2014/11/13 - 2014/11/14
661位(同エリア3243件中)
玄白さん
11月の山中湖ロッジ滞在編の後編です。河口湖もみじ回廊のライトアップを見た翌日も遠出です。この日は山中湖→御殿場→裾野→富士宮→朝霧高原→山中湖と富士山山麓を一周するドライブです。星空撮影場所の下見も兼ねて昼に代表的な富士山ビュースポットを巡り、夜、もう一度同じコースを巡り色々な方向からの夜の富士山と星空の撮影です。夜の部は、連れ合いはとても付き合いきれないと言ってロッジで留守番です。今回初めて朝霧高原で車中泊なるものを体験しました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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11月13日
山中湖ロッジに来ると日の出前に起き出し、朝食前に紅富士を撮影に行くのが日課になってきた。この日も朝4時半起床。
今朝の撮影場所は2週間前にダイヤモンド富士を撮影した平野の湖岸。まだ日の出まで1時間あるが、空は明るくなり始めて星景写真撮影には明るすぎる。明け方の無風状態で湖面は滑らかで逆さ富士が映りこんでいる。 -
山梨県のこの日の日の出の時刻は6時19分。五分後には富士山にご来光が当たっているが、今日はちょっと控えめな紅富士。条件が良いと、本当に赤く染まるらしいのだが、まだ真っ赤に染まった富士山にはお目にかかれていない。
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まあ、これぐらい染まれば紅富士と言ってもいいだろう。
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イチオシ
紅富士の撮影が終わり、引き上げようとしたとき、白鳥が近づいてきた。餌をねだりにきたようだ。山中湖の白鳥は観光客に餌付けされているので、人が岸に近づくと寄ってくる習性が身についてしまったようだ。
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若鳥も参加してきた。残念ながら餌になるようなものは持ってきていない。白鳥君たち、ゴメンよ。
予定時間オーバー。急いでロッジに戻り朝食。
今日は、これから富士山の裾野を一周するドライブに出掛ける。コースは籠坂峠を越えて御殿場に入り、富士山スカイライン経由で富士宮、国道139号を北上して朝霧高原へ、鳴沢村を通り3時頃には山中湖に戻り、2週間前に引き続きダイヤモンド富士の撮影という予定。 -
まずは御殿場市の郊外の田園地帯をうろうろ。平凡な田園風景が広がっているだけなのだが・・・
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目的は富士山の頂上に沈む下弦の月を撮影すること。太陽が富士山頂上にかかるのをダイヤモンド富士と呼ぶのに対し、月の場合はパール富士というのだそうだ。厳密にはパール富士と称するには満月でなくてはならないらしいが、満月が富士山頂上にかかるシーンにめぐり合えるチャンスはめったにない。ダイヤモンドよりパールのほうが希少価値が高いのである。
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月が富士山頂上に向かって沈んでいく様子を3分間隔の多重露出で撮影してみた。一つ前の写真はその中の一枚。
吹きっさらしの田んぼの中の農道なので強風で微妙に三脚が動いてしまったようだ。失敗!
こういう写真を撮るにはよほど頑丈な三脚が必要なのか・・・ -
イチオシ
沈む瞬間をアップで。
30分以上前から準備、セッティングして沈む瞬間を待ち構えている様子を見て、連れ合いがボソリとつぶやいた一言
「富士山に月が沈むのがそんなに面白いの?」
「・・・・・」 -
御殿場市内から富士山スカイラインを通って富士宮方面へ。
裾野市の富士山南麓の2合目、標高1500mのところにある水ケ塚公園。ここも富士山ビューポイントである。
400台収容の広大な無料駐車場がある。夏の富士山登山シーズン中は5合目に至る有料道路がマイカー規制されるので、登山者は、ここに駐車して、シャトルバスで5合目に行くことになる。
この時期は富士山は閉山し、紅葉も終わりかけているので訪れる人はほとんどいない。売店も営業していない。 -
イチオシ
ここから眺める富士山は山梨県側とは違った姿だ。正面に宝永火口がパックリと口を開け、荒々しい一面を見せている。
スマホの磁石アプリで方位を確認すると、北極星は富士山頂上より右側に少しずれている。 -
富士山スカイラインをさらに5kmほど走り、富士宮市に入ったところに西臼塚駐車場がある。ここは登山シーズンのマイカー規制のとき、水ケ塚公園駐車場が満車のときの予備のマイカー駐車場として使われるようだ。
トイレとバードウォッチャー用の観察小屋があるが、売店はない。 -
イチオシ
わずか5kmしか走っていないが、富士山の形は水ケ塚公園で見る姿よりずいぶん変わっている。宝永火口は隠れ、宝永山だけ見えている。午前11時を過ぎ、気温が上がってきて富士山の稜線には雲が湧いてきた。
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ほとんど木々の葉は落葉しているが、一本だけ紅葉が残っている。
方位を確認すると、北極星は今度は富士山頂上より左側にずれている。水ヶ塚と、西臼塚の間は道路沿いは林で覆われ富士山が見通せるところはない。つまり、富士山スカイライン上では、富士山頂上に北極星がある位置関係で星景写真は撮れないということだ。少しずれていても、どちらかで撮影するしかないかな。 -
さらに走ると、国道139号に出る。ここを北上し朝霧高原方面に向かう。
しばらく走ると、やがて開けた牧草地帯に出る。このあたりが朝霧高原。
こちら側から見る富士山は、頂上から裾野まで連なる侵食谷が山腹に深く刻み込まれているのがよくわかる。大沢崩れである。最大幅500m、深さ150mの巨大な侵食谷で、今でも一日あたり275tの岩が崩れ落ちているという。 -
朝霧さわやかパーキングという駐車場がある。ここに車を止めて100〜200mほど山梨県方面に歩いていくと、朝霧高原の代表的風景が広がっている・・・
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朝霧高原の代表的風景といえば、これ! 富士山をバックに牧草地でのんびり草を食む牛たち。牛は景色の一部となる”景観動物”の最たるものだ。こんな風景を眺めていると、昨年夏に訪れたスイスを思い出す。
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イチオシ
一頭の牛君がカメラ目線でこちらを向いてくれた。
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さらに北上し、道の駅朝霧高原へ。
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建物は牧舎風
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ここで遅めのランチ。注文したのは、平日一日限定7食のハンバーグランチ。”限定”という言葉に弱い連れ合い、「何が何でもこれを食べたい、早く行かないとなくなっちゃう」とせかされてきたが、味はまあ普通であった。
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道の駅敷地内に富士山展望台がある。
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展望台からの富士山の眺め。雲ひとつない快晴が午後も続いている。
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紅葉と富士山
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静岡県随一の酪農地の朝霧高原に来たからには、連れ合いにとっては、これが欠かせない。連れ合いの評価は「合格!」
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焼酎で渋抜きした渋柿。最近は渋柿が出回ることはほとんどなくなったので、迷わず購入。夫婦揃って渋柿大好き人間なのである。
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午後3時、山中湖に戻り、2週間前に引き続き、ダイヤモンド富士の撮影。前回は平野が撮影ポイントだったが、今回は撮影ポイントは長池親水公園から500mほど西へ行ったあたり。
となりで撮影している若いカップルはヴェトナム語を話している。世界遺産に登録されたこともあって、富士山の撮影に来るカメラマンは国際色豊かだ。
そういえば、旅行記には書かなかったが、前回の平野の撮影では日本の風景に魅せられてアメリカから来たという熟年夫婦に出会ったっけ。彼に見せてもらった朝焼けの雲が空一面に広がった富士山の写真はすばらしかった。 -
3時35分、まもなく太陽が富士山頂上にかかり始める。
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瞬く間に半分沈み・・・
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太陽全体が沈んでしまった。
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太陽が沈んだ頂上付近をジェット機が飛行機雲を引いて飛んでいく。
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花の都公園の近くの、いつものスーパー「オギノ」で買出しをしてからロッジに戻る。
自宅では時々夕食を作るのだが、ロッジではすべて連れ合い任せだった。今回、ついにキッチンデビュー! (連れ合いが撮影) -
今宵はまた星景写真撮影に車で出掛けるつもりなので、飲まなくても済むようなメニューということで、ベーコンたっぷりのカルボナーラを作る。余った生クリームでデザート用にパンナコッタも作った。他にいただき物のレトルトのボルシチとベビーリーフの野菜サラダで簡単に済ます。
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夜の撮影行脚に出発。
まずは平野へ。今日は月の出が10時半ごろなので、星景写真はそれまでの勝負だ。 -
宵の口は、富士山周辺は飛行機がけっこう飛んでいる。自衛隊機かな?
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40分露光に相当。いつものとおり、30秒のバルブ撮影を繰り返し、明コンポジット合成した写真。
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昼間下見をした富士山スカイラインへ。水ケ塚公園は、予想外に駐車場の照明や売店自動販売機の明かりが邪魔で星景写真には不適だった。
西臼塚駐車場に移動。ここは、真っ暗で星景写真撮影には最適の場所だ。すでに2組の星景写真撮影目的のグループが撮影にいそしんでいた。
バルブ撮影しているはずなので、ライトはつけず、手探りでカメラのセッティングをする。 -
イチオシ
北極星を中心に周回する星の軌跡と富士山。
もう少し富士山頂上と北極星を近づけたいところだが、2合目の標高では無理。夏の登山シーズンに5合目まで登らないと ダメなのかな。 -
東の空にレンズを向ける。月の出が近づいてきたので、地平線付近が明るくなってきた。
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東の空に上ってくる星の軌跡
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少しアップで星空の下の富士山
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宝永山も入れて撮影
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西の空には夏の星座と天の川。天の川をもっときれいに写すには、明るい単焦点レンズが欲しいな〜
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スバル(プレアデス星団)を望遠レンズで撮ってみた。肉眼では視力1.0の人でも7〜8個の星しか見えないが、デジカメではわずか4秒ほどの露光でも30個以上の星が写っている。最近のデジカメの高感度化、恐るべし!
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朝霧さわやかパーキングにて。
すでに月が昇っている。 -
富士山とオリオン座
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ここでも、星の軌跡を写してみた。
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望遠レンズでオリオン大星雲を狙ってみた。天体望遠鏡写真のようにはいかないが、意外とよく写るものだ。
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日付が変わり11月14日。
道の駅朝霧高原に移動。一旦山中湖ロッジに戻って出直してもよいのだが、往復50kmほどあるので、ここで夜明けまで待つことにしよう。いわゆる車中泊なるものの初体験だ。アラスカに行ったときの防寒着を着込んでいたが、明け方になるとそれでも結構寒い。やはり、ワゴンタイプの車で寝袋持参でないと車中泊は厳しい。
明け方6時。東の地平線が茜色に染まりマジックアワーが始まった。 -
太陽が昇るのは、ここでは頂上ではなく、右側の山裾から登ってくる。ダイヤモンド富士ではないが、よしとしよう。
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期待したほどの朝焼けにはなりそうもない。
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もう少しで太陽が顔を出す時間だ
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イチオシ
富士山からの日の出!
朝8時に山中湖ロッジに帰還。以下はおまけ
今日の昼は、昇仙峡の紅葉を見に行こうと10時頃、出発。 -
しかし、昇仙峡についてみるとすでに紅葉は終わっていた。観光案内所やネットの情報ではまだ見頃だという情報だったが、ウ〜 ン残念! 一気にテンション下がり写欲はまったく湧かない。
昇仙峡入り口の蕎麦屋で新そばを食べて昇仙峡を後にする。 -
せっかく遠出したので、ロッジのオーナー夫妻お勧めのほったらかし温泉という日帰り温泉に行ってみることにした。
場所は山梨市駅の北に10分ほど走って笛吹川フルーツ公園を通り、さらに登っていったところにある。カーナビの案内だと変な場所に連れて行かれるので、フルーツ公園を目的地にして、そこから道路案内標識に従って進めばよい。 -
1999年に地元の人数人の有志で高齢者向けの保養施設を作ろうとして温泉を掘り当てたという歴史が浅い温泉である。バブル崩壊で保養施設建設計画は頓挫したが、掘り当てた温泉だけ生かそうということで、簡単な露天風呂と粗末な脱衣小屋を作って無料開放していたそうだ。料金は取らない、サービスはしない、何もしない、ほったらかしにしていたのでほったらかし温泉と名づけたということらしい。
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源泉は2つある。風呂はそれぞれの源泉を使って2つに分かれている。どちらも内湯と露天風呂がある。最初に掘り当てられた温泉が「こっちの湯」、4年後に掘り当てられた「あっちの湯」。いずれもpH9〜10という強アルカリの単純泉で、入ると肌がぬるぬるし、湯上りはすべすべになるという、いわゆる美人の湯である。両方入るためには、一旦服を着て、入場券を買いなおさなければならない。今回は、広くてアルカリが強い「あっちの湯」へ。
当初は、源泉賭け流しだったようだが、次第に有名になり、入浴客が増えてからは循環式に変わったようである。 -
有名になるにしたがって、売店やら食堂が別々に立て増されたので、敷地内に小さな建物が散在している。
売店の軒先につるされていた干し柿がうまそうだ。 -
ロータリーにはこんな木彫りの亀の像が置かれている。この田舎臭いセンスが、なんとも言えない。
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軽食が食べられる野外食堂。普通の日帰り温泉施設のように、ごろりと横になってくつろげる休憩室になっているわけではないので、ここで注文して、外のベンチで食べることになる。ただし、別のところに休憩小屋はある。
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この温泉の最大のセールスポイントは風呂から眺める絶景である。甲府盆地を取り囲む山並みの奥に富士山が顔を出し・・・
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手前には甲府盆地が広がっている。この絶景を楽しむために、ここの温泉では日の出一時間前からオープンし、夜10時まで営業している。朝日に照らされた富士山や、甲府盆地の夜景が露天風呂から眺められるのである。
景色は、露天風呂からの眺めが一番よいのだが、風呂場での撮影は禁止なので、施設内の敷地からの撮影。
今度来るときは、夜明け前か夜にしよう。 -
帰る途中、逆光で銀色に輝くススキがきれいだったので、一枚パチリ。
昇仙峡は残念だったが、野趣あふれるほったらかし温泉はたっぷり楽しめた一日だった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 琉球熱さん 2014/12/01 23:17:31
- すごい、すごい
- 玄白さん、またまた今度は凝った写真を・・・
富士山はやっぱり絵になりますね。
多重露光も、夜空の写真も、感嘆しきり。
いや〜、ほんとに凄い。
ウシと富士山も長閑な雰囲気で良いですね。
実に様々な富士山を見せていただきました。
いや〜、本当にすごい。
- 玄白さん からの返信 2014/12/03 13:55:16
- RE: すごい、すごい
- 琉球熱さん、こんにちは
いや〜 、”すごい”連発の過分のお褒めの言葉、恐縮です。
子供の頃は、富士山がいつも見えるところで育ちましたが、やはり富士山は数ある山の中でも別格ですね。富士山しか撮影しないというフォトグラファーがいるのも頷けます。幸い、気軽に富士山が見えるところに滞在できる条件(友人の別荘)を得ましたので、これからも折に触れて富士山撮影を続けようと思っています。
玄白
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