2008/07/09 - 2008/07/09
75位(同エリア95件中)
まみさん
2008/07/09水 バンスコとピリン国立公園
【宿泊:Hotel Sema(バンスコ泊)】
・ババ・ヴァンガ教会見学(ルピテ村の聖ペトカ教会)
(最近聖人に列せられた、幼い頃に盲目となったが、国の未来を予言したり人の病気を治したり等、数々の奇跡を起こしたお婆さんゆかりの教会)
・バンスコ散策
聖トロイツァ教会
ネオフィット・リルスキー博物館
・ピリン国立公園(世界遺産)ヴィフレン山や樹齢1300年の木を訪問
・バンスコ散策
パイシー・ヒレンダルスキー像のある広場からニコラ・バルツァロフ広場まで(一人で散策)
前半の旅程を組んでくれた現地旅行会社の担当者のお薦めで、メルニックからバンスコに向かう途中、ババ・ヴァンガ(ヴァンガお婆さん)の教会に寄ることにしました。
彼女は、予見能力のあった、ブルガリアで人気の盲目の聖女だそうです。人や物を探し当てたり、未来の出来事を言い当てたり、ブルガリアの政治家も彼女に助言を仰いだこともあるそうです。
1911年生まれで1996年に亡くなった新しい聖女なので、その名声はブルガリア・ローカルかもしれません。
ネットで検索しても、日本語はもちろん、英語でもほとんど情報は得られませんでした。
ブルガリア観光の見どころ開拓の先駆になるかもしれない───そんな野心がなかったとはいえません(笑)。
ババ・ヴァンガのことはガイドもとても尊敬していると言っていました。
メルニックから、教会のあるルピテ村へ行く道は、途中からかなりの田舎道になりました。
舗装されていない道路は、車が一台しか通れないような狭さでぬかるんだときの車のわだちがそのまま固まってぼこぼこでした。
そこで、ガイドの友人たちの車とすれ違いました。ちょうどババ・ヴァンガ教会から戻ってくるところでした。
なんという偶然!───とガイドは驚き、喜んでいました。
意外に狭い世界?
そして到着したババ・ヴァンガの教会。でも正式名は、その教会が捧げられている聖女にちなんだ、聖ペトカ教会といいます。
きれいなところでしょ、とガイドは自慢気でしたが、私にはちょっときれいすぎでした。
最近出来た教会であり、ババ・ヴァンガの生家があって、訪れるブルガリア人が多いせいか、かなりきれいに整備されていました。
田舎を回るなら、失礼ながら「ヨーロッパの田舎」という私のブルガリアに対するステレオタイプを裏付けるようなところを期待していました。
だから、もっとごちゃごちゃと未開発なところが見たかったんですね。
しかし気を取り直してみれば……現代アートチックなイコンやイコノスタシスを持つ白亜の教会。
岩肌の美しいベラシッツァ山脈が見下ろす青空のもと、ババ・ヴァンガの慎ましやかな性格が表れているような小さな生家と果実が実る木々や花が植えられた美しい庭。
庭の一角には、湧き出る小さな温泉。
ベンチでゆっくり休む、参拝しに来たか、あるいはひょっとしたらご近所の、おばあさんやおじいさんたち。
そんな、ゆったりと平和なひとときも悪くないかもしれないと思えてきました。
そういう私は、ゆったり過ごしたかというと、貧乏性なのか、やっぱり写真撮影で自らを忙しくしむけていたんですけどね。
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本日のルートマップ
まずはメルニックから少しだけ南下して、ギリシャとの国境に近いペトリッチ(Petrich)近くのルピテ(Rupite)村にあるババ・ヴァンガ教会に行きました。
その後は昨日の道を途中まで戻り、リラ山脈とピリン山脈の間を走る国道19号に入りました。
この国道沿いのピリン山脈の絶壁と岩肌の景色はすばらしかったですが、狭い道路でしたので、車を下りて撮影することはできませんでした。
バンスコには12時すぎに到着しました。
※ルピテ村
「ルピテは、ブルガリアのブラゴエフグラッド州の南に位置する、山脈に守られた小さな場所で、ペトリッチから10〜12km北西、ストルマ(Struma)川の右岸にあります。こここは預言者ババ・ヴァンガが住み、埋葬されている場所として最も知られています。この場所は実は、死火山の火口であり、その外観はコズー(Kozhuh)火山丘陵、温泉、そしてプチェリナ丘(Pchelina Hill)によって形成されています。」
(英語版フリー百科事典ウィキペディアより私訳) -
ババ・ヴァンガのお墓と、岩肌の美しいベラシッツァ山脈
まずはババ・ヴァンガのお墓参り。
※ネットで調べたババ・ヴァンガの略歴
エバンゲリア(ヴァンガ)ディミトロヴァ(Evangelia“Vanga”Dimitrova)
1911年1月31日生まれ、1996年8月11日死亡。
12歳のときに、大木が根こそぎ引っこ抜かれるような大嵐に巻き込まれ、その砂と埃で視力を失います。
彼女の特別な能力はその後に少しずつ育ったようです。
16歳のときに、父親の行方不明の羊の居場所を言い当てたことが最初の奇跡でした。
彼女の予見能力は30歳を過ぎてからますます研ぎ澄まされたそうです。
彼女の評判を知り、人々は助言を仰ぎにたくさんやってきました。
戦争に出かけた夫や息子の安否を気遣ってすがる村人たちだけでなく、知識人や政治家もいました。政治家の中には、先の首相ジャン・ヴィデノフ(Zhan Videnov)(在任1995〜1997)や35年間政権を握った共産党のトドール・ジフコフ(Todor Zhivkov)(1954年に第一書記に就任以来、1989年に辞任するまで)もいたそうです。
彼女はまた、花やハーブを使って人々を治療する力もありました。
彼女と彼女の予見については好意的なもの批判的なものを含め、たくさんの批評がなされましたが、彼女自身は、少しでも人々の助けになればと願う慎ましやかな婦人でした。
彼女の最後の予見は、フランスに、彼女と同じような能力が授かった10歳の少女がいるというものでした。
その少女については時が答えを出すでしょう。 -
ババ・ヴァンガのお墓と鐘とベラシッツァ山脈
ベラシッツァ山脈はギリシャとの国境になっています。
お空が青い! -
ババ・ヴァンガ教会、正式名は聖ペトカ教会
ブルガリア正教会ではまだ彼女を公式には聖人と認めてはいないため(2008年7月現在)、教会は公式には聖女ペトカに捧げられています。
建てられたのは現代なので、かなり現代的なお洒落な教会です。
逆光なので撮りづらかったです。 -
教会入口の上の絵
ババ・ヴァンガに治療してもらった人々が描かれています。
右側に横たわるおばあさんが、ババ・ヴァンガ。 -
教会内部、イコノスタシスとシャンデリア
撮影許可をもらえました@
内部は日がよく射し込んで、明るいです。
「聖ペトカ教会は、1992年、ババ・ヴァンガが選んだ場所で献堂されました。以来、たくさんの人々が礼拝に訪れる名高い観光名所の一つとなりました。イコンは、有名なアーティストであるスヴェトリン・ルセフ(Svetlin Rusev)によって制作されましたが、あまりにリアルであり、イコンの規範に沿っていないということで、ブルガリア正教会の聖務会院(Holy Synod)は一般にこれを認めていません。近くにはヴァンガの家があり、新しい修道院が建設中です。」
(英語版フリー百科事典ウィキペディアより私訳) -
イコノスタシスの前のろうそく立て
手前のろうそく立ては生者のため、奥のペットのトイレのような砂箱(失礼!)は死者のために捧げるところです。
ブルガリア正教では、このように、死者のためのろうそく立ては下にあるそうです。ただし、いつも必ずしもあのような砂箱だったわけではありません。
ルーマニア正教との違いが大変興味深いと思いました。
ルーマニアでも生者に捧げるためのものと死者に捧げるたのものは分かれています。「Vii」や「Morti」と書かれてあるので区別できますが、両者とも差はありません。
一番大きな違いは、ルーマニアの場合は、火災予防のため、ろうそく立ては必ず、教会の建物とは別に、外に用意されていたことでしょう。
ルーマニアのロウソク立て
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/13869271/
関連の旅行記
「2007年ルーマニア旅行第18日目(1):通算5日目のブカレスト観光」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10241136/
外の建物の中にあるロウソク立ての建物
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/13409663/
関連の旅行記
「2007年ルーマニア旅行第15日目(1)ブコヴィナ地方:ほっそり優雅なドラゴミルナ修道院と牧歌風景」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10216973/ -
ババ・ヴァンガのイコン
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内部、入口付近
2階はあっさりしています。
入口近くの売店には、ろうそくや聖書の他に、ババ・ヴァンガについての本も売られていました。ブルガリア語のみでしたけど。 -
ろうそく立てとババ・ヴァンガの祭壇
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現代的なイコノスタシスとシャンデリアとババ・ヴァンガの祭壇
中央の門の両側のイコンは、聖母子とイエスだと思いますが、見慣れた中世のイコンとはずいぶん印象が違います。
左側の女性のイコンのどちらかは、聖女ペトカでしょうか。 -
教会のとなりにある、ババ・ヴァンガが住んでいた家
そして、ここで亡くなったそうです。
手前の薔薇と一緒にパチリ@ -
巣箱のような煙突とベラシッツァ山脈
新しい家なので、ブルガリアではやや珍しく、屋根が白いです。
この旅行で見た限り、ブルガリアの家の大半はオレンジ屋根でした。 -
外にあるサマーキッチン、右側にかまどがあり
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ベラシッツア山脈の岩肌を背景に、反対側から見たサマーキッチン
お庭はこのように広々としています。
このお庭で撮った、果物(ピーチやデュリャやりんご)の成る木の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14357817/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14357818/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14357819/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14357820/
このお庭で撮った、モコモコひまわりの写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14357821/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14357822/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14357823/
関連の旅行記
「2008年ブルガリア・ハイライトその9:花と実り豊かな夏のブルガリア・その1」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10264144/ -
ババ・ヴァンガの寝室
とても居心地良さそうな部屋です。
公開されていなかったので、中には入れませんでした。写真は窓から覗いて撮りました。
この家は、いまや、国に寄贈された建物となっているそうです。 -
家の脇の井戸に風情を感じて
-
ババ・ヴァンガ教会の敷地内に湧き出ている75度の温泉
湯気が立っています。
温泉というより、沼というかんじ……。 -
75度の温泉
小さくて浅そうな温泉でした。
たとえ適温でも、浸かれないでしょうね。 -
バンスコへ向かう途中の車窓からピリン山脈
クレスナ(Kresna)を過ぎて間もないところでしたので、まだ国道1号沿を走っていたときだと思います。
途中で曲がらなかったらソフィアに戻っちゃう国道です。
車窓から、岩肌狙いで、橋を渡っているときに撮りました。 -
リラ山脈とピリン山脈に挟まれた国道19号から見える岩肌
私が走行中にパチパチやっていたせいか、ドライバーが途中で、車を止めやすいところを探してストップしてくれました。
手前の木の色が濃い上、逆光だったので、岩肌を出すにはどうしても露出オーバーにならざるを得ず(泣)。 -
強風のため、川の流れは速い
昨日までの猛暑に対し、この日は比較的涼しい一日でした。 -
日に照らされた山肌
ここまでの3枚がフォト・ストップ中に撮ったものです。 -
ピリン山脈とグラジェフスカ川
走行中の車窓から撮りました。
山沿いにくねくねした道が続くので、フォト・ストップは無理だとわかっていましたからねぇ。 -
走行中の車窓から、ピリン山脈とグラジェフスカ川
向こう岸には線路がありました。
観光用の古い機関車が走ることもあるそうです。
ガイドは以前、その機関車に乗ることを目的の一つとして日本人団体を案内したことがあるそうです。
機関車はともかく、せめてその線路を狙いたかったのですが、残念ながら上手く撮れませんでした。 -
バンスコ手前、ピリン山脈と強風でたわむ木々
国道は少し山から遠ざかって平野部を走りました。
山頂には、真夏でも雪が残っています@ -
バンスコ手前、ピリン山脈
同じ景色を、広角側でも撮り直しました。
美しい山々が連なっています@ -
バンスコ手前、ピリン山脈
手前の緑を入れて、また1枚@
バンスコはもうすぐです。
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