2025/03/05 - 2025/03/05
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Mr.noone specialさん
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キュンパスを使い内田百閒の「阿房列車」に倣って無為の往還をした記録。
完全版は以下ブログ参照。
https://aamns2021.livedoor.blog/archives/cat_440613.html
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今回使用した切符は新幹線乗り放題と銘打っているが、無制限ではない。指定席の予約は二回までなので、東京から新青森までと仙台から東京までの予約を入れた。
新青森盛岡間は自由席を連結しないはやぶさしか走行しておらず、特例で空いている指定席を占有して構わない決まりなのでそうした。しかし盛岡仙台間は「各駅に停車するはやぶさもしくはやまびこ」のみ乗車できる。それで調べたら各駅停車は概ね八十分弱かかる。一方速達型のはやぶさなら四十分弱と凡そ半分の時間で済む。発売した側が設置した罠にかかりに行くようで気が進まなかったが、四十分時間が増えれば一軒余分に廻れることになるので、盛岡駅で指定席特急券を買って速達型のはやぶさ32号に乗った。
仙台に行くのは東日本大震災直後以来だと思う。只その時は仙台駅では下車せずに塩釜に行ったので、市街地に出るのはもっと昔のことで何時だったのか記憶は定かでない。ここまで南下してくると気温も随分上がって17時前で摂氏11度もあり東京と体感は然程変わらない。
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早く一献始めたいが、折角宵の口に着到したから高名な賣茶翁と玉澤へ行って菓子を買い求めようと思う。市内をバスで移動したのは初めてだが、人口百万を有する陸奥の州都であるから、街並殷賑を極め通りを歩く人も多い。下校や勤め終わりの頃合いだったとは言え、先の二都とは一線を画す。
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賣茶翁は古式ゆかしき家屋でその在り様に俳味が感ぜられた。転じて青葉通り一番町の繁華な通りに店を構えた玉澤は直線が利いた鋭敏な設えで好対照だった。ここで百閒好みの白雪糕であるしおがまを購えたから、愈々旅の無事を祝して壱弐参横丁で一献始めることにする。
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百閒であれば御当地の知己を呼んでの宴会となるから、こちらもそれを模して大学時代の友人と差しつ差されつしても良いけれど、彼も当地の業界筋では枢要な位置を占めることになっていて、当方来仙につき来られたしと軽々しく呼びつけるのも気が引けたので独酌とする。
酒と魚watabeという店に当たりをつけていたので足を運ぶ。横丁らしからぬ小奇麗な店で否やが応でも期待が高まる。早速に刺身の三種盛り合わせと芹の浸しを注文する。「三種お好みを選んでください」「では蟹味噌豆腐と北寄サラダと・・・」「あ、いえ、お刺身のお好みを三種」「あ、刺身。〆鯖を入れて貰って後は任せます」
どういう訳か突き出しをおつまみ各種と括られた中から選ぶものと勘違いした。それで店主を失望させたので、会話は途絶えた。けれどもその刺身の盛り合わせは〆鯖に単価の高い九絵と鯨を盛り付けてくれた。綺麗な紅白の身を海の波を思わせる鯖の肌が盛り立てて美しい景色。近時名高い芹も成程歯応えと香気が抜群であることが知れたし、一白水成の薄濁りも申し分なく旨い。 -
いい口開けとなり上機嫌で駅に近い大ばんへ行く。しかし満席とのことで、階上の系列店である大黒に転じる。春らしい鰆の炙りに新わかめ、名残の焼牡蠣を地場の伯楽星に合わせる。どれもこれも旨くて誠に結構。
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いい気分になって駅に出店を構えるしらはたで寿司を摘まむ。寒鮃、〆鯖、鰆、梅紫蘇巻を蔵王の冷酒で堪能して勘定すると、案に相違して三千二百円となる。本日のお勧めとなっていて価格が書いていなかった寒鮃が一貫七百七十円、鰆が六百六十円だという。中々な商売をしていて一気に酔いが醒めた。
お陰で正気に戻り、広大なエスパルで迷わず梅花堂の東太平洋、白鎌の極上笹蒲鉾、三万石の三千里(これは賣切)、仙令平庄で半額の石鯛刺身ときんきを購入した。それで曲がった臍も直って、仙台に悪しき怨念も抱かずに済んだ。 -
20時14分発のはやぶさ64号に乗り込み東京へ戻ることにする。本日四度目のはやぶさ乗車となるが、時速三百粁を超えて走行するにも関わらず極めて揺れが少なく、加えて窓外は真っ暗闇でもあるので宇宙船にでも乗っているかのような錯覚を起こす。もしくは仙台ゆかりのフィギュアスケーターである甘木君におぶさっているかのようにも感じたが、脳裏に醜悪な姿が去来したのでその妄想は直ぐに取り止めた。
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東京から新青森まで往復して移動した営業キロ数は1427.8粁。特別企画乗車券を利用したから正規料金が42,920円のところ13,580円で済んだ。百閒は阿房列車を走らせるにあたり出版社へ寄稿する約束で大金を前借し、これを錬金術と呼んで悦に入っていたが、そんな術を持たない一庶民としてはこれで満足すべきであると思う。ただこの特別切符をJREバンクデビットで購入した客に抽選で30,000ポイントが貰えると知らされていたので、その方法で申し込みをして置いた。上手く当選すれば只で阿房列車に乗れたことになる算段なのだが、その成否は判らない。
【追記】
百閒への憧れが通じたのか、狙い通り30,000ポイントが抽選で当たり、一庶民の密かな錬金術は成った。JR東日本及びこの企画を立案した垂逸氏には謝意を申し上げたい。
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