2010/09/20 - 2010/09/22
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Yattokame!さん
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2010年9月の連休を利用してカトマンズに行ってきました。旅行の目的は、インドラ・ジャトラ(祭)と呼ばれるお祭りを見ること。
インドラ・ジャトラは、農耕に欠かせない雨を降らせる神々の王インドラ神(帝釈天)を祀る8日間のお祭りで、お祭りの期間中カトマンズの旧市街にはインドラ神だけでなくそのほかの神々の像も祀られ、また広場や路上ではさまざまな仮面を付けた人たちが舞い踊ります。そして、この祭りのハイライトとして、「クマリ」と呼ばれ生き神様として人々から崇められる少女が山車にのって街を3日間巡行するのですが、このときには多くの市民が生き神様を一目見ようと路上に群がり熱狂をもってクマリを迎えます。
今回は、このインドラ・ジャトラを初日からクマリが街を巡行する3日目まで見学し、その熱気に触れてきました。
※カトマンズやその周辺の普段の姿も旅行記に残しています。よろしければご覧ください。
【カトマンズ街歩き(前編)】
http://4travel.jp/traveler/yattokame/album/10506722/
【カトマンズ街歩き(後編)】
http://4travel.jp/traveler/yattokame/album/10506926/
【パタン街歩き−中庭巡りと朝のお散歩】
http://4travel.jp/traveler/yattokame/album/10510700/
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- タクシー バイク
- 航空会社
- キャセイパシフィック航空 キャセイドラゴン航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- 風の旅行社
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祭りの前日に、旧市街の中心ダルバール広場に来ました。
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ここには、旧王宮の周りに様々な神様を祀るお寺が並び、まるで神様が競い合っているかのようです。
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広場に長い松の木がゴロン。地上に舞い降りたインドラ神を天に送るための柱です。明日これを立てる儀式が行われます。
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ダルバール広場にあるクマリの館。
クマリは、国の守護神であるタレジュ神の化身とされ、国民の信仰を集める生き神様です。釈迦様を輩出したサキャ族の由緒ある家の出身で特別な条件をクリアした少女から選ばれ、初潮を迎えるまで務めます。クマリはここで生活していて普段外に出ることはありませんが、インドラ・ジャトラの大祭のときには山車に乗って、カトマンズの街を3日間にわたって巡行します。
カトマンズのクマリは、小さいときに親元を離れて館の中で暮らし、しかも国王すらひれ伏す存在なので、昔はクマリをやめた後結婚してもうまくいかなかったりして大変だったようです。今もクマリは学校に通えないようですが、その代わり家庭教師に勉強を教えてもらえるようで、クマリをやめたばかりの女の子が将来の夢を語っていたところをテレビで見たことがあります。クマリも時代とともに少しずつ変わりつつあるのでしょうか。 -
クマリが乗る山車。
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クマリの山車の先頭には、怖そうな神様の絵が描かれていました。バイラブ神でしょうか。
クマリ様のお通りだ、頭が高い、オラオラ〜…、と言ってそうです。 -
クマリが巡行するときには、バイラブ神とガネーシャ神という神様が乗った山車も、クマリを護るように付いていきます。
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次の日、再びダルバール広場に来ました。すごい人の数です。
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人々が集まっているのは、昨日見たインドラ神を天に送る御柱を立てるところを見るためでした。
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人々が、御柱立ての時を待ちます。女性の衣装がカラフルで、素敵です。
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伝統的な服装のグルカ兵や柱を立てる時のお囃子方もいます。
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ついに柱が立ちます! そして、柱が立った瞬間、大歓声があがりました。写真では、雰囲気がうまく伝わらないなあ…、残念。
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柱を竹で必死に支えています。でも、本当にそれで大丈夫なんでしょうかねえ。
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グルカ兵が柱の回りを行進し始めました。
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軍楽隊も演奏しながら柱の回りを行進します。いろんな人が柱を囲んでぐるぐる回り、にぎやかです。
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ひひ〜ん。ぼくもお祭りに参加しているんだよ。
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そして、旧王宮のいつもは閉じられているこの窓も…。
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この日は開いて、セト・バイラブ神が姿を現しました。
人々がバイラブ神を洗って、色を塗りなおしています。一年に一度のおめかしですね♪ -
バイラブ神は、シヴァ神の化身のひとりで恐怖の神様。頭の飾りもドクロです!
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さらに広場では、儀式が行われていました。これから羊が生贄にされ、神様に捧げられます。
何も知らない羊ちゃん、ヒンドゥの僧侶が与えるエサをもぐもぐ食べています。呑気に食べてる場合じゃないよ〜! -
このあと、写真の兄ちゃんが、手に持つ葉っぱのお皿で羊の血を神様に捧げました。
儀式が終わり、兄ちゃんポーズを決めています。 -
広場に置かれたガルーダ像。ヴィシュヌ神を乗せて空を飛びます。
合掌している手の先に花が供えられ、見ていると心なごみます。 -
祭りの主人公インドラ神の像が広場に祀られています。でも、よく見ると手足を縛られている…。
インドラ神は、ある日カトマンズに咲く美しい花を求めて下界に降りましたが、人の家の花を採ってしまい捕まってしまいます。「神様なのにそんなに簡単に捕まるの?」と思いますが、そこはつっこまないように…。捕まえたのがインドラ神だと分かると、人々はインドラ神を赦すかわりに土地に豊饒をもたらしてもらう約束をし、お祭りしながらインドラ神が天国に帰るのを見送りました。これが、インドラ祭の始まりだと言われます。
柱に隠れて見ずらいですが、インドラ神の表情は「捕まっちゃったよぅ」と無念そうです。 -
こちらは、カトマンズの隣町のパタンの風景。パタンでもこの時期インドラ神を祀る柱が立てられていました。ダルバール広場の柱が一番立派ですが、各共同体でもそれぞれ柱を立てるのです。
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やはり、こちらでもインドラ神が柱に縛られています。地元の人に聞いたら、柱に飾られた白い花がインドラ神が採ろうとした花だそうです。
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インドラ神の柱の横には、二人の小さな神様が。仲の良いカップルなのかな〜。
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インドラ神のそばで休んでいたおじいさんたち。耳にイヤリングを付けている人がいますが、これは長寿のお祝いを行った証。日本でも古希、喜寿、米寿…とお祝いをしますが、ネパールでも72、77、80いくつ(最後の年齢は忘れた…)と年を重ねるごとにお祝いをし、そのたびに耳に金のイヤリングを付けていくのだとか。
おじいさんたち、いつまでもお元気で。 -
祭りの2日目。人々の往来が激しい、旧市街のインドラ・チョークという広場に来ました。
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インドラ・チョークには、アカシュ・バイラブ寺院というお寺があり、この日は普段は見ることができないアカシュ・バイラブ神のご開帳がありました。アカシュ・バイラブは空の神様。ネパール航空の機体にも描かれています。
アカシュ・バイラブ神と飛行機といえば、こんな小話が…。
ある日のこと。ネパール航空の飛行機が故障してしまいましたがなかなか直らず、運行に支障をきたしてしまいました。困ってしまったネパール航空、ここはやはり神様にお願いしなきゃと、職員が問題の機体の前で羊を生贄にしてアカシュ・バイラブに捧げたところ、機体は直り再び飛んだそうです。嘘のような本当の話。
【ロイターの記事】
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-27729620070905 -
今日もダルバール広場に向かいます。
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ダルバール広場についたら、おめかしした女性が大勢いました。
何の行事かと思ったら、2008年の政変で退位した元王様がクマリ館に住むクマリのところに今日お参りに来るということで、元国王を歓迎するために支持者が集まって来たようです。大勢の人が集まるところに元国王が来ることについて安全を保証しないと政府が伝えてきたので、結局元王様は参拝を断念し姿を見ることはできませんでした。 -
私もおめかししているの。
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おチビちゃんたちも、将来おねえさんたちのように美人になるんでしょうね。
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クマリの格好をした女の子もいました。
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下界はなにやらにぎやかよのう〜。
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旧王宮の入り口に立つ猿の神様ハヌマーン。普段はこんな格好ですが…。
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今日はお祭りなので、こんなキラキラ衣装をまとっています。
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イチオシ
インドラ祭の間だけご開帳となるセトバイラブ神の前には、おばちゃんたちが座っていました。おばちゃんたちにお布施を渡すと、おばちゃんの額のように、ティカと呼ばれる赤い染料で染めたお米を付けてくれます。
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「がははは!」 おばちゃん、知り合いの人とにぎやかに談笑しています。
おばちゃんの豪快な笑いは万国共通。 -
ダルバール広場にあるお寺「シバ寺院」にのぼってみました。眺めがよく、心地よい風も吹いてきて、きもちいい〜!
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お祭り3日目。旧市街の道は人であふれかえっていました。人々は、生き神様のクマリを護る鬼の「ラケ」が街に現れて踊るのを待っているのです。
そのラケですが…、 -
あっ、ラケいました。ただいま準備中〜、ちょっと待ってね。
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スタンバイOK!
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ラケ、家の中から勢いよく飛び出してきました。
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イチオシ
踊ります。
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かわいい?
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お〜い、ラケよどこへ行く。
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ラケ、どこかへ行ってしまいました。しかし、人々は依然として去りません。この日のメインイベント、生き神様クマリの巡行を待っているのです。
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街で出会った女子高生たち。ネパールは美人が多いですねえ。
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クマリの山車が出発するダルバール広場。クマリを見るため、広場は無数の人で埋まっています。
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佃煮にするほどの数の観客(^^ゞ
クマリがいかに人々の信仰を集めているかが分かります。 -
ここには大統領をはじめ政府要人も来るので、警備も物々しいです。
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政府の要人がやって来ました。
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ぱお〜ん! ズドドドッ…!
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ぱお〜ん!
クマリが現れるまでの間、動物やら鬼やらいろんなものが登場します。
しかし、肝心のクマリはなかなか登場しません…。 -
クマリまだかな〜。待ちくたびれちゃった。
2時間待って、私も疲れてきたよ(笑) -
お嬢ちゃん、ついにクマリの乗った山車が現れましたよ!
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クマリの山車が広場の人垣をかき分けて進みます。
うわ〜、ちっちゃ〜!
長いこと待ちましたが、クマリははるか先にほんの少し見えただけで、あっという間に行ってしまいました($・・)/~~~ -
クマリも見たことだし(一瞬ですが)、そろそろ帰りますか。
インドラ・チョークは、今日も往来で大混雑。 -
クマリはほんのちょびっとしか見られませんでしたが(まだ言うか)、3日間いろいろなものを見られたし、満足、満足!
カトマンズは、狭い道を車やバイクがひっきりなしに走ったりして、せわしないアジアの都市になりつつありますが、それでも信心深い人たちの独特の生活のリズムがなおあって、ここに身を置くと心が豊かになる感じがしました。この感覚を再び味わうべく、またいつかカトマンズに来ますぞ〜。
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この旅行記へのコメント (8)
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- わんぱく大将さん 2012/03/14 08:58:28
- ネパールの帽子
- Yattokame!さん
私が27年前に買った、ネパールの帽子、誰も被ってなんていない。
(普通のネパールのおっちゃんが被ってるのとは違います)
だれか、ひとり位いるかな?と思ったのですが。
大将
- Yattokame!さん からの返信 2012/03/15 03:44:32
- RE: ネパールの帽子
- 大将さん
> 私が27年前に買った、ネパールの帽子、誰も被ってなんていない。
> (普通のネパールのおっちゃんが被ってるのとは違います)
> だれか、ひとり位いるかな?と思ったのですが。
>
> 大将
どんな帽子だったんでしょう。
30年近く前にネパールに行かれましたか。そのころのカトマンズは、今よりずっと小さくて静かな町だったでしょうね。昔のネパールを訪れてみたかった。
Yattokame!
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- 内蒙古人さん 2011/03/20 14:53:03
- 元祖チベット仏教(ラマ教)
- yattokameさん
初めまして。岐阜弁をペンネームにされるとは、愉快な方ですね!
この写真勉強になりました。私は中国内蒙古自治区で暮らしています。ここの
モンゴル族の人々は、この宗教を信仰しております。弊社社員の父親が住職であり、お祭りをじっくりと見学させてもらったことがあります。頭の飾りがトグロ
というのも同じです。元祖を見て、なるほどと感心いたしました。
- Yattokame!さん からの返信 2011/03/21 00:17:08
- RE: 元祖チベット仏教(ラマ教)
- 内蒙古人さん
こんばんは。
ご訪問ありがとうございます。「やっとかめ」という言葉は、地元らしい言葉で気に入っており、これをハンドルネームに使っております(^_^)
バイラブ神は破壊の神様ですが、こういう破壊の神様も信仰の対象になっているところがヒンドゥらしくて面白いところです。密教とヒンドゥ教は密接な関係にあり、たとえば、同じシヴァの化身であるマハーカーラは、チベット仏教では大黒天とされ、バイラブ神に似た容姿をしておりますね。カトマンズ周辺にはネワール族と呼ばれる人々が多く住んでおり、ネワールの人たちは仏教を信仰している人たちが多いのですが、彼らは同時にヒンドゥの神様も信仰しており、チベット仏教もこういう土壌から生まれてきたのかなと感じます。
Yattokame!
-
- ginさん 2010/11/18 22:47:11
- 今晩は
- あらためて旅行記を拝見させていただきました。
ホームステイすると普通の旅行では見えない地元の人の生活が身近に感じられますね。
そしてその体験を旅行記を通して他の人にも伝えられるのは素晴らしい事です。
旅の素晴らしさ、楽しさを二重にも三重にも味わえますね。
Gin。
- Yattokame!さん からの返信 2010/11/19 00:22:40
- RE: 今晩は
- ginさん、
こんばんは!コメントありがとうございます。
毎日ホストファミリーの人たちと一緒にお寺にお参りに出かけたり、ネワール(カトマンズ盆地に住む民族)料理を作ったりと、観光名所を見る旅行とは一味違う旅、本当に楽しかったですね。ネパールの人たちはホスピタリティがあって、滞在中よくしていただいて感謝しています。短い滞在でしたが、最後にホームステイ先を出る時には、ご家族にいつまでも手を振ってもらい、テレビのウルルン滞在記とまさに同じでした。
ginさんのチェンマイ徒然草も、タイの今の様子を詳細に知ることができ、拝見しながら、自分もタイに行ってこんな風景見られたらいいなと思っております。これからもチェンマイの日常の写真と文章楽しみにしていますね。
Yattokame!
-
- obaqさん 2010/11/03 06:55:56
- お早うございます
- 懐かしく見ていましたが、お祭りになると俄然華やかになるのですね〜
独特なアングルの構図が多く、街の賑わいがとても感じられてとても良い雰囲気。
いいときにいかれたですね。
楽しませて貰いました。
obaq
- Yattokame!さん からの返信 2010/11/03 12:22:58
- RE: お早うございます
- obaqさん
コメントをいただき、ありがとうございました。また、お誉めのお言葉ありがとうございます。
カトマンズには、絵になる人々の暮らしや街並みが沢山ありますが、特にお祭りの時期は街に独特の雰囲気があり、いろんなところで発見がありました。写真が上手でなくても、いい写真が撮れてしまうありがたい街です(^^ゞ
人も気候も穏やかなので、居心地もいいですね。今回は祭りにフォーカスした短期間の滞在でしたが、今度はもっと長く滞在してゆっくり街を歩いてみたいです。
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