2006/10/22 - 2006/10/22
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まみさん
2006/10/22(日)第15日目:ブダペストから日帰りでケチケメート再訪
ケチケメート・ギャラリー、素朴派美術館、おもちゃ博物館、自由広場とコシュート広場、古い教会、聖ミクローシュ教会、写真博物館とカントナ・ヨーゼフ劇場(どちらも外観だけ)
夜のデアーク広場の空地に、戦車がありました。
真ん中にでかでかと穴のあいた、大きなハンガリー国旗を背景に。
戦車のすぐそばには近寄れないようにロープが張られ、警備員が何人も見張っていました。
ケチケメートへの日帰り旅行からブダペストに戻ってきて、レストランを探すためにデアーク広場で地下鉄を降りて地上に出たときのことです。
その空地は、ちょっとしたイベント会場のようになっていました。
つい数日前は、テントの仮設舞台が設置され、ロックかジャズのようなライブミュージックをやっていたものです。
なのに、今は戦車。
ああ、わかりました。
明日の10月23日は、1956年のハンガリー動乱追悼記念日なのです。
それに関する展示に違いありません。
ということは、ハンガリーの人たちにとって、これは決して、軽々しいものではないのでしょう。
夜のライトに照らされた戦車。
なんかかっこよくて写真に撮りたいけれど、不謹慎かしら……。
と思っていたら、みんなやっぱりかっこいいと思うのか、遠慮なく写真を撮っています。
警備員も、好きに撮らせています。
なら、私も!
ハンガリーの過去を思うと、好奇心だけに突き動かされるのは申し訳ないと思うけれど、でも、被写体として気に入ってしまったので、やっぱり撮らせてもらうことにしましょう。
真ん中に穴のあいた国旗は何を意味するのか、と思って、後で持参の資料をひっくり返したら、ありました。
かつて旗の中央にはソ連のマークが入っていたため、ハンガリー動乱のときに焼かれたのだそうです。
(参考「きいろはハンガリー色」瀬川知恵子著(新風舎)その他)
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真ん中に穴のあいたハンガリー国旗と戦車
「1956年に?ハンガリー動乱?が起こってナジ・イムレが首相になった。政府はソ連から離れて民主的な国を作ろうとしたが、ソ連は装甲車をハンガリーに出動させた。ブダペストでは市街戦が起こって多くの市民が犠牲となり、ナジはソ連軍に連行されて後に処刑される。この事件の後、社会主義者労働党の党首となったカーダールは、ハンガリー国内の反スターリン運動の盛り上がりを止めることはできなかった。ソ連は?ハンガリー動乱?の教訓から、事件以降ハンガリーに対しては黙認することが多くなり、ハンガリーは独自の経済改革を進めていった。」
(「旅名人ブックス ハンガリー“千年王国”への旅」(日経BP社)より -
機銃と戦車
「ナジ・イムレは当初、民衆に武器を捨てるようにと説得した。ナジは30年来の共産主義者であり、学者肌で穏やかな政治家だった。そのナジが市民の戦いを民主運動であると認めてソヴィエト軍の撤退を要求し、複数政党制と言論の自由を約束しただけでなく、ハンガリーのワルシャワ条約機構からの脱退と中立までをも宣言したのである。ソヴィエトにとってはとうてい容認できることではなかった。いったんは退却したかにみえたソヴィエト軍戦車が、再びブダペストの町に姿を現し、町は完全に包囲された。」
(「図説ブダペスト都市物語」早稲田みか・文(新潮社ふくろうの本)より) -
真ん中に穴のあいたハンガリー国旗と戦車
アングルを変えて
「11月13日、ナジは最後のラジオ演説を行った。「本日未明、ソヴィエト軍が、われわれの合法的・民主的政府を倒すという明白な意図をもって、首都ブダペストに攻撃を開始しました。ハンガリー軍は戦闘中です。政府はもち場についています。私はこの事実を国民と全世界の人々に伝えます」
市民は西側諸国の援助や国連の介入を期待していたが、救いの手はさしのべられなかった。民衆の蜂起は、反革命としてソヴィエトの戦車に鎮圧されたのである。」
(「図説ブダペスト都市物語」早稲田みか・文(新潮社ふくろうの本)より)
軍用トラックなどもありました。
ライトに照らされているとはいえ、夜間に撮影するのは限界があります。
デアーク広場になら、明日も通りかかるはずなので、明日、また写真を撮ることにしましょう。
明日なら、展示も近くで見られるにちがいありません。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- noriakiさん 2007/02/11 09:56:38
- いつも解説が詳しいです・・・
- まみさん
おはよう御座います。
よく歴史の勉強をされているようですね・・・
解説が詳しくて、見ていて楽しいです!
- まみさん からの返信 2007/02/11 18:41:59
- RE: いつも解説が詳しいです・・・
- noriakiさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。
解説が詳しすぎて読むのがめんどうくさい!といわれなくてホッとしてます。
(その場合は写真だけ見る手もあるか(笑)。)
東欧旅行へは、歴史に関心を持ちたいという下心から出かけ、そして出かけてみて、ますます歴史に惹かれました。
ハンガリーの歴史をひもとくと、対ハブスブルグに対ソ連に、抵抗と挫折の連続なので(まあこれはハンガリーに限らず、ですが)、どの事件がいつの、誰が中心で、どうなったか、というのは、最初のうち、すごーく混乱しました。
最近やっと、なんとか区別がつくようになったんですよ。
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