2011/07/29 - 2011/07/29
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がおちんさん
旅の7日目。昨夜から起きた高山病の症状が治まらず、トレッキング2日目は体調不良。1時間ほど歩いたところで手がしびれ始め、下り道なのに息苦しさは増すばかり。頭痛と吐き気と下痢という三重苦に襲われ、今回の旅で最大のピンチとなりました。
途中の集落で休み、バイクをチャーターして金沙江まで下ると高山病の症状は軽減しましたが、後半は疲労が重なってフラフラに。
しかし、苦しさの中で見た峡谷は、雄大で素晴らしい眺めでした。
旅のルート(2011/7/29)
荘子→拉伯村→奉科(奉連)→柳青
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
-
2011年7月29日(金)
昨夜は頭痛と下痢に悩まされたが、トイレに行ったときの星空が素晴らしかった。
「朝食を食べていけ」と家のおばあさんに言われるが、全く食欲がわかない。アミノバイタルプロ(まずい)とカロリーメイトをどうにか食べて、7時半に出発する。 -
10分も歩くとバテテしまい、休む。下痢がひびいて力が出ないようだ。
こんな辺鄙なところで体調を崩すなんて、もう最悪。
写真は荘子の集落。 -
今日は林道を下るだけだから頑張ろうと歩いたが、1時間ほどすると顔と手先がしびれてきた。
息も苦しいし、吐き気もする。やはり高山病の症状が出ているのだと推測した。
かなりピンチ。
くそー、昔はカイラスを回っても平気だったのに、3000m前後でこんなことになるなんて。 -
イェンワ(岩瓦)という集落に着き、しばし休ませてもらう。呼吸がハーハーして治まらない。家のおばさんが黒砂糖とお湯を持ってきてくれた。
以前、金沙江側から車で荘子に向かっていた中国人グループの女性が高山病になり、意識を失って永寧の病院まで運ばれたとのこと。また、外国人のトレッキングツアーでも、参加者が高山病になって引きかえしたことがあったそうだ。
まったく、私も油断できないぞ。 -
近くの家の人が、200元で金沙江までバイクで下りてくれるという。
まだ先は長いし、ここは無理せずに頼むことにした。 -
グワ(格瓦)という集落からは舗装道路になった。
歩いたら味気ない道だが、バイクで下りる身としては安全なので有難い。 -
眼下に見えた金沙江。
1時間で一気に1300mの標高差を下る。息の苦しさが軽減するのがわかる。
吐き気もおさまった。 -
10時、拉伯村にある金沙江の船渡し場に到着。
ここの標高は1400mだが、かなり暑い。まるで西双版納にでもいるようだ。 -
馬と一緒に対岸に渡る。
渡し船の料金は10元。 -
金沙江の流れは速い。
船はいったん上流に向かって進み、途中から流れに乗って対岸まで行く。
乗船時間は2〜3分。 -
現在、川岸では奉科大橋の建設が進められている。
-
橋が完成すると、麗江から奉科・拉伯を経由して荘子や永寧、瀘沽湖へと道がつながる。
そうなれば交通は便利になるが、トレッキングを楽しめる環境ではなくなるだろう。 -
中央は現場監督のおじさん。昼には奉連(奉科)に上るバスが来るという。
「それまで休んでいきなさい」と言ってくれた。食事も勧められたが、食欲は戻らず、茶だけいただく。「もっと飲め」と何杯もついでくれるので恐縮する。昔のタイプの中国人だ。
右の男性も親切な人だったが、私が日本人と知ると「日本人というのは聞かなかったことにする。俺は日本が嫌いなんだ」と言った。山東省の出身だった。
それでも、話をするうちに次第に打ち解け、この写真を携帯プリンター(pivi)でプレゼントすると、「記念になるよ」と喜んだ。「日本人が嫌いらしいけど、私のことも嫌いか?」と聞くと、「いや、さっきのは気にしないでくれ」と彼は苦笑いをした。 -
あまりにも暑いので、洗った服を干させてもらう。
後ろのおじさん、チャイナ風の腹出しスタイル。 -
建設現場近くに、元朝ゆかりの遺跡があるというので行ってみる。
1253年、フビライ軍が南征で大理国を攻める際、ここで皮袋を使って金沙江を渡り、大具盆地を経由して麗江に至ったのだという。
「革囊渡」と書かれた石碑があった。 -
対岸から羊の皮袋に乗って渡る軍勢を想像してみた。
きっと迫力があったんだろうな。
しばし歴史ロマンに浸る。 -
昼を過ぎてもバスは来なかった。
歩いて奉科に向かおうとしたが、現場監督の息子から「もう少し待ってみたら」と言われ、そうすることにした。
彼の案内で、付近にある納西族の集落跡に行ってみる。 -
この家は土壁だけが残っている。
文化の高い納西族らしく、中庭の壁には詩が書かれていた。 -
集落に住んでいた納西族のおばあさん。
橋の建設のため集落ごと立ち退きになったが、まだ家畜だけはここで飼っているそうだ。 -
主のいなくなった、庭先のざくろ。
-
飯場に戻る。
「奥が涼しいから、少し横になりなよ」と監督の息子。仮眠ベッドで寝かせてもらう。なんと扇風機までつけてくれた。なんて親切なんだろう。
彼は、石家荘の大学を出たあと雲南に帰り、父親の仕事を手伝っているのだと言う。彼らの好意に感謝しつつ、まどろむ。 -
15分も経たないうちに、監督の息子に起こされた。奉連に上るトラックに声をかけてくれたようだ。急いで登山靴を履き、ザックを背負って外に出る。
「さあ、乗って」と監督の息子。旅先で受ける親切が身にしみる。中国にはこんな親切な人もいるのだ。
13時、金沙江渡口を出発。 -
坂道を上り続ける貨物トラック。
橋の建設現場が小さくなっていく。 -
25分ほどで奉連に到着。
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「金は要らない」と運転手。
10元だけでもと、受け取ってもらった。 -
奉連には宿泊施設もあったが、まだ時間が早いので先へ進むことにした。
売店で水を仕入れ、13時半に奉連を出発する。
もし柳青まで着かなかったら、今日はツェルト泊だ。 -
林道を歩いていく。
あれ、行き止まりか? -
戻って道を聞くと、「柳青はあっち」と売店のおばさん。
この集落はちょいと道がややこしい。 -
再び先へと歩いていくと、おじいさん曰く「上の道を行け」とのこと。
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わー、犬に吠えられた。
こいつらだけは勘弁だ。 -
もろこし畑をかきわけ、小道を行く。
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見落としやすい分岐。
反対側から来ると、上の小道に気がつかない。 -
ようやく、柳青に至るトレイルに出た。
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後ろを振り返って奉科と奉連の集落を眺める。
-
道がわかって一安心。
今日はカロリーメイトしか食べていないので、すぐに疲れてしまう。
食欲は無いが、昼食にする。 -
木登りトカゲを見つけた。
こいつ、近寄っても逃げない。 -
峡谷に入っていくと、素晴らしい眺めになった。
広すぎて距離感がつかめない。 -
すごい所に村があるな。
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後ろを振り返ると、上流方面が見えた。
雄大な眺めに見とれる。 -
そして右手には、今日バイクで下りてきたルートが一望できた。
写真の右上の土が露出した場所が、休憩したイェンワ村のあたり。
今日はいろんな人に助けられ、窮地をしのいだ。 -
対岸に見える村。
平らな部分はすべて畑だ。 -
息をのむ風景が続く。
-
前は谷、後ろは山。
村の人はどこに出かけるのにも大変だろう。 -
前方に立ちはだかるのは、太子関。
この付近は林道の整備が進んでいた。
谷を迂回するため、ここから右手に大きく回り込む。 -
林道を歩いていくと、掘削現場に出くわした。
-
作業が一段楽するのを待ち、すばやく通過する。
ここから先は、再び山道だ。 -
谷の奥で橋を渡り、再び対岸を登って金沙江まで戻る。
この辺から、再び体調不良になった。高山病ではなく、下痢による体力の低下とシャリバテだ。 -
さっき通り過ぎた掘削現場では、数回にわたる笛の音に続き、発破。
ドーンと大きな音。
17時ちょうどだった。 -
急激に体力が消耗してきた。
登りがキツイ。 -
チューブ入りの練乳を吸って糖分を補給。
5分もすると力がわいてくるが、またすぐにバテる。
それの繰り返し。 -
馬と出くわした。
しばらく一緒に歩く。 -
奴ら、ブーブー屁をこきながら歩く。
ちょっと嫌な感じ。 -
やっとのことで、金沙江の場所までやって来た。
さっき歩いた対岸を眺める。すぐ近くに見えるが、迂回するのに2時間もかかった。
崖下の村に続く道が見える。 -
赤丸のところに人が歩いているようだ。
左下に電線が延びているのもすごいけど。
さすが中国。 -
アップにすると、2人組のようだ。
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なんか白くて大きなものを持って、急勾配を下りている。
強靭な体力。 -
俺もこんなところでフラフラしてる場合じゃない。気力をしぼって歩き続ける。
眺めは最高だが、やっぱりキツイ。
下のほうに金沙江が見える。 -
18時。目の前に太子関が現れた。
立ちはだかる岩稜が迫力満点。 -
もうヘロヘロになりながら記念撮影。
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右手前方に柳青の集落が見えた。
どうやらビバークすることも無さそうだ。 -
18時半、柳青に到着。
村の広場に入ったところで犬に噛まれた。
いったんは地元の人が追い払ってくれたのだが、売店の人と話しているときに再び後ろから来て、足首を噛みつきやがった。
幸い、皮製の登山靴を履いていたので被害なし。危うく狂犬病の心配をしなければならぬところだった。
ありがとう、ハンワグのブーツ。 -
柳青村は納西族の住む、眺めの素晴らしい集落だ。
宿が一軒あるという。案内の姉さんについて行くと、かなり年季の入った家に到着。「南京錠が硬くて開かない」と手こずっている。
本当に宿か? -
中に入ると、久々に見る旧式の建物が。文革映画に出てきそうな雰囲気だ。ちょっと感動する。
トレッキングツアーの客に、ここを宿泊施設として提供するそうだが、最近は訪れる人がいないという。 -
一泊40元。熱水瓶と水シャワー付き、電気なし。台所のどんぶりも使用可。
「私が出て行ったら、内側から門のかんぬきを閉めて」と、山本美憂を田舎風にした姉さんは言った。
宿は貸切となった。 -
昔の旅社を思い出させる部屋。かなり使われていないのか、机は埃をかぶっていた。
これをボロイと見るか、味があると見るか。
もちろん、私は後者。 -
窓の外は眺めがバツグン。
金沙江対岸の村が遠望できる。 -
二階のテラスから見た門と台所。宿のすぐ後ろは山だ。
時代を感じさせる、このような建物は今回の旅では見かけなかった。
ボーっと眺めていると、昔の旅が蘇ったかと一瞬錯覚するような感じが楽しい。 -
とりあえず、一階のテーブルでビールを飲み、水シャワーを浴びて洗濯をした。
-
疲れているため、20時半にはベッドに横になった。ろうそくの明かりが優しい。
いよいよ明日でトレッキングも終わり。石頭城を目指して歩く。
2011年雲南・四川の旅 【その7】に続く
http://4travel.jp/travelogue/10595054
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この旅行記へのコメント (2)
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- Halonさん 2011/09/29 11:30:46
- ハンワグのブーツ
- Halonです。ご無沙汰しています。
7月に瀘沽湖に行かれることは掲示板で見て知っていたのですが、旅行記開始に気づくのが遅れてしまいました。
犬に噛まれた話、命拾いしましたね。
皮製の登山靴がここで役に立つとは思いませんでした。
やつらは弱いところを知っていて、アキレス腱を狙って噛んでくるようです。
僕も旅行中に足元で犬に吠えられて「もうだめか」と思ったことがありましたが、なんとか噛まれずに済んでいます。
辺境の村を訪ね歩くときは頑丈なブーツかプロテクターが必須かもしれませんね。
それにしても断崖の地に広がる村は、現実ではないような不思議な風景ですね。
こんな場所で犬に噛まれたら生きた心地がしません。
- がおちんさん からの返信 2011/09/30 05:42:52
- RE: ハンワグのブーツ
- Halonさん
ご無沙汰しております。
> 犬に噛まれた話、命拾いしましたね。
これまで犬とは何度も対峙してきましたが、噛みつかれたのは初めてでした。
ヘトヘトに疲れていたので、集中力が切れてしまったようです。おっしゃるとおり、あいつらは後ろに回って足首を狙ってきますね。今回は無事でしたが、あとからジワジワと恐怖感がわいてきました。それと崖から落ちそうになって冷や汗をかきました。辺境の地では何かあっても自力で切り抜けないとならないのが辛いですね。
> 断崖の地に広がる村は、現実ではないような不思議な風景ですね。
仙人でも出てきそうな雰囲気でした。あの谷で生まれて、一生をそこで過ごす。少し前までは、そんな人々も多かったのだろうなと思いました。
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