテルをチェックアウトし、帰国の途へ 翌日成田着
以上の通り、一般的観光などはなく、ひたすらオーロラと紅葉の撮影のためだけの実にストイックな旅行スケジュールである。
はたして、その成果はどうであったか?
以下単純な時系列ではなく、内容によって5編に分けて旅行記を作成したいと思う。
(1) オーロラ編 (本編)
(2) ツンドラ紅葉編
(3) ユーコン準州州都ホワイトホース街歩き編
(4) クロンダイクハイウェイドライブ編
(5) ゴールドラッシュに沸いた北米最後のフロンティア、ドーソンシティ編
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- エアカナダ
PR
-
エアカナダ004便で17:30成田発、定刻10:15バンクーバー着。慌しく乗り換え11:40発のエアカナダ289便でホワイトホースへ。
午後3時にはホテル Best Western Goldrush Inn にチェックイン。
ホテルでは、今回のツアーに同行してくれるホワイトホース在住のプロカメラマン谷角靖氏が出迎えてくれる。氏は、カナダ北部を拠点にオーロラや風景写真で活躍している。
夜10時に谷角氏のオーロラ撮影のレクチャア。極く基礎的な内容で自分にとっては新鮮味はなかったが、初心者には分かりやすい説明だったと思う。
11時、いよいよ最初のオーロラ撮影のため、ホワイトホース郊外のシュワカ湖へ。しか〜し・・・・空には分厚い雲が垂れ込め、ホワイトホースの街明かりが雲に映っている。
冬では撮れない水面に写るオーロラを期待していたのだが・・・・ -
ツアー参加者は総勢19人。オーロラ撮影は、5回目だ、8回目だ、今年2回目だなどオーロラの魅力にとりつかれた、いわば「オーロラ病」に罹っている人が多い。何と90歳になるおばあさんカメラマンも参加している。
一般的な観光ツアーではないので、カップルでの参加はわずか2組、ほとんどは一人参加である。我が家も連れ合いは旅行スケジュールを見て、こんな旅行なんて行きたくないと拒絶。初めての海外一人旅である。
一時間ほど粘ったが、雲が切れる様子はなく、すごすごとホテルに戻ることに・・ -
翌日、North Klondike Highwayをひた走り、Dawson City(ドーソンシティ)へ。
走る距離はおよそ500km。
移動途中の様子は、別の旅行記にて。
夕食後、23時から2回目のオーロラ撮影。Dawson Cityの裏山のようなMt.Midnight Dome(ミッドナイトドーム山)頂上へバスで移動。眼下に Dawson Cityの街明かりと滔々と流れるユーコン川が見える360度眺望が利く、オーロラ撮影に最適な場所である。
天気予報通り今日も曇り空。今夜もダメかなと半ばあきらめながら撮影準備に取り掛かる。 -
午後11時半。南東方向に雲を通して満月の光が見え出した。雲が薄くなってきたのである。雲の切れ目からオーロラが見えるかもしれないと、ちょっと期待が湧いてきた。
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北側の空には青空が広がってきた。まだマジックアワーの時間帯。青みが残っているこの時間帯にオーロラが現れれば、さぞ美しい情景になるだろうが、北米のオーロラオーバルでオーロラが活発化するのは深夜1時以降が多い。まだ少し早いかな・・
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カメラをセットしてひたすら待つこと30分、北の空にうっすらと弱いオーロラが現れた。
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雲が出ているので、肉眼では雲とほとんど区別がつかないが、写真に撮ると緑色に写るのでオーロラだとわかる。
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天頂から西の方角へ延びるオーロラ。今夜のオーロラ予報は10段階中レベル7。オーロラ爆発までは行かないが、それなりに明るく大きなオーロラが期待できそうだ。
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満月の方向にもうっすらとオーロラが出現。ちょっと雲が多いのが残念。
月の暈とオーロラの競演だが、オーロラが弱いのでちょっと役不足だな〜。 -
一時間ほど経過。小高い丘程度の山だが、さすが極北の地、8月末でも夜中になれば、足元がしんしんと冷えてくる。
ホットチョコレートのサービスでほっとするひと時。上空にはときどきオーロラが現れるが、あいかわらず弱いままだ。 -
一時半を過ぎた。ツアーなのでオーロラ観測時間は2時までと決められている。こういう制約があるのがツアーの難点なのだが、やむをえない。残り30分で、なんとか大きなオーロラが現れないかとあせる気持ちが募ってくる。
と、その時満月の左側地平線上に現れたオーロラ、動きが早い。これは大きくなるぞという予感がした。 -
予感どおり、だんだん大きくなり始め、月の暈と絡み合うような動きになってきた。
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月の暈と絡み合うオーロラ、右下にはドーソンの街明かり。構図としてはいい感じだが、まだオーロラがしょぼい。
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動きが早い。満月のそばで天女の舞いのようにオーロラが踊り出す。
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リング状に姿を変え・・・
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イチオシ
月の暈と絡み合い・・・
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リングが解けて、月の暈と並び、天頂に向かって緑色の光の帯が延びて行き・・・
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さながらオーロラと月の暈がダンスをしているが如く・・・
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オーロラの光が弱くなったかと思うと・・・
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また少し強くなり・・・
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イチオシ
妖しくゆらめきながら、どんどん明るさを増して月の暈を凌駕し・・・
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光の舞は天頂に達して・・・
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北西方向に飛び去るが如く、移動していく。
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はっきりとした二筋の光の帯に姿を変えて・・・
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揺らめきながら・・・
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イチオシ
さらに西の方向へ延びて行き・・・
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ユーコン川上空にさしかかる。
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イチオシ
雲が邪魔ではあるが、薄雲を通して光の舞を見通せる。
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-
とうとう、観測時間終了。粘ればもっとオーロラが見られそうだが残念。
最後まで粘るツアー参加者の一人、Oさん。 -
次の日はドーソンの町のすぐ横を流れるユーコン川のほとりがオーロラ撮影ポイント。ホテルから歩いて1分のところだ。
しかし、この日は初日と同じく空は雲に覆われ、晴れ間が広がることはなかった。
さらに次の日も同様。ホワイトホースに戻り最後のオーロラ観測日も雨!
結局、5回のオーロラ撮影チャンスの中、たった一日、しかもわずか20分ほどしかレベル5以上のオーロラらしいオーロラを見ることはできなかったのである。期待していた冬には見られない湖の水面に写り込むオーロラを撮影することもあたわず!
う〜ん、残念! これはもう、再度リベンジするしかあるまいと決意を固めてオーロラハンティングツアーを終了したのであった。すっかり「オーロラ病」患者になってしまったようだ。
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この旅行記へのコメント (6)
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- deracineさん 2015/09/28 14:35:23
- 再リベンジ、期待しています
- 玄白さん、こんにちは
フェアバンクスに続いて今度はホワイトホースでカメラマンとオーロラ撮影旅行とはいよいよ「病膏肓に入る」ですね
当方は2013年3月にフィンランドでオーロラ爆発を、2014年3月にはイエローナイフでクルマでオーロラを追いかけるツアーでオーロラを見てとりあえず「オーロラ見たい病」は小康状態です
オーロラは残念だったようですが街の様子を詳細にレポートされた熱心なブログには敬服いたしました
今後益々オーロラ運がよくなるよう祈願しております
また新たなレポートを期待しています
では失礼します
- 玄白さん からの返信 2015/09/29 19:54:20
- RE: 再リベンジ、期待しています
- deracineさん、こんばんは
玄白のオーロラ旅行記訪問ありがとうございます。
2回とも、いささか不満なオーロラハンティングでしたが、はたして次回のチャンスはいつのことになるやら(^ ^;)
我が家の財政状況もあるし、そうこうするうちに太陽活動が沈静化してしまうかもしれませんし・・・
まあ、気長に次のチャンスを待つことにします。
玄白
-
- 旅人隊長さん 2015/09/07 17:16:26
- オーロラ猛者一直線!
- 玄白さん
こんにちは!旅人隊長です。
オーロラリベンジされたんですね。羨ましいです。
やはり、8月9月は天候も不安定なんですね。
私も昨年のフェアバンクス以来リベンジを狙っているのですが…
行きたきゃ1人で行けと言われ、以来暑い東南アジアばかりです。
湖面や川に写り込むオーロラ、憧れますね。
玄白さんの旅行記拝見して、またぞろオーロラ見たい病が発症しそうです。
ところで、私も経験しましたが、5回目6回目の猛者が多数いて、一度ハマると…危険な兆候かもですね。
ツンドラも紅葉、楽しみにしています。
旅人隊長
- 玄白さん からの返信 2015/09/07 22:33:43
- RE: オーロラ猛者一直線!
- 旅人隊長さん、こんばんは
やっぱり、冬に比べると晴天率は劣りますね。しかし、例年だと8月下旬から9月上旬は、晴れる日もあるんですがね。9月中旬以降は雪が降り始めるのでダメですが・・・
こんなに雨や曇りが続くのは珍しいと現地の人が言ってました。このまま、引き下がるわけにはいかないと思いつつも、先立つものをどう工面するか!が大きな問題。なにしろ、すでに年金生活なもので・・・・
玄白
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- こあひるさん 2015/09/05 21:38:24
- オーロラ病
- 師匠、こんばんは。
オーロラ、前回のものは不満足に終わったんですね〜。
今回は、リベンジでオーロラだけを追いかける撮影旅行・・・。それほどオーロラは魅力的なのですね。そして・・・思い描くような素晴らしいオーロラを求め始めると・・・満足できるまで追いかけたくなる・・・。
天気などの条件のタイミングもあるし、ベストを求めるとハマりそうですね。しかし・・・オーロラを見に行くのは遠いし、気候も日本人には厳しい中での撮影、師匠のバイタリティには脱帽です。
けっこうオーロラの動きが激しいのに驚きました。
こあひる
- 玄白さん からの返信 2015/09/06 21:16:23
- RE: オーロラ病
- こあひるさん、こんばんは
自然相手では思うようにいかないことはわかってはいるのですが、大枚はたいて満を持してのオーロラハンティングが天気の女神にそっぽを向かれて、やっぱり「くやし〜い!!」気持ちでいっぱいです(^ ^);
現地の人の話によると、今の時期にこんなに雨が続くのは珍しいと言ってました。前回のアラスカも、今回のユーコンも異常気象に苛められっぱなしです。
オーロラ病には免疫が利きそうもないです。治癒するのはいつになることやら・・・・
玄白
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