2013/05/25 - 2013/05/26
64位(同エリア149件中)
naoさん
2日目は、鳥取市と若桜町を結ぶ若桜街道の宿場町と、鳥取県内の2ケ所の棚田を訪れます。
この日の走行ルートは、横尾の棚田 ⇒ 安井宿 ⇒ 若桜宿 ⇒ つく米の棚田 ⇒ 不動院岩屋堂、の順で訪れたので、本来の順番とは後先逆になりますが、2ケ所の宿場町と棚田は、それぞれ一つの旅行記にまとめたいと思います。
では、若桜街道の宿場町から先に書いていきます。
若桜街道は、鳥取城の大手橋を起点に、若桜町に至る街道で、古くは八東往来や若桜往来とも呼ばれていました。
若桜町を過ぎたあたりで、左は伊勢道、右は播磨道に分かれ、伊勢道はその名のとおり氷ノ山を越えて伊勢参りに使われ、また、播磨道は戸倉峠を越え先で因幡街道とその名を変え、播磨方面へ通じています。
鳥取市から若桜街道を南下して、まず、八頭町の安井宿を訪れます。
安井宿は、単に「地名」なのか、あるいは「若桜街道の宿場町」だったのかについて、私なりに調べたところ、宿場町だったことを示す明確な事実が確認できませんでした。
そこで、八頭町役場の方に伺ったところ、「『安井宿の東にある新興寺を中心に宿場町が広がっていた』ということは聞いています。」とのことで、宿場町であった可能性は否定できないことがわかりました。
後醍醐天皇の祈願所として隆盛した新興寺が、因幡国最大級の寺院となった歴史上の事実や、鳥取城下と播磨を結ぶ物流幹線だった若桜街道の要地にあたることなどから推測するに、伊勢参りの旅人相手に宿場町が開かれていたとしても不思議ではなく、参勤交代の行列も利用したであろうことも想像に難くありません。
ということで、「安井宿は宿場町だった」との独断と偏見に基づいて訪れました。
若桜鉄道:安部駅の東で、八東川沿いに位置する安井宿は、街道沿いに広い屋敷を持つ町家が連なり、宿場町と言うよりは、在郷町に近い雰囲気の町並みを形成しています。
次は、安井宿の南にある若桜宿を訪れます。
ここの町並みの特徴として、仮屋通りと蔵通りの2つの通りが挙げられます。
仮屋通りは、家と道路の間の幅1.2m程度の屋根の付いた通路(私道)のことで、今風に言えばアーケードのようなものです。
造られた当時は、800m余りある町並み全体がつながっていて、雪や雨の日でも傘をささずに通行することができたそうです。
なお、これと同様のものでは、青森県黒石市の「こみせ通り」が有名です。
蔵通りは、明治18年の大火による被害の経験から、寺を火災から守るため、寺に面して蔵以外の建築を禁止することを地域住民の間で取り決めたことにより、この通りが形成されました。
現在、延長約300mにわたって20棟の妻入り土蔵が連なっており、独特の情緒を醸す、格好の散策路となっています。
若桜宿の玄関口である若桜鉄道の終点「若桜駅」は、昭和5年に開通した旧国鉄若桜線の終着駅だったもので、駅舎をはじめ、プラットホーム、転車台、給水塔など、旧国鉄時代に造られた鉄道関連施設が、2008年に国の登録有形文化財として登録され、貴重な歴史的遺産として注目されています。
また、3月から11月までの第2・4日曜日に、駅構内でSL:C12 167号機の展示走行が行われ、ちびっ子たちの人気を集めています。
※詳細なスケジュールは若桜鉄道HPにアップされています。
なお、このSLは本物の蒸気ではなく、コンプレッサーによる圧縮空気を動力として動いているそうです。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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安井宿にやって来ました。
水路沿いに昔ながらの町家が建っています。 -
では、町並み散策をはじめます。
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土壁と羽目板の土蔵。
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大きな敷地の町家。
いわゆる宿場町の雰囲気はありませんね。 -
何かありそうな予感がする路地がありました。
ちょっと覗いてみましょう。 -
玉石積みの擁壁の上にある町家。
この家も大きな敷地です。 -
瓦のうねりがリズミカルです。
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ここの町並みは、在郷町に近い雰囲気があるので・・・
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町家には、普通に門があります。
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この路地にはすごく誘惑されますが・・・
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こちらの路地から先に歩きます。
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きれいに手入れされた庭に建つ土蔵。
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防火のため、母屋、垂木も土で覆われています。
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これだけの塀に囲まれた広い敷地のお屋敷ですから・・・
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さすがに立派な屋敷門が建っています。
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町並みに戻って来ました。
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漆喰壁で仕上げられた土蔵。
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先ほどの、屋敷門があったお宅の主屋を塀越しにのぞみます。
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八東町の汚水桝の蓋。
「八東町」って、どこ? -
何気ない辻ですが、なぜか親しみを感じてしまいました。
子供やおばあさんが通り過ぎてくれたら「いい絵」になると思うんですが・・・。 -
この先で、先ほど後回しにした路地に通じているようです。
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民家の庭先では、ウツギの花が咲いています。
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屋根裏の通気口は、壁下地をそのまま残した「下地窓」を使っています。
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整然と繰り返される瓦の波。
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何気ない光景の中に、人の生活が感じられます。
独断と偏見のもと訪れた安井宿ですが、ひととおり町中を歩いた感触では、「地名」なのか「宿場町」だったのか、私の乏しい知識では確証を得ることができませんでした。
では、若桜宿へ向かいます。 -
移動の途中、休憩に立ち寄った八頭町フルーツ総合センターで、ツバメがとまっているのを見つけました。
親鳥が見つめる先には・・・ -
赤ちゃんたちが眠っていました。
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若桜宿へやって来ました。
若桜鉄道・若桜駅の前にある駐車場に車を停めさせてもらって、町歩きを始めます。 -
駅の構内には、若桜鉄道の客車が停まっています。
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ひなびた駅舎の向こうには・・・
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ディーゼルカーが停まっています。
その後ろに見えるのは、SLに給水するための給水塔で、給水塔の向こうには、わずかに転車台が見えています。 -
ディーゼルカーのはるか先にはSLが停まっています。
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若桜駅では、3月から11月までの第2・4日曜日に、構内でSL:C12 167号機の展示走行が行われていて・・・
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ちびっ子たちの人気を集めています。
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このSLは、本物の蒸気ではなく、コンプレッサーによる圧縮空気を動力として動いているそうです。
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SL展示走行の乗車駅は、「道の駅 若桜」にあります。
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煙突から出る煙を見ると、本物のように見えます。
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駆動輪。
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運転席のメーター類。
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連結器。
こういうメカニカルな部品類を見ると、ゾクゾクします。 -
そろそろ発車するようです。
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かっこいい〜!
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若桜町の汚水桝の蓋。
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若桜宿のツバメの赤ちゃんは相当お腹をすかせているようです。
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この角を曲がれば・・・
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仮屋通りの町並みです。
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町並みのそこかしこに、昔の仮屋通りの面影を留める町家が残っています。
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仮屋通りとは、家と道路の間の幅1.2m程度の屋根の付いた通路のことで、今風に言えばアーケードのようなものです。
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造られた当時の仮屋通りは、800m余りある町並み全体がつながっていて、雪や雨の日でも傘をささずに通行することができたそうです。
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町並みの中でも一際目立つ豪邸の仮屋の柱をよく見ると・・・
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防火のため木材の柱に土を塗り、さらにその上を木の化粧材で覆うという、手の込んだ仕事がなされています。
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この町家は、仮屋だったスペースに部屋を増築されているようです。
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この町家にも仮屋が残っています。
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仮屋通りの観光スポット「休憩交流処かりや」です。
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ここは、明治20年頃に建てられた若桜宿の典型的な民家を再生したものです。
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「休憩交流処かりや」の斜め向かいにある「昭和おもちゃ館」。
昔ながらのおもちゃや駄菓子が店先に並べられています。 -
続いて、仮屋通りの一本北側にある、蔵通りへやって来ました。
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明治18年の大火の経験から、地元住民の間で、寺に面しては蔵以外の建物を禁止する取り決めがなされたことから、この通りが形作られました。
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現在、20棟の妻入り土蔵が連なり、独特の情緒を醸す散策路として親しまれています。
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蔵通りに面する、なまこ壁のある出入口。
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蔵通りに沿って流れる水路には、速い流れの、きれいな水が流れています。
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蔵通りのほぼ東の端まで歩いてきたので、この辺りで引き返します。
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この路地にも歩きたい意欲をそそられます。
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軒先の塗土がはげ落ちて、下地の縄が露出しています。
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敷地の中にうっそうと繁る森のある町家。
相当な旧家のようですね。 -
蔵通りの入口まで戻って来ました。
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蔵通りの入口に向かって、左へ行けば若桜駅、右へ行けば・・・
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仮屋通りに通じています。
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若桜駅の前にあるJAの倉庫。
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若桜駅に戻ってきたので、車をピックアップして「休憩交流処かりや」にある「ダイニングカフェ 新(あらた)」へ昼食に向かいます。
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「新」の店内です。
「休憩交流処かりや」には駐車場はないんですが、近くの銀行は土日がお休みなのでそこを使わせてもらっているとのことで、銀行の駐車場に車を停めて入店しました。
このお店の一押しは、豚トロを角煮風にした豚トロ丼なんですが、売り切れてしまっていたので、豚の生姜焼きをいただきました。 -
格子を透かして見た仮屋通り。
格子には、外の明るい方から見られた場合に、適度な目隠し効果があります。 -
明治20年頃に建てられた民家なだけに、見事な小屋組みを見ることができます。
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天窓から差し込む光が室内の明るさを補っています。
どんなに小さな天窓でも、その採光効果は非常に大きいものがあります。
先人の知恵に脱帽です。 -
2階へ通じる箱階段。
引出しだけではなく、戸棚も組み込まれています。
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