2010/12/24 - 2010/12/25
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世界攻略者さん
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石頭城の郊外で、唯一最大の見所とされているのが太子関。関ということは、関所、難所、それとも峠? だいたいの場所はわかっているので、行ってみることにしました。そして、到着して初めて気づくのでした。自分は「だいたい」どころか、何もわかっていなかったと。
**情報は2010年12月のもの。1人民元=12.5円で計算。
==石頭城外伝 シリーズ一覧==
① 正面から見たければ対岸に渡れ
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534262/
② 太子関はどこですか <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534264/
③ 宝山郷バオバオ・トレック(郷政府への道)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534460/
==麗江逃票日記 シリーズ一覧==
① 古城維持費なんていらない(獅子山公園、万古楼、木府)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527829/
② 旅人は郊外をめざす(束河古鎮、白沙鎮、拉市海、ドクターホー)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10529215/
③ 私の大好きな黒龍潭公園(玉泉公園)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10528121/
④ 長江第一湾の極上の展望台(石鼓)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10528734/
⑤ ならず者のための玉龍雪山案内 (氷川公園、雲杉坪、ヤク坪)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527815/
⑥ 理想じゃない村 宝山石頭城
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10532864/
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[目次]
太子関って何?
太子関への道 その1 - 丘越え
太子関への道 その2 - 谷越え
太子関への道 その2 - 岩山の道
太子関の正体
帰り
まとめ -
[太子関って何?]
ここに来る前、石頭城の案内や旅行記をネットで収集したのですが、まともな情報がほとんどありませんでした。周辺の見所として名前が挙がっていたのが金沙江と太子関くらい。太子関とは、石頭城の北にある山の難所で、そこを通れば裏側の農村地帯まで行けるらしい。
この古道をそのまま歩き続けると、奉科郷を経て3日がかりで瀘沽湖まで徒歩で行くこともできます。今は奉科や瀘沽湖にも道路が来ているので、このルートを旅するのは冒険好きな旅行者くらいでしょう。 -
石頭城から太子関へ往復する場合は一日がかり。宿の主人に聞いてみると、歩いて三時間くらいかかるとのこと。ここまで情報は出揃ったのですが、肝心の太子関そのものがイメージできません。
ネットでも「これが太子関だ」という写真は見当たらず。(何しろ「太子」のキーワードでグーグルへのアクセスが遮断されます)。現地の人に聞いいても、「あの辺だよ」と北の山の端のほうを指差すだけ(写真)。その指差した先に山道らしきものは見えないのですが..。 -
もしかして、太子関とは場所の名前で、実際には川沿いの道なのでは..。金沙江の先をチェックしてみますが、岩肌に道のようなものはありません。逆に、対岸側には水路の道があるのですが..。一体、太子関ってどこなんだ!何なんだ! それ以前に太子関の見所は? 景色? それとも歴史的な価値? なにもかもはっきりしません。
このモヤモヤした気持ちを晴らすため、見切り発車で太子関に向かうことにしました。北側の丘を越えていけば、道はあるはず。自分で実際に行ってみれば、すべての疑問が解決されるに違いありません。
写真: 木家客桟2階のテラス。ここから太子関は見えない。 -
[太子関への道 その1 - 丘越え]
まずは北側にある丘に向かいます。ルートは以前の旅行記で紹介したビューポイント4への道と同じ。バスケットボール場(写真左下)から村を出て、橋を渡り、小さな村を通った後、丘に登ります。 -
途中通過するこの村(写真)は、土壁が似合う静かな集落。私は滞在中、何度もこの道を通っているので、すっかり顔を覚えられました。この村から5分ほどで、左側にアンテナ塔に向かって登る道が見えてきます。これを丘の上まで登ってビューポイント4に到着。ここまで約35分
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丘の上から北側を見るとこんな感じです。この時点でも、太子関の正確な位置は把握していません。というのも、双眼鏡で見ても、尾根を越える道がひとつも見つからないからです。あの峠かな、この峠かな...。何度見てもわかりません。どこも頂上付近は絶壁の岩肌のように見えます。
この眺めのいい丘の上には、いつも牛や豚が昼寝をしています。ここからアンテナ塔の方向に向かって尾根を登り、数分後、大きな道に合流。その道を通って太子関の方向に向かいます。 -
この山の上を走る道(写真)は、トラクターも通れそうな幅広の道。12分ほど行った先が谷になっているため、道が大きく左に曲がります。
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道の上から見て谷の底には小さな村(写真)があります。地元の人が身振り手振りで言うには、一度この村に降りてから登るルートと、この広い道を歩き、ぐるっと回って正面の山に行くルートがあるようです。確かに山の中腹に横から伸びている道が見えます。後者の道は、あまりに遠回りに思えたので、村に下りることにしました。
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ここまでのルートはこんな感じです。
黄色い点: 石頭城、途中の村、ビューポイント4、大きな道への合流点、村への降り始め。 -
[太子関への道 その2 - 谷越え]
下の村へ下りる道は少々トリッキー。道がカーブしているところの奥にお墓のようなものがあります。このすぐ裏から小道がありますが、それは基本的に、下の村ではなく、さらに奥の一軒家に繋がっています。村に行くには、道路を50mほど戻った辺りにある赤土の道を進みます。道は一見、川のほうに向かって下っていくように見えますが、途中で方向転換して村に降りていきます。
17分ほど歩いて下の村に到着。T字道を右に行くと村の中へ、左に行くと橋に向かいます。
写真: 青い線: 村へ下る道。赤い線:幅広の道。 -
橋を渡り、正面に見える斜面の道を登ります。村から見えているのは写真の丘(黄色い点)まで。青い部分の道は、傾斜は緩やかなものの、道が狭く危なっかしい場所が2,3ヶ所あります。こういう場所で放牧されたヤギや豚一家と鉢合わせになると、泣きたくなります。
丘の後は、山の裏側の森の中を歩きます。この紫の部分の道は、危険はないものの、急な砂利道で足場が非常に滑りやすい。悪いことづくめですが、これらの道は近くの村人が毎日のように放牧や薪集めに歩く道。危険ではなく、危険に見えるだけなのかもしれません。要は慣れです。
森の斜面を登りきると、水平な道になります。どうも、この辺りで遠回りしてきた道(緑)と合流しているように見えます。ここから先は太子関を越えるための道なので、現地民や家畜に会うことはないでしょう。村からここまで約40分。 -
[太子関への道 その3 - 岩山の道]
水平な道は下りに変わり、数分後、岩肌を削り取った道と、その向こうにトンネルのようなもの(写真左の穴)が見えてきます。これは意外でした。どうしても道が作れないところには、このような方法があったのです。約60メートルのトンネルを抜け、岩肌沿いの道が続きます。この区間の道は幅も広く、見た目ほど危険ではありません -
かなり高い所まで登りました。来た方向を振り返るとこんな感じです。午後は空気が少し霞むため、遠くの石頭城(写真右上)もぼんやり見えるだけ。
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30分ほど歩き続けて、再びトンネル(写真左中央)へ。実はこのトンネルこそが太子関。太子関とは、峠ではなくトンネル...。全く予想していませんでした。到着して初めてわかった次第です。双眼鏡で尾根をなめても道が見つからなかったのは、こういうことだったのです。
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丘から太子関までの道はこうなります。赤い部分がトンネル。ここまで、トータル二時間半強。けっこう飛ばしました。
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[太子関の正体]
太子関のトンネルは高さ2メートル弱。ひとつ目のトンネルより少し長く、1,2分で反対側に出ます。中は真っ暗なため、ライトはあったほうがいいでしょう。しかし、このトンネル、いつの時代に掘られたのでしょう。もしそれほど昔でないならば、それ以前はどうやってこの山を越えたのか気になります。
あるウェブサイトによると、太子関の標高は3500メートル。さすがに、そこまで高くはないでしょう。撮った写真のGPS記録を調べてみると約2500メートル。うーん、この山脈自体の最高点は、3000メートル近くあるかもしれません。 -
トンネルを抜けた先は、何の変哲もない山々の風景。道は続きます。そこから数分歩くと次の村が見えてきます。
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反対側からトンネルを見るとこんな感じです(赤い矢印)。正確に言えば、このトンネルが太子関ではなく、太子関に掘られたトンネル。この切り立った岩山は、人はもちろん動物でも越えられない難所として名を馳せてきました。実際、元のフビライ・ハンが大理国に攻め入った時には、金沙江を筏で下って太子関をバイパスしたそうです。
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太子関への道は、金沙江を高所から見下ろしながらのトレッキング。特に景色が言い訳ではありません。この太子関トレックの魅力をあえて挙げるとすれば、トンネルを含めたルートの面白さ、そして「あんなとこに道あるの?」という意外性だと思います。
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[帰り]
時間も遅いので、帰ることにします。2時間15分ほどで石頭城に到着。私が「太子関に行ってきた」と言うとほとんどの人は「それはすごいな〜」と関心します。あるネットの旅行案内で「二日目のお勧めプラン」に載っていたので、私はてっきり旅行者の半分くらいが行くメジャーな場所だと思っていました。実際には、旅行者はもちろん地元の人でも、めったに行かない遠隔の地なのでした。 -
[ルート]
==目安時間==
石頭城 - 村1: 25分
村1 - VP4: 35分
VP4 - 村2の上: 25分
村2の上 - 村2: 20分
村2 - 丘の上: 35分
丘の上 - トンネル1: 40分
トンネル1 - 太子関: 45分
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合計: 3時間45分。帰りは2時間45分。
写真: 黄色い点が目安時間のポイントに対応しています。 -
[まとめ]
ここまで偉そうに太子関トレックを紹介してきましたが、私がトンネルにたどり着いたのは実は三日目。宿の主人があまりにも「道は簡単だよ」的な態度だったため、「行けばわかる」と考えていました。実際には、直感的でない箇所が2,3箇所あり、現地人に会うことも少ないため、それほど簡単ではありあせん。一度目は丘の後、川に下りてしまい失敗。二度目は村に降りる道がわからずタイムアップ。毎回、少しづつ学習し、やっと3回目で最後まで到達できたのでした。途中であきらめていたら、一生、太子関がトンネルだと知らずにいたかもしれません。
写真: 川辺の畑。ここから太子関に続く道はなし。一日無駄にしました。 -
基本的に道は太いので、ガイドを付けるか、案内地図さえあれば誰でもトレッキングできます。この旅行記を参考にすれば間違いないでしょう。しかしながら、ただでさえ旅行者が少ない石頭城。太子関の正体を知ってしまった今、どれだけの人が興味を持って足を運ぶか疑問です。
そうなると、この旅行記は単なる個人的なメモになってしまいますが、それでもかまいません。失敗も含めて十分楽しませてもらいました。「太子関って一体何なんだ! イライラ」。その時の自分を振り返る度に、笑みがこぼれます。 -
[リンク集]
==中国旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=2&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==雲南旅行記==
虎跳峡の歩き方 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10523702/
梅里雪山を巡る旅 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10526168/
元陽棚田トレック 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551785/
瑞麗の向こう側 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10537955/
雲南 少数民族マーケットハンター 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573334/
中国国境のカジノタウン 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573770/
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