2012/04/18 - 2012/04/22
409位(同エリア1652件中)
玄白さん
以前から訪れてみたいと思っていた屋久島に行ってきました。混雑するゴールデンウィークや夏休みを避け、かつ雨に降られる確率が小さそうな四月を選びましたが、あいにく、滞在中は雨に降られてしまいました。一ヶ月に35日雨が降るといわれる屋久島のこと、それは覚悟の上でした。
初めての屋久島なので、縄文杉トレッキング、白谷雲水峡、ヤクスギランドと屋久島を代表するところを訪れました。メインイベントは、もちろん縄文杉との対面です。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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4月18日(水)
いよいよ出発日。AM6:20羽田発のJAL1861にて鹿児島空港へ。
離陸後しばらくすると、眼下に富士山が見えてきた。天気は快晴、遠くに
八ヶ岳も見える。8:10予定通り鹿児島空港に着陸。すぐに8:30発のJAC3741便にて屋久島空港へ。こちらの飛行機は小さなボンバルディアのプロペラ機だ。乗客は、少なく座席の半分以上は空席だ。 -
9:05に屋久島空港に到着。さっそく予約してあったレンタカーを借りに空港前のレンタカー営業所へ。ここで、縄文杉登山口である荒川登山口行きの登山バスのチケットをついでに購入した。
天気がどうなるか分からないので、毎日の細かい行動予定はあらかじめ決めてはいない。
快晴なので今日は反時計回りに屋久島を一周するドライブということにした。
宮之浦は通り越し、まずは志戸子ガジュマル園へ。 -
屋久島は熱帯性のガジュマルが育つ北限らしい。この木は鳥によって運ばれた
種が他の木の上に根づき、気根という根を地面に向かって下ろしていく。成長
するにつれて、幹と区別がつかなくなり、宿主の木を絞め殺してしまうのだ。
別名「締め殺しの木」という。巨大な気根が絡み合って地上に根を下ろしてい
る様はそれなりに迫力があることはあるが、園内は15分足らずで見て回れる
。これで入園料\200は高いな〜。 -
島北西部の永田浜へ。
ここは日本一のアカウミガメの産卵地で、2005年11月にラムサール条約で保護すべき重要な湿地として登録されている。 -
イチオシ
残念ながら、4月ではウミガメの産卵を見ることはできない。うっすらと見える島影は口永良部島である。これだけ天気が良いのに、かすんで見えるのは、どうやら黄砂の影響らしい。
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海水の透明度が高く、ゴミひとつ落ちていないきれいな砂浜だ。
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永田浜を通り過ぎて、島の西側を南下し、途中細い道を海岸に向かってしばらく走ると屋久島灯台がある。石碑に「台湾航路開設のため、明治政府陸軍省によって明治30年に建設された、建設費は51,000円だった」ということが書いてある。GPSが主流の現在でも、この灯台は職員2名が常駐し、現役だそうだ。
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灯台が建っている高台から見下ろす東シナ海の海岸。
このあたりは巨大な花崗岩がごろごろしている荒々しい磯が続く。日に照らされた花崗岩の白と海のブルーのコントラストが美しい -
島の西側は県道も対向車とすれ違うのがやっとという細い道である。西部林道と呼ばれている地域で、県道も世界自然遺産指定地域を通っている。
道のあちこちに屋久猿がたむろしている。人になついているわけではないが、人や車を怖がることもなく、悠然と道端で毛づくろいしている。 -
西部林道を抜けると大川(“おおこ”と読む)の滝がある。この滝は落差88mで屋久島最大級の落差と水量を誇る。
滝壺のすぐ近くまで近づくことができる。マイナスイオンたっぷりだ。
観光客は1〜2組しか来ておらず、ゆっくり鑑賞できた -
島の南部まで来ると、平内という部落に「平内海中温泉」という露天風呂がある。波打ち際に湧いている温泉で、潮が満ちてくると海の中に水没してしまうので、干潮時3時間くらいしか入れない。
ちょうど干潮時で誰もいないので湯船で足湯をさせてもらった。けっこう熱い。すぐそばに足湯専用の湯壷があるのだが、そちらはぬるい。水没するので当然のことだが、更衣室や洗い場なんてものはなく、混浴である。 -
午後4時に宿にチェックイン。
今日から3泊は、安房にある「屋久島料理」をウリにした民宿に連泊する。
カメノテの塩茹で、トビウオの刺身、ダツの塩焼きなどめずらしい食材を堪能できた。しかもボリュウム満点で食べきれないほどだ。
この民宿はオススメです。芋焼酎もいいですが、キリンビールと共同開発したという「満天生ビール」がじつにウマイ! -
4月19日(木)
今日から天気は下り坂という予報が出ている。最悪の天気になる前にメインイベントの縄文杉に向かうことにした。4時に起床、レンタカーで屋久杉自然館まで行き、そこから4:30発のバスで荒川登山口に向かう。
ここで、朝食やトイレを済ませて5:45に出発! -
前半は安房森林軌道、通称トロッコ道を8kmほど歩く。歩き始めてすぐ唯一のトンネルを潜っていく。
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30分ほど歩くと、ガイドブックのトロッコ道の紹介でよく出てくる場所に来た。大雨のときは屋根から流れ落ちる水が滝のようになるという。
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1時間弱で、小杉谷小中学校跡に到着。この小杉谷集落は屋久杉の伐採のため、大正12年に拓かれ、昭和45年までトロッコを使って安房まで運び出していた。最盛期の昭和35年には135世帯、540人が暮らし、小学校、中学校各1校、商店4軒、銭湯1軒、床屋1軒があったという。今は校庭跡地に、小さな杉が自然に生えている。数百年後には、この杉も巨大な屋久杉に育ち、ここに人が暮らす集落があったことなど忘れ去られてしまうのだろうか。
雨が降り出したので、休憩がてらレインウェアを着込む。 -
まだまだ、トロッコ道は延々と続く
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楠川別れという地点を過ぎてしばらく歩くと三代杉だ。
初代の杉が樹齢2000年で倒れ、倒木後の株に二代目の杉が育った。これを「倒木更新」というのだそうだ。二代目は樹齢約1000年で伐採され、「切株更新」で三代目が生えて樹齢数百年と言われている。リョウブ、サカキ、サクラツツジなど多種類の木が着生している。 -
8時半にトロッコ道終点、大株歩道入口に着く。奥に見える建物が、このコース最後のトイレだ。ここでトイレ休憩、近くの湧き水で水筒の水を補給したりと、しばし休憩。
すると、なんとトロッコが到着した。昔は伐採した屋久杉を運んでいたのだが、今では屎尿や登山道整備用資材などを運んでいるようだ。
ここからが、本格的な登山道だ。 -
大株歩道入口から10分ほど歩くと大きな倒木の株がある。翁杉だ。
2010年9月に腐っていた幹が倒れ、株だけ残っている。倒れる前は胸高周囲12.6mで縄文杉に次ぐ太さだった。この半年前には鎌倉鶴岡八幡宮の大イチョウが倒れている。この年は巨木にとっては厄年であったのかもしれない。 -
縄文杉に次ぐ有名スポット、ウィルソン株に到着。
1586年(天正14年)に豊臣秀吉の命令で京都の方広寺建立の為、伐採されたという。伐採時の推定樹齢は3000年、樹高50mはあったらしい。1914年にハーバード大学の植物学者Ernest Henry Wilson博士によって紹介されたため、ウィルソン株と称されるようになった。 伐採後400年以上経てもなお朽ちずに残っていることからも屋久杉の材木としての優秀さがうかがい知れる。 -
株の中は空洞になっていて、10畳ほどの広さがある。小さな泉が湧き出しており、祠まである。昔のきこりたちが、山での安全を祈願したのであろうか。
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有名なウィルソン株のハート。切株上部の空洞がハート型に見える位置は一箇所しかなく、30〜40cmずれただけで形がくずれてしまう。
さて、その場所はどこでしょうか? ここに行ったらその場所を探してみて下さい。 -
ウィルソン株と縄文杉の中間点あたりの標高1190mに大王杉がある。縄文杉が発見される前は最大の屋久杉ということになっていた。根元の割れ目は人が入れるほどの大きさだ。
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大王杉から少し登ったところに夫婦杉という合体木がある。右が夫杉、左が妻杉だ。同種の木の幹や枝が接触していると、成長につれて繋がってしまう現象で、杉やブナでよく起こるらしい。
別々の木が繋がるというのは木といえども最初は生物学的なストレスはあるだろうが、人間と違って動けない。ストレスを乗り越え、やがてお互いに栄養分を分かち合い、相手の存在を認めながら一生付き合っていくことになる・・・なんていう人間臭さを感じさせる巨木である。 -
イチオシ
10:50 ついに縄文杉と対面!
ゴツゴツと大きなコブが盛り上がり、深く刻まれた皺、巨体を支えるため、がっしりと大地に張った根、幹の太さのわりに低い樹高の立ち姿は、植林されたスマートな杉と同じ樹種とは思えない。栄養分が少ない花崗岩質の土壌、大雨による土壌流出、頻繁な台風襲来など過酷な環境下、太古より原生林の中でひっそりと日本先史時代から生き抜いてきた孤高の巨木は、人間の存在をちっぽけなものに感じさせる崇高さ、神々しさに満ちている。
縄文杉に対面するには、本格的なトレッキング装備と往復10時間前後の長時間トレッキングに耐える体力が求められ、安易な観光気分で行けるところではない。古来、中世キリスト教のエルサレム巡礼、イスラムのメッカ巡礼、四国八十八カ所霊場巡りなど宗教上の巡礼の旅は心身のエネルギーを使い果たす過酷な旅であった。過酷であるが故に心の癒しも大きかったはずである。ストレスに満ち明日への希望が持ちにくくなっている現代日本に生きる人々が、原始の森に惹かれ癒しを求め、あるいは人生の疑問の自問自答のため、この巨木に会いに行く。そういう思いを抱いた人達が登山客の中に少なからずいるに違いない。縄文杉トレッキングは、いわば現代の聖地巡礼なのかもしれないと、この巨木を眺めながらふと思ったりした。 -
縄文杉を訪れる登山者の数は年々増えているらしい。今では根を踏み荒らさないようにデッキからしか見られないようになっている。
シーズンピーク時には、このデッキが人で溢れかえるそうだが、今日は人影が少なく、思う存分縄文杉と対話ができる。 -
しばし、縄文杉に見入った後、近くの休憩小屋で昼食だ。
どこからともなく、ヤクシカが現れ、食事中、ずっと物欲しげに我々を見つめていた。野生動物に餌付けをすることは厳禁だが、不埒な登山客が餌を与えてしまい、味をしめて餌をねだっているのかもしれない。 -
怪獣スギゴン?
鰐か竜の頭のような、怪物のようにも見える倒木を発見 -
どのガイドブックや観光協会のHPにも紹介されていないが、地元のガイド仲間で「子宝杉」と呼んでいるらしいコブのある杉に出会う。たしかにコブが分娩中の胎児のように見えなくもない。ちゃんと上にヘソまである。
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双子のヒメシャラの巨木。屋久杉の生えている森には、多くのヒメシャラの木を見かける。樹皮がなく、つるつるした茶褐色の木肌と、「ヒメ」というネーミングから妙に艶かしさを感じさせる巨木である。時に屋久杉に着生し、その根が杉にからみついていたりしている。
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大王杉〜ウィルソン株の間の登山道は、なかなか厳しい道でガイド達は地獄の1丁目と言っているらしい。下りが下手な自分としては、登りより下りの方が大変に思えた。
我が奥方は、普段山歩きをしているわけではないので、全コース踏破できるか危ぶまれたが見事に歩き通した。立派、立派! 足の絆創膏と湿布薬は勲章だ。 -
4月20日(金)
いささか、昨日の長距離トレッキングの疲れが残っているのと、雨が降っているので、今日は疲れた足の養生のためトレッキングは無し。10時ごろまで宿でのんびりしていたが、雨が小降りになってきたので、紀元杉を見に行くことにした。紀元杉は車で行ける一番大きな屋久杉である。
標高が上がるにつれて雲の中に入ってきたので、あたりは霧っぽい。 -
幹の周りをデッキがぐるっと取り囲んでおり裏側にも行くことが出来る。
看板の説明書きに、ナナカマドなど15種類の木が着生していると書いてある。さながら、一本の杉が小さな森を作っているようだ。秋になれば杉の枝の一部が紅葉している不思議な情景が見られるのだろう。 -
イチオシ
幹のすぐそばまで寄れる。人物と比べると、その巨大さがよく分かる。これでも幹周りの大きさは、縄文杉に比べると半分でしかない。
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昼頃になると、雨がやんだ。車で行ける観光スポットで、初日のドライブで行っていないところを回ることにした。
まず、尾之間地区にある千尋の滝へ。この滝は大川の滝のように滝壺のそばまでいくことは出来ず、遠くの展望台からみるだけなので、迫力では大川の滝にかなわない。ここの見どころは滝そのものというより、左側に見える巨大な花崗岩の一枚岩である。屋久島は、ほぼ全島が花崗岩の塊で、今でも1年の1mm隆起しているそうだ。 -
千尋の滝がある鯛ノ川が海に注ぐ河口がこれまた滝になっている。トローキの滝だ。トローキというのは「轟き」の屋久島なまり?のようだ。
落差は6mほどの小さな滝だが海が滝壺になっているというのが珍しい。 -
滝の上の赤い橋から見ると、岩陰に隠れて滝は見えない。
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1時すぎに、近くの「いわさきホテル」で、ちょっぴりぜいたくなランチ。
そのあと、昨日の長距離トレッキングの疲れを癒しに、尾之間温泉へ。
この温泉は350年前に見つかった温泉で、昔から地元の人がよく利用する温泉だ。観光客は少なかった。単純硫黄泉で、ほのかに硫黄の香りがする。泉質はまことに良いが、ちょっと熱くて長風呂できないのが玉にキズだ。浴槽は深めで、底は石ころがゴロゴロしていて、足裏のツボをほどよく刺激してくれる。ブログを見ると湯布院や黒川温泉なんかよりずっと良い温泉だとべた褒めしている人もいる。地元の人達と世間話をしがてら、温泉を堪能した。 -
4月21日(土)
今日も朝から小雨が降っている。だんだん天気は悪くなるという天気予報なので、早めに2つ目の目的地である白谷雲水峡に出掛けることにした。宿を5時過ぎに出発し、6時過ぎに白谷雲水峡駐車場に到着。
本降りになってきたので、今日は最初からレインウェアを着込んでトレッキングだ。
入口の管理人はまだ来ていないので募金箱に協力金を入れて、歩き始める。 -
入口からすぐに「憩いの大岩」に出る。天気がよければ、この岩の上に寝転んでせせらぎの音を聞きながらヤクシカやヤクザルが出てくるのを待っているということもできるのだが、今日はそういうわけには行かない。急がないと見どころが多い原生林コースの沢が増水し渡れなくなってしまう。
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原生林コースの中ほどにある三本足杉。倒木の上に着生した杉が大きくなって、倒木は腐ってなくなってしまったので、三脚のような根の形になった。
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三本槍杉。一本目の杉が倒れて大きな枝が残り、その幹に生えた二本の杉が根元で合体してできた合体木だ。
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薄暗い森の中で雨に濡れた木の幹が幻想的に見える。写真では、その雰囲気が出ないのが残念。
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奉行杉。
江戸時代に見回りに来た奉行がこのあたりで休憩したのでこの名前がついたというが、本当かな? -
抽象的オブジェのような名無しの屋久杉
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このあたりはやたら木の根っこの中を登山道が通っている
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楠川歩道との合流点間近にある二代くぐり杉。これも倒木更新により、根っこにトンネルができた。
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二代くぐり杉の株の中から上を見上げる。ウィルソン株のハート型のように有名ではないが、形はチューリップの花に見える?
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楠川歩道との合流点を過ぎ、くぐり杉をくぐってしばらく行くと七本杉がある。
どうみても枝は七本あるようには見えないのだが・・・?? -
途中、白谷小屋でトイレ休憩後、10分ほどで「苔むす森」に到着。宮崎駿監督が映画「もののけ姫」のイメージ作りに、ここに何度も足を運んだことで有名だ。
薄暗い森の中で雨に濡れた苔が、木の幹、枝、根、岩、倒木とありとあらゆるものにびっしりと生えて様は、異次元の生命体が息づいているような感覚を呼び起こす不思議な空間を作っている。 -
イチオシ
以前は、ここは「もののけ姫の森」というネーミングだったがスタジオジプリが、営業目的でもののけ姫という名前は使わせないと環境省に申し入れたため、今は「苔むす森」と変わった。
まだ早いため、あまり人はおらず、降りしきる雨音と雨が作り出した小さな渓流の音だけが聞こえる静寂のひとときを堪能した。 -
天気がよければ、この先の辻峠、太鼓岩まで足を延ばしたかったのだが、この天気では眺望が利かないので、ここから楠川歩道経由で戻ることにした。
そちらのルートも一箇所沢渡りがあるので、増水で渡れなくなると大変だ。
引き返す途中、大勢の軽装の団体客に出会ったが、この雨の中を大丈夫なのだろうか? 引率のガイドさんの話では、入口の管理小屋では、「原生林コースは沢が増水して通れないので楠川歩道を登るように」と指導しているとのこと。
10:50に入口の管理小屋に戻る。 -
途中、宮之浦のA-COOPや尾之間のボンタン館で土産を買ったり、コーヒーを飲んでひと時を過ごしたあと、今日の宿泊先のJRホテル屋久島に2時半にチェックイン。
このころは、どしゃ降りの雨になった。 -
ホテルの部屋から見える海岸には荒波が押し寄せ、白いしぶきで覆われている。TVの天気予報では、今日は屋久島には大雨波浪警報が出ているという。ロビーには、明日のフェリーは欠航、高速船トッピーはすべて宮之浦発着に変更という張り紙がしてある。
温泉に浸かったあと、夕食へ。
ところが、この夕食、大はずれでした。料金は高いのに、はっきり言ってマズイです。昨日まで泊まった民宿の方がはるかにおいしい。このホテルはオススメしません。 -
天気が良ければ部屋からモッチョム岳も見えるのだが、ほとんど雲に隠れている。
モッチョム岳は東洋のマッターホルンとの別名があるらしいのだが、それはちょっと本家に失礼ではないかという感じがする。(モッチョム岳愛好登山家には失礼だが・・・) -
4月22日(日)
いよいよ、屋久島滞在最終日。朝方は相変わらず雨が降っているが、昨日ほどのどしゃ降りではない。チェックアウトまで小降りになるのを待ってのんびりすることにした。一昨日の尾之間温泉で地元の人に聞いたことを思い出した。ホテルの近くの屋根付きゲートボール場で「屋久島ふるさと産業祭り」というイベントがあるという。チェックアウトまで時間があるので、ぶらぶら見物に行った。会場はこの地域の人達全員がきているのではないかと思えるほどの盛況だ。舞台では、地元の中学生がブラスバンド演奏している。 -
地元特産の屋久杉加工品やら野菜、魚を売る出店がたくさん出ており、会場内をヤクシカやヤクザルの着ぐるみが歩き回って子供達に愛嬌を振りまいている。
地元の人にとっては、年に一度のビッグイベントなのだろう。
それにしても、ゲートボール場に屋根がついているというのは、年寄りと雨が多い屋久島らしい。 -
チェックアウトする頃には、雨があがった。予定通り、いざヤクスギランドへ。どこかのテーマパークのような軽いネーミングだが、本格的なトレッキングコースも用意されている。迷わず、一番見どころが多い150分コースへ。
管理小屋で協力金¥300/人を払って出発。
すぐに大きな栂の根の下をくぐる。 -
千年杉近くでヤクシカに遭遇。
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80分コースと分かれてしばらく登ると「ひげ長老」という巨木に出会う。重厚な名前がついた屋久杉が多い中で、ずいぶんとユーモラスな名前だ。
看板の説明書きによると、2000年に開催された世界自然遺産会議を記念して公募によって新たに名づけしたという。ちなみに名付け親は地元小学校1年生の「竹之内あゆみ」ちゃんという女の子だ。名前の由来は根元に付いた苔が爺さんの髭のように見えるからだという。 -
コース途中に携帯トイレブースがある。屋久島登山客が激増しトイレ設備の整備が追いつかず、一方では自然環境汚染防止のため、携帯トイレの使用がなかば義務付けられている.
中に便座が設置されている。形態トイレの袋を便座にかぶせて用を足したあと、自分で持ち帰ることになっている。 -
150分コース最奥部に、大きな倒木が横たわっている。1997年9月の台風19号で倒れた蛇紋杉だ。根の形が前衛彫刻のようだ。根元に表土が少なく花崗岩がむき出しになっていて、屋久杉生育環境の厳しさを表している。数百年後には倒木更新で蛇紋杉の上に新しい屋久杉が育っているだろう。
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白谷雲水峡の苔むす森と雰囲気がよく似たところもある。
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ヤクシギランドの象徴的な屋久杉である仏陀杉。幹の途中に出っ張っている大きなコブが仏像ににているからだというのだが、仏像には見えないな〜
10分ほどで、出口に出る。歩行時間は約2時間。これで、めでたく屋久島三大スポットを巡り終えた。後はレンタカーを返却し、高速船「トッピー」に乗るため、宮之浦へ。 -
トッピー乗船桟橋から見た宮之浦港。中央の遠くの山は「愛子岳」。麓の小瀬田にある造り酒屋の地酒(芋焼酎)「愛子」は、皇太子ご夫妻に内親王が生まれてから、その名前が同じということで、一躍売れ行きが伸びたそうである。
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16:20発の高速船「トッピー」にて指宿に向かう。船内のTVで、この日の鹿児島から屋久島に向かう始発のトッピーが鯨のような物体と衝突し、夕方になっても自力航行できずに漂流しているというニュースをやっていた。指宿についても、この話題で持ちきりであった。幸い、我らのトッピーは鯨にぶつかることも無く、時間通りに指宿港に到着した。
このあと、屋久島トレッキング旅行のオマケとして指宿、知覧、鹿児島を巡る観光旅行が続きますが、こちらの旅行記は、また別途アップするつもりです。最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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