2013/08/13 - 2013/08/13
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穴場(A-NA-BA)。何という心躍る響き! ペトロナスタワーの見え方を研究していくうちに、自分だけのオリジナル・ビューポイントはないものかと常にアンテナを張っていました。そこで出会ったのが、今回紹介する旅行者に素通りされがちな数々のアナバ達。そもそも需要もないのに、穴場なんて意味あるの? そんな心ない批判は聞こえないことにして、私は我が道を進みます。
** 情報は2013年8月のもの。1リンギット=32円で計算。
==ペトロナス・ツインタワーの見え方研究 シリーズ一覧==
① KLCC公園編
http://4travel.jp/travelogue/10804350
② 有料ビューポイント編
http://4travel.jp/travelogue/10805471
③ 穴場編 <==
http://4travel.jp/travelogue/10804951
④ 遠方編
http://4travel.jp/travelogue/10832028
==KL関係==
クアラルンプール・ウォーカーズ 全11作
http://4travel.jp/travelogue/10794525
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[目次]
イントロ
カンポンバル 西側
カンポンバル 東側
カンポンバル 夜景
月夜のヒンドゥ寺院
繁華街からの眺め
タイムズスクエア
ムルデカ広場周辺
ジオラマ編
まとめ -
[イントロ]
ここまで、パート1でKLCC公園およびその周辺、パート2で近場の有料ビューポイントを紹介してきました。共に内容の濃い旅行記でしたが、有名なビューポイントを深堀りしただけ、という見方もできなくはありません。そこで、このパート3では、私が自ら歩いて発掘した「穴場」ビューポイントを紹介していきたいと思います。
写真: チョーキットからの眺め -
[カンポンバル 西側]
ツインタワーがよく見える場所..。このお題に対し、私はある程度目星がついていました。それは、ペトロナスタワーから見て北側部分(青い線)、カンポンバルと呼ばれているエリアです。
この一帯の特徴は、都心部のすぐそばにあるのに、高いビルがほどんどないこと。KLCCの東西及び南側がビルで埋まっているのとは対称的に、背の低い民家で埋め尽くされています。カンポンバルとは、マレー語で「新しい村」の意。その名の通り、一昔前は、郊外にできた新しい村(農地+住宅地)でした。それが、開発を拒み続けた結果、今では、ここだけ古い住宅が残る都心のエアポケットのような状態になっています。
写真: 青い点線がハイウェイ。 -
グーグルマップによると、行政的にはペトロナスタワー北側のアンパン通りから先がカンボンバル(白い点線)。しかし、クラン川沿いに走る高速道路の南側はすでに商業地区として開発済み。そのため、私が訪問するのは昔ながらの雰囲気が残るハイウェイの北側になります。アクセスは至って簡単で、KLCC駅から一駅手前のカンポンバル駅で降りるだけ。わざわざ遠回りするかのように、ハイウェイの北側に地下鉄駅が設置されています。
地図: 赤い四角 - ペトロナスタワー。赤い点 - 左から、チョーキット市場、カンポンバル・モスク、パブリック銀行ビル。ピンクの点 - 左からチョーキット駅、ブキッナナ駅(モノレール)、カンポンバル駅、KLCC駅。 -
私はチョーキット散策のついでに寄った関係で、チョーキット市場の方から歩いてカンポンバルに向かいました。普通は青い線のように、チョーキット市場 -> カンボンバル・モスク(赤い点右) -> 大通りを南に歩き、高層団地へと続く道を進みます。でも、このルートはそれほど眺めがいい訳ではありません。私のオススメは、写真左下の運動場(赤い点左)と、やや南よりの道(赤い線)です。
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これが、その運動場からの眺め。勝手に入って勝手に見学。周辺には学校がいくつかありますが、どうもこのグランドは特定の学校には属していないようです。
写真は、左側にペトロナス・タワー、右端にKLタワー。建設中の建物が少々邪魔ですが、なかなか広々とした眺めです。 -
近代的外観のペトロナスタワーですが、学校の茶色い瓦屋根と合わせると、何とも懐かしい感じのする眺めに変わります。15年前の写真と言われても、信じちゃいますね。タワーの足を隠す2つのビルは、左がSDBビル(紺)、右がホテルマヤ(白)。
話は変わりますが、私は青い空や芝のグランドを見ると、なぜか学生時代の不甲斐ない自分を思い出します。退屈な毎日、校舎裏の芝生に寝そべり、空を眺めながらいつも物思いにふけっていた。アクティブでない学生時代を過ごした私は、いくつになっても、あの無為な時間を取り返さなくては、という気持ちに駆られます。それは、永遠に続く宿題のようなものかもしれません。
作品1 - 「夏休みの宿題」 -
運動場から大通りを越え、いよいよカンポンバル地区に足を踏み入れます。ちなみに、この大通りをそのまま南に進むと、モノレール線のブキッナナ駅に至ります。私は少し北側に戻った後、大きな建物裏側の小道へ。これが、先ほど触れたオススメルート。道は、ツインタワーを正面に見ながら、まっすぐ住宅地の中へと続きます。
カンポンバルの場合、住宅地といっても、ほとんどが日本と同じ庭付き一戸建て。郊外によく見られる長屋式集合住宅とは全く趣が異なります。そのため、景色もゆったり広々。この道は、最後、高速道路で行き止まりとなるため、途中で左折して中央左に見えているピンクの高層団地を目指します。 -
大通りから300メートルほど歩いて団地に到着。この団地はカンポンバルのランドマーク的存在で、すぐ裏には地下鉄駅があります。この一帯で、高い建物といえばこれくらい。さぞかし景色がいいだろうと期待したのですが、全く逆でした。2棟とも、東(左)に向かてコの字の形をしているため、南東側にあるペトロナスタワーが見えるのは、わずか一面だけなのです。
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とはいえ、タワーまでわずか750メートル。その巨大さを感じるには十分な近さです。団地のすぐ東側は広場を兼ねた駐車場(写真)になっており、土曜夜には小さなマーケットが開かれます。写真右に見えている建物は、集会用のステージ。
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駐車場をそのまま東に抜けると、駅入口に繋がる通りが出てきます。この辺りは実にカンポンバルらしいエリアで、道沿いにはいかにも田舎にありがちな木造の家屋が並びます。ただ、電線が目に入るので写真的にはいまひとつ。だから、運動場や駐車場のような広い場所に価値があるわけです。
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この道をまっすぐ進んでいくと、防音壁で覆われた高速道路に突き当たります。そのすぐ右手側が地下鉄への入り口。駐車場や民家を経由せず、団地前の道をそのまま歩いても、ここにたどり着けます。
さすがにここまで来ると、.ペトロナスタワーが随分大きく見えます。首を動かして見上げる高さ。と同時に、それ以上に大きく見えるのが、タワー左側にある「KY銀行」ことパブリック銀行の本社ビル。トレーダーズホテルからはちっちゃく見えてたのに、ここでは半端ない存在感です。あのー、写真撮りたいので、ちょっとだけどいてもらえないでしょうか。え、それはできないって? じゃあ、あなたのことは、これから地蔵と呼ばせてもらいます。
作品2 - 「KY地蔵」 -
これが、団地手前からカンポンバル駅までの歩行ルート。赤い点は、左から公民館風の店舗、駐車場と広場、駅前の食堂。
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[カンポンバル - 東側]
私が最初にカンポンバルを訪れた時は、ここで満足して地下鉄に乗って帰りました。しかし、高速道路沿いの道は、まだまだ奥へと続いています。よく考えれば、私が見てきたのはカンポンバルの西半分だけ。そういうわけで、二度目の訪問では、カンポンバルの東側にも行ってみました。 -
カンポンバル駅から200メートルほど高速沿いに歩くと、団地のような4階建ての建物が5棟、左側に出てきます。そこからタワー側を見ると..。
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近! 予想はしていましたが、ペトロナスタワーの真正面、最前列。コンサートで言えば、ヤフオクで一番高く売れる席です。ここからの眺めは、HBビルからKLタワーまで、高層建築が横にずらり。高速道路の上に展示されるように並んでいます。その中心となるのは、すぐ正面に見えているAM銀行(左、白)、ペトロナスタワー、パブリック銀行(右、茶色)の4本のビル。カンポンバル版の「四天王」です。
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タワーまでわずか500メートル強。そりゃそうでしょう、すぐ目の前にパブリック銀行があるんだから。ただ、ここから道路を横切ってKLCCに直接行く方法はありません。わざわざカンポンバル駅まで戻って電車に乗るか、もしくは、さらに奥にある道路を経由するしかないのです。つまり、見・る・だ・け。ここから眺めるペトロナスタワーは、近くてもすぐには触れない鑑賞品のような存在です。
このエリアは、ペトロナスタワーの北北西にあるため、正面玄関同様、午後には太陽の光を強く浴びたタワーの姿が拝めます。特に今日のように天気がいい日は、AM銀行ビルから来る強烈な照り返し。うーん、眩しいぞ!
作品3 - 「眩しすぎる大都会」 -
さらに散策は続きます。団地脇の小道を左折すると、その裏の民家が並ぶ通りに出ます。さらに少し歩いた後再び左折すると、今度は小さな草地のある見晴らしのいい場所が現れます(写真)。ここからは民家+都会のバランスのいい写真が撮れるため、しらばく居座っちゃいました。
しかし静かですね〜この場所は。たまにオートバイが通り過ぎる以外は人通りもなし。大きな工事もなければ、大きな道路もありません。高速道路1つで都会と田舎が分断された、何とも奇妙な光景です。あちら側で繰り広げられる都心開発劇場を他人事のように見つめる住民達。毎年増えていくビルの数を、彼らは一体どう思っているんでしょうね。 -
この草地から先、タワーと逆方向に道が伸びています。しばらく歩いてみましたが、やはりタワーがよく見えます。全く、今までのビューポイント探しは何だったんだ! と思うほどよく見えます。
このように、カンポンバルは東西に広く、いろんな角度からペトロナスタワーを鑑賞することが出来ます。ただ、タワーの北側には変わりないので、地蔵ことパブリック銀行の姿は必ず視界に入ります。昼も夜も。 -
写真は、駅からカンポンバル東側への歩行ルート。赤い点は、掲載写真の撮影場所。下から、団地前、2列目民家(夜間)、草地、道路を進んだ先。
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[カンポンバル - 夜景]
さて、昼間の景色は申し分ないカンポンバルですが、夜の方はどうでしょう。まずは東側エリアからチェックしてみます。写真は4階建て団地の裏、民家が並ぶ通りからの眺めです。つまり、劇場二列目。
うーん、悪くないですね。ただいまいちバランスが良くない。というのも、一番左のAM銀行が、一人だけライトアップに参加してないからです。右端のパブリック銀行がやる気満々なだけに、どこかチグハグな感じ。この2つの銀行、きっと仲が悪いのでしょう(想像です)。 -
それならば、駅まで戻って角度を変えてみます。写真はカンポンバル駅向かいの食堂からの眺め。ここまで来れば、AM銀行はほぼ視界から消えます。でもその代償として、パブリック銀行が我が物顔で光輝くんですよね〜。
だから...お前が主役じゃないんだってば。そこどいてくれ! そう願ったところで何も変わらず。こういう時は、逆に考えればいいんです。つまり、KY銀行こそが、この劇場の主役。実は、ペトロナスタワーが助さん格さんで、KY地蔵は黄門様なのです。オレが主役だ。ひかえおろうー。
作品4 - 「黄金地蔵 with 助さん角さん」 -
さらに戻って、高層団地の駐車場へ。ここには、駐車場入口に長屋風の店舗があります。何のお店か知りませんが、公民館風の素朴な建物です。写真は、その建物を前景にしたペトロナスタワーの眺め。構図のせいか、黄門様あまり目立ってませんね。
自分で撮っておいて何ですが、何度見ても雰囲気のある写真です。団地は全く写っていないのに、日没後の庶民の暮らしが浮かび上がってきます。一日の仕事を終え、家族のもとへと帰るオートバイの若者。毎晩訪れる安らぎのひとときです。
作品5 - 「お母さん、から揚げ買ってきたよー」 -
[月夜のヒンドゥー寺院]
夜見るペトロナスタワーは、昼とは違う洗練された美しさがあります。幾何学的なデザインをより強調するように設置されたライトアップ、実に見事です。しかし、一番見栄えのする先端部分は、地上から350メートルを超える高さ。裸眼で見るには少々遠いため、これはあくまで写真上の美しさです。
作品6 - 地上380メートルのシャンデリア -
ところで、ペトロナスタワーって何かに似てると思いませんか。私は、前々からペトロナスタワーの上半分がヒンドゥー寺院の山門に似ている、と感じていました。細かい装飾を持った縦長の建造物が、幅を狭めながら天を目指す様子。特に夜、下から見上げた時にそう感じます。設計者はイスラム様式をモチーフにして、このビルをデザインしたらしいのですが、私のインスピレーションは、あくまでヒンドゥーです。
写真: チャイナタウンのスリ・マハマリアマン寺院。 -
私がカンポンバルを訪れた夜は、空に大きな月が出ていました。タワー先端にある2つの「小さな月」をよそに、ゆっくりと移動する本物の月。実にいいムードです。やはり、私のイメージはここでもヒンドゥー寺院。満月の夜空の下、上半身ハダカの男達が、楽器を鳴らしながら神にお祈りを捧げる姿、「BGM付き」で目に浮かびます。
こんなドンピシャリな写真が撮れるのも、エリア全体がビューポイントのカンポンバルならでは。実は、たまたま月がこの位置にあったのではなく、私が自ら動いて、この位置にもってきたのです。
作品7 - 「夜のプージャ」 -
満月ついでに、ハイウェイの街灯とコラボした写真も撮っちゃいました。いつもなら邪魔者でしかない街灯の滲みも、ここでは欠かせない名脇役。どうですか、カンポンバル劇場! ポテンシャル高いでしょ。
作品8 - 「神様のオセロ」 -
[繁華街からの眺め]
カンポンバルの良さはわかった。しかし、私が普段滞在するのは、チャイナタウンやブキッビンタンなどのゴチャゴチャして絶望的に眺めのない繁華街。これ、どうにかならないですかね。
例えばチャイナタウンでいえば、パサルスニ駅のプラットフォーム(写真)や、プドゥラヤ・バスターミナル前の歩道橋などから部分的にタワーを見ることができます。でもこれは、たまたまその角度に高いビルがないからで、3年後はどうなってるかわかりません。逆にこんな場所で穴場を見つけたら、自分で自分を褒めてあげたいくらいです。
写真: パサルスニ駅から見たチャイナタウン越しのペトロナス・タワー。角度的に真横のため、一本しか見えません。 -
穴場の中の穴場出てこいや! と、もう一つの繁華街ブキッビンタンまで歩いてみるも、結果は変わらず。KL随一の盛り場であるこの場所には、デパートや商業ビル、コンドミニアムなどが乱立しており、とても空の狭い景色になっています。メインのビンタン通りで言えば、ツインタワーが見えるのは、ユニクロ手前の歩道くらい(写真)。なぜここだけ開けているかというと、新しいビルを建てるため、一旦土地が更地になっているだけの話です。
このように、どこからでも見えるはずのペトロナスタワーも、繁華街に身を置けば、アウト・オブ・サイト。ただ、ひとつだけ例外があり、それは頭ひとつ抜けた高いビルやホテル。問題は、その手の建物に自由に入れるかどうか。まずは、空の上から入場できそうな高いビルを探してみることにします。 -
[タイムズスクエア]
KLタワーからブキッビンタン周辺を見てみると、ベルジャヤ・タイムズスクエア(赤い点上)の茶色い建物だけが、ずば抜けて大きいことがわかります。さらによく見ると、屋上に庭園らしきものもあります。あれ、デパートにそんな施設あったっけ? よくわかりませんが、この高さなら他のビルに邪魔されることなく、ツインタワーが鑑賞できるはず。早速チェックに向かいましょう。
写真: 赤い点は、左からLot 10, BBプラザ、ローヤット・プラザ、タイムズスクエア。 -
==アクセス==
タイムズスクエアがあるのは、ブキッビンタンの南側。すぐ目の前にモノレール線インビ駅があります。
写真: タイムズスクエア。下層部分が大型ショッピングセンター。上の2つのビルがベルジャヤ・ホテルの客室になっています。
URL - http://berjayahotel.com/kualalumpur/ -
まず、正面からデパートに入ってみたものの、屋上に通じる道はなし。どうも、ホテルの宿泊客専用スペースになっているようです。
デパートから出て左手に進むと、すぐにホテル・ロビーへの入口が出てきます。奥のエレベーターに乗り、庭園のあるフロアへ。ここで気づいたのですが、乗り合わせた宿泊客たちは、みんな自分のカードキーを使って、降りる階を指定しています。何というセキュリティの固さ! -
幸い庭園のあるフロアだけは、共有部分のためか問題なし。15階で降りると、写真のような殺風景な廊下が出てきます。これが2つの宿泊棟を結ぶ長い連絡路で、その片側が庭園スペースに割り当てられています。
ということで、あのドア(写真左)が庭園入口..なのですが、ここでもルームカードがないと中に入れません。全く..セキュリティ気にしすぎでしょ。トレーダーズ・ホテルでさえあの程度なのに..。途方に暮れて入口の説明書きを読んでいると、たまたま他の客が出てきたので、そのまま入場。やはり、私は持っている男です。 -
実際に中に入ってみると、そこは庭園というよりは大型の屋外プール。デパートの屋上=公園やミニ遊園地、という固定観念を持っていた私は、いい意味で期待を裏切られました。よく考えてみれば、ここは高級ホテルの中庭のような場所。欧米人受けするプールというのが、ごく当たり前の選択です。
この庭園はセントラルパークという名前だそうで、プールは朝7時から夜10時まで営業。私は夜9時過ぎに訪れましたが、宿泊客の子供らで賑わっていました。 -
==夜の眺め==
さて、ここからのタワーの眺めですが..方角的には悪くありません。ただ、目隠しのためか、安全のためか、2メートル近い高さの壁があるため、夜景はまともに見えません。見えるのは、塀の上に飛び出たツインタワーの姿だけ。これじゃ、道路からビル越しに見るのと、そんなに変わらないじゃん! -
基本的に展望テラスじゃなくてプールですから。これは文句言っても始まらない。幸い、プール後方に少し高くなった休憩スペースがあるので、そこに上がって夜景をチェックしてみると..。
うーん、近くのビルが見えて、さっきよりはましかな。でも、景色が半分隠れているのは変わりなし。もうこうなったら、あの手しかないでしょう。 -
再び下に降り、壁際からおもいっきり腕を伸ばして外の景色を撮影。写真はその時のものですが、苦労した割りには平凡な眺めかな。ここからペトロナスタワーまでは約1.7キロ。距離は比較的近いので、ここがプールではなく露天風呂だったら良かったんですけどね。誰か日本の大富豪、この建物を丸ごと買収してくれないかな。そうしたら、穴場どころか、超人気スポットになるはずです。
作品9 - 「また背伸びしちゃいました」 -
[ムルデカ広場周辺]
やはり、繁華街を少し離れ、開けた場所を攻略する方が成功確率がよさそうです。まず最初に目をつけたは、チャイナタウンからも歩いて行けるムルデカ広場(写真)。すぐ近くまでビルが迫ってますが、ここからのタワーの眺めはどうなんでしょう。う〜ん、ちょっと思い出せない。 -
夜間、イベント見学のついでに寄ってみると、こんな感じでした。確かにタワーは見えている。ただ、ビルの間に先端が出てるだけの空気のような存在感。これじゃ、昼間気づかないのも当然です。
でも、構図としてはすばらしい。最高裁判所(旧連邦事務局)とKLタワー、ペトロナスタワーが3つ同時に見られる場所なんて他にないですからね。 -
最高裁判所ビルの中央には、高さ40メートルの時計塔があり、毎時鐘を鳴らして時を知らせてくれます。このレンガ造りのビルが建てられたのは1894年。コンクリート製のペトロナスタワーが完成したのが1998年。時代を感じますね。
作品10 - 「Time goes by(時は過ぎゆく)」 -
そうかそうか。構図の良し悪しにもっと注目すべきでした。結局、旅行記に載せるのは写真。どれだけ実物が小さく見えようが、写真として完成度が高ければ、それでいいのです。
ムルデカ広場の後、私が向かったのは、広場から400メートルほど北東にあるマスジッド・ジャメ駅。この周辺は文字通りビルだらけですが、リトルインディアの東側を流れる川沿いエリアだけは、少し開けています。 -
こんな感じで。クラン川の西側には、インド系のオヤジが集う24時間食堂が2,3軒。ここも夜中に訪問してみて初めて気づいたのですが、川に架かる橋の上から見ると、ペトロナスタワーがきれいに川に写り込んでいるではありませんか。昼間はただの泥川なのに、夜だけはアート。髭面のオジサンたちに独占させるにはもったいないオシャレスポットです。
ところで、この上下対称のタワーの形、どっかで見覚えありませんか。そう、おみやげ屋でたまに見かけるあのペトロナスフォークです。
作品11 - 「リアル・ペトロナスフォーク」 -
ご存知ない方に改めて紹介すると、これがペトロナス・フォーク(勝手に命名)。誤ってタワー側をフォークとして使っても違和感のない逸品です。
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[ジオラマ編]
最後に、掟破りの穴場を1つ紹介して、見え方研究パート3を終わりにしたいと思います。その場所は、ムルデカ広場隣にあるKLシティギャラリー(写真)。ここがなぜ穴場かというと、広場まで来ても、ただの観光案内所と勘違いして中に入らない人が沢山いるからです。この建物の中では、いつも何かすごいことが行われています。 -
==展示ルーム==
現在ここで展示されているのは、模型によるクアラルンプールのジオラマ。そう、模型のペトロナスタワーを鳥瞰図的に観察しようというのが訪問の目的です。でも模型だからって、甘く見ちゃだめですよ。KLにある著名なビルが、きっちりと再現されてるんですから。
ただ、街全体を12Mx15Mでジオラマ化したため、街の中心部は上から覗くのはなく、距離をおいて眺めるような形になります。 -
ですので、詳細を見ようとすると、やはりカメラの助けが必要です。これが、KL中心部のアップ。見覚えある建物ありますか?
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さらにKLCC公園周辺をズームするとこうなります。予想以上に、各ビルが細かく作りこまれてますね。こんなことチェックするの私くらいなのに、模型職人達は手を抜きません。ちなみに、すぐ後ろの海のような空白地帯は、カンポンバル。
よく見ると、建設予定の透明ビル(黄色い点)が沢山あるのに気づきます。マキシスタワー横のフォシーズンだけでなく、モスク横で工事していた場所にも別のビル、コンベンションセンターの上にもトレーダーズホテルとは別に新たなビル、エクソンモバイル横の駐車場にも新たなビル、フェルダタワーの北側には、石林のような細いビルがニョキニョキ。こちゃ、ドバイや上海にも負けない建設ラッシュですわ。かわいそうなのは、それまでツインタワーがよく見えていたのに、急に視界を塞がれる公園外側の建物。コンドミニアムなんて、価値暴落ですよ。
写真:
- 赤い点が主役級の建物 - 左から、タワー3,ペトロナスタワー、パブリック銀行、マキシムタワー、AM銀行、空調ビル。
- ピンクの点が脇役級の建物 - 左から、マンダリンオリエンタル、コンベンションセンター、トレーダーズホテル、エクソンモバイル・ビル、ビンジャイ・オンザパーク、フェルダ・タワー。
- 黄色い点が、建設予定の建物 - 左からコンベンションセンターの上、フォーシーズン・プレース(上)、エクソンモバイル横の駐車場(下)、モスク横、フェルダタワー横のビル群。 -
ちなみにクアラルンプールでは、さらにすごいビルが計画されています。それは、ムルデカ・スタジアム横に建設中のワリサン・タワー(赤枠左)。高さ596メートル、118階建てで、2020年の完成時には、ペトロナスタワーを抜きマレーシアで最も高いビルになります。KLタワー(ピンク右、421m + 丘)や、メイバンク・ビル(ピンク中央、244m)、ブキッビンタンのタイムズスクエア(ピンク左、203m)と比べても規格外の大きさ。もう、何でもありです。
よく見ると、プドゥラヤ・バスターミナル横にも透明なビル(赤枠右)があります。ひょっとして、これが幻のラキャット・プラザ? 財政難で放棄されたはずですが、まじですか。このように、クアラルンプールは、まだまだ開発可能な土地がたくさん残っているので、建設ラッシュはしばらく続くでしょう。建築好きの人は、5年置きくらいにKLを訪れてみるのがいいかもしれません。 -
==おみやげ==
ジオラマを見た後は、館内のおみやげコーナーをチェック。ジオラマは展示専用ですが、同じ職人達による木細工の作品はここで購入出来ます。この少しだけ立体化されたペトロナスタワーが58RM(1850円)。より大きなもので390RM(12480円)。少々高いですが、金属製の置物よりは、ずっと雰囲気あります。ついでに木製のフォークも作ってくれ! -
お金に余裕がある方には、完全に立体化された模型(写真)もあります。ちなみに値段は2800RM(約9万円)。右隣のマスジッド・ジャメが5500RM(17.6万円)。
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よく見ると、タワー細部が少し簡略化されているため、精密な模型というよりは、手作り風。それが気に入らない人は、9万円で購入して自分でさらに掘り込んで下さい。そんな予算がない方は、例の金属製の置物で。
ペトロナスタワーが高さでワリサン・タワーに追い抜かれるのは、もう時間の問題です。でも、このビルがこれからもKLの象徴として君臨し続けるのは間違いないでしょう。その唯一無二のフォルムは、高層建築のマイルストーンであり、マレーシア発展のシンボル。おみやげ買うなら、やはりツインタワー物で決まりです。
作品12 - 「手作り風ペトロナス」 -
[まとめ]
このパート3で紹介した写真のうち、タイトルを付けたのは以下の12本。
- 夏休みの宿題
- KY地蔵
- 眩しすぎる大都会
- 黄金地蔵 with 助さん格さん
- お母さん、から揚げかってきたよ
- 地上380メートルのシャンデリア
- 夜のプージャ
- 神様のオセロ
- また背伸びしちゃいました
- Time goes by (時は過ぎ行く)
- リアル・ペトロナスフォーク
- 手作り風ペトロナス
見え方研究「穴場編」、いかかでしたでしょうか。よくよく考えてみると、カンポンバルにせよ、屋上プールにせよ、ムルデカ広場にせよ、そこに住んだり働いている人たちにとっては、ごく日常的な風景。それを、私が勝手に「穴場」認定しただけの話です。例えるなら、ラーメン評論家のような存在。そうか、私は見え方評論家だったのか!
でも、この気持ちのいいやり遂げた感は何だろう。ひょっとすると、私はKLの街の発展を全力で体験しているのかもしれません。今でも印象に残っているのは、カンポンバルから見たKLCCの街並み(写真)。突き抜ける青空と、眩しいばかりの向こう側の世界。自分の生活ペースとは無関係に変貌してく街の姿に、どこか複雑な思いを抱くのは、私だけではないはずです。もしこの一枚の写真からそこまで伝わっているとすれば、これまで見え方を研究してきた甲斐があったと言えます。伝わっていれば、の話ですけどね!
[リンク集]
==マレーシア旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=499&level3=&sort=when
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=dm&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when
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