2014/02/10 - 2014/03/16
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icyfireさん
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八ヶ岳は1つの山ではなく、実は山塊。山脈のようなものです。
その中でも、主峰の赤岳を含む南部は比較的険しい山容なので、雪山登山の対象としてはそれなりに難度が高いエリアです。一方、北八ヶ岳はロープウェイもあるし、山容も比較的たおやかとされ、初心者でも気をつければ雪山登山の対象とすることができます。
今年から雪山を始めた身としては、当然北八ヶ岳にアタック。まずは樹林帯や完全凍結した池をハイキングして雪山の景色を楽しみ、さらに北八ヶ岳で最高の標高を誇る天狗岳の制覇に挑みます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
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2月10日の月曜日、北八ヶ岳の北横岳から縞枯山、茶臼山と縦走して麦草峠までトレッキングです。今回のルートでの最高峰は北横岳の2,480mですが、2,240m地点までロープウェイで一気に上がることができるので、実際には200メートルくらいしか登りません。あとの山々も似たような標高で、縦走といっても100〜200mくらいの上り下りを繰り返すだけなので、あまりきつくないです。
今回の目的は、北八ヶ岳の原生林と雪が作る絶景を、ハイキングで楽しむこと。ピークハントではありません。
で、これがロープウェイを降りたところにある巨大啄木鳥の道標。ハイキングスタートです。 -
まずは坪庭といわれる溶岩地帯を通って北横岳山頂を目指します。この時期は、溶岩もすっかり雪ノ下。お天気に恵まれ、早速絶景です。目指す北横岳もきれいに見えています。
北横岳の坪庭 自然・景勝地
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風が作った模様を楽しみながら進みます。
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山頂までは基本的に樹林帯。ハイキングする人が多いので、雪は踏み固められていて歩きやすいです。
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で、1時間もしないで北横岳の山頂へ。取りあえず自画撮り。
ここは山頂の見晴らしがいいです。北横岳 自然・景勝地
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北横岳山頂から南八ヶ岳方面のパノラマ。一番高いのが赤岳(2,899m)。南八ヶ岳は男性的で荒々しい山容ですね。
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蓼科山方面。こっちの方は樹上にある程度の雪が乗っているようです。
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景色を楽しんだら、来た道を戻って坪庭へ。分岐を左に切って縞枯山を目指します。
縞枯山の山頂への道は、1本道で150メートルくらい一気に登るので結構ハード。今回のトレッキングで一番キツイところです。でも、周囲の木々には雪が乗っていて、北欧の森のイメージ。気持ちのいい道です。 -
縞枯山の山頂は見晴らしがよくないのですが、5分程度歩くと展望台と呼ばれる開けた場所に出ます。
北八ヶ岳らしい枯れた木々の奥に南八ヶ岳のパノラマ。 -
浅間山もよく見えました。雪をかぶった浅間山は、群馬県と長野県の県境方面では特別存在感があります。
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縞枯山から茶臼山方面の道では、北八ヶ岳らしい縞枯れ(シラビソなどの針葉樹が順に立枯れる現象)が見られます。青空に映えますね。
縞枯山 自然・景勝地
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茶臼山も山頂は開けていないのですが、展望台があります。やはり絶景ですが、似たような風景なので写真はカット。
茶臼山から250メートルくらい、針葉樹の巨樹の森の中を下ると麦草峠に着きます。雪景色が本当に美しい原生林です。夏の山のような匂いはしませんが、風の音や鳥の声は聞こえます。 -
標高2,100メートルの麦草峠にある、麦草ヒュッテが今日の宿。祝日前なのに、大雪で交通機関がマヒしたためか、宿泊客は私一人でした。親切なスタッフにお茶をいただいたりして、暇な時間はおいてある山岳関係の雑誌のバックナンバーを読んだりしてました。
麦草峠 自然・景勝地
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日没までは時間があるので、ヒュッテから白駒池までスノーシューでハイキング。北八ヶ岳らしい針葉樹の森を進みます。夏には苔生す原生林ですが、今は苔も草も岩も雪の下。とても歩きやすい。
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原生林の中を進みます。森には名前がついていて、よく管理されているようです。
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スノーシューハイキングをしていて出会うのは、森と雪の風景だけではありません。動物の足跡も多いです。これは野兎。思ったより大きい。
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蹄を持った動物ですね。カモシカか鹿でしょう。一頭だからカモシカかな。
樹林帯では鳥の声も聞こえます。谷川岳を登った時は、まったくの静寂の中でモノトーンの風景の中を修行のように進む登山でしたが、八ヶ岳は真冬でも生命の息吹が感じられます。 -
白駒池に到達する前にある、開けた場所は「白駒の奥庭」と呼ばれています。ここは動物の足跡もたくさんありました。吹き溜まりの雪の形も面白いです。歩いていて飽きない景色が続きます。
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白駒の奥庭はこんな感じです。雪の吹き溜まりが面白い恰好です。
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全面凍結した上に雪の積もった白駒池に到着。この標高では日本一大きな池(湖)です。トレースをつけるのがもったいないくらい綺麗でしたが。八ヶ岳ブルーとのコントラストを楽しみながら池ノ上をスノーシューハイキング。
白駒池 自然・景勝地
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雪上に落書き。絶景と森の自然を感じてヒーリング効果抜群なので、「ありがとう八ヶ岳」、「ありがとう白駒池」。
白駒池 自然・景勝地
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一日遊んで、ヒュッテに戻ってきました。
麦草ヒュッテの前面に広がる雪の広場と月。この日は月が綺麗でした。 -
夕食。川魚が美味しい。煮物や漬物も嬉しい。山小屋だと栄養価の高い食事がちゃんと取れてよい。テント泊だと、調理能力が低いのでどうしても偏る。
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ゆっくり寝て、7時半ごろゆっくりと2日目の行動開始です。
この日もお天気に恵まれました。昨日同様、この日のトレッキングコースでも雪が乗った木々の間を進みます。朝なので鳥の声が結構聞こえます。
とても気持ちのいいハイキングです。私は単独行でしたが、家族連れとかに超オススメ。冬の北八ヶ岳を体験しないのは本当にもったいない。北欧やカナダに旅行してる場合じゃない。 -
可愛いモンスターも出現。
ヒュッテから丸山を経由して、白駒池を見下ろす高見石というポイントを目指します。 -
1時間弱で高見石に到着。ここには山小屋があります。
高見石というのは、小屋の裏手にある岩の積み重なったところです。展望台のようになっています。澄み切った空気。高見石からの眺めも素晴らしい。右に白駒池と左奥に浅間山。 -
次は、今回のトレッキングで最高地点である、標高2,496メートルの中山を目指します。山頂直下にある中山展望台は、まさに天然の大展望台で、南アルプスから中央アルプス、木曽の御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、そして北八ヶ岳の蓼科山方面と、日本の屋根が完全に見渡せます。これは北アルプスと蓼科。
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南アルプス〜中央アルプス方面。
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存在感抜群の御嶽山。
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中山山頂からやや下ったところから見た天狗岳。左が東天狗岳で右が西天狗岳。後日山頂にアタックするつもりですが、この日はこちらは目指しません。高見石に戻り、軽く昼食を取って下山します。
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下山ルートは「賽の河原」を選びました。樹林帯が開けて溶岩がゴロゴロしているはずですが、この時期は雪の下。ところどころに見える溶岩と、まばらな木々が独特の景観を作っています。
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賽の河原では、狸か狐のものと思われる足跡に遭遇。
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あとは、沢沿いの樹林帯を一気に下って渋の湯の登山口へ。
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温泉で2日間の汗と疲れを流して、バスで茅野の駅まで出ます。東京へは中央本線の特急あずさで帰りました。
帰り際、他の登山客が騒いでいる方に行ってみると、渋の湯の旅館の裏にカモシカがいました。「お疲れさん、また来てね」と言われているようでした。そして、約5週間後に再訪します。 -
日付は変わって3月15日の土曜日。前回のトレッキングからこの日まで、大雪で交通機関がマヒしたり、週末も予定があったりしてなかなか登山のチャンスがありませんでしたが、この週末に決行。天狗岳を狙います。
東京から公共交通機関を使うとなると日帰りは厳しいので、16日の日曜日に茅野から渋の湯に朝一番で入るバスに乗ることを目指し、前日の夜に茅野に入って駅前のビジネスホテルに泊まります。 -
中央本線の車窓から見える富士山。この週末は快晴でした。
しかし、土曜と日曜には決定的な差があったのです。それは「風」。詳しくは後ほど。 -
茅野では、駅前のお蕎麦屋さんで夕食。前にも利用したことのあるお店ですが、てきぱきとしていて気持ちのいい店です。味も悪くないと思います。
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で、日曜になってバスで渋の湯へ。8時ごろに登山口着。天狗岳に登って下山する場合のコースタイムは6時間半から7時間程度となっているので、帰りのバスの最終分14:55に間に合うためにはコースタイムから遅れることは許されません。これがプレッシャーになっていました。
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いつもなら景色を楽しみながら余裕をもって登るところですが、時間に追われるように駆け上がりました。最初の分岐まではかなりの急坂だったのですが、ほとんど走るようにして登って他の登山者を抜きまくりました。
で、ちょっと余裕ができたので景色にも気を配る。強風のために樹上の雪がほとんど落ちてしまっていたのが残念でしたが、それでも針葉樹の緑と雪の白、空の青はすばらしい風景を作ってくれます。 -
苔の上にこんもり雪が乗っていたりして、可愛いものです。
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そして、稜線前のチェックポイントである黒百合ヒュッテに到着。走るようにして登った結果、ここまでのコースタイム2時間30分のところを1時間20分足らずで来てしまいました。当然汗だくで、小屋の前のベンチに座ってアイゼンを装着している間にその汗が凍りました。気をつけないと低体温症になるぞ。
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黒百合ヒュッテを出るとすぐに中山峠に到着し、そこから本格的なアタックになります。天狗岳もよく見える。
しかし、この稜線に出たとたんに恐るべき強風。写真で雪片が飛んでいるのがお分りでしょうか。天気予報では風速17メートルとなっていたらしいですが、確かに平均してそれくらいでしょう。瞬間的には20メートルを優に超えていたでしょう。雪山での強風、これは予想以上に厳しいものでした。雪片が顔に当たって痛すぎるので、バラクラバを装着。気合を入れなおします。 -
ところが、進むも何も強風でほとんど飛ばされそうな勢い。ほぼ同時に出発した若い男性2人組のパーティも、登山慣れしている感じの方は何とか進まれますが、もう一人の方は停滞気味。それを見ながら、「雪山初心者としては、ここは勇気ある撤退をすべきか」と迷いました。
しかし、せっかくここまでハイペースで登ってきたのに撤退しては、時間が余りまくって悲しい。行けるところまで行こうと思って登りました。結局この2人は追い抜いて、一人で進みました。
それにしても、風が右側(西側)から吹き付けるせいで、呼吸するのもたいへん。ピッケル持たずにダブルストックという夏山と同じ装備でも進めたのは、コースの大半で東側は尾根側になっており、風に煽られて一気に滑落する可能性が低い場所だったからに過ぎませんな。 -
トレースはついているし、3月ということで新雪パウダーではなくアイスバーンになっているためにアイゼンは利きます。しかし、踏み出した足が風で煽られて思ったところに着地できない。とにかく体中に力を入れて、踏ん張り続けていないと本当に飛ばされる。
途中、雪山慣れした感じの若い男性(ソロ)に抜かれましたが、この人が登っていくのが見えたのがよかったです。「意外と登れるものですよ」と実例を目の前で示してくれているようなものなので、それに付いていきました。
そして、中山峠でアタック開始してから1時間弱で東天狗岳登頂。達成感。
風速20メートルを超えると思われる烈風の中、一人山頂に立つ。 -
山頂から南八ヶ岳を望みます。やはり、主峰の赤岳(左)から中岳を挟んで阿弥陀岳(右)の姿は絵になります。
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北側に目を転じれば蓼科山。
強風でカメラを持つ手も振れるし、サングラスには自分の息に含まれた水蒸気が凍ってこびりつく状態なので、いつものように沢山写真を撮る余裕はなし。中央アルプスや南アルプスも見えていたのかもしれないけれど、今回は写真のために周囲をよく見回すよりも、風に耐えながら雪(白)と空(青)のコントラストを楽しむのが精一杯。 -
東天狗岳山頂から西天狗岳を望む。実は、天狗岳の最高峰は西天狗岳の方なのです(2,646m)。
私をスイスイ追い越して行ったソロ登山の男性は、実は西には向かわずにサッサと引き返していました。すれ違い際にお互い、「台風ですね」と声をかけたものの、私は「この人でも今日は西天狗には向かわないのか」と思っていました。
確かに強風だしトレースは消えているけれど、雪は締まっているからアイゼンは利きやすいし、煽られて倒れても直ぐに滑落しそうな道ではありません。 -
行くべきか帰るべきか山頂で迷っていると、途中で追い抜いた男性2人のパーティが登頂されました。お二人に尋ねると、西天狗岳を目指すとのこと。それでは、ということで私も出発。
予想通りアイゼンの利きはよかったですが、山頂直下の斜面では足首くらいまでのパウダースノーだったので、プチラッセルを強いられました。それより何より、風のせいで3歩進んで1歩下がるような状況。
それでも何とか西天狗岳山頂に到着。これで今年の冬の目標であった、天狗岳を制覇です。この時、めったに買わない山バッジを買おうと決めていました。 -
西天狗岳から南八ヶ岳方面のパノラマ。硫黄岳の爆裂火口が目立ちます。2013年の夏には、硫黄岳、横岳、赤岳、阿弥陀岳を縦走しました。その時も快晴に恵まれ、絶景を楽しみました。
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西天狗から東天狗を望む。山頂には後続パーティが到着した模様。それにしても、隣り合う2つの天狗岳の山容は大きく異なりますな。
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ここからは下山ですが、下山中も容赦ない強風に煽られ続けました。
完全に吹き飛ばされることはなかったものの、広めの道ではまっすぐに進むことを諦めていました。多少斜めに進むことになっても、コースを外れない限り進んだ方がましだという感覚です。
一応周回コースを通り、「天狗の奥庭」と名付けられた、溶岩のごろごろしているところを通過しました。
しかし、大きな溶岩程度ではまったく風よけになりません。休憩もかねて溶岩に背を預けながら寝転がり、やっと何とか少し楽になります。
なお、この道標にあるスリバチ池は、そもそも完全凍結した上に雪が積もっていて、強風の中では発見が難しかったと思います。自分が歩いていたら、地面が透明な氷になったところがあったので、恐らくスリバチ池の上を歩いたのだと思います。 -
気温は恐らく0度前後で比較的暖かかったのが幸いでした。マイナス10度とかだったら、一層過酷だったのは間違いありません。
そんな感じで苦労しつつも、快晴の下の天狗岳とそこからの眺望はは絶景。
結果的には登頂も果たし、心地よい疲労感と達成感でした。
結局、5時間かからないで登山口まで戻ってきてしまいました。風がなければもっと景色を楽しんだんだけど、今回はそれはできませんでした。 -
茅野駅の売店で、贔屓の地ビールを買って帰りました。信州ナチュラルビール。日本の山の伏流水は、ビールにしてもウイスキーにしても美味しいと思います。
雪山挑戦1年目の目標は、こうして達成されました。まだ残雪期はしばらく続き、東北や尾瀬、谷川山系の山々では5月まで雪山登山が楽しめると思います。もう1,2回、これらの山に行くかもしれません。
来年はどうステップアップしようか考えるのも楽しいものです。
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この旅行記へのコメント (2)
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- はにぃp8さん 2014/12/21 21:34:28
- うらやましいです
- icyfire様 はじめまして
この度はご訪問ありがとうございました。
八ヶ岳編を拝見させていただきました。
私は2年前 温泉旅行に行った際に見た
北アルプスの峰々に圧倒され
山が大好きなりました。
が、、ハイキングすら経験した事が無いのです。
そんな私がどうしたら
絶景を少しでも楽しめるか試行錯誤し
ロープウェイという手段で楽しんでおります。
icyfireさんの旅行記を拝見して
ただただ羨ましいに付きます。
そして
旅行記を拝見できることに感激してます。
同じ山でもその時に寄ってだいぶ様子が違うのですね。
私も次はもう少しあちこち歩けるように
安物ですが旦那とスノーシューを購入しました。
そしてもう一度 あのロープウェイに乗ろうと思ってます。
登山用品のウエアがもう少し安かったら。。と
用具から躊躇している夫婦です。笑
突然失礼しました。
また他の旅行記も拝見させてくださいね。
これからもよろしくお願いします。
はにぃp8
- icyfireさん からの返信 2014/12/22 09:49:48
- RE: うらやましいです
はにぃp8様
投票と書き込みありがとうございます。
私は雪山初心者ですが、雪崩の心配のあまりない山域で、天気がよい時を狙って登っています。安全第一ですし、天気が悪いと景色も楽しめませんから。
スノーシューいいですね。北八ヶ岳だけでなく、スノーシュートレッキングを売り物にしているところは多いようです。ウェブで検索するとすぐに見つかるでしょうから、試してみてください。
今後ともよろしくお願いいたします。
icyfire
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