2015/08/28 - 2015/08/31
12位(同エリア64件中)
玄白さん
ひたすらオーロラとツンドラ紅葉を撮影する旅で、一般的観光はいっさいプログラムに含まれていないツアー。オーロラ撮影地はホワイトホースとドーソンシティの2箇所。ホワイトホースとドーソンシティは500km以上離れていて、クロンダイクハイウェイなる所々砂利道の道路をバスで往復するのだが、片道で一日がかりの移動である。途中、景色のよいビューポイントに立ち寄り、撮影しながらのドライブである。
ツアー日程の概略は以下の通り
8月27日 成田よりバンクーバー経由でホワイトホースへ。
当日23時よりオーロラ撮影
8月28日 バスにて北米最後のフロンティア、ドーソンシティへ移動
夜中にミッドナイトドーム山頂上にてオーロラ撮影
8月29日 ロケハンをかねてツンドラ紅葉のポイント、トゥームストーン準州立公園へ。23時、ドーソンのユーコン川河畔にて3回目のオーロラ撮影
8月30日 寝る間もなく、早朝4時半に再びトゥームストーン準州立公園へ。
グリズリー山脈のモルゲンロートとツンドラ紅葉撮影
9時ごろホテルに戻り、夜のオーロラ撮影に備え、仮眠など。
23時、ユーコン川河畔にてオーロラ撮影
8月31日 クロンダイクハイウェイをひた走りビューポイントで撮影しながらホワイトホースに戻る。夜は、シュワカ湖畔にて最後のオーロラ撮影
9月1日 早朝4時にホテルをチェックアウトし、帰国の途へ 翌日成田着
以上の通り、一般的観光などはなく、ひたすらオーロラと紅葉の撮影のためだけの実にストイックな旅行スケジュールである。
以下単純な時系列ではなく、内容によって5編に分けて旅行記を作成したいと思う。
(1) オーロラ編 (http://4travel.jp/travelogue/11049575)
(2) ツンドラ紅葉編(http://4travel.jp/travelogue/11050138)
(3) ホワイトホース街歩き編(http://4travel.jp/travelogue/11051886)
(4) クロンダイクハイウェイドライブ編(本編)
(5) ゴールドラッシュに沸いた北米最後のフロンティア、ドーソンシティ編
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス
-
8月28日
昨夜のオーロラ撮影は雨で不首尾に終わってしまい、次なる撮影地ドーソンでの撮影に期待して一日がかりの移動。
今回のツアーでの移動に使われた大型バス。大掛かりな撮影機材持参の人もいるので、一人2席利用のゆったりスペースである。未舗装道路も走るため車体は泥だらけ。
運転手のRonさんとトイレ休憩タイムのとき、立ち話をした。彼は生まれも育ちもホワイトホースで、車の運転歴40年、走行距離100万kmだが無事故だと自慢していた。今は定年退職し、週3日だけアルバイトでツアーバスの運転をしているという。
どんな悪路でも安心して運転を任せられそうだ。(Ronさんの写真は取り忘れた) -
今回のツアーでオーロラを中心に撮影指導、撮影ポイントへの案内をしていただいたホワイトホース在住のプロカメラマン谷角靖さん。20代で脱サラし、単身カナダに渡ってスキーやカヌーのインストラクターをやっていたそうだ。ある時父親譲りのカメラでオーロラを撮影して、その美しさに魅せられ本格的に写真を勉強し、プロカメラマンとしてオーロラ撮影を手がけるようになったという。現在では、オーロラだけでなく世界中の絶景を撮影する気鋭の風景写真家として活躍している。ここには書き切れないことも多々伺ったが、実に濃密な人生を送って来られた方である。
(インターネットへの写真公開は、本人了解済み) -
現地で手に入れたユーコン準州の地図上に、今回のツアーで訪れた場所を記載してみた。
ホワイトホース(Whitehorse)、ドーソン(Dawson City):オーロラ撮影地
カーマックス(Carmacks)、ムースクリーク(Moose Creek):ドライブ途中の休憩ポイント
ファイブフィンガーラピッズ(Five Finger Rapids)、ペリークロッシング(Pelly Crossing)、グラヴェル湖(Gravel Lake)、ティンティナトレンチ(Tintina trench):絶景撮影ポイント
ツームストーン準州立公園(Tombstone Territorial Park):ツンドラ紅葉撮影ポイント
地図にスケールが記載されていないが、経緯度の線は2度間隔なので、ざっくり計算するとカーマックスの緯度62度を平均値として、経線間の距離が104kmに相当する。 -
最初のトイレ休憩兼ランチは、カーマックスのドライブイン。
正面の建物が売店になっているが、建物自体も売りに出ている。
我々は右の青い屋根の小屋の中での昼食。
出てきたのは、日本のコンビニ弁当のようなとんかつ弁当。ホワイトホースには、いくつかの日本食レストランがあるので、そのうちのどこかで調達してきたようだ。 -
食後、ドライブインのすぐそばを流れているユーコン川のほとりに行ってみた。
対岸にはタイガ特有の尖った樹形の針葉樹、おそらくspruce tree (和名クロトウヒ)だろう。
夏場には、ホワイトホースからドーソンシティまでカヌー下りが人気のアクティビティだそうだ。2週間かけての川下りで、ここカーマックスは、食料などの補給する拠点なのだそうだ。 -
針葉樹が多いが、結構野鳥のさえずりも聞こえる。
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昼食を済ませて、再びクロンダイクハイウェイを北上。
直ぐに、「この先2kmがファイブフィンガーラピッズ((Five Finger Rapids)」という標識が現れた。ただし、今日は天気が悪く見通しがよくないので、帰りに寄ることにして通過することに。
バスのフロントガラスにひびが入っている。運転手のRonさんに、修理しないのかと尋ねたら、砂利道を走るので、小石が当たってすぐにひびがはいってしまう。しばらくほうっておくのさという返事。 -
2回目のトイレ休憩。
ムースクリークロッジという小さなカフェ&土産物店。名前の通り、至る処にムース(ヘラジカ)の角が飾られている。 -
そばで見ると巨大な角である。
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風見鶏ならぬ風見ムース
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車のボンネットにも。
ナンバープレートは取り外されているので廃車ではあろうが・・・ -
小屋の土産物コーナーに立ち寄ってみた。なにか、土産になるような目ぼしいものはないか探してみると、こんなものを見つけた。
カナダといえば、メープルシロップを思い浮かべるが、これはバーチシロップという代物。ユーコンは寒冷地のためメープルシロップの材料となるサトウカエデは育たない。その代わりに Paper Birch(和名アメリカシラカバ)という木の樹液から作られたシロップなのである。メープルシロップは原料の樹液を1/40に濃縮するのに対して、バーチシロップは1/100まで濃縮しないと糖度が上がらないのだそうだ。
「独特のクセがある大人の味なので、ホットケーキにつけるより料理の味付けに使う方がよいですよ」とは店員さんの説明。
帰りにここに立ち寄れるか定かではなかったので、土産に買ってみた。
(最終日にホワイトホースのスーパーをのぞいたら、同じものを売っていた。値段は同じだったので、このカフェは良心的な値付けをしている) -
再び、クロンダイクハイウェイを北上。ときどき小雨がぱらつく。果たして今夜はオーロラは見られるだろうかと心配になる。
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15分ほど走ったところで、本日はじめての撮影ポイントに立ち寄る。Gravel湖という湖の畔である。
谷角さんによれば、天気がよい風のない日は、空の青と湖岸のアスペンの黄葉の水面への写り込みがすばらしい絶景なのだが、今日のこんな天気ではね〜とのこと。
それでも、一応15分ほどの本日初の撮影タイム。 -
ホワイトホースよりだいぶ北に来たので、アスペンの黄葉はだいぶ進んでいる。ただし、空はどんよりと曇った鉛色なので、写真としてはイマイチである。
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イチオシ
風があるので、水鏡にもなっていない。
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足元を見ると、こんな花が咲いていた。
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短い撮影タイムが終わり、あとはドーソンまでひた走り。
午後7時前にドーソン着。
午後11時に、郊外のMIdnight Domeという小高い丘のような山の頂上でオーロラ撮影。
これについては
「オーロラとツンドラ紅葉を求めて極北の大地ユーコンを行く(1)オーロラ編」参照。 -
8月31日
ドーソンでは三日のうち奇跡的に一日だけオーロラが見えたが、二日間は曇ってしまった。消化不良のままにホワイトホースに戻る日になってしまった。
癪に障ることに、この日の朝になって青空が広がった。
クロンダイクハイウェイを再び、ホワイトホースに向けてひた走る。
ドーソン郊外のバスの車窓からの景色。やはり、雄大なユーコンの大地の風景は青空が似合う。 -
イチオシ
ユーコン川に流れ込む小さな支流が、次々と現れる。道端のヤナギランは花は終わっているが、紅葉はまだである。ツームストーンでは、すでに紅葉していたが・・・
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イチオシ
20分ほど走ったところで、本日の最初の絶景撮影ポイント、Tintina Trenchという場所へ。
なだらかな広く浅い谷がはるか彼方まで続いている雄大な景色である。画面中央に小さく写っている雪を被った山並みは、一昨日ツンドラ紅葉の撮影で訪れたツームストーン準州立公園の山並みである。
この展望台にあった説明板によると、この谷はアラスカまで続く少なくとも450kmの長大な断層で、800万年前に断層に沿って岩盤がずれて出来た地形だという。
日本の各地の断層とはスケールが桁違いに大きい。 -
Tintina Trenchは、クロンダイクゴールドラッシュの一翼を担った場所でもある。金はほとんど採掘され尽されたようだが、現在でも銅、銀、鉛、亜鉛などの鉱物資源が豊富に埋蔵されているという。
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それにしても雄大な眺めである。なだらかな山裾はトウヒの林があり、谷底にはパッチワークのようにアスペンの黄葉が散在している。
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イチオシ
ズーム倍率を変えながら、同じところで何度もシャッターを押してしまう。
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撮影に夢中のツアーの面々。
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花が終わり綿毛のようになったヤナギラン。ここは少し標高が高いので、すでに紅葉している。
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帰りもムースクリークカフェに立ち寄り、ここでランチタイムだ。
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今日のランチはこれ。サンドイッチとスープと野菜スティック。生のニンジンとセロリである。ワイルドというか何といったらよいか・・・・
グルメツアーではないから、こんなものかな。 -
40分ほどのランチタイムが終わり、ホワイトホースへのドライブ再開。
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次に立ち寄ったのは、ペリークロッシング(Pelly Crossing)という展望が利く高台。
川はユーコン川本流ではなく、支流のペリー川。 -
小さな集落が見える。Pelly Crossingという町である。ホワイトホース〜ドーソン間の500kmに及ぶクロンダイクハイウェイ沿いには、行きに立ち寄ったカーマックスと、ここペリークロッシング、他にスチュワートクロッシング(Stewart Crossing)という小さな町があるだけで、後は無人の広野である。
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同行の谷角カメラマンによると、ドーソンに向かった3日前より黄葉が進んでいると期待していたのだが思ったより進んでいないという。
たしかにまだ黄葉し始めたばかりという感じである。 -
ところどころ、黄葉している部分もあるのだが・・
午後になって、また曇ってしまった。黄葉が進んでいて、日がさしていれば、広大なアスペンの森が黄色の絨毯を拡げたような絶景になるのだがな〜。
今回の撮影ツアーでは、オーロラも、ツンドラ紅葉も、クロンダイクハイウェイ沿いの絶景も、ことごとく思惑が外れてしまっている。
自然相手なので、当方の思惑通りに行かないことはわかっていても、やっぱりくやし〜い。 -
イチオシ
それでも、雲の切れ目から少し日が射すと、川面がキラキラと輝いて絶景の片鱗がうかがえる。
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道端には赤い実をつけた潅木がある。
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ホワイトホースのFish Ladderの見物に行ったとき、森の中で見つけたローズヒップだった。
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花の名前は???
日本にも同じ花があるのだろうか? -
さらに一時間ほど走り、Five Finger Rapidsに到着。
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展望台からのユーコン川の眺め。ここからではよくわからないが、5本指のような形で川の中に岩が並び、流れが急に早くなっている場所なので、こんな名前が付けられた。
かつてのゴールドラッシュ時代にホワイトホースからドーソンに物資や人を輸送する船にとって、最も危険な難所だったそうだ。 -
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この高台から下の樹林帯の中に続く階段があった。その先にハイキングトレイルがあり、川のほとりまでいけるそうだ。こんなところを歩けたら爽快だろうな〜。
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間近にみるアスペンの木。確かに幹は白く葉っぱの形も白樺に似ているが、白樺より葉っぱが小さいのが特徴だ。
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Five Finger Rapidsから少し走ったところで、カーマックスに至る。ドーソンに向かうときに立ち寄ったドライブインとは別の場所である。ここでトイレ休憩。
小さなスーパーマーケットと・・ -
モーテルと・・・
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ガソリンスタンドが揃っている。ホワイトホースからドーソンにカヌーで川下りをする人達は、ここで食料、水などを補給するらしい。
スーパーで土産物ショッピングをということだったが、大したものは売っていないので何も買わず。
ガソリンは1.399ドル/Lと意外に高い。カナダ全体で高いのか、こんな辺鄙なところだから高いのか? -
ホワイトホースが近づくにつれて、天気はどんどん悪くなっていく。郊外の山の上は吹雪いているように見える。どうやら、今夜の最後のオーロラ撮影も絶望的な状況になってきたと、暗澹たる想いをいだきながらホワイトホース入り。
今宵の宿、Westmark Whitehorse Hotelにチェックインするころは冷たい雨が降り続いていた。
ツアー最後の晩餐はホテルから歩いて直ぐのWood Street沿いにある「Sakura Sushi」という寿司屋。鮨だけでなく、天ぷらなど日本料理全般のメニューあり。
ツアー仲間との談笑に忙しく、写真は取り忘れた。
オーロラ撮影の時間になっても、雨は止まない。それでもツアーの面々は万が一晴れるかもしれないということで、バスで初日と同じシュワカ湖に出掛けたが、玄白は無駄足となること間違いないと思い、早々に寝ることにしたのであった。
翌日、話を聞くと12時半ごろまで粘ったが、雨がやまず撮影できなかったとのこと。
翌日は、朝4時起きして空港へ。
かくして、雨に祟られたオーロラ撮影ツアーは終了した。
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