2026/05/09 - 2026/05/19
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Noraさん
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旅の始まりを飾るのは、ローマ・フィウミチーノ空港の「超近未来アトリウム」。
イタリアを代表する伝説的建築家であり、インダストリアルデザイナーでもあるマリオ・ベリーニ(Mario Bellini)が手掛けた精巧で美しい「グリッドシェル構造」のスカイライトです。
この洗練されたガラスとスチールのドーム天井(アトリウム)は、ローマ時代のコンプルヴィウム(Compluvium=天窓)を機能的に現代的に解釈したデザインだと思います。
後で調べるとベリーニはミラノ工科大学を卒業後、建築だけでなく家具や製品デザインの分野でも世界的な成功を収めた巨匠です。彼はフィウミチーノ空港の第3ターミナルの拡張プロジェクトで、光あふれる現代的な空間を創り出しました。まるで音楽を奏でるかのような、精巧で美しい幾何学的な構造美をもつスカイライトは、ターミナル内に豊かな自然光を届け、旅を待つ空間を圧倒的なメカニカル・ビューティで彩っています。
しかしこのように美しい空間をローマの空港で目の当たりにしながら、バゲージの積み残し、カターニア空港での予期せぬ対応、そしてサバイバルのための緊急ショッピングという、あまりにもドタバタな「イタリア流の洗礼」が待ち受けていたのです……。
片道5,193 miles (8,358 kilometers)の旅の始まりです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 飛行機
- 航空会社
- ITAエアウェイズ ユナイテッド航空
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5月9日、自宅を出て北に向かっています。今回は空港までタクシーで行きます。アメリカンタクシーのサイトで1週間ほど前にオンラインでプレブッキングしました。往復ともにフライト#をインプットしておきます。フライトのトラッキングをしてくれますが、シカゴからの到着時はターミナルに隣接する郊外タクシーのレーンに到着後、’着いたよ’の電話をしてピックアップを待つシステムになっています。送迎の時間は正確でした。
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本来のブッキングは5月10日シカゴ発5月11日ローマ着だったのですが、2か月ほど前に’11日午後にローマ空港の従業員ストライキ予定’の情報をキャッチしました。で、急遽UAとローマからの乗継便(ITエアウェイズ)の出発日を1日繰り上げたのです。と同時にタオルミーナの滞在を1日追加し後続の旅程へのインパクトを最小化するというちょっとスリリングな技も織り込んでの出発です。
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前にも書いたのですが、オヘア空港の旅客ターミナルはシュールな形をしています。上空からみるとインドコブラの頭を思わせるメインのT1, T2, T3、そして非常にアクセスの悪いT5とで構成されています。(因みに ターミナル4はありません。)
オヘア空港はUAのハブ空港なのでUAを使う場合は堂々メインのT1出発となります。がローマ・フィウミチーノ空港からの帰着便はT1ではなくT5になります。その理由はローマ・フィウミチーノ空港には米国の税関・国境警備局(CBP)による事前審査施設がないため、UA便であろうともターミナル5に到着させて乗客ににらみを利かせる必要があるからです。
画像はwikimedia public domain より。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:O%27Hare_airport_map.png -
e-ticketを見ながら発券機に必要事項を入力しUA970便 ORD~FCOのボーディングパスを発券します。*往路チェックイン時にはパスポートとドライバーライセンスの提示のみです。(グリーンカードやI-797等の提示は必要なし)
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オヘア空港ターミナル1です。コンコースCのゲートC18に向かいます。
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ボーディング開始の2時50分まで時間があるので、e-mailをチェックしたり、フードコートをのぞいたりします。Manchu Wok でランチなどもすませて。。。。你好!
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搭乗開始、着席。トランスアトランティックフライトのスタート。ミシガン湖の上を飛んで北東にむかいます。機材は高輸送力を誇る胴長のB787-10です。 ローマ空港まで約9時間のフライト。
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まもなく北米大陸を離れて大西洋上を飛びます。
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その間、軽いインフライトスナック。指の形をしたプレッツエルとチーズ。
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ディナー:メインはチキンとライス。
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インフライトの映画について:ニューリリースも月毎に変わると謳っていますが、バラエティーに限りがあります。すでにケーブルで見た映画とかクラシックなものしかなくて少々退屈でした。その分、タオルミーナの訪問スポットの予習時間があってよかったのですが。。。気がついたらすでに大西洋を越え、ヨーロッパ大陸上を飛んでました。まもなくローマ到着です。すべての道はローマに通じる。。
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高度をさげフィウミチーノ空港に接近します。窓際のオニイサンがお腹を引っ込めて下界の撮影に協力してくれました。あまり長時間そうして頂くのは恐縮なので手短なショットで。
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フィウミチーノ空港に到着です。映り込みが気になりますが、空港内部からここまで運んでくれた機材を撮影。ここから左手には障害物があってこれ以上、移動できないのです。
2019年のフィレンツェ、オルチャ渓谷、2025年のシチリアについで3回目のイタリアですが、そのときはもちろん今熱い話題のEES(Entry/Exit System)なんてありませんでした。いちおう準備や訪問スポットの予習は念入りにやったつもりですが、このEESに関しては予習のしようがありません。やってみないとわからない的なシロモノです。今までのスタンプポンからデジタルで出入国を管理するシステムということは分かっていますが。。 -
シャトルバスにゆられて沖止めのUA970便からターミナル3に移動。フィウミチーノ空港のターミナルはT1(シェンゲン圏フライト専用)と T3(非シェンゲン圏のフライト専用)にわかれています。
私が到着したのは非シェンゲン圏のフライトなのでターミナル3というわけです。もともとターミナル2があったらしいのですが、ターミナル1を拡張するために取り壊したようです。入口から左に曲がって、廊下をテクテク。 -
えんえんと歩いて表示に従い階段を降ります。
EESキオスクの待つ領域に向かいます。
ただひたすら Exit/Baggage Claim (Uscita/Ritiro Bagagli)目指して歩いているところです。今回、痛感したのですが、フィウミチーノ空港はやたらに歩かされるデザインになっています。
パスポートコントロールエリアのサインが見えてきました。 -
さっき見た"Exit/Baggage" の緑線とTransitの黒線がここら辺で終わります。私は一旦ここを出て、UAでチェックインした荷物をピックアップし、T1のITAエアウェイズにチェックインしなければならないので緑線を頭の中で延長して進みます。混乱しやすいのですが、航空会社が異なるトランジットなので、まずシェンゲン圏への入国手続をローマで済まし、UA970便にシカゴでチェックインしたスーツケースをピックアップして(ここまでT3)国内線乗り継ぎ便であるITAエアウェイズにあらためてスーツケースをチェックインする(T1)という手順なのです。
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緑線が見えなくなったと思ったらこの黒い線が目に飛び込んできました。’(ICチップ内蔵の)パスポートを所持するシェンゲン圏以外からの旅行者は自動化ボーダーコントロール用のこのラインへ’。
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そしてEESキオスク端末が並ぶ領域にきました。当然のことですが、新システムの導入であり、機械的不具合への対応や不慣れな乗客をサポートするため、最小限の係官を随所に配置してはいます。しかし全幅の信頼を寄せるのは避けた方がいいかもしれません。
というのは若いおねーさんたち(係官?)は親身になってサポートしているというより、おしゃべりに熱中している様子だったからです。ここでは『お姉さんたちへの甘い期待』より、『親切なインド人カップル』の助けを借りる方が、よほど確実でスピーディーなようです(笑)。
(注)インド人カップルが私の指紋スキャンを手伝ってくれました。 -
因みにEES(Entry/Exit System)は2025年10月からシェンゲン圏内で段階的に導入され、この4月から本格稼働している(ということになっている)出入域管理システムです。ただ実際には、まだ空港ごとに運用方法の違いがあり、完全に統一されたシステムというよりは、移行期間の途中という印象も免れません。パスポートにスタンプを押していたアナログ方式に替わって、生体情報とパスポート情報をデジタルに登録させて我々を追跡管理するシステムなのです。キオスクが20台くらい並んでいます。早くもビープ音が聞こえます(機械の作動上の問題)うまく作動するのでしょうか?導入が開始さればかりなのに早くも色々なトラブルが発生しているようで、ネットを賑わしているようです。
EESとは?
https://travel-europe.europa.eu/ja/ees
*EES(事前申請不要の出入国管理)」と「ETIAS(オンラインで事前取得が必要な渡航認証)」を混同しないようにしましょう。EESは事前申請ではなく、現地空港のキオスクでその場で行うシステムです。
因みに米国の電子渡航認証システム(ESTA)は、欧州のETIASやEESにとって、理念的かつ機能的な直接の先駆けとなるものです。 -
トップ部分のライトを見てください。黄色に光っているのがNGでビープ音が発生している箇所です。特に指紋スキャンはクセモノで、ここで多くの旅人がパニくります。
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参考までにこんな記事をネットでみつけました。
ローマの空港、夏の「大混乱」回避へEU新パスポートシステムの運用停止を示唆
6/25/2026付け The Guardian: https://www.theguardian.com/business/2026/jun/25/rome-airports-threaten-to-suspend-new-eu-passport-system-to-avoid-summer-disaster
ローマの空港運営会社のトップは、観光客が急増する夏季に「大混乱」を招く事態を避けるため、EU域外からの渡航者を対象としたEUの新たなデジタル国境管理システムの運用を一時停止せざるを得ないとの見解を示しました。
但しこうした事態の発生は当初の計画段階から視野に入れていたようで、混乱時には従来のスタンプポンと併用しても構わないという合意があったようです。 -
簡単に説明します。キオスクの設備はスキャナー、キーボード(あるいはタッチスクリーン)がセットになったような仕様と思えばいいです。最初のモニター画面で言語が選べるようになっています。モニターの下にスロットが2か所あります。左のスロット=パスポート用、右のスロットは指紋登録用です。
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順序
1.パスポートのスキャン:スロットにパスポートをしっかりと奥まで入れます(スキャナーが走行する間)’おさえててね’というメッセージが出ています。センサーの精度がさほどよくないのかマニュアルに’抑えてやらないとうまくスキャンできず、ビープ音が鳴り響きます。私は2.3回やり直しました。パスポート内容(パスポート番号、国籍、生年月日、貼付してある顔写真等)のスキャン後、画面に内容が提示されます。
’これはあなたですか’という問いに 'はい'か'いいえ’で答えます。’どうですかね。’という曖昧なオプションはありません。
2.顔写真
カメラが降りてきます。画面の円の位置に顔が入るように床の足跡の位置にちゃんと立ちます。歯を見せて笑ったり、チーズなどと言ってはいけません(真顔で決めてください)。AIはスキャンしたこの画像と我々のパスポートの写真を目、鼻、口の位置について幾何学的にミリセカンドで判読照合し本人確認を行うと同時に登録データを中央データベースに送信しているのです。
4.指紋スキャン:右のスロットに右手の指を4本いれてスキャンします(左手は撮った記憶がありません)。指が乾いていたり、指の酷使で指紋が薄れるているとビープ音が発生します。この過程が一番手こずり、4回も5回もやり直ししている人がいました。→行列が長くなる。
このあと、旅の目的、帰路の日時、旅行保険等の質問があると書かれたブログもネットで見ましたが、私の記憶ではそれはなかったように思います。あるいは動顛して忘れてしまったのかもしれません。最後にこのキオスクは面白いオチを披露します。
’よくできた!よい1日を!と言って送り出してくれるのです。明らかに 'Well done. Have a nice day!'のバリバリの機械翻訳の直訳版なのですが思わず口元がほころぶではありませんか。機械に上から下の目線で褒められるというのも時には面白いものです。
*イラストはフリーのイラストサイトより。パスポート表紙は自分のものです。 -
キオスクでの格闘を終え、いよいよ未来感あふれる「e-ゲート」へ進みます。最終的にこの人物を入国させるかどうか決定する過程です。
ここで、これから渡欧される皆さんに、絶対に忘れてほしくない「超・重要ミッション」があります。
それは、「手荷物はすべて自分の前(足元)に抱え込むこと」!
もし、いつもの癖でキャリーケースやリュックを後ろにゴロゴロと引いたままゲートに入ると、優秀すぎるセンサーが「おっと、2人同時に侵入したぞ!後ろのやつは密入国者に違いない!」と大勘違いを起こします。ゲートがその場で緊急停止し、一瞬で不審者扱いされるというトラップが多発しているそうです。ゲート内では、荷物は「前へ倣え」が鉄則です。
このe-ゲートの過程でパスポートと顔写真が中央データベースと照合され、デジタル情報による「瞬時の一次審査」が行われます。でも、これで終わりではありません。ラスボス(最終決定)は、この先に待っています。
(注)可否の決定法ですが、現場で収集した情報と中央データベースの内容とを突き合わせ危険と思われる人物の情報をHitしたら入国拒否, そうでない場合はNo-hitと瞬時で判別します。我々がカメラを見つめているミリセカンドの間にAIはリアルタイムで審査をしているということですね。 -
右の写真の赤い丸、見えますか?これがe-ゲートです。パスポートのスキャン、顔スキャンを通してAIが瞬時に本人確認を行います。e-Gateのガラス扉が開いたすぐ目の前(数歩先)に、入国審査官(警察官)が座る小さなブースやデスクがあります。ゲートを出た人は全員、その審査官にパスポートをパッと提示します。審査官は画面に表示された我々のEES登録データ(顔写真など)と、本人の顔を一瞬で見比べて「最終的な入国許可(Decision to admit)」のボタンを押します。つまり、「機械(e-Gate)だけで完全に無人で入国できるわけではなく、最後に人間による一瞬の目視ダブルチェックがある」 ということです。
理由:EUの法律上「最終判断は人間がやる」と決まっているからです。
シェンゲン協定の法律(Schengen Borders Code)により、「主権に関わる入国許可の決定は、機械ではなく、必ず訓練された審査官(人間)が行い、その人物が責任を持たなければならない」と定められています。 -
ところで、収集された我々のデータはどのように管理されるのでしょう。
*管理本部:eu-LISAの本部はエストニアのタリンにあります。ただし、この拠点は管理、政策、組織運営に関する業務のみを担っており、旅行者のデータがここで送信・処理されることはありません。
*運用・技術センター:個人のデータは、実際にはフランスのストラスブールにあるeu-LISAの安全な運用・技術センターへ送信されます。システムの継続的な稼働を確保するため、オーストリアのザンクト・ヨハン・イム・ポンガウには、物理的な予備(バックアップ)サイトも維持されています。
-wikipedia -
【ローマ・フィウミチーノ空港の美しい幾何学天井】 忙中閑あり! ふと上を見上げるとこの美しい幾何学的な空間が広がっていました。冒頭で書いたようにマリオ・ベリーニ(Mario Bellini)の設計事務所によって手掛けられたものです。ニューヨーク近代美術館(MoMA)には25以上のベリーニの作品が永久収蔵されており、彼はまたパリ・ルーヴル美術館のイスラム美術部門の波打つガラス屋根など、数々の世界的なランドマークを作成したことで知られています。この空港第3ターミナルに見られる精巧で美しい幾何学的な「グリッドシェル構造」のスカイライトは、ターミナル内に豊かな自然光を届け、旅を待つ空間に圧倒的なメカニカル・ビューティをもたらしています。
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フライトインフォメーションボード。
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このあと、なんとかBaggage Claimの場所にたどり着きました。ターンテーブルでUA970便に積み込まれた自分のスーツケースをピックアップして出口に向かいます。徒歩10分ほどで向かって左にあるターミナル1につくとのことなのですが、時差ボケの頭とEESその他で疲労した体には、ちょっときつい距離です。
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ターミナル1の2階にあるITAエアウェイズのチェックインカウンターでボーディングパスを受けとり、荷物をチェックインしました。そして再びセキュリティーチェック。現代のノマードは体力的にもデジタル的にもタフでなければ旅ができません。これがITAエアウェイズのボーディングパス。ゲートナンバーが出発時間の間際まで確定しないのにはまいってしまいます。何度も出したり引っ込めたり、書き直したりで貫禄のあるボーディングパスになっています。
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フードコート的なところ。アランチーニとか、コルネット、キーシュ等々。おいしそうだったのですが、混んでいて慌ただしい雰囲気だったのでオレンジジュースのみ購入しました。
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ITAエアウェイズのフライトインフォメーションが出ています。
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カターニア行の出発ゲートです。
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空は曇って小雨がふりはじめました。
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離陸します。
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シチリアにむかって雲の上を飛行中。
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ナポリ湾上空でしょうか?
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軽いスナックなど。
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高度が下がりしばらくするとカターニア平野が眼下に広がります。向こうにみえるのはエトナ山でしょう。去年のシチリアの旅とあたたかいシシリアンホスピタリティを思い出しました。
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カターニア空港に定刻着陸。チェックインしたスーツケースをピックアップするため、ターンテーブルに向かいます。
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しかしターンテーブルが回転し始めて30分、40分たっても私のスーツケースは現れません。ほかの乗客はサッサと荷物をピックアップして立ち去っていくのに。。、何かが起きたに違いない、私の眠っていた第六感がそう言いました。要アクション!!。Lost & Foundのオフィスの場所の表示を確認し係官らしき人にもきいて、やっと空港の隅の小さな小さなオフィスをみつけました。そこには爪を真っ赤に塗った濃いめのメークの女性がいて、ちょっと怯みましが、勇気をだして手短に事情を説明しました。すると彼女は私のチェックインしたスーツケースのタグの半券とボーディングパスをチェックし、キーボードを叩いて、PCのモニターをみながら厳かに宣いました。’あなたのスーツケースはあなたの乗った便に積み込まれませんでした。荷物はまだローマです。’
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え~~!!!じゃ、じゃ、どうするんですか?あなた!!(私)
このP.I.Rを発行します。あなたの名前、現住所(米国)、これから24~28時間内の滞在先、住所。電話番号をおしえてください。カチャカチャカチャ。。(キーボードの音)(赤い爪の女史)
そ、それで?(私)、
コリア―がローマであなたの荷物の積み込み、タオルミーナまで配送をするよう、これから手配します。必要なものはタオルミーナで買いなさい。レシートを忘れないように。かかった費用は払い戻しをします(赤い爪の女史)。
コリア―(韓国)なんて関係ないでしょ。(私)
コリア―です。(赤い爪の女史)
あ、そうかキャーリア(Carrier, 運送業者)のことね。(私)
そうです。そう言ってるでしょ?カチャカチャ、ビービー(コピーをとる音)。(赤い爪の女史)
といった極めてトンチンカンなやり取りがあって大変だったのです。でも力を振り絞ってP.I.Rの内容確認をして、そのコピーをしっかり受け取りました。
さあて、カターニア駅へ向かうバス停を探さなければ。。。重い心と重い足を挽きずりながらシチリアの第一歩を踏み出したのでした。頑張れ、ワタシ!!
P.I.R=Property Irregularity Report(手荷物事故報告書) -
折角の2度目のシチリアなのにこの不運!!駅へ向かうバス乗り場を探して外へ出たものの、全くそれらしき標識が見当たりません。おまけに異常な暑さ!!!エアコンのきいた空港から一歩外に出ると汗腺が大全開して熱を体外に放出しようとしているのがよくわかります。途方に暮れて近くにいた警察官に場所を尋ねると、な、なんと彼らは嫌な顔一つせず、カジュアルにそこまで連れて行ってくれたのです。停留所は空港を出た裏側にありました。そして別れ際、私の重い心と疲れを吹き飛ばすように笑顔でこう言いました。「タオルミーナに着いたら、美味しいグラニータを楽しんでね!」
その温かい言葉を胸に、カターニア鉄道駅行のバス(次の画像)に乗車しました。なぜバスではなく鉄道? それはちょとした訳があるのです。
(注)5月10日11日、シチリア島東部を襲撃した熱波について:シーズンとしては異例の早さでアフリカからの熱波が到来し、この地域を厳しい気象状況に閉じ込めました。お蔭でジェラードの売り上げは急上昇したと。(未確認情報) -
このバスでカターニア鉄道駅まで行きます。チケットはバスのドライバーに直接払います。たしか5ユーロくらいでした。
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30分ほどバスに揺られてカターニア鉄道駅到着です。
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カターニア鉄道駅の切符購入窓口。
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タオルミーナまでのチケット。
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お相撲さんのスリッパのように並んでいるのは刻印機です。
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17時55分発メッシーナ行レッジョナーレ、R12990、7番線に入線しています。車両は日立レール製のハイブリッド列車「ブルース」(HTR 412)です。トレニタリアは、シチリア島東岸の非電化区間や一部電化区間に対応するため、燃費向上と排出ガス削減を可能にするこれら特定の日立レール製のトライモード・ハイブリッド車両を積極的に運用しています。
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これがそのトライモード・ハイブリッド車両です。(バッテリーー、ディーゼル, 電気の3対応)途中2駅のみに停車し快速並みに進みます。
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内部。乗客すくなめ。日立車両の特性である揺れの少なさ、加速の良さを感じました。
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1時間弱でタオルミーナジャルディーニ駅に到着。カターニア空港からバスと列車を乗り継ぎ、ようやく最初の目的地、タオルミーナに到着しました。海辺の街ジャルディーニ・ナクソスにあるので正式な駅名はタオルミーナ・ジャルディーニ・ナクソスです。 鉄道の旅を選んだのはひとえにタオルミーナでの第一歩をこのタオルミーナ・ ジャルディーニ駅できめたかったからです。殺風景なバスターミナルよりこの鉄道駅のほうがずっといい雰囲気に思えて。。私の小さなこだわりです。
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この駅は駅舎もホームも世紀末アールデコ様式でできており、鉄と直線で囲まれたデザインが古き良き時代を彷彿とさせる美しい駅なのです。
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駅構内。
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駅構内。
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駅構内。
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タオルミーナの歴史は紀元前4世紀からスタートしました。
この街は、断崖のようなタウロ山の中腹にある台地(テラス)にあります。標高は200m前後ですから、シチリアの臍、エンナほどではないけれど、やっぱり′どうして?‘との思いを抱かせる街です。この街のメイン通りは800メートルしかないウンベルト1世通りのみ。東の入り口となるのがメッシーナ門(Porta Messina)西の入り口となるのがカターニア門(Porta Catania)です。 -
駅前のタクシースタンドに駐車中の一台にのり、Booking.comで予約しているホテルへ。乗る時に一応料金を確認すると20ユーロとのこと。OK,では行きましょう。地図でみるとさほど距離はなさそう。でも高低差があるので崖にそってつくられたクネクネ道を登らなければならないため、結構距離があり時間がかかります。20分ほどでBooking.comで予約していたホテルにチェックイン。カーテンの向こうに見えるのは乗ってきたタクシーです。
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チェックインしたものの、手元に必需品の入ったスーツケースがないのでやはり落ち着きません。しかし運命の女神は必ずしも私を見捨ててはいなかったのです。ホテルのレセプショニスト(ルチア)にロスバの事情をはなすと、親身になってフロントデスクの引き出しの山積みのゴタゴタの中から使用可能なそれらを引っ張り出して貸してくれるのです。とりわけ、私の命綱であるラップトップのシチリア仕様のアダプター?今までに見たことがないその変ったデザインをしげしげと見つめてしまったのですが。。。しかもネズミが齧ったような感じのiPhoneのコード(USB ケーブル)までどこからか見つけてきて、「これ、タダで持っていっていいわよ(You can take it for free!)」と笑顔で差し出してくれたのです……!外観はともかく最低限の用は足してくれるのでもちろん構いません。。なにはともあれ、このアダプターやコードのおかげで取りあえず、今晩だけはサバイバルできそうです。
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これがその修羅場を潜り抜けてきた感,満載のUSB ケーブル(左)とシチリア仕様の変なアダプター(右)です。通信環境というライフラインが確保できたら、次はいよいよ「身ぐるみ剥がされた私」の戦闘服と最低限のコスメを揃える番です。で、彼女が調べてくれたコスメのお店やランジェリーのお店に緊急調達に出かけることを決意。それらのお店はウンベルト通りにあるお店なので、ここから徒歩でいけなくもないのですが、もう疲れきっているのでタクシーを手配してもらいました。とても親切なレセプショニストに出会ってラッキーでした。外はもうブルーアワーの時刻。お店が閉まる前に、これらの必需品を求めて、タオルミーナの街へと猛ダッシュで繰り出しました(タクシーの中でも駈けてる気分でした!)ということで皮肉にも風光明媚なタオルミーナで私が最初にしたことといえば観光やグルメチックな探訪などではなくこうした必需品の調達でした。
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慌ただしいのですが、お部屋に手荷物をまず置いて、窓を開けます。1年ぶりに見るイオニア海です。ベランダのむこうに見えるのはスキソ岬(Capo Schisò)。 湾の南端に突き出たこの岬はジャルディーニ・ナクソスという町の中の一画(南側の境界)に位置しています。
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ルチアが呼んでくれたタクシーでウンベルト通りに来ました。ここは化粧品を調達したKiko Milano. お店の人がキンキラ、ラメ入りのシャドウとか鮮やかな色のリップスティックを勧めるので閉口。私はコンサバティブなんですよ。といって、控えめの色を選びましたけど。。左下のフェイシャルは近くの薬局で調達したものです。
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ランジェリー、タンクトップ、T-シャツを買ったインティミッシミ(INTIMISSIMI) TAORMINA。これは翌日撮影したものです。
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そしてホテルに帰着。ライトが灯り始めました。昨日から今日にかけて約5,100マイルの移動でした。しかもロスバ(正確には遅延で済んだ)のオマケつき。
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こういう光景はシカゴでは見れません。明日がいい日でありますように!そしてスーツケースが無事に届きますように。。
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画像は今回のロスバに関する自分の控え。ダウンロード可能なPIR(トラッキング用)です。個人情報は消したものをアップします。
「なぜローマ・フィウミチーノ空港でロストバゲージがよく起こるか」?以下にその原因をまとめました。参考になれば幸いです。
イタリアの玄関口であるローマ・フィウミチーノ空港(FCO)(特にITAエアウェイズの国内線乗り継ぎ)では日常茶飯事と言えるほどよく発生しています。
ローマ空港で荷物が積み込まれない主な理由
*乗り継ぎ時間(MCT)の処理能力不足: ローマで国際線からシチリア(カターニアやパレルモ)行きの国内線に乗り継ぐ際、乗客の移動が間に合っても、裏側の自動仕分けシステムやスタッフの荷物搬送が追いつかず、「人間だけが乗って荷物が次の便になる」というケースが非常に多くなっています。
*グランドハンドリング(地上系)の慢性的な問題: ローマ空港では、航空会社から委託された複数の「地上ハンドリング会社」(AviapartnerやAirport Handlingなど)が荷物の積み込みを行っています。ここが慢性的な人手不足や、イタリア特有の突発的なストライキ(Sciopero)に見舞われると、真っ先に荷物のハンドリングが停滞します。
*ITAエアウェイズ(旧アリタリア)のオペレーション問題: ITAエアウェイズはローマを最大のハブ(拠点)としていますが、元々アリタリア時代から荷物の追跡管理や、遅延時の地上スタッフ間の連携がスムーズにいかないことで旅行者の間ではよく知られていました。
今回は他のホテルに誤配送というおまけ付きであったにせよ、翌日配送という「イタリアにしてはかなり迅速な対応」(この部分は次の旅行記に書いています)で荷物が手元に戻ってきたのはラッキーと考えた方がいいかもしれません。不運なトラブルではありましたが、結果的には最小限のタイムロスで済んだと言えます。
再び長靴の国へーハプニングで始まったシチリア・南イタリア10日間②:タオルミーナ(古代の息ぶき)に続く。
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この旅行記へのコメント (1)
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- TKさん 2026/08/18 13:18:06
- タオルミーナの駅は、本当に素晴らしいですね。
- Noraさん
こんにちは!
今回は、ITAでタオルミーナですね。ITAがスターアライアンスに加入したので、そろそろ、ITA経由の旅を計画しようかなと思っていたのですが、ちょっと怖いですね。
なになに、トランジットでの信頼性の低いオペレーションがあるとか。ロズバケって、本当にダメージが大きい。旅行計画が、狂ってしまいます。まだまだ、ITAよりは、LHの方が信頼性高そう。しばらく、ITAデビューは見送りしましょう。
タオルミーナの駅は、本当に素晴らしいですね。私達も訪問しました。駅自体がアンティークで気品があります。ここは、ゴッドファーザー、パートⅢで撮影にも使われた、大変雰囲気のある駅。ここから眺める海の素晴らしいし、タオルミーナの公園から眺めた、海辺のタオルミーナ駅の遠景も絵になりますね。
楽しい想い出の呼び戻しをありがとうございました。
また、よろしくお願いします。
TK
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