2014/07/07 - 2014/08/15
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icyfireさん
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2014年の夏山シーズンを振り返る。今年も高山植物を求めて登山旅行。花という観点で一番の思い出は岩手県の早池峰。この山にしか咲かない固有種の高山植物と出会いに平日弾丸登山。お天気にも恵まれてこれまで最高の花見登山となる。固有種のハヤチネウスユキソウやナンブトラノオ、ミヤマヤマブキショウマだけでなく、色とりどりの花の群生に感動した。
早池峰以外でも日本アルプスの高峰で多くの花を見ることができたので、それらも記録としてまとめてアップしたい。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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まずは7月の7日・8日で弾丸登山した早池峰から。
東京から公共交通機関を利用する場合、早池峰へのアクセスは簡単ではありません。東北新幹線を利用し、新花巻に出てからバスということになりますが、バスも途中で2〜3回乗り継ぐことになります。
しかし、ネットで「早池峰、登山」などと検索すると、平日宿泊でお得な送迎プランを提供しているホテルが見つかります。ステイヒルというホテルです。詳細はクチコミに書きましたが、コスト的にもアプローチ的にもこの平日パックを利用しない手はないでしょう。 -
ホテルのある大迫は、新幹線の新花巻駅から送迎バスで35分程度の距離にあります。ワインの生産地で、ブドウがたくさん。美味しいワインになってください。
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8日の朝は5:50発のバスで河原の坊登山口を目指します。レトロな路線バス。
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バスターミナルの事務所もレトロ。ストーブが岩手感を演出。夏だけど。
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約50分で登山口に到着。350円で携帯トイレを売っています。3つで1,000円という微妙に団体向けのプライシング。
天気図的には曇りかと思っていましたが、沖縄に来襲した台風の影響で梅雨前線が南に引っ張られたのか、この日の早池峰は晴れていました。ラッキーです。ただし、真夏の日差しと気温を覚悟しなくてはならないのは、登山開始時点で予想できました。 -
登山コースの序盤は、何度か渡河します。早池峰は蛇紋岩という珍しい岩でできた山で、この岩は濡れているととても滑りやすいので注意が必要です。まあ、渡河したりして進むのは楽しいのですが。
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ここからはしばらく、登りで使った河原の坊登山口からのコースで見た高山植物を連続してアップします。まずはセンジュガンピ。
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マルバシモツケ。
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シシウド。序盤は白い花が多いです。
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シャクナゲはあまり見かけませんでした。花の形のいいのはこれくらい。
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ミヤマオダマキ。岩場の道が沢から離れた辺りから現れます。色も形も特徴的で美しい花なので、これが出てきた時には喜んで写真を撮りまくっていました。が、高度を上げるにつれどこにでもたくさん咲いているので、そのうちありがたみがなくなるほどでした。
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そしてハヤチネウスユキソウ。早池峰の固有種です。エーデルワイスに近い花ということです。意外なことに、かなりの数の花が咲いています。固有種とはいっても、早池峰にはたくさん自生しているということです。現地の方々の保護活動のおかげもあるのでしょう。
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個人的に贔屓のハクサンチドリ。蘭の仲間で、普通はこのように赤紫色です。
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そして、珍しい白花のハクサンチドリ。早池峰には白いハクサンチドリがあることは事前のウェブ情報で知っていたので、これを見ようと探し回りました。
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チシマフクロ。本州の高山でよく見られるハクサンフクロに似ていますが、ちょっと違うらしい。チシマという枕詞がつく花が多いのも、岩手の山ならではなのでしょう。
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そして、固有種2つ目。ナンブトラノオ。ピンクの小さい花が集まって可愛いです。最初は固有種であることは知らずに写真を撮っていたのですが、他の登山者から教えてもらいました。
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ミヤマキンバイ。これは東北まで来なくても高山によく咲いています。黄色い花も種類が多かったです。
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タカネニガナ。菊の仲間ですね。これも本州中部の山でも見られます。
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ナンブイヌナズナ(黄色)とミヤマオダマキ(青)。ナンブイヌナズナは花勢が終盤でした。
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キバナノコマノツメ。これは個体数が多かった。目立っていました。
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チングルマは花が終わって毛がなびいていました。背景に向かいの山が写ったこの写真はお気に入り。高山植物らしさが出ているので。
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この写真も同様。ヨツバシオガマ。
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そしてこれも。写っているのは3つ目の固有種、ミヤマヤマブキショウマ。これもかなりの数が咲いています。固有種であるということは、下山後に花の名前を調べていた時に知りました。それまでは、いくらでも咲いていて珍しくない花だと思っていました。
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登山道は、基本的にこのような岩の道です。この両側にずっと高山植物が出現するので、右に左にと観察したり写真を撮りながら歩いていると、なかなか上に進むことができません。高齢の女性登山者にも追い抜かれる始末。
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登山道の後半には、このようなロープを使って登る場所も出てきます。
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そして、登山開始から2時間半ほどで登頂です。早池峰の山頂は結構広く、岩がゴロゴロしています。この日はよく晴れていて、四方を見渡すことができました。東側は、太平洋まで見えていたと思います(空の青と海の青が重なって、どこからが海なのかはハッキリと分かりませんでしたが)。
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完全に夏山の様相で、9時過ぎから雲が湧き上がってきました。しかし、頂上は晴れていました。
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山頂から南の方に稜線を少し下ると、大きなお花畑が出現します。ミヤマオダマキやハヤチネウスユキソウ、ミヤマシオガマなどがたくさん咲いています。これはミヤマアズマギク(薄紫の野菊のような花)とホソバイワベンケイ(キャベツのような花)。
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近くにあったミヤマアズマギク。登山道から山頂まで、かなりの数が咲いています。紫の濃いものからほとんど白花のものまで、色のバリエーションも結構ありました。
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チシマゼキショウ。これも山頂から南のお花畑に咲いていました。
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そしてハヤチネウスユキソウ。花びらに少し毛が生えていて、ふさふさ感が可愛い。山頂付近にも多く咲いています。
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登山道にも山頂にもたくさん咲いていたミヤマシオガマ。濃いピンクが美しい。青いミヤマオダマキ、白いハヤチネウスユキソウ、黄色のキバナノコマノツメ、そしてピンクのこの花。まさに色とりどり。
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白花のミヤマオダマキにも遭遇。
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ハヤチネウスユキソウとミヤマオダマキの群生。
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山頂に戻り、小田越に向けて下山を開始すると直ぐに、ミネザクラが。2輪ほど花が残っていました。7月の桜です。
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ここからは小田越方面への下山道での写真。イワウメ。この群生以外は見かけませんでした。終盤だったのかも。
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ミツバオウレン。小田越に向かう山頂付近の木道コース付近で咲いていました。
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ウコンウツギ。比較的希少なようです。
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ショウジョウバカマ。これも、ちゃんと咲いているのはこれだけしか見かけませんでした。
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一方、カラマツソウは、小田越へ下る道の山頂付近で大きなお花畑を形成していました。少し遠くから見ると、綿毛が緑の中に幾つも浮いているようでした。
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イワカガミも花畑状態。
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ホソバツメクサだと思います。カトウハコベという、これとよく似た珍しい花も自生しているらしいですが、今回は特定できませんでした。
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下山して早池峰を眺めます。本当に花の豊富な名山です。蛇紋岩という岩質と、東北の中でも北部に位置しながら日本海からは離れているので豪雪とはならない、そのような微妙で独特な環境のもらたす奇跡でしょう。大事にしていきたい自然です。
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ここからは7月27日、28日に登った南アルプスの甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳から。シナノキンバイ。アルプスの夏の黄色い花と言えばこれだと思う。
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タカネグンナイフクロは、チシマフクロやハクサンフクロに比べて色が濃い。
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ミヤマダイコンソウ。ミヤマキンバイやシナノキンバイと見分けにくいが、葉の形から判断。
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仙丈ケ岳の稜線で。コケモモ。終盤だったと思うけど、可愛い。
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同じく仙丈ケ岳の稜線で。アオノツガザクラ。南アルプスの女王と言われる仙丈ケ岳は、おおらかな山容でカールが美しいけど、稜線の花もとても豊富だった。
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タカネツメクサは甲斐駒、仙丈ともに多く咲いていました。
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ハクサンイチゲも。
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仙丈ケ岳はナナカマドが多く、白い花も多かったです。これが秋には真っ赤に紅葉するのでしょう。
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ここからは8月12日から14日で前穂高岳、吊尾根、奥穂高岳と縦走した時に撮った高山植物の写真です。写真はもっとありますが、自分の気に入っているものをアップします。これは吊尾根で見たオンタデを中心とした花々。
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イワギキョウは個体数が多かったです。断崖絶壁で撮影。
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同じくイワギキョウ。密集していて美しい。
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イワツメクサも多く咲いていました。明神岳方面の稜線と共に。
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コメススキは地味ですが、稜線の青空に映える植物だと思います。
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北アルプスの一部と木曽御嶽山にしか咲かないクマモグサ。
来年以降も、日本の生態系ホットスポットを代表する高山植物にできるだけ多く巡り合いたいと思っています。
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