2025/03/05 - 2025/03/05
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Mr.noone specialさん
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キュンパスを使い内田百閒の「阿房列車」に倣って無為の往還をした記録。
完全版は以下ブログ参照。
https://aamns2021.livedoor.blog/archives/cat_440613.html
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JR東日本が1万円で新幹線にも乗り放題の切符を出すというので、何にも予定はないけれど青森へ行こうと思う。そうと決めるとあれこれ予定を組み始めてしまい、阿房になるのは中々難儀であることを知った。
百閒には山系氏が居たが、こちらにはああいう都合のいい道連れはいないので、悠々道中を楽しむ百閒と旅のあれこれを差配する山系氏の二役を一人で任じるはめになり、道中安穏とはいかない。だから出掛けるか躊躇する時間があって、まごつく内に始発の新幹線が満席で取れないことになった。そうとなると如何しても朝一番の新幹線に乗りたい。空席が出るのを毎日照会することに決めてしばらくしたら、臨時列車がさらに早い6時発で仕立てられた。皆其れを知らない様子で、全然空席ばかりだったから予約した。のろのろ歩いていたら、一周遅れで先頭に立ったようなもので、まず幸先は良しと云っていいと思う。
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朝寝坊の百閒であれば到底乗れない時間のはやぶさに乗って、持参した醍醐の大阪寿司で朝食を摂る。魔法瓶はかさばるのでウイスキー用のスキットルに僅かばかりお酒を入れて持ってきたので一盞傾ける。
予約した時には席に余裕があったのに、いざ乗ってみると混雑していて大宮で乗ってきた客で満席となった。幸い隣席は机に突っ伏して眠ったので煩わしさはない。しかし仙台で降りて代わりに来た女の客は朝から湯気の上るミンチカツを頬張り始めて臭いがきつい。その隣も代わって靴を脱いで足裏をこちらに向ける輩で閉口した。仙台から一変した周囲の様子に燦鳥井の会長でなくとも文句の一つも言いたくなる。
まだ到着にはしばらくかかる。百?の頃のように食堂車があれば行って酌を重ねても良いけれど、特等車両でしか酒を提供しないので、諦めて音楽を聴いて車窓に目を転ずることにする。さっき那須の辺りを通った時くらいから山並みに雪が見え始めていた。仙台を過ぎると陸続する屋根に積もる雪が散見され、北に向かっている実感が湧く。その時にスーパーカーのYUMEGIWA LASTBOYが流れ始めたが、時速300粁で過ぎ去る車窓と同期して心持がいい。彼らは青森出身だし、これをもって東北新幹線の主題歌としたい気がする。
https://youtu.be/n_Hxf6SmiWY?si=D5qjVbrDsZp4AX9A
青森に入り八戸を過ぎると積もった雪の厚みに迫力が出てきて、愈々雪国の様相が強まる。シューゲイザー風味のフリッパーズギター:アクアマリンやシンバルズ:Muzak cycleが耳に流れてくるが、その甘やかな破綻への誘いが、死の雪中行軍の果ての音色にも聞こえて少しこはいように思う。
https://youtu.be/sW8aXcESRFs?si=JONCEDuus6dziBOW -
その上、先だって心中で陸奥を侮蔑した報いなのか、晴れているのに雪が横殴りに降ってきた。怖さを紛らわそうと「こういう天気は狸の嫁入りとでも言うのだろう」と山系氏相手に軽口を叩ければよいが、こちらは百鬼園先生ではないので一人ぽつねんと車窓を凝視して慄く内に新青森に到着した。
雪は到着直後に止み、身構えていたほどの冷気も感じず、雪国と言ったってこんなものかとの驕りが心中に湧きあがって来たけど、ここからはあちこち歩くので狸の嫁入りは御免蒙りたいから、心の居住いを正して歩廊の階段を上がった。
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旅行記グループ 東北三都阿房列車
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