2014/07/03 - 2014/07/03
350位(同エリア1519件中)
玄白さん
旭山動物園で半日過ごした後、いよいよ今回の旅行のメインのひとつである美瑛に移動します。
じゃがいも、麦、キカラシ、牧草など畑毎に異なる色々な作物が植えられたなだらかな丘が続く美瑛は、ヨーロッパの農村のような雰囲気が感じられる美しい田園風景が広がっており、いたるところがビューポイントになっています。畑の境界に植えられたカラマツ、ポプラなどの立ち木がワンポイントのアクセントとなって、一幅の風景画を見るようです。
特に美瑛町北西部エリアは、ケンとメリーの木、セブンスターの木、マイルドセブンの丘などコマーシャルフォトにも使われたエリアが点在していて、一大観光エリアになっています。どこまでも続く丘陵の畑はあたかもパッチワークのように見えるので、このエリア全体はパッチワークの路と呼ばれています。
このエリアでどうしても見ておきたい風景は夕日に照らされた赤麦畑です。風景写真家前田真三の代表作「麦秋鮮烈」の題材となった風景です。
概略日程
7月1日~2日 フェリーさんふらわーさっぽろにて大洗港→苫小牧港
道央自動車道経由で旭川へ ビジネスホテル1泊
7月3日~5日 半日、旭山動物園でかわいい動物達に癒され
美瑛をうろついて美しい丘の風景撮影、大雪山旭岳登山
レンタルハウス「絵織の丘」で自炊生活3泊
7月6日~7日 富良野の花々、星野リゾートトマムでゴルフと
のんびりリゾートライフ2泊
7月8日 屈斜路湖、摩周湖周辺観光、川湯温泉1泊
7月9日~11日 ウトロに滞在して知床の大自然満喫、 民宿3泊
7月12日 午前中、知床五湖散策、午後、鶴居村へ移動
ホテルTAITO1泊
7月13日~14日 釧路湿原散策 湿原の中心部キラコタン岬へのガイドツアー
餌付けされていない夏のタンチョウの姿を観察
釧路市内ビジネスホテル2泊
7月15日 苫小牧へ移動、途中池田ワイン城立寄り、船中泊
7月16日 午後、大洗港着、帰宅
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
PR
-
旭山動物園から旭川空港の横を通って南下し、通称「花人街道」と呼ばれる国道237号に合流し美瑛に向かう。
まずは、美瑛駅のロータリー広場に面したインフォメーションセンターで美瑛観光の情報を仕入れに行く。
写真は美瑛駅。 -
インフォメーションセンターで良いことを聞いた。美瑛駅近くの道の駅「丘のくら」の隣りにスタジオモリヤという写真店があり、そこで美瑛の風景撮影に適した撮影ポイントが記載されたマップを売っているという。¥60也。地元の写真クラブの人たちの手作りマップである。
普通のガイドブックは観光スポットの位置が記載されているのだが、セブンスターの木なんていう立ち木は、そばで撮影しても面白くもなんともない。少し離れた位置で撮影するほうが良いのだ。どの辺が撮影ポイントなのかはわからない。その点、このマップは美瑛の丘の風景撮影には重宝する。 -
撮影マップを片手に、さっそくパッチワークの路に入り、あちこち車で移動しながら美しい丘の風景撮影開始。
花人街道からパッチワークの路に入るとすぐにこんな風景が目に飛び込んでくる。ケンとメリーの木など今や有名観光地となっているポイントには駐車場が整備されているが、それ以外は駐車場はない。ただ、それぞれの畑には、トラクターやコンバインなどの農作業車を出入りさせるアスファルト舗装されたスペースがあるので、農作業中でなければ、このスペースに車を停めさせてもらえば交通のじゃまにもならない。 -
手作り感たっぷりのバス停が好い味を出している。どんなバスが走っているのだろうか? 時刻表なんてものはない。
-
イチオシ
広大なじゃがいも畑。7月上旬はちょうどじゃがいもの花が満開になる時期である。
そばによってアップの写真も撮りたいところだが、たとえ畦であっても畑の敷地に入ってはいけないことになっている。畑の土を踏み固めてしまうという問題以上に靴底についた病原菌を畑に持ち込む恐れがあり、農家に大変な損害を与えてしまうことになるからである。じゃがいもは特に外部からの病原菌に弱いのだそうだ。
”丘の風景の撮影は舗装された道路上で”というのが鉄則。 -
北西の丘展望台。ここはすっかり観光地化されていて、駐車場にはひっきりなしに大型の観光バスが行き来している。バスで乗りつける団体客の8〜9割は中国人観光客だ。
-
展望台からの眺め。靄がかかっていなければ正面に十勝岳が見えるはずなのだが、今日は残念ながら見えない。
-
パッチワークの路エリアは旭川市に近く、旭川空港に着陸する飛行機がたまに上空を飛んでいく。
-
ラベンダー初お目見え! まだちょっと時期が早い。来週あたりから見頃になりそう。北西の丘展望台そばの花畑にて。
-
キカラシの花畑。菜の花にそっくりの黄色い花で緑肥として栽培される。花の時期には畑全体が黄色の絨毯を敷き詰めたように美しい風景となる。北西の丘展望台のそばの畑に咲いていた。
美瑛でも最近は化学肥料中心になってきて、緑肥としてもキカラシを栽培する農家は減っているらしい。パッチワークの路では、ここ以外では目にすることはなかった。 -
-
ケンとメリーの木という名前が付いたポプラの一本木に行ってみる。
1972年に発売された第4代日産スカイラインのCMでケンとメリーという名のカップルを起用し、15番目のCMでこのポプラの木を使ったシーンが使われたことから一躍有名な観光スポットになった。 -
ケンとメリーの木のそばに「ケンとメリー」という名のペンションがあり、CAFE TREE TERRACEというカフェも営業しているので、そこで3時のお茶をすることに。
-
干草ロールでできた人形「ケン」と「メリー」がじっとこちらを見つめている。
-
美しい美瑛の丘を眺めながら、しばし、ゆったりとした時間を過ごす。
-
カフェの一角には、ケンとメリーのスカイラインが保存されていた。車には特にこだわりも興味もないが、そんな玄白が見ても、当時のデザインはアメ車のテイストが濃厚に出ている。この車が発売された当時は、若者にとって車、それもアメ車があこがれであったという時代背景が読み取れる。
-
カフェの敷地の中にトラクターも置かれている。
トラクターに乗り込んで記念撮影! -
麦とジャガイモの畑。同じ麦でも、春撒き小麦、秋撒き小麦、大麦と種類によって色合いが微妙に異なる。これが美瑛の丘の色彩に深みを与えている
-
イチオシ
なだらかな丘がどこまでも続いている。
-
カフェの花壇にはルピナスが植えられていたが、北海道とはいえ、さすがに花期は終わりつつある。
ケンとメリーの木のはるか遠くにうっすらと見えているのは、大雪山系の山並み -
カフェを出て、少し離れたところから見たケンメリの木。
美瑛ではあちこちにある丘の上の一本のただの木でしかないのだが、CMの撮影スポットになったというだけで、木に名前が付けられ観光ポイントになっている。 -
セブンスターの木がある方向に移動してみる。
写真店で手に入れたマップで、撮影ポイントマークが記載されているあたりでの丘の風景。 -
この付近もジャガイモ畑が多い。
連作障害を防ぐため、毎年作物の種類を変えるということが行われているので、来年の今頃は、ここの風景も違ったものになっているはずだ。 -
-
途中に小さな公園があり、美瑛北西部の北瑛地区の開拓に貢献した人士の銅像が建っている。
-
こんな具合に美瑛の丘を訪れた観光客たちが写真撮影をしている。
-
同じような写真ばかりで恐縮ですが、ぜひ拡大してご覧ください。
-
-
セブンスターの木。1976年にたばこ「セブンスター」のパッケージにこの木の写真が使われたことから、セブンスターの木と呼ばれるようになり、ケンとメリーの木やマイルドセブンの丘と並んでパッチワークの路の代表的観光ポイントになっている。
-
マイルドセブンの丘。
丘の上に整然と並んだカラマツの防風林と花が咲いたジャガイモ畑の取り合わせが絵になっている。
冬になると、一面の銀世界になり、カラマツ林の後ろに夕日が落ちて、とてもフォトジェニックな風景になる超有名な撮影ポイントである。 -
午後4時近くになったので、一旦パッチワークの路を撤収し、美瑛駅近くのスーパーで数日分の食材を買い込み、今日から3泊するレンタルハウス「絵織の丘」に向かう。
美瑛では、早朝や夕方にあちこちの丘の風景の撮影に出たいので食事の時間に制約されるホテルや旅館ではなく、貸別荘を借り、自炊することにした次第である。昨年のスイス滞在と同じノリである。
「絵織の丘」での生活の様子は、後続の旅行記にて。 -
「絵織の丘」にチェックインし、連れ合いが夕食の支度をしている間に、美瑛の丘の夕景撮影にふたたびパッチワークの路に戻る。
まず最初に行ってみたかったのは、夕日に照らされた赤麦畑である。 -
昼間見たマイルドセブンの丘の上のカラマツ林の裏側に位置するところに「赤麦の丘」というたて看板が立てられた赤麦畑がある。
-
ここは、舗装道路からでこぼこの農道を歩いて入ったところである。一般には農道は私有地である畑の一部で勝手に入ることは許されないが、ここの赤麦畑の農道は観光客が入ることが許されている。それはなぜかというと・・・
-
イチオシ
赤麦(正式名はタクネ小麦)は、昔は美瑛ではよく栽培されていたが、手間がかかり収穫量が少ないため、作付けする農家が激減してしまった。
しかし、赤麦畑を有名にした一枚の名写真がある。風景写真家の故前田真三氏の代表作「麦秋鮮烈」という作品がこの赤麦畑を題材にしたもので、この作品によって、北海道の無名の一農村に過ぎなかった美瑛を全国的に有名な観光地に押し上げたのである。この「麦秋鮮烈」の美しい風景を残そうと活動している「赤麦を守る会」のメンバーで唯一の生産者である高谷秀和氏が、赤麦のことを広く知ってもらおうという趣旨で、自らの畑を公開しているのである。 -
赤麦は7月中旬になると収穫で刈り取られてしまう。今回はちょうどよいタイミングだった。
なお、前述の「赤麦を守る会」は、単に赤麦の生産を絶やさない、拡大するということだけではなく、赤麦を使った地ビール、パスタ、ケーキなどの食材の開発、生産、販売を手がけ、いわゆる第6次農業で活動している人達の集まりである。
参考 http://www.biei.org/akamugi/ -
玄白が美瑛に行ってみたいと思ったきっかけは、「麦秋鮮烈」も収録されている前田真三の代表的写真集「丘の四季」を見て、その美しい風景に感動したからである。
しかし、悲しいかな、同じ夕日に照らされた赤麦畑でも、玄白が撮影するとこんな写真にしかならない。 -
夕日で朱色に染まった白いジャガイモの花
-
日が落ちるまで、まだ少し時間がある。赤麦畑では、夕日が落ちる西の風景にはいまひとつなので、急いで反対側のマイルドセブンの丘にもう一度行ってみよう。
-
イチオシ
何とか日の入りには間に合った。
-
イチオシ
ただ、今の時期は太陽が沈む方角は北に偏っていて、カラマツ林とは離れてしまっている。
それでも、西側の朱色の空と南の青空のグラデーションがきれいで、目の前に広がる満開のジャガイモの花との組み合わせがそれなりにフォトジェニックで、お気に入りのカットになった。 -
日が沈んで10分後のマイルドセブンの丘。
-
日が落ちてもまだ、畑では農作業をしている農家の方もいる。
-
日没後30分のマイルドセブンの丘。
旭川から撮影にきていた常連さんも撤収したので、そろそろ引き上げることにしよう。
翌日は、美瑛南東部のパノラマロード方面を巡る。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (4)
-
- 銭形幸一さん 2014/07/26 00:06:03
- 最初のハイライトですね!
- こんばんは。
私の社会人デビューが札幌で北海道、ドライブしたので興味津々で拝見しております。
その当時はデジカメもなく、写真撮ることにも関心がなかったことが残念でなりません。
マイルドセブンの丘、いろんな顔があるんですね。
赤麦、ジャガイモの花、まさに北海道らしい感じです。
夕方、朝焼けの時間は本当に色彩が綺麗。
こんな場所に一日中滞在して撮影できたらどんなに素晴らしいことだろうと思ってしまいます。
屈斜路湖、好きな場所です。
旅行記のUP楽しみにしております。
- 玄白さん からの返信 2014/07/26 10:34:38
- RE: 最初のハイライトですね!
- 銭形さん、こんにちは
いつもではありますが、今回も膨大な写真を撮りまくり整理に追いまくられています。残しておこうと思える写真は10枚に1枚くらい、さらに旅行記に使う写真は、そのまた半分くらいなんですがね。
数打ちゃ当たる式で撮影しているので、なかなか上達はしません。(^ ^);
というわけで、屈斜路湖、川湯温泉旅行記まではしばらく時間がかかりそうです。
玄白
-
- こあひるさん 2014/07/24 17:15:10
- 北海道だな〜〜!
- 師匠、こんにちは!
北海道らしいパッチワークの丘の連なり・・・広大で美しい・・・言葉が思いつかないです〜。
じゃがいものお花畑がとってもいいですね!緑の丘と白いお花が清々しくて美しいです。
夕暮れの赤麦畑・・・こちらもすごい印象的な色合いですね。
日が落ちていき・・・日が沈んだ後のマジックアワーの空のグラデーションと、広大な風景がぴったりです。
ラベンダーなどのカラフルな色のお花のパッチワークも、今時期の北海道らしいですが、師匠の撮られたような観光用でない畑の風景・・・自然でとってもいいですね。
こあひる
- 玄白さん からの返信 2014/07/26 00:37:24
- RE: 北海道だな〜〜!
- こあひるさん、こんにちは!
しばらく、丘の畑の風景ばっかり続きますが、そのうち、ラベンダーや色々な花の写真も登場します。
お楽しみに (^ ^)
玄白
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
美瑛(びえい)(北海道) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
4
44