2009/04/01 - 2009/04/05
895位(同エリア1405件中)
タオさん
仕事の合間を縫って、何とか4月の最初に休みが取れたので、かねてからの憧れの地であった飛騨合掌造り集落や中山道の宿場町妻籠をまわることにしました。
北海道からの旅なので、なかなか行けない地域ということもあって、レンタカーを利用しての旅となりました。
最終日を除いて平日ということもあり、ゆっくりと静かな旅を満喫できました。日常の喧騒さに流されながらも、やはり自分の基本は旅人だ、ということを再認識することもできた4日間でした。遅れてしまいましたが、前号の五箇山に続く第3弾です!
- 交通手段
- レンタカー
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五箇山から、再び東海北陸自動車道を利用し、いよいよ念願であった白川郷へ入ります。白川郷I.Cから156号線に入り、程なく行くと荻町合掌造り集落に着きます。集落に入る手前から左折し、描いていた予定通り城山展望台に向かいます。「ここからは合掌造り集落の全景を見渡せる」ということで、期待がふくらみます。そして・・・その期待に応える、いや、それ以上の光景が目の前にとびこんできました。
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切妻の屋根が規則正しく東西にその面を向け、西に傾いた陽が西面の屋根を照らし、美しいコントラストをつくり出しています。時間が許すのなら、いつまでも眺めていたい光景です。
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町に下り、車を今夜の宿、「一茶」の駐車場に置きます。ちなみに、この宿は築200年の合掌造り家屋です。
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夕刻の集落を散策します。重なり合う合掌造り家屋、白壁の重厚な倉、石垣、そして山・・・どれもが美しく調和しています。
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西山に沈もうとする陽により、最後の輝きを見せている家屋です。
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明善寺の鐘楼です。茅葺き屋根が白川郷らしさを表しているようです。
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上町地区まで歩くと、3軒並びの合掌造りがあります。美しいシンメトリーです。
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辺りも暗くなり、宿に戻って夕食です。黒光りの柱、暖かい囲炉裏が旅人を優しく持てなしてくれているみたいです。
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夕食の膳は、自家製味噌を使った飛騨牛の陶板焼、山菜、岩魚焼きなど、味もさることながら心温まる料理でした。
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食後、夜の荻町全景を眺めるべく、再び城山展望台に向かいました。誰もいない底冷えする澄み切った空気のなか、合掌造りの家々からもれる明かり、背後に霊峰白山が夜の帳のなかに浮かび上がり、幻想的な光景を醸し出しています。
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風もなく、とても静かな夜です。
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町に戻り、ぶらぶらと散策します。途中、重なり合った3軒の民家が見えてきました。どこか趣のある佇まいです。夜、蒲団に入ると水路を流れる水や水車の回る音が心地よく耳に響き、いつの間にか深い眠りについたようでした。
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早朝、庄川が刻んだ深い谷間に存在する荻町にはまだ陽が差し込んでこず、町の目抜き通りに人影もなく、新聞配達の方だけが、静寂にバイク音を響かせていました。
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三度、城山展望台へ来ました。荻町の集落はまだ目を覚ましていないようです。
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かなり気温が低いようです。厚手のジャケットにマフラー、手袋と防寒対策に気をつかっても、足の裏から冷気が伝わってきます。展望台に着いてから30分後、すでに白山連峰は、朝日を受けて輝いていましたが、集落も西の方から合掌造りの屋根に陽が差し込んできました。
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下ゴソ地区を通る頃には、朝日がいっぱいに差し込んで、合掌造りを照らし出していました。
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朝食は、朴葉味噌和えの野菜、湯気をたてるご飯と味噌汁、まさによき日本の伝統的な食事風景に舌鼓を打ってしまいます。本当に美味しい!
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食後のひとときを、縁側でのんびりと過ごします。家々を囲む水路に回る水車が、合掌造りの家屋ととても調和しています。
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信じられませんが、四たび、城山展望台に来ました。最初は夕日をあびた集落、次が夜、三度目が早朝、そして今度は朝日をいっぱいにあびた集落の展望です。それぞれに空気も趣も異なりますが、いずれも感動させられるのは変わりません!
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手前のひときわ大きな合掌造りが国の重要文化財にも指定されている和田家です。この時間はまだ観光客もほとんどいないようです。
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ほとんどの合掌造り家屋が、156号線沿いに並行して規則的に連なっているのは、合掌型の切妻屋根がそれぞれ東西に向けて乾きやすように、そして家屋に風が通りやすいようにとの昔ながらの知恵によるものだそうです。
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これから荻町の集落を南から北へ向かってゆっくりと散策します。
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集落の最も東側、山裾の道を通ります。白山連峰はまだ深い雪に覆われています。
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合掌屋根の重なりがとても美しい場所です。
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家屋の軒下には池があります。冬の間、深い雪に覆われる白川郷では、屋根から落ちた雪が壁面を圧迫しないように、この池により融ける仕組みだそうです。合掌造りには生活の知恵が詰まっています。
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この家屋はまもなく屋根の葺き替えが行われるようです。茅が大量に立て掛けられています。
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東側からみた和田家です。この付近では、ひときわ大きく見えます。
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小屋組みの広い空間は、囲炉裏からの熱により適温が保たれ、養蚕の飼育場所として使われてきました。
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和田家は江戸中期頃に造られた合掌造りの家屋です。数百年の歴史を耐え抜いた風格が備わっています。
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今日も風がほとんどない穏やかな春の一日となりました。小さな池にはさざ波もほとんど立たず、家屋が美しく映し出されていました。
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和田家から今度は南に向けて合掌造り集落の中心を進みます。道沿いの澄んだ水路には、ニジマスが悠々と泳いでいました。
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清流を住処とするニジマスがこんな間近で見られるとは驚きですね。
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ふと目をやると、誰も気づかないようなところにヘビの木彫りがカエルの瀬戸物と一緒に置かれていました。集落のなかにはこんなユーモアな面もたぶん、至る所にあるのではないでしょうか。
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理にかなった建築様式が、長年の風雪に耐え、伝統美として我々を郷愁へと誘ってくれているようです。
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最大級のこの合掌造り家屋は、明善寺の庫裡です。
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明善寺のお堂は、この集落には珍しい入母屋屋根ですが、茅葺きなのは白川郷らしいですね。
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であい橋を渡ります。庄川は、雪解け水をたたえてエメラルドグリーンに輝いていました。
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橋から5分もかからずに「合掌造り民家園」に着きました。離村などにより廃屋となった家屋を、ここに移築し保存しており、白川村合掌造り集落保存運動の原点となったところです。
昼時の荻町集落の方は、平日にもかかわらず、かなり賑わってきていましたが、ここはひっそりとし、白山連峰を背景に落ち着いた風景を味わえます。 -
高台からの民家園の眺望です。
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水力を利用した唐臼小屋です。等間隔で「ゴトン!」と響きわたる唐臼の音は、心地よく響き、心を和ませてくれます。景観だけではなく、まさに音による日本の原風景ではないでしょうか。
昼下がり、「時間さえあればもっと白川郷に・・・・」、との思いを胸に残しつつ、これから長野県妻籠へと向かいます。合掌造り集落とはまた違った趣の江戸時代の宿場町はどんな感動を与えてくれるのか。心の贅沢な旅もいよいよ終盤です。
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