2011/07/28 - 2011/07/28
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がおちんさん
旅の6日目。瀘沽湖を出発し、山道を3日間歩きました。
麗江県の宝山・石頭城から金沙江を渡り、山越えをして永寧・瀘沽湖に至る道のりはトレッキングルートとして知られ、観光化される前の虎跳峡の趣が残るとされています。
海外から訪れるトレッカーや中国の自然愛好家にも人気があり、5日~8日間程度のトレッキングツアーも組まれていますが、日本人には知名度が低いようです。
今回は、瀘沽湖側から石頭城に向かいます。総距離は約110km。トレッキング初日は、永寧から原始森林の中を歩いて荘子という集落まで歩きました。
旅のルート(2011/7/28)
瀘沽湖→永寧→埡口→荘子
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
-
2011年7月28日(木)
今朝は瀘沽湖鎮を出てトレッキングに向かう。H君が途中までバイクで送ってくれることになった。
炭の煙をバイクと体のまわりにかけて安全を祈願する。
「さあ、がおちんも煙をかけて」とH君。 -
6時半、まだ薄暗い瀘沽湖鎮を出発する。
-
獅子山に向かってバイクを飛ばす。
時速80キロで走るH君。
ギャーッ寒いー!
耳の穴がキーンと痛む。 -
朝の瀘沽湖は冷え冷えとして、7月の後半とは思えないほどだ。
-
数珠を持って湖畔を歩く、おばあさん。
仏塔を回るにも危険な車道を歩かないとならない。
瀘沽湖の自然と地元民を無視した開発だ。 -
ガンム(女神)の住む獅子山。
変なスジが見えるなと思ったら、ロープウェイだった。
入場料(入域料)を払い、遊覧舟に乗り、ホテルで踊りを見て、ロープウェイで山に上る。浅はかなテーマパーク化がされ、「通い婚」まで観光のネタになった。 -
里格半島が見えてきた。
昔は歩いて5時間以上かかった道のりも、今はバイクで30分。
小さな集落が丸ごと観光地になっている。小さな半島まで宿泊施設で固めてしまうという無粋ぶり。これでは青く透きとおった湖水も汚れるわけだ。
宿泊施設は別の所に建てて、美しい村をそのままに残しておくほうが、訪れた旅行者は感動するのに。 -
★1990年の瀘沽湖
峠の上から見る里格と湖の眺めは、まるで桃源郷のようだった。もう、このような環境には戻れない。
九寨溝のように管理・開発してたら、ここまでの変貌はなかっただろう。神秘さを失った瀘沽湖に魅力を感じる者などいない。この先どうなるか、結果はすでに明白だ。 -
それでも、素晴らしかった旅の記憶は、いつまでも色あせることはない。
また来る時まで、さらば瀘沽湖! -
バイクは永寧へ向けて、北西に進路を変えた。
私は寒さで涙ボロボロ、鼻水ズルズル。 -
7時半、永寧に到着。
トレッキングは、この橋を起点にする。海抜は2700m。
昔、この川でカワセミが魚を捕まえていたけど、今もいるかな。 -
うー、寒くてたまらん。
米線でも食べよう。 -
H君と食べる、最後の食事。
二人とも無言で、淡々と食べる。 -
橋のところで別れようとしたら、「もう少し送ろう」とH君が言った。21年前に別れたときと同じだ。さらに15分ほど走ったところでバイクを止めてもらった。
1時間半も送ってくれたので、「ガソリン代にしてくれと」金を出したが、「俺たちは友達だ」と言って受け取ってくれなかった。
多くの少数民族は別れ際に、日本人のように大げさに別れを惜しんだり、いつまでも見送ったりはしない。H君との別れも、「じゃ、行くよ」、「おう」とサラッとしたものだった。 -
8時15分、トレッキング開始。
自分がどこにいるかわからないため、とりあえず近くの村まで行く。 -
村のはずれで会った、プミ族のおばあさん。
言葉が通じなかった。
とりあえず、「ラジャ」という村の名前と、峠の方向だけは判明した。 -
いきなり泥でグチャグチャな道に出くわした。
足首まで埋まって早くもピンチ。 -
放牧に向かう人がいたが、息が切れてなかなか追いつけない。
必死に歩いて声をかけ、峠への道を教えてもらう。 -
谷を越えて遠くに見える集落は、彝族の住むヤンピン村。
本来は、あの村沿いに山道を上る予定だったが、バイクで走りすぎたために、ルートからかなりはずれてしまったようだ。
ここからヤンピンに寄ると1時間以上のタイムロスになるので、「峠に向かうなら谷に下らず、別のルートを行け」と放牧の人は言った。 -
どちらに進むにせよ、私にとっては未知のルートだ。
地元の人の言う「別のルート」を行くことにした。 -
牛糞からきのこが生えている。
-
10時15分、高原で休む彝族の人たちに会う。
ここから峠までは3時間で着くというが、それは彼らの足ならばの話。
ザックを背負った私の足では、もっとかかるだろう。 -
唸り声を上げて襲ってきた犬。
山ではこいつが一番怖い。 -
牛の間を抜けて、歩き続ける。
-
トレイルは岐路が多く、何度もルートを誤ってしまう。
これがかなりのタイムロスになる。 -
「そっちは行けないよ!」と大声で教えてくれた彝族のご婦人。
危ういところだったが、正しいルートまで案内してくれた。
どうもありがとう。 -
広めの道を上り続ける。
このあたりから呼吸が苦しくなりはじめた。 -
11時15分。
歩き始めて3時間、後ろを振り返ると、遠くに獅子山が見えた。
けっこう登ったな。 -
道は再び細くなった。
枝分かれに入り込まぬよう、用心して歩く。 -
カブトムシのような角をもつ、ずんぐりした昆虫がいた。
スカラベ(糞転がし)かな? -
12時15分。
登っても登っても、峠には着かず。
でも眺めは最高。 -
高原の道を気持ちよく歩く。
息が切れたら小休止。 -
だんだんと高原から森林の様相を呈してきた。
-
13時半、峠(埡口)に到着。
ここで大休止。
昼食にする。
アルコールストーブの火のつきが悪く、湯を沸かすのに時間がかかる。 -
埡口から見た獅子山。
ラジャ(拉家)からここまで4時間15分かかった。
標高は3500メートル。(3700mとの説もあり) -
右奥にかすかに見えるのが瀘沽湖。
ずいぶんと登った。
さあ、あとは下るのみ。出発する。 -
14時。
前から馬が歩いてきた。 -
次つぎと通り過ぎる馬の一団。
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最後尾に登場したのは、銃を担いだプミ族おじさん。満面の笑顔で、「ヨッ!」と手を上げた。
「どこから来た?」、「日本です」。
「ガイドは?」、「いません」。
「連れは?」、「一人旅です」。
「前に来たことがあるのか?」、「初めてです」。
「道は知っているのか?」、「知りません」。
「どこに泊まる?」、「ツェルトを持ってます」。
「怖くないか?」、「いいえ」。
おじさんは親指を立てて「ハオ!」と笑った。そして、「荘子に知り合いがいるから、そこで泊まりなさい」と、メモに名前などを書いてくれた。
「馬は行っちゃったけど大丈夫ですか?」ときくと、「平気だよ、先のほうで草を食って待ってるから」と答えた。 -
峠から先は一本道で迷う心配もないという。
怪我だけしないよう、注意して歩く。 -
15時。
原始森林の中を下り続ける。
気分最高! -
午後の強い日差しを木々が遮ってくれるため、心地よく歩ける。
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清流も豊富にある。
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ツェルトを快適に張れそうな場所もあるが、まだ時間が早いので荘子まで歩くことにする。
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今回は久しぶりの山歩き。
最近は登山用品の軽量化が進み、行動が楽になった。バックパックやストック、調理器具やヘッドライトなどはウルトラライトになり、寝袋やツェルト、雨具・食料・水を含めても7kgぐらいにしかならない。
ブーツだけは使い慣れた皮製のものを修理して使ったが、雲南ではこれが大正解だったと翌日に判明する。 -
山道は所々に倒木があり、これをくぐらなくてはならない。
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清流に沿って下りていく。
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山道に咲くきれいな花。
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これは何だろう。
なめこかな? -
16時。
岩の下から湧き水が出ていたので給水。
とても冷たくて美味い。
元気回復。 -
歩きにくい、岩のゴツゴツした場所を過ぎる。
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干上がった沢にて、対面にある山から人が下りて来た。
きのこ採りに行った帰りだという。 -
「ほら、いい香りだよ」とマツタケを見せてくれたのは、荘子に住むプミ族の男性。
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これが本日の収穫。
彼らは商売にするわけではなく、自分たちのために採る。
場所は知っていても、むやみに採り過ぎないのだ。 -
「金は無くても、美味しい山の幸と薬草が採れるから、私たちは健康だよ。世の中に惑わされずに暮らしている。幸せなことさ」と彼は言った。仙人のようなセリフだ。集落の名前が荘子だけに、老荘思想と関係があるのかなと思ってしまった。
「今日はうちへ泊まらないか。マツタケをごちそうしよう」と誘われたが、この頃から体調が悪くなり、彼らの歩く速度についていけなくなった。彼の家まではまだ遠いので、断って先に行ってもらった。 -
やっと見えた、荘子の集落。
標高は下がっているはずなのに、息切れが止まらない。
ちょっと変だ。 -
荘子はローカルな雰囲気をもつ山の里。
でも、電気はしっかり通じている。そこが昔の中国とは違うところ。
電気、冷蔵庫、テレビにケータイ。今や山奥に住む少数民族も、都会と同じ情報と生活様式になっている。
そういう意味では、もう中国には秘境も田舎者も存在しない。 -
17時15分。峠で会ったおじさんに教えてもらった家を訪ねる。
プミ族のおばあさんが門を開けてくれた。ここは、トレッキングツアーの宿泊場所にもなっているそうだ。 -
峠のおじさんに紹介された旨を伝えると、「一人で来たのか?」とおばあさんは驚いた。
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夜にかけて本格的に体調不良となり、出された食事に手をつけられない。
頭痛、めまい、鼻水、耳のつまり、熱っぽさ。風邪の症状に似ているが、おそらく高山病だ。これまでも高地で同様の症状になったことがある。
きゅうりとキャベツを少々つまみ、ご飯にゆかりをかけて茶漬けにした。 -
居間に掛けてある、プミ族の狩猟道具。
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いつもなら、いろいろな話をしたいところなのだが、少しでも早く横になりたい。この数日間は寝不足が続いたので、体がばててしまったのだろう。
「晩安!」とおじいさんからきれいな普通語で言われ、返事を返すのがやっとだった。
部屋に戻って自分に鍼灸治療をし、すぐに眠った。
2011年雲南・四川の旅 【その6】に続く
http://4travel.jp/travelogue/10594995
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