2010/12/22 - 2010/12/23
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世界攻略者さん
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石頭城に来たからには、村全体の風景をカメラに収めたい。しかし、石頭城が金沙江を向いて建っている以上、なんともしようがありません。解決策は明白です。川の対岸に渡ればいいんです。でも、なぜそうする人がほとんどいないかというと、この川には橋がないから。でも、「川を渡る方法」はあります。
**情報は2010年12月のもの。1人民元=12.5円で計算。
==石頭城外伝 シリーズ一覧==
① 正面から見たければ対岸に渡れ <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534262/
② 太子関はどこですか
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534264/
③ 宝山郷バオバオ・トレック(郷政府への道)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534460/
==麗江逃票日記 シリーズ一覧==
① 古城維持費なんていらない(獅子山公園、万古楼、木府)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527829/
② 旅人は郊外をめざす(束河古鎮、白沙鎮、拉市海、ドクターホー)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10529215/
③ 私の大好きな黒龍潭公園(玉泉公園)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10528121/
④ 長江第一湾の極上の展望台(石鼓)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10528734/
⑤ ならず者のための玉龍雪山案内 (氷川公園、雲杉坪、ヤク坪)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527815/
⑥ 理想じゃない村 宝山石頭城
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10532864/
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[目次]
対岸への道
対岸
再度、対岸へ
丘からの眺め
水路からの眺め
長豊村
帰りの道
ボートオーナーのもてなし
ルート
まとめ -
[対岸への道]
私の計画としては、まず対岸に渡り、石頭城の正面にある丘に登ります。高さ的には石頭城の最上部と同じくらいのはず。そこまで道があることは、こちら側からでも確認できます。
写真: 左下: 石頭城。青い線: 道。黄色い点: 右から:渡し屋の家(青い屋根)、民家2、民家3、丘の下の村、眺めのいい丘。 -
計画が決まったところで、まずは金沙江まで下りていきます。木家客桟から行く場合、城内の奥に進み、2つ目のわき道を右折、4分ほどで東門へ。後は道なりに歩くだけ。岩の階段、水路を経て川辺の砂地まで下ります。分岐があれば、対岸の青い屋根の方向へ進みます。石頭城と川の間には、大きな棚田があるため、結構時間がかかります。25分ほどで川岸に到着。
この川辺も石頭城の見所のひとつ。砂場を散歩したり、岩の上に寝そべってのんびりできます。確かに広範囲に砂地がありますが、特に景色がいいわけではありません。往復に最低1時間(目安は1時間半)かかることを考えると、見所としては、今ひとつです。 -
不便なことに、この近辺には川を渡る橋がありません。川幅が広いのと、対岸側の村が小さいというのが主な理由でしょう。では対岸の住民は、どうやって宝山郷に行くのでしょう。答えはゴムボート。完全予約制で、対岸に住む農家の男性に電話をしてお願いします。
地区ごとに渡し屋がいるようで、石頭城と対岸を担当いるのは、現在彼ひとりだけ。運賃は片道20元(250円)。最初はなぜゴムボート? と思いましたが、利用してみてその理由がわかりました。まず、「一人で漕げる」こと。普通の木製ボートならキャパや流れの関係で二人必要です。さらに、普段は自宅に保管してあるので、岸まで「一人で運べる」こと。川辺には船着場のような施設はありません。 -
彼の電話番号はみんな知っているので、出発前に宿の人に連絡してもらいます。私が川に着いた時には、もうこちら側にボートが用意されていました。乗り場は少しわかりにくく、砂浜に下りた場所から50メートルほど川下に下ったあたり。流れの速い場所を避けるため、そうなっています。
写真: 5代目ゴムボート。底の空気がすぐに抜けてしまうため、空気を補充してから出発。 -
それでは、乗客用の救命ベストをつけて出発します。「もうかれこれ20年もやってるからね」。背広姿でボートを漕ぐ男性は実に慣れた様子。ボートは金沙江の速い流れに身を任せ、流されながら対岸の岩場に到着します。帰りの場合、川の両端の流れが緩いのを利用して、最後、必死で漕いで同じ場所に戻ります。
噂によると、この流域にダムができるため、川の水位は上がり、流れも緩やかなものになるらしい。そうなると、彼の磨き上げられたスキルが不要になり、それはそれで残念です。 -
[対岸]
1,2分ボートに乗り、対岸に到着。川を隔てて、石頭城側が玉龍ナシ族自治県の宝山郷、こちら側が寧浪イ族自治県。住民の交流はそれほど多くありません。共にナシ族ですが、話す言葉は少し違います。渡った先には家が3軒離れ離れにあるだけ。小さな渓谷を越えた北側には小さな集落が、ある程度の規模の村になると、南に1時間半ほど歩かなければなりません。
ボートを降り、5分ほど山道を登って男性宅に到着。ひとまず、お茶をいただきます。見上げる形になりますが、ここからでも石頭城がきれいに見えます(写真)。 -
対岸には、たまに旅行者がやってきます。ついこの前も、フランス人がドキュメンタリーを撮りにきたことを話してくれました。ほとんどの人は近くの村をぶらぶらして終わり。わざわざ山を登っていくのは私が二人目とのこと。
この日は、家の回りの道を研究しているうちに、時間が過ぎてしまい、写真を撮るタイミングを逃してしまいました。2時に目的地の丘に着いたときには、空気に薄いモヤがかかり、太陽の方向もやや逆光ぎみ。後日、出直すことにします。
写真: 石頭城アップ。ボートオーナー宅からの眺め。 -
[再度、対岸へ]
せっかくなので、より壮大な計画を立てることにしました。朝早く出発し、丘の上で朝焼けを観察。そこから、さらに上の水路まで登ります(青色)。道は見えていませんが、なんとかなるでしょう。その後、水路沿いの道(赤色)を歩いて南側にある村まで行き、下の道(紫色)を通って男性宅に戻ります。宿から見えている村をほぼ全部回る野心溢れるプランです。
写真: 青い線: 丘までのルート、水色の線: 多分登れるであろうルート、赤い線:水路、紫の線:低地の道。黄色い点:下から、ボート乗り場、男性の家、北側の村、丘のビューポイント、水路沿いの家。 -
この時期、石頭城に朝日が当たるのは九時半くらい。それに間に合うように、8時過ぎに宿を出発します。川辺に到着したものの、男性は見当たりません。どうも、連絡に行き違いがあったようです。しょうがないので、彼の家に向かって大声で叫びつづけます。「うぉーーっ、うぁーーっ」。20分後、なんとか睡眠中の男性を起こすのに成功。宿に戻らずに済みました。携帯電話がなかった時代には、こういう失礼な奴がひとりくらいいたかもしれません。
なんだかんだで40分ほどロスし、対岸に着いた時にはすでに9時15分。男性宅をスルーして、ひとつ上の山道にある家まで一気に登ります。結果、なんとか石頭城に太陽が当たり始める瞬間をカメラに収めることができました。(9:20AM、男性宅より一段高い山道の上) -
[丘からの眺め]
この家(民家2)の先の道を下ると、渓谷を越えて、北側の村に到着します。村の上には放牧用の道があり、背後の丘を登ることが出来ます。男性宅から20分ほど歩いて丘の中腹にあるフラットな場所に到着。この角度から見る石頭城はオモチャの家を詰め込んだ箱庭のようです。(9:40AM) -
さらに15分ほど登ると、休憩できる大きな岩があります。この辺りが私が最初に想定していた展望ポイント。高さ的にちょうどいい感じです。(写真、10AM)
この後、さらに10分ほど登ると、上に登る道がなくなります。左手方向に平坦な道がありますが、とても上の水路に続いているように見えません。たまたま通りがかった地元の男性に聞くと、「確かにここから道はない。ただ、すぐ上に道があるので、がんばって登るしかない」。理解するのに少々時間がかかりましたが、彼の言葉を信じて、決して緩やかではない斜面を無理やり登ります。
何度かあきらめかけたものの、数分後、道らしきものが現れました。その道を辿り、しばらくすると小屋が一軒ある平坦な場所に到着。後でわかりますが、ここから5分も登れば水路に到着します。 -
水路の近くまで来ると、上から見下ろすような形になります(写真 10:36AM)。ここは石頭城の駐車場や、前回紹介したビューポイントよりもさらに高い場所。見張り台のテラスもはっきり見えます。逆に高すぎるため、家の屋根が目立ってしまう問題がありますが...。
しかしながら、この角度から石頭城を見た人はどれくらいいるのでしょう。こちら側に住む数少ない住民を除いて、ほとんどいないのではないでしょうか。石頭城の住民も、ここまで来る機会はほとんどないはずです。 -
[水路からの眺め]
少し登って水路に到着。これでもう登らなくて済みます。水路脇の道を右に行ったり左に行ったりして、自由に石頭城の見え方を研究します。たいてい水路の手前には木があるため、写真が撮りやすいスポットは限られます。 -
水路を少し南寄り(右寄り)に移動した場所での眺め(写真 12:00PM)。石頭城の下の岩は、左側はほぼ絶壁なのに対し、右側、手前側はなだらかになっているのがよくわかります。
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水路に上がった場所から20分ほど南に歩くと、民家が一軒あります。民家に下りずに水路を歩き続けると、大きな岩があり、この辺りからの眺めは開けています(写真、12:30PM)
ここからは、石頭城を少し横から見る形になります。スライムのような形をした街の先端に城門、広場、見張り台があるのがよくわかります(写真左上)。 -
[長豊村]
そのまま水路を南に歩きます。水路を歩き始めてから約40分、大きな村が見えてきます。ここで水路から離れ、村のほうに歩いて行きます。小さな集落を経て20分ほどで村の中に到着。
この高所にある集落(長豊村?)は、対岸の中では比較的大きな村。なだらかな場所が多く、棚田もゆったりしています。村の上に小学校があり、今朝登った丘の村の子供が二人下校してきました。彼らは朝、夜も明けないうちに家を出て、片道一時間半かけて登校しています。もし川に橋があれば、石頭城の小学校のほうがずっと近いのですが..。それでも県が違うため、おそらく通わせてもらえないでしょう。 -
村の小学校を訪問してみると、まるで廃校寸前の廃墟のような荒れ具合。教室内を民家の地鶏が我が物顔で闊歩しています。この学校で教える先生は2人だけ。4-6年生のクラスがないため、生徒はその年齢で他の町での寄宿を迫られます。一方、近くに学校があっても遠くの学校に子供を送り出す教育熱心な親もいます。
この対岸の村々には道路が通じていません。宝山郷に渡らない場合、半日歩いてやっとちゃんとした道路にたどり着きます。 -
この村は石頭城から見えています。逆にここから石頭城を見るとこんな感じです(写真)。写真を撮りに川側にある丘の先まで行ってみました(約20分)。さすがに、これだけ距離がは離れていると、クリアーな写真が撮れません。
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[帰りの道]
とりあえず、この村がサークル・トリップの最終目的地。後は帰るだけ..なのですが、ここからの道が想定外に大変でした。村から下に降りる道は2つ。ひとつは非常にわかりやすい畑の間の道。もうひとつは一見さんには非常に厳しい道。たまたま後者に足を踏み入れてしまったため、さあ大変。畑のあぜ道を抜け、谷底を渡り、一軒家を過ぎてから強引に川まで降りて、なんとかもうひとつの道に合流できました。30分くらいの道を、何度も迷いながら1時間以上かけて歩いた計算です。
写真: 青い線: 普通のルート、赤い線:迷いやすいルート、紫の線: 丘への道。黄色の点:右から、丘の先、長豊村、一軒家。 -
時間をかなりロスしたため、川に面した村に着いた時には、石頭城はもう日陰になっていました(写真 4:40PM)。石頭城のすぐ南西に山があるため、対岸より影になる時間が早いのです。それはさておき、この辺りの場所が石頭城を南側から見る場合のベストスポット。十分近く、高さもあります。時間的には太陽が同じ角度から当たる午前中がベストでしょう。
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[ボート・オーナーのもてなし]
男性の家まで戻ると、オーナー夫婦は畑で作業をしていました。作業の手を休め、「腹へっただろう」と遅い昼飯を準備してくれます。バーバに豚肉と卵の炒め物。果物は近くの森から取ってきたもの。卵は目の前にいる地鶏から。もちろん豚肉も家で飼っていたもの。「うちはお金がないから、何でも自前だよ」と笑う男性には全くいやみがありません。 -
「これもぜひ飲んでくれ」と自家製の白酒もいただきます(写真の瓶)。まっ茶色に日焼けした顔は典型的な農夫そのもの。高校に寄宿している息子の写真を見せてもらうと、これが普通に色白で今風。やはり環境が人をつくるようです。彼の奥さんを含め、農家の人が大抵すがすがしい顔をしているのはなぜだろう。自然を相手にしていること、自給自足の満足感、そして一日中体を動かした後、おいしくご飯をいただくシンプルなライフスタイル。私がこのような達観を味わうことは、永遠にないかもしれません。
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食事を終え、暗くなる前に石頭城に帰ります。私が戻るのはわかっていたので、ボートは岩陰に隠したまま。私を送り終えると、男性はゴムボートを頭の上に担ぎ、急な山道を自宅まで戻っていきました。この重労働と川の2往復、ただの昼飯とお茶。すべて含めて40元(500円)。申し訳なくて心が痛みます。
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[ルート]
今回歩いたルートはこんな感じです。クリックで拡大。
黄色: 左端(大): 石頭城、真ん中:下からボートが到着する岩場、ボートの男性の家、道が途切れる場所、水路下の小屋。右端:長豊村。
赤色: 水路沿いの道
ピンク: 村や民家 -
==目安時間==
石頭城 -> 川辺: 40分
対岸 -> 男性宅: 10分
男性宅 -> 北側の村: 20分
村 -> 丘の中腹: 15分
丘の中腹 -> 水路: 50分
水路 -> 長豊村: 1時間半
長豊村 -> 川沿いの村: 1時間10分
川沿いの村 -> 男性宅: 20分
男性宅 -> 川辺: 10分
川辺 -> 石頭城: 50分
----------------------
合計 6時間15分 -
[まとめ]
対岸の石頭城ビューポイントを巡るサークル・トリップ。基本的には大成功といっていいでしょう。旅の途中、丘の下の村ではお茶に誘われ、長豊村とボート漕ぎの男性宅では食事と宿泊を勧めらました。パキスタン並に、見知らぬ旅行者に対して友好的です。
そうなると、一気に一周する必要はありません。気に入った村に滞在し、そこから翌朝のんびり石頭城を眺めるというのもありです。ボート漕ぎの男性が日本人を見たのは私が生まれて始めて。二人目の勇敢な日本人になるのはあなたかもしれません。 -
[リンク集]
==中国旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=2&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
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==国内旅行記一覧==
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==雲南旅行記==
虎跳峡の歩き方 全3作
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梅里雪山を巡る旅 全5作
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瑞麗の向こう側 全4作
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