中国的激安団体汽車旅行（中国人バスツアー）

2010/05/11 - 2010/05/11

　中国には１３億の人がいる。世界の人口の２割、日本の１０倍以上である。北京へ観光にやってくる地方の人たちは、外国観光客の比ではない。スイスなどヨーロッパでは名所見物の殆んどが日本人なんてこともあるのだが、電車やバスで北京にやって来られる人が何億もいる中国では外国人は肩身が狭い。
　北京の旅行社も旅慣れた外国人パッカーより自国の田舎者を相手にしたほうが楽だし儲かるのかも知れない。街を歩いているとやたらチラシを配っている。手にとって見ると激安料金である。日本の海外パックツアーも４ツ星ホテルに泊まって、食事も付いて格安航空券より安いものがあったりするが、何か旅行業界の仕組みはよく分からない。
　外国人相手の英語による解説付きのまともなツアーもあるのだが、英語で解説されてもどうせ理解できないので、物は試しと宿近くの旅行社に飛び込んだ。旅行社といっても建物の入り口に看板と机と電話だけが置いてあり、翌日行ったらもぬけの殻になっていても何の不思議も無い所である。
　看板には万里の長城、明の十三陵、その他分からないけどいっぱい見学して昼食も付いて１００元とある。１５００円、激安だ。自分で行ったら長城の入場料とバス代で足が出そうである。騙されたつもりで申し込んで翌日事務所へ行った。　　　　　
　別の中国人二人組みと一緒に小型乗用車に乗せられ出発だ。長城方面へ向かっているので、このままボロ乗用車だけれどチャーター気分で連れて行ってくれるのか、ラッキーではないかと思っていたら、大型バスに追いつき乗り換えさせられた。やっぱりねと思っていたらバスは元の方へ戻り始め、結局事務所近くでさらに客を乗せ補助席も埋まって超満員である。６０名の客のうち日本人はというか外国人はもちろん私一人である。ガイドも英語が通じない。
　いよいよ長城へ向かって走り始めたが通勤時間帯で大渋滞である。ずっと喋りっぱなしのガイドが何を言ってるのかさっぱり分からないが、渋滞で遅れているので予定の八達嶺長城は遠いので近くの居陽関長城に変更しますとか言ったのか、別の所へ連れていかれた。
　さらに明の十三陵へ来たが入り口で説明があっただけで中へは入らない。説明はもちろん一切分からない。確かに看板に明の十三陵とは書いてあったが時間が無いとかでカットなのか。文句を言う客は全く居らず「フムフム」と頷いている。
もう期待はしなかったがまだいくつか名所を回るはずだと思っていたら、そこからはすべて土産物屋で買い物ツアーなのだった。
　一軒目は翡翠の細工物や北京土産のお店、二軒目はお菓子のお店、三軒目は漢方薬のお店である。ここではツアー客ごとに一室に閉じ込められ、白衣の怪しげな先生が出てきて診察してあげるという。日頃医者にも縁の無い人たちなのか、喜んで脈診をしてもらい「どこそこが調子悪いです」などと答えているらしい。
漢方薬を処方してもらい別室で購入するという流れになっている。店の中は巨大な一方通行ですべての店の前を通らないと出口へ行けないようになっている。
　私は土産物など一切買わない人間なので、苦痛の連続だが中国人たちは嬉々として買い物を楽しんでいた。中国の旅行社、当分安泰である。

エリア 北京(中国)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 100万円以上
• 交通手段: 高速・路線バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

　旅行社のチラシ。事務所前の看板もほぼ同内容だ。

　ここには「八達嶺」と明記されているが、文句を言いたくても英語も通じないし、中国語で文句は言えないし。

　翌日前を通ったらもぬけの殻ではなかったが、受付のオネーちゃんは別人だった。
　

　居庸関長城の切符売場で団体切符を手配するガイドさん。

　有名な八達嶺ではないが、ガイドブックにも載っている居庸関長城。

　なかなか長城の終点に着かないので、すれ違った日本人に聞いてみたら、万里の長城だからここの終点は何百キロも先と答えられた。納得。
　片道１時間ほど登った。

　北京から離れると例の扉なしのニーハオ便所があります。十三陵の入り口にあるトイレ。

　明の十三陵の入り口。中へは入れず！！

　北京の街はオリンピックのお陰でずいぶん綺麗に、分かりやすくなっていた。

　北京市民は列に並んだり、行儀もよくなっている。相変わらず割り込みや、痰を吐いたりするのは田舎から出てきた観光客のようだ。

　地下鉄は安い、きれい、分かりやすい３拍子揃ってる。

　乗り換えても全線２元（３０円）、車内の表示も何処を走るか、今何処かよく分かる。

　バスは１元（１５円）、バス停も分かりやすい。

　フィリピンのジプニーに停留所はありません。客が手を上げたところが乗り場で、屋根を叩いて「降りる」といったら降車場なのだ。

　止まるバスの路線も全駅が表示されていて、行きたい所を見つけられればその番号のバスに乗ればＯＫ。

　かつての北京は車と自転車が渾然一体となり、交差点から殺到してくるイメージがあったが現在は自転車専用道路も出来ており、自転車も激減しているようだ。

　お世話になった「レオホステル」、大柵欄西街というところにある。

　レオホステルのドミトリーは４人部屋。

　受付嬢のＳＵＮＮＹちゃん。

　ホステル前はこんな通りだ。

　こんなおねーさんがお茶を売ってたり。

　こんなおねーさんや、

　あんなおねーさんのドアガール。

　天安門です。

　天安門と故宮の間に切符売場があり、故宮の切符を買うつもりで田舎観光客の割り込みと戦いながらやっと買った切符で入場しようとしたら「これは天安門の切符でっせ」と言われがっかり。

　しかも買いなおした故宮のキップ、シニア割引があったのに知らずに倍の６０元で買ってしまった。

　天安門から見た天安門広場。

　こちらは紫禁城、太和殿。

　天壇。

　王府井。

　甘栗屋さん。

　きりが無いので

　「今日はこれくらいにしといたろ」