2013/05/06 - 2013/05/06
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世界攻略者さん
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こんにちは、コタキナオです。KKの滞在環境に慣れたところで、そろそろ町の観光に出かけます。多くは郊外になるため、そこへの交通手段は、市バスや鉄道、時には乗り合いボートなど。一見地味に見えるサバ州の村々も、少し遠出してみれば、そこに見えるは多文化共存の歴史。そして、さらに一歩踏み出してみれば、そこにあるのは荒削りなフロンティアの原風景。さあ出かけよう、まだ見ぬサバ州の姿を探して。
**情報は2013年5月のもの。1RM=3.2円で計算
== サバ州の歩き方 シリーズ一覧 ==
①コタキナバル 滞在情報編
http://4travel.jp/travelogue/10779410
②コタキナバル 郊外散策編 <==
http://4travel.jp/travelogue/10779414
③コタキナバル 自然探索編 (執筆予定)
④サンダカン、セピロック (執筆予定)
⑤~⑦ キナバタンガン (執筆予定)
⑧ラブアン島 (執筆予定)
⑨ブルネイ (執筆予定)
==ボルネオ旅行記==
キナバル山日帰りトレック 全4作
http://4travel.jp/travelogue/10772188
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[目次]
コタキナバル情報サイト
州立博物館
市立モスク
サバ州立鉄道
水上集落を散策
まとめ -
[コタキナバル情報サイト]
コタキナバルという町は、州都ながらそれほど規模が大きい町ではありません。だから日本人の数も少ない。その一方、積極的に情報発信する現地滞在者が何人かいて、最新情報には事欠かきません。つまり何が言いたいかというと、KK発のブログは少数精鋭でハズレが少ないのです。例えば、次の3つのサイトは、情報がよくまとまっています。
コタキナコ (サバ州観光局)
http://kotakinako.wordpress.com
コタキナバルの歩き方 (by 現地ツアーガイド)
http://www.nikibix.com/blog/
コタキナバル 天気など (by 現地ツアー会社)
https://twitter.com/marimo____S
https://www.facebook.com/oceansound.kk
だから、頑張って旅行記を書いたところで、所詮は二番煎じ。ユニークなブログを書きにくい状況にあります。と同時に、これらのサイトにも弱点があります。それは、まとまり過ぎていることと、全体的に女性目線であるということです。そうなると、ワイルドでアウトローな私とは、微妙に住み分けができているはず。そう自分を納得させたところで、マイKK観光に出発です。 -
[州立博物館]
いわゆる観光スポットと呼ばれる場所は、どれもコタキナバル中心からやや外れた場所にあります。手頃なところだと、博物館や動物園、モスクやビーチなど。最初にこれらの定番スポットから探りを入れていきます。
まずは州立博物館から。アクセスは、ワワサンBTからプナンパン方面行き(#13とか)のバスを利用。左側に案内看板が見えたら、そこで下車します。
広い敷地内には、博物館的なものがいくつか点在。メインの本館(15RM=480円)には、サバ州の民族や歴史、自然環境などが展示されています。コンテンツは悪くないのですが、写真撮影禁止なのが非常に不満です。 -
本館から少し森を下ったところに、伝統家屋(写真)を何軒か展示したエリアと池があり、軽く散策できます。その他、敷地内には、古臭い機械を並べたサイエンスセンターや、少し離れた場所にイスラム博物館など。数は揃っているのですが、どれも退屈でインパクトに欠けます。
その他、KK近郊にはマリマリ文化村(160RM=3200円、送迎付きパッケージ)やモンソピアド文化村(75RM=2400円)など、ボルネオ現地系民族の文化が体験できる施設もあります。面白いという話も聞きますが、入場料がバカ高いので私はパス。それに加え、私はこのような作られた民俗村がどうも好きになれません。それは、私の興味が「歴史」よりも「現在進行形の今」にあるからでしょうか。
モンソピアド文化村 - http://www.monsopiad.com/
マリマリ文化村 - http://www.sabahtourism.com/destination/mari-mari-cultural-village -
[市立モスク]
続いて、モスクも見てみましょう。イスラム教徒の多いKKには、モスクがあちこちに存在しています。ただし、街中にあるのは礼拝堂的なサイズで、私達がイメージするモスクとは少々違います。大きなモスクがあるのは、町の南にある州立モスク(写真)や、町の北側にある市立モスクなど。
写真: 州立モスク。バスで通り過ぎただけ。 -
今回、私が訪れたのは、池に囲まれた市立モスクの方(写真)。アクセスは、ワワサンBTからリカス方面のバス(16Aとか)に乗車。海岸沿いを走った後、モスクが見えたら途中下車します。
もし天気がよければ、その突然現れる美しい外観にびっくりすることでしょう。クアラルンプールを始め、内部見学できる有名モスクはいくつかあります。ただ、ボルネオ島でフォトジェニックなところとなると、そう多くないんですよね。 -
まず、入口手前の売店で、修行僧のような衣装(確か、3RM=100円)を借り、中に入ります。男性は黒い帽子、女性はベールをかぶり、ちょっとしたコスプレ気分を味わえます。
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中は天井の高いホールになっていて、観光客は静かに、そして何度もポーズを決めて記念撮影に精を出します。万が一これらの衣装が欲しくなったら、街中のイスラム系ショップへ。例えば、この黒い筒状の帽子は10RM(320円)ほどで購入できます。
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礼拝堂はその奥にあり、白い大理石が敷き詰められた、高級感溢れる内装になっています。観光客が入れるのは、このホールの入口まで。その先は信者のみのスペースとなっています。
たった10分程度の見学でしたが、記憶にも記録(写真)にも残る、印象的なモスク訪問でした。しか〜し、こういうオシャレな観光地は、どちらかと言えば女性向き。これは、私が目指す方向ではありません。 -
[サバ州立鉄道]
となれば、私の得意分野である「鉄道旅行記」に望みを託すしかないでしょう。コタキナバルには、一応、鉄道が走っています。ボルネオ島唯一の鉄道で、タンジュン・アル - ビューフォート間の本線(85km)を一日三往復。ビューフォートから先も、テノム駅まで路線が伸びています。 -
まずは、最寄り駅のタンジュンアル駅をチェック。アクセスは、ワワサンBTからプタタン方面行きのバン(18Aとか)に乗り、途中下車。1.5RM(50円)。外観が駅っぽくないので、あらかじめ運転手に伝えておきましょう。
列車の往来がない時間は職員もおらず、普通にプラットフォームに入れます。写真は、蒸気機関車用の客車。 -
この駅からは、週二日(水、土)、北ボルネオ鉄道という名の観光用蒸気機関車が走っています(パパールまでの往復)。その料金は、ランチ付きで何と290RM(9300円)! 高級ホテルのステラ・ハーバーが経営すると、すべてがこうなっちゃいます。列車はしばらくは道路沿いに走るので、ここは乗り鉄でなく撮り鉄で十分かな。私が訪れた時はいつも運休中で、縁がなかったとあきらめました。
**2014/05 最近は走っているようなので、簡単に旅行記が見つかります。 -
という訳で、私が乗車するのは、タンジュン・アル発の普通列車。一日3本あり、出発時間は、7:45AM、1:40PM、5:36PM。約2時間。時刻表によると、日曜日(Hari Ahad)だけ別ダイヤですが、最終便を除き、同じ時間に出発します。
写真: 下り線の時刻表(クリックで拡大)。 -
翌日、朝7:15分頃到着し、7:45AM発のビューフォート行きの切符を購入。4.8RM(150円)。
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改札を越えて乗り場へ。ここには2台列車が停まっていて、ひとつは、蒸気機関車用の客車。もうひとつはローカル便の客車(写真右)。7:45AMに出発するのはどちらでもなく、出発15分前に一番端のホームに入線してきた新しめの車輌でした(写真左)。
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客車が三輌と、最後尾に荷物用の車輌がひとつ。どうもこれが一番いい車輌のようで、窓は大きく足元もゆったり。中央部分を境に対面式に席が並んでいて、まず進行方向に向いた席側半分が先に埋まります(写真)。
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7:45AM、時間通り出発。この列車エアコンが効いているのはいいのですが、そうなると窓が開けられません。結果、ちょっと汚れた窓を通して写真を撮ることになりました。少し走ると、右側に空港のT1ターミナル、左側にキナバル山(写真)が見えるはずです。
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しばらく道路沿いに走り、プタタン駅で停車。ここで何人か乗り込み、ほぼ満席に。さらに海を見ながら少し走り、キナルット駅に到着。ここから乗った人は、一部立ち乗りになりました。
この先、道路を離れ、しばらく原っぱや森の中を進んで行きます。気がつくと、右の窓の奥には再びキナバル山が見えているじゃありませんか。いつのまにか、列車は西に向かって走っています。 -
出発から約50分。パパル駅(写真)に到着です。ここで半分の乗客が降り、同じくらいの数の乗客が乗り込みます。この後、私は眠りに落ちてしまったため、残念ながら実況はここまで。
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目覚めると、終点のビューフォート駅に到着していました。時刻は9時50分。約2時間の乗車で、1時間以上の爆睡です。
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ほぼ同時に、テノム方面からの列車も到着。こちらは三両編成で、そのうちひとつは座席がほとんどない荷物車輌となっています。そこにバイクを載せている乗客がいるところを見ると、ビューフォート-テノム間は道路アクセスが悪いのでしょう。
ここから終点のテノムまで行ってみたいところですが、1:30AMの便に乗ったとして、到着は3:55PM。その時間でも帰りの交通手段があるのかどうか。不確実性が高すぎます。 -
これが、テノム線の客車。なんとも古びた感じで、私が乗ってきたのとは、全然違います。床は鉄の板、エアコンなんてもちろんなし。
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とりあえず、駅を出てビューフォートの町を散策。すぐに、中心部と思われる賑やかなエリアが出てきます。その中で一番目立つのは、大きな木造建築の商店街。こんな古風な建物が3棟も並んでいます。
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タウンハウスのような作りで、商店が入居するのは1階部分のみ。テナントは、軽食堂、薬屋、美容院、売店、携帯電話売り場、さらにはビリヤード場など。年季の入った大きな漢字の看板、高い天井、板張りの通路、とても雰囲気ありますね。
コタキナバルにも、ガヤ通りという歴史ある商店ストリートがあります。でも、こちらは全くの別物。時間が40年ほど止まったような、オールドファッションな空気に満ちています。 -
お腹がすいたので、テナントの軽食屋で少し休憩。私がよそ者に見えたのか、客の男性が、「どこから来たの(dari mana?)」と尋ねてきました。私が日本(Jepeng)だと答えると、何度か聞き直した後、「それは遠いところから..(Jauh)」とえらく感心した様子。そりゃそうでしょう。この町に来る外国人なんて、わざわざ特徴のないローカル列車に乗ってくる暇な旅行者くらいですからね。日本人に限定すれば、1年に1人会えるくらいの頻度でしょう。
さらに店の男性も加わり、「ナイストゥーミーチュー」と急に英語に切り替え親しげに握手してきました。こんな来賓級扱い、KKでは絶対にありません。田舎町ばんざい! -
ビューフォートは、一言で言えば、田舎の小さなマーケットタウン。木造商店街のすぐ横は体育館のような市場ビルになっており、1階(写真)が普通の市場で、二階部分がスーパー。どちらも、KKのようにごちゃごちゃしておらず、お店も人もゆったり、のんびりとしています。
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少し歩くと、大きなモスクがあります。この手前が町のバスターミナルになっていて、KK行きのバンやバスが発着しています。
写真: タマネギ型屋根のモスク。 -
さて、私はどうやってKKに戻ればいいのか。列車にすべきか、それとも乗合バンにすべきか。平日ダイヤだと、KK行きの列車があるのは、5AM、11AM、5PMの三本。11時のはちょうどいい時間なのですが、乗ってきたのと同じ車輌になります。それではつまらないので、帰りはKKまで車で戻ることにしました。
写真: 上りの時刻表(クリックで拡大)。 -
ただ乗り合いバンの場合、客が揃い次第出発なので、結構待たされます。45分ほど待った後、12:30PMに出発(10RM=320円)。KKまでは国道A2を走るだけ。途中に大きな町はありませんが、道路沿いの建物は興味深いものがあります。
まず、大きな中華寺院が2つほど出てきます。それに負けじと、玉ねぎ型屋根を持つ町のモスクも散見。 -
一方、教会は道路沿いに一軒見えただけ。しかし、奥にある教会への案内看板は何度か見かけました。こうやって道を走るだけで、サバ州の多民族性・多宗教ぶりがよくわかります。
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タンジュンアル駅が近づくと、1:40PMに出発したばかりの列車(写真)とすれ違いました。こちらは、私が乗ったのとは違うボロ目の車輌です。
バンは2時間弱走った後、ワワサンBTに到着。KKに入る前に少し渋滞があるせいか、所要時間は列車とほとんど変わりませんでした。でも、運賃は列車の倍。だから、そこそこ列車のニーズがある訳ですね。 -
と、ここまでは「趣のあるローカル線の旅」なのですが、私はひとつ大きな見どころを逃していました。実はこの路線で面白いのは、ビューフォートからテノムまでのガタガタ路線なのです。そのことは、KKを去った後、あるブログを読んで気づきました。そのサイトに貼られた写真や動画を見る限り、ワイルドを地で行く快適とは無縁の乗車体験。あ〜、この情報を先に知っていれば、私も乗ったのに! 帰りの足を心配している時点で、私にワイルドを名乗る資格はありません。
ボルネオ島 サバ鉄道
http://asiadiver.jp/blog-entry-765.html
https://www.youtube.com/watch?v=xVwUrLIb2Zo -
[水上集落を探索]
バスや列車で行けるところはだいたい行った。あとは海の離島くらいしかないのですが、マヌカン島やマヌティック島などの観光ビーチには興味が湧きません。他にどこかいい場所ないかなと海を眺めていると..ありました! それは、すぐ正面に見えているガヤ島の水上集落(写真)。誰もが気になっているのに、誰も行こうとしない。そうなれば、私の出番でしょう。ここが観光地かどうかは別として..。 -
でも、どうやって島まで行くの? 実は、中央市場の向かいにある船着き場(写真)からボートが頻発していて、それに乗ればいいのです。私がその周辺をぶブラブラしていた時、船の運転士に「お前も乗ってかないか?」と誘われました。
後で歩き方を読むと、この場所は不法滞在のフィリピン人が多いから行かないように、と書かれています。いわゆる、「近づかない方がいいだろう」的な文章で。知るかよそんなこと。こっちは、その場のノリで観光してんだよ! -
モーターボートは客を15人ほど乗せ、水面を飛び跳ねるようなスピードで進んでいきます。わずか4分ほどで到着。運賃は3RM(100円)。
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しかし、船が到着したのは、私が見ていたガヤ島東側の集落ではなく、南側の集落。ま、同じようなもんでしょう。早速上陸です。
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到着してみると、意外ときちんとしていました。幅の広い桟橋が基盤のように張られ、人々の生活も落ち着いています。かつては違法建築でも、時間が経つと、町として洗練してくるようです。
この一枚の写真を見るだけで、いくつも小さな発見があります。右側奥の家では、桟橋と家屋の間に、オープンなスペースを作り、家族でくつろいでいます。言ってみれば庭代わり。写真中央の男性は、自転車持参でKKまで行くのかな。この集落は、10分もあれば歩いて回れるような大きさですから、自転車など要りません。さらに写真左では、荷物をボートに積み込んでいますね。橋の上の猫..はどうでもいいでしょう。立地を考えると、犬よりは飼いやすそうです。 -
家によっては、自家用ボートも持っています。写真のこれは漁業用かな。いくら豊かになったとしても、ここで車は用無し。こっそり本土に所有してたりして。
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子供らは、海の中で入浴。トイレは、恐らく垂れ流し。
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桟橋を端まで進むと、見てはいけないものを見てしまいました。岸に打ち寄せる凄いゴミの山。間違いなく、住民自らがポイ捨てしてものでしょう。桟橋の上に公共用のゴミ箱も見かけますが、すでに手遅れの状態です。
桟橋から陸に上がると、思ったより広い平地がありました。でも、そこに家屋はほとんどなく、学校、モスク(写真右)、運動できる広場などがあるだけです。 -
こちらは学校のサッカーコート。ミニ発電所のようなものも見かけましたが、ちゃんと機能しているかどうかは不明です。一応、集落に電線は張り巡らされていますが、バッテリー持参の家も多く見かけます。一方、水は雨水を各家タンクに溜めて使用しているようです。
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製作中の船。彼らのルーツは、やはりバジャウ族を中心とするフィリピン南部からの移民でしょうか。
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陸地を散策していると、別の水上集落に通じる道を発見しました。これで、私が本来目指していた集落まで行くことができます。
写真: 左側が最初に上陸した集落。桟橋が海に向かって何本か伸びています。黄色い点は、上から学校、モスク、上陸地点。 -
道は、少し丘を上って下るだけ。200メートルほどの距離です。
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着いて気づきましたが、こちらの集落の方が、明らかにみすぼらしい! ヤシの木に固定された、ボロボロのバスケット・リングがすべてを物語っています。推測ですが、こちらの集落は、新しくやって来た人や、他の水上集落から移り住んで来た人が中心なのだと思います。
家の作りも、さっきの集落がちゃんとした木材で作られているのに対し、こちらはベニヤ版や廃材のように不揃いな板。遠くから見れば同じ水上集落でも、近くで見れば全くグレードの違う町なのでした。 -
整備された公共の桟橋さえなし。家と家は、簡単な支柱を板でつなげただけの通路で結ばれています。私はこちらの集落からKKに戻るつもりなので、船着場まで歩いていくことにします。
この後、住民にボート乗り場の方向を聞いて先に進むのですが、いくら歩いても、それらしき建物や桟橋は見えてきません。そして、困ったことに、道がどんどん険しくなっていきます。 -
特にヤバイのは、板一本の道。雨の後ですべりやすい上、傾斜がついています。子供や猫はこの上をスイスイ歩いて行くのですが、彼らは裸足だし足のサイズも違います。
自分で言うのもなんですが、私はかなり歩行バランスがいい。山登りでは滅多に手を使わないし、縁石の上を目をつぶって数百メートル歩けます(何の自慢だよ!)。でも、ここでの私は全くのど素人。しかも、落ちたらカメラやカバンが水浸しになるという罰ゲーム付きです。
確かに、水深2メートルくらいなので、桟橋の足に掴まれば溺れることもないでしょう。でも、そこからの脱出が大変。失敗が許されないとなると、慎重にならざるを得ません。 -
特に難易度の高い2,3ヶ所は、何度頭でシミュレーションしても、最初の一歩が踏み出せない。私がいると通路を塞いでしまうので、近くの売店にしばらく緊急避難することにしました。
この集落にも売店があり、ジュースやスナック、インスタントラーメンなどが売られています。試しに豆乳ジュースを買ってみましたが、1.5RM(50円)とKKで買うのと変わらない値段。飲み終えた後、ゴミ箱は?と尋ねると、当然のように海を指さす彼らなのでした。 -
売店でたむろしている少年らと、しばし談笑。ここまで歩いてきて、周辺から聞こえてくる声は、「オラン・チナ(中国人)?」「オラン・コリア(韓国人)?」などのマレー語ばかり。もしかして、彼らはフィリピンからの移民じゃなくて、ボルネオの貧しい村出身じゃないの? 一瞬そう思いましたが、やはり違うでしょう。ある家から「ハポン..」とタガログ語の単語が聞こえてきた時、そう確信しました。ただ単に、この地に長く住んでいるため、みんなマレー語が達者なのです。
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休憩の後、勇気をもって歩き出し、なんとか難関をクリアー。初体験のため少々びびっていましたが、コツさえ掴めば問題ないのです。そのコツとは、最初の板半分をリズムよく歩くこと。勢いがあった方がバランスが取りやすいし、板のしなりを利用して前に進めます。それに、半分まで来てしまえば、いざとうい時、三歩で最寄りの支柱や民家に飛び移れます。
そんな訳で、住民らが「ボート乗り場」と呼ぶ集落の先端になんとか到着することができました。しかし何なんでしょう、この達成感! 全長400メートルのリアル・たけし城は、思いの他楽しめました。
写真: 歩行ルート。見ての通り、こちらの集落は家と家との間隔がスカスカです。 -
端に着いてみると、そこには船着場などなく、単にボートが拾いやすいだけの場所でした。つまり、海に面した場所ならどこだってよかったのです(たぶん)。
近くで客を下ろしていたボートに乗せてもらい、コタキナバルまで一直線。戻りの客は私ひとりでしたが、やはり運賃は同じ3RM(100円)。
写真: 赤い建物が中央市場隣の船着場。 -
写真は、今回辿ったルート。この水上集落は観光地でも何でもありませんが、他のどの場所よりも強く印象に残っています。なにしろ、街歩きのはずが、水上冒険テーマパークですからね。費用わずか6リンギット(200円)で、スリルはキャノピーウォークの数倍! さすがにこれは、観光局所属のコタキナコさんには手を出せないネタでしょう。やっと、自分の居場所を見つけた気がします。
[まとめ]
そうか、そういうことだったのか。私は、居心地のいいコタキナバルには、何かが欠けていると感じていました。どうもその正体は「ワクワク感」だった気がします。確かに、キナバル山から帰ってきて以来、刺激が不足していました。
さて、そろそろ私も沈没をやめて、ボルネオ観光に出かけることにしますか。名もない水上集落の村で、ちょっとだけ勇気と元気をもらった気がします。目指すは、野生動物で有名なキナバタンガン。さらなるワクワク感を求めて、次の一歩を踏み出します。今度はもっと大きな一歩をね。 -
[リンク集]
==ボルネオ旅行記一覧==
キナバル山日帰りトレック
http://4travel.jp/travelogue/10772188
==マレーシア旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=499&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
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この旅行記へのコメント (2)
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- tanupamさん 2014/04/29 14:00:28
- サバ州鉄道
- 世界攻略者さん
こんにちは
とても詳細で、ガイドブックにはない情報たっぷり
参考にさせていただいています。KKへは、サバ州鉄道
乗車を目的に、今年の2月に行ってきました。悲しい
かな、ボーフォートが洪水で、ボーフォートまでも
鉄道では行けず、ましてやテノムへの鉄道もダメでした。
世界攻略者さんの画像を見ると、ボーフォートの何も
ない街も、ブラブラ歩きにはのんびりできそうですね。
いつかリベンジしたいと思っています。
KKもしばらく滞在してみるのもなかなかよさそうです。
私が行く前に、この情報あればよかったなぁ、と思った
りしています。
今後もすてきな情報発信を期待しています!
tanupam
- 世界攻略者さん からの返信 2014/05/01 17:01:08
- RE: サバ州鉄道
- tanupamさん
こんにちは。雨の少ない2月でも洪水なんてあるんですね。これは意外でした。私もtanupanさん同様、再度乗車してテノムまで行ってみたいところですが、当分その予定はありません。コタキナバルの他、まだまだ大量のボルネオ旅行記を書く予定なのですが、何しろ一年前のことで、遅々として筆が進まないのが現状です。
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