2008/07/13 - 2008/07/13
32位(同エリア95件中)
まみさん
2008/07/13日 ブジェンツィ村、エタラ野外博物館からガブロヴォへ
【宿泊:Hotel Balkan(ガブロヴォ泊)】
・ブジェンツィ村散策
・ソコロヴォ僧院
・シプカ峠の記念碑
・エタル野外民俗博物館
ガブロヴォ散策(ここから現地ガイドと別れて一人旅)
・ユーモア博物館
ガイドと回るブルガリアのバルカン山中の最後の僧院です。
水色の丸ドーム屋根を中心に抱き、正面入口の外壁にはフレスコ画が描かれた、パステルカラー調な可愛らしい教会は、立派な僧房より1段と下がった、山の側面といったところに建っていました。
外見からは、その丸ドームゆえにカトリック教会のような印象を受けますが(注:正教会にも丸ドームのある教会はたくさんありますので、これは私の中でなかなか拭えない一種の偏見@)、中身はれっきとしたブルガリア正教会の教会。
高窓から光がさんさんと降り注ぐ内部は、フレスコ画のキャンバスです。
外部の印象にたがわず、内部のフレスコ画も水色をベースとし、色使いはとても爽やか。
ブルガリア正教会のフレスコ画は概して爽やかなのが多い、という印象を後押ししてくれました。
外部も内部もEUの支援で2003年に修復が終わったばかりです。
美しい状態の教会を見学することかできたわけで、嬉しい限りです。
ブルガリア正教会を訪れる機会はこの先の残り一週間の旅程でもありますが、この教会を含め、あと2〜3の観光地を最後に、ガイドとの旅も終わり───という感慨も押し寄せてきたため、この教会の内部は、ちょっと割高な10.00レヴァを払って、写真を撮らせてもらいました。
(2008年7月現在、1レヴァ=約0.5ユーロ、1ユーロ=約170円で換算)
日曜日の教会では、折りしも、子供の洗礼式の真っ最中でした。
洗礼される女の子(まだ幼児)を抱いた母親と司祭のまわりを、まず子供たちがお香の入った鎖つきの宗教道具をシャンシャンと振りながらぐるぐる回っていました。
司祭は女の子の髪をひと房切り、足だけ洗礼盤の水にちょこっと入れさせ、それからイコノスタシスの前で聖書を読み上げました。
昔、アメリカで見たバプティスト派のように、洗礼盤の中にザブンと全身水に浸からせることはありませんでした。
傍目で見れば怖いことなんかちっともないと思うのに、白いひらひらの服でドレスアップしてもらった女の子は、式の間ずうっと泣いていました。
涙と鼻水で可愛い顔がぐちゃぐちゃ@
次の子も、式が始まったら泣き出してしまいました。
厳かな雰囲気の主役になるのが怖かったのでしょうか。
ガイドの妹さんも、洗礼を受けたときにはまだ小さかったので、やっぱり泣いたそうです。
ガイド本人は、妹さんと一緒に受けたのですが、もう大きくなっていたので泣かなかったとのこと。
洗礼を受けるのは何歳という決まりはないので、兄弟そろって受けさせる家庭はよくあるそうです。
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僧院への敷地の門からして、爽やかな水色
「ソコルスキ修道院
エタル野外博物館からさらに南へ5kmの山中、ヴォディツィ村の切り立った岩の上にある修道院。創立はオスマン朝支配下の1832年で、民族復興期の運動の成果のひとつである。オスマン朝は、キリスト教に冷淡であったが苛酷な弾圧を加えることは少なかった。ブルガリア正教徒たちは、非寛容なローマ・カトリックよりも、むしろ当初はイスラムを旗印に掲げるオスマン朝による支配を受け入れた。しかし、時代が下るにつれ、イスラム教徒とキリスト教徒の対立は深くなっていった。
5〜10月には修道院内で宿泊することもできる。」
(「地球の歩き方 '07〜'08年版」より) -
入口の向こうにはパラダイス@
キリスト教絵画の「閉ざされた庭」の天国のイメージですねっ。
周辺の建物は僧房で、教会ではありません。
「ソコロヴォ僧院(Sokolski Monastery)は1833年に創設されたブルガリア正教会の修道院で、創設者ヨシフ・ソコルスキー(Yosif Sokolski)にちなんで名付けられました。ガブロヴォ南西15km、バルカン山脈の北面傾斜、ソコロヴォ洞窟エリアにあります。
当初1833年に建てられたのは小さな木造教会であり、フレスコ画は後に完成しました。ガブロヴォ生まれの芸術家フリスト・ツォケフ(Hristo Tsokev)は、教会に、奇跡を起こす力があると考えられている聖母子のイコンを寄付しました。1862年、シプカ村からやって来たポール・ゾグラフ神父(Father Paul Zograf)と彼の息子ニコラは、教会をフレスコ画で飾りました。
修道院には、居住用兼公共の建物に囲まれた広い庭があります。庭の真ん中に、1865年、コリュー・フィツェト親方(master Kolyu Ficheto)が8つの蛇口のある大きな石造りの噴水を建造しました。修道院全体はブルガリア民族復興時代にガブロヴォと地元の村の人々の強力な支援のもとに建てられました。
修道院は4月蜂起中に重要な役割を果たしました。この修道院で、リーダーのツァンスコー・デュスタバノフ(Tsanko Dyustabanov)が志願者によるレジスタンスを形成しました。1877年から78年の露土戦争中の短い間、修道院は病院でした。
ソコロヴォ僧院は1973年に名所旧跡として宣言されました。」
(ウィキペディアフリー百科事典英語版「Sokolski Monastery」より私訳) -
中庭をささっと回る
白い花がまぶしかったです@ -
水汲み場(チェシメ。飲料用の噴水)にて、冷たい水に喜ぶ坊や
この噴水をガイドは紹介したかったみたいですが、私は坊やの方にすっかり夢中@
あとで解説を読んで、噴水の写真もちゃんと撮ればよかったとちょっとだけ後悔しました。 -
中庭を見回す
バラの花もたくさんでした。 -
僧院の教会とバルカン山脈
教会は一段と低いところにありました。
石段を下ります。 -
周辺のバルカン山脈の見晴らしと、フレスコ画のある教会の一部
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爽やかな水色が基調の、外壁のフレスコ画が美しい教会
修復される前は、きっとこの水色は黒ずんでいたのでしょうね。 -
ドームの天井には、お決まりの「荘厳なキリスト」のフレスコ画
でもこのキリストは柔和な顔をしていますね。 -
入口入ってすぐの壁のくぼみのフレスコ画に注目
真ん中の聖人は誰でしょ。
周辺に描かれているのは、キリストやマリアの生涯かなっ? -
地の色の水色が印象的なフレスコ画
そういえば、有名なリラ僧院の壁画も、水色が印象的でした。
水色ってブルガリアーンな色?
関連の旅行記
「2008年ブルガリア旅行第3日目(2):ブルガリア正教会の総本山、リラ僧院」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10270746/ -
イコノスタシスの上
天井に描かれているのは神でしょうか。
すごく威厳のあるおじいちゃん@ -
少し視点をずらし、イコノスタシスをシャンデリアと
イコノスタシスとは何ぞや?
正教会で、聖なる空間と俗なる空間を隔てるイコンの壁です。
祭壇はその奥にあります。
詳しくは、こちらの旅行記の写真コメントに譲りましょう。
「イコンのこころ」(高橋保行・著/春秋社)から説明となる記述を引用しています。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/11967865/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/11967883/
関連の旅行記「2006年ハンガリーとルーマニア旅行第18日目(4):ブラショフ中央公園とルーマニア正教会」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10135677/ -
キリストの生涯を描いた窪みのフレスコ画
柱の絵まであります。 -
「マリアの死」のフレスコ画、その他
左は「キリストの復活」の場面ですね。
右はよく割らないですが、手前の赤い衣に青いシャツの聖人が主人公でしょう。12使徒の誰かかしら。
その下の若い天使ガブリエルのお顔はとても親しみがもてます。 -
イコノスタシスと、その前にたたずむ尼僧
ブルガリアのイコノスタシスは、ロシアやルーマニア正教のものに比べると、横に長いです。
これは向かって左から3分の2くらいです。
真ん中の黄金と十時間の扉が「王門」です。 -
洗礼の儀式の最中の司祭さま
この洗礼盤の周りを、子供たちがぐるぐる回っていました。
その写真は撮り損ねてしまいました。 -
足だけ水につけて髪を少し切る
主役の女の子は、ずうっと泣き通しでした。
まだちっちゃいものね。 -
イコノスタシスの前で祝福を受ける
祝福するときに、司祭さまが抱き上げました。
そのあとでまた、ママが抱っこ。 -
ふたたび教会のフレスコ画に注目
-
窓際のシャンデリアとイコノスタシス
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イコノスタシスの中心部分
あまり大きい教会ではないので、イコノスタシスもそう大きくはありません。
でもヨコに寸胴@
正教会では信者席がないので、大きくない教会でも信者がたくさん中に入れます。 -
イコンがたくさんの正教会内部
ロシア正教会には信者のためのイスが一切ないのですが、ルーマニアやブルガリアの正教会にはお年寄りや体の不自由な人のために少しだけイスがあります。 -
外に出て、入口ポーチの天井のフレスコ画
-
外壁のフレスコ画が美しいソコロヴォ僧院の教会
「修道院は、ヨシフ・ソコルスキー(Yosif Sokolski)が1832年の秋にもう1人の僧侶アガピ(Agapii)を伴って任務地に到着した後、1833年に創建されました。2人はソコロヴァ・ペシュテラ(鷹の洞穴)の前の石のテラスを新しい僧院の場所に選び、最初の教会を石灰岩の岩に築きました。教会は小さくて木造で、原始的な木造の家がその隣に建てられました。全てが完成したのは1833年1月でした。教会の聖別はタルノヴォの首都大司教であるクレタ島出身イラリオン(Ilarion of Crete)によって1834年8月15日に行われました。
今日の教会は1834年に建てられましたが、内外の壁画は、司教パヴェル(Pavel)とその息子ニコライ(Nikolay)によって1862年に完成されました。フレスコ画を含む僧院全体は、EUの経済支援を受けて近年修復されました。イコノスタシスもまた1862年にトリャヴナ派のイコン画の職人たちによって完成しました。教会の中心となるイコンは有名なガブロヴォのイコン画家フリスト・ツォケフ(Hristo Tsokev)によって描かれました。聖母子のイコンは教会の左部分の小さなイコン・スタンドに納められていますが、奇跡を起こす力があるものと信じられています。僧房の建物群全体が完成したのは、ブルガリア・ルネサンス期に、ガブロヴォ市民と周辺の村人たちの寄付の助けがあってのことです。貴重な建築記念物が教会の庭の真ん中に見られます。それは、大きな円形の噴水で、有名な親方コリュー・フィチェト(master Kolyu Ficheto)によって建築されたものであり、今でもその美しさで輝いています。
1836年に宗教学校が僧院に開設されました。有名な教師であるネオフィト・ボズヴェリ(Neofit Bozveli)が一時教鞭をとったこともあります。また、他の多くの僧院の場合と同様、ソコロヴォ僧院はブルガリア人の自由への闘争と密接に関わりました。1865年、デャド・ニコラ大佐(Captain Dyado Nikola)の分遣隊の旗はここで神に捧げられました。また、1876年5月1日には、修道院はツァンスコー・デュスタバノフ(Tsanko Dyustabanov)率いられ、4月蜂起へのガブロヴォ参戦の最初の地点となりました。創設から1959年まで、僧院は僧侶が住んでいましたが、ガブロヴォの女子修道院が不法に破壊された後、修道女たちがここに移動し、僧院を女子修道院に変えました。1968年以来、僧院の北部分に、巨匠ザハリ・ゾグラフ(Zahari Zograf)によって描かれたイエス・キリストと聖母子のイコンを納めた美しい礼拝堂が設けられています。」
(ブルガリア修道院のサイト(http://www.bulgarianmonastery.com)より私訳)
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この旅行記へのコメント (2)
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- wiz さん 2009/01/12 18:58:27
- 洗礼式
- まみさん、こんばんは♪
リラの僧院もさることながら
こちらの方でも素晴らしい景観とフレスコ画を
堪能させて頂きました。ありがとうございます。
ところで、洗礼式を見学されたんですね!!
私も今回どこだったか?今思い出せないのですが・・
ふと入った教会で洗礼式の最中に立ち会いました。
わりと暗い中だったのと、とても写真を撮ろうという
雰囲気にはなれなかったので写真は撮っていないのですが、
独特の空気が流れていて・・・後ろで見つめるばかりでした。
wiz
- まみさん からの返信 2009/01/12 20:33:45
- RE: 洗礼式
- wizさん、こんにちは。コメントと票をありがとうございます。
ブルガリアの僧院というとリラくらいしか日本ではあまり知られていないですものね。
「地球の歩き方」には一応紹介されてはいるのですが、リラ以外の僧院もここでこうやって紹介できるのはうれしいです。
私もはじめての海外旅行のサンノゼで洗礼式をみたときは、とても撮影する雰囲気ではありませんでした。
まあそのころはデジカメも携帯もまだなかったから、素人カメラマンがあちこちで撮影するシーン自体も珍しいものでしたけどね。
ソコロヴォ僧院はそれほど広くないところに関係者のほかにたくさんの観光客や参拝客もひしめきあってそれぞれすきに寺院内を見学していたうえ、洗礼式はパチパチやってましたからね。
お金を払い壁画を撮るついでに、人の柱からパチパチやってしまいました@
子供たちばかりでかわいかったです。
サンノゼのパプティスト派はごつい大人もたくさんいたし、意外に広い教会の祭壇の前でザブンとやっていたので、席からは遠目になんとか見られたくらいでした。
ブルガリア旅行では正教会の結婚式も見学しました。
カトリックとずいぶん違っていて興味深かったですよ。
そちらはさすがにパチパチやれませんでした@
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