中欧3か国４都市周遊の旅withゴエモン　ザルツブルク編

2025/09/28 - 2025/10/08

ヨーロッパに行きたしと思えどヨーロッパは余りに高し。。。ということで、欧州の中では比較的物価の安い中欧諸国を巡る旅に行ってきました。
ドナウ川沿いの景色の美しいブダペスト、音楽の都ウィーン、モーツァルトゆかりの地ザルツブルグ、愛らしい街並みのプラハと中世の趣の残る町々を巡り、建築・文化・芸術・食事など改めてヨーロッパ文化の素晴らしさに触れてまいりました。

ゴエモン「なんだか高尚そうなこと言ってるけど、お酒も随分飲んでたぞ。」

ザルツブルク編ではかつての天才作曲家モーツァルトの足跡をたどりながら、ザルツブルクの街を歩きます。

エリア ザルツブルク(オーストリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行なし）
• 利用旅行会社: エイチ・アイ・エス

さて本日は電車でウィーンを離れ、モーツァルトの故地ザルツブルクへ。

というわけで朝6時過ぎにホテルを出発。

ゴエモン「この時間だとまだ暗いな。眠いよ～。」

ホテル ボルツマン ホテル

トラムに乗って、ウィーン西駅へ。
2011年に建てられた新しい駅舎で、いくつもの国際列車が発着するほか、空港行きのシャトルバスなども出ています。

ゴエモン「空港行きのバスに人が乗り込んでいるな。出張ご苦労様です。」

ウィーン西駅 駅

朝から沢山の電車が発着しています。

この時間だとまだ駅内のお店はほとんど開いていませんでしたが、こんな時に頼りになるのはどこの国でもやはりマック。

コーヒーを調達してプラットフォームへ。

7:08分発の近代的なルックスの電車で出発。

ザルツブルクまではほぼ2時間半の道のりです。

昨日調達したパンと、今朝マックで買ってきたコーヒーで朝食。

うだうだしている間にザルツブルク駅到着。

こちらでまずは事前にネットで購入していたザルツブルクカードをバウチャーと引き換え。

ザルツブルクカードはザルツブルク市内の公共交通機関が乗り放題な他、市内の様々な施設に無料または割引で入場できます。少々お高いですがザルツブルクを観光するならあると便利な一枚。

ザルツブルク中央駅 駅

というわけで早速バスに乗って、最初の目的地ミラベル宮殿にやってきました。

1606年に当時の大司教ヴォルフ・デートリッヒ・フォン・ライテナウが愛人サロメ・アルトのために建てたとされ、創建当時はアルテナウ宮殿と言われていたそうですが、大司教の失脚後ミラベル宮殿に改称されたそうです。

ゴエモン「愛人のために宮殿建てちゃうなんて、とんでもない生臭坊主だなあ。」

ミラベル宮殿 城・宮殿

ゴエモン「さすがに愛人のために建てただけあって、お庭が美しいね。」

ゴエモン「こちらの美しい庭園は、映画『サウンド・オブ・ミュージック』で『ドレミの歌』を歌うシーンで使われていたんだって。というわけでお庭は観光客でいっぱいだったよ。」

ミラベル宮殿から歩いて5分ほどでやってきたのがMozart Wohnhaus。

モーツアルトが17歳の時に引っ越してきた家です。モーツァルト自身はその後ウィーンに引っ越してしまいましたが、モーツァルトの父レオポルトはその後もこの家に住み、ここで亡くなったのだとか。

ゴエモン「特に変わったところもない普通の家だね。表示がなければモーツァルトが住んでいたなんて分からないな。」

モーツァルトの住居 建造物

館内ではご覧のようなイラストを使った、モーツァルトの若き日の暮らしぶりを示す展示がありました。

ゴエモン「モーツァルトは子供のころから音楽的才能が抜群だったのはもちろんだけど、射的遊びも好きだったらしいよ。そんな天才の意外な一面を知ることができる展示だよ。」

スマホを持っていれば、壁の二次元バーコードを読み込むことで音声ガイドも利用できます。

壁面にはモーツァルト一家を描いた絵が掛けられ、部屋の隅にはモーツァルトが使用していた時代のものと思われるピアノが置いてあります。

ゴエモン「かなり古い時代のものだね。昔のピアノは今の白い鍵盤が黒鍵で、黒鍵部分が白いんだな。」

昔は黒檀や象牙などを使ってピアノの鍵盤を作っていたのですが、丈夫で耐久性のある黒檀をよく使う部分の鍵盤に使い、高価な象牙などは数が少ない今の黒鍵部分に使っていたためと言われています。（諸説あり。）

壁面に掛けられている絵はモーツアルトが13歳の時の肖像画だそうです。

モーツァルトがウィーンに住んでいた時代に実際に使っていたとされるヴァイオリンも展示されていました。

この他にもモーツァルトの自筆楽譜や筆記具など様々な展示があるので、ファンなら訪れてみて損のない施設といえましょう。

道すがら立派な教会があったのでゴエモンの記念写真。

ゴエモン「1702年にバロック様式で建てられた三位一体教会って言うんだって。内部には見事なフレスコ画があって一見の価値ありらしいよ。でも三位一体って何？ゲッターロボのこと？」

ある年齢層以下には刺さらないボケをかまさないように。

三位一体教会 寺院・教会

三位一体教会の近くの家の前には怪しげなおじさんの像。

ゴエモン「家に侵入しようとしている不審者の像かな？」

何を無礼な。恐れ多くも「帝王」と呼ばれた名指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンの銅像なるぞ。

こちらはカラヤンが一時期居住していた家なのですが、現在は他人の持ち物になっており、銅像だけが残っています。

カラヤンの生家 史跡・遺跡

マカルト橋を渡って対岸へ。

ゴエモン「橋の上からホーエンザルツブルグ城が見えるよ。天気があまり良くなくて残念だったな。」

マカルト橋 史跡・遺跡

こちらはモーツァルトの生家”Mozarts Geburtshaus”。

先ほどのWohnhausとは違って、こちらはモーツァルトの生まれた家です。

モーツァルトの生家 建造物

「この家で1756年1月27日にモーツアルトが生まれた」と書かれた石板。

ゴエモン「250年以上も昔の人なんだね。日本で言えばそろそろ田沼意次が出てくるころだな。」

例が分かりにくいな。

館内にはモーツァルトの銅像や年代ごとのモーツァルトの事績紹介をはじめ、

モーツァルトが作曲したオペラの舞台のミニチュア。

モーツァルトが生活していた時代の家具やピアノ等が展示されており、様々な角度からモーツァルトについて学ぶことができます。

ちなみにオーディオガイドは先ほどのMozart Wohnhausと共用のアプリ。

ゴエモン「モーツァルトが天才なのはよくわかったけど、そろそろお腹いっぱいだよ。他のものも見ようよ。」

ゴエモンにせかされて出てきたこちらの通りはザルツブルグの目抜き通り、ゲトライデ通りです。土産物屋などが多く、観光客で一杯でした。
壁面に取り付けられているお店の看板がいろいろ意匠に工夫があって面白いです。

ゴエモン「まあ目抜き通りと言っても、川のこちら側でにぎやかな通りはほぼここだけなんだけどね。」

こらこら。

ゲトライデ通り 散歩・街歩き

モーツァルトに関する情報はお腹いっぱいですが、実際のお腹は全然いっぱいではないのでランチに地元のハンバーガーのお店Burgeristaに伺いました。

ゴエモン「オーストリア料理も飽きてきたしね。」

店内はとてもオシャレ。

ところがこのお店、ご覧のスクリーンで注文するのですが、観光地にもかかわらずなんとドイツ語の表示しかない！

goemonpは少しドイツ語をかじったことがあり簡単なドイツ語なら分かるので、途中までは悪戦苦闘しながらなんとか進めたのですが、最後の方になって「〇〇の番号を入力せよ」の〇〇が分からず立ち往生。

困っていたら後ろに並んでいた美人のお姉さんたちが「この番号を入れるのよ。」みたいな感じで近くにあったフードコートによくある呼び出し用のブザーを取り上げ、そこに書いてあった番号を入力してくれ無事注文することができました。

いやあ助かった。

ゴエモン「情けないなあ。」

そんな苦労をしてようやく手に入れたハンバーガーはパティの焼き加減も良く、なかなか美味でした。

ゴエモン「なんでも苦労して手に入れたものは愛おしく感じるものだよね。ところで僕の餌はどこかな？」

君も少しは苦労して餌を手に入れてみてはどうかな？

ランチの後は、ザルツブルク大聖堂にやってきました。

ところがこの日は何か大きなミサが行われるとかで観光客の入場は不可とのこと。

ゴエモン「残念。」

大聖堂 寺院・教会

が、そこはあきらめの悪いgoemonp妻、入口ギリギリまで近づいて聖堂内の写真を撮ってきたらしい。

ゴエモン「ずるいぞ。」

それがこちら。現在の大聖堂は17世紀にバロック様式で建てられたもので、堂内は収容員数1万人とも言われているなかなか広大なものです。

モーツァルトもここで洗礼を受けたそうな。

次の目的地は聖ペーター教会。

実は大変古い教会で、創立は何と696年とのこと。ただし現在の聖堂は17～18世紀にかけて建設されたものとのことです。

ゴエモン「696年か。日本で言うと持統天皇の時代だな。」

だから分かりにくいって。

ザンクト ペーター教会 寺院・教会

この教会にはカタコンベ（地下墓地）があり、ザルツブルクカードを持っていると無料で入れます。

ゴエモン「おお、カタコンベ。スケルトンとかミイラがうろうろしているところだね。」

RPGのやりすぎだな。

地下墓地とは言いますが、実際は岩窟墓地とでもいうべきもので、地下ではなくこんなトンネルを上に向かって登っていきます。

ゴエモン「出たぞ悪の十字架！悪霊退散！」

なんだ悪の十字架って。RPGごっこはやめようよ。

かつては実際にこの場所に葬られていた人たちもいたのでしょうが、現在では柩などは残っていません。

一番奥まった場所にはいわくありげな石板がありました。ラテン語なのでちんぷんかんぷんです。

ゴエモン「きっと呪いの石板に違いないよ。呪われたくないから早く出よう。」

RPG好きの文鳥はびびっていますが、もちろん呪われたりはしないのでご安心を。

カタコンベの頂上からはご覧のような美しい聖ペーター教会の全体像を眺めることができます。

カタコンベの階段を降りてくると、入口周辺に何やら立派なお墓がありました。

なんとこちらはかの「交響曲の父」フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの弟ミヒャエル・ハイドンの墓所なのでした。兄があまりにも偉大過ぎるためかすんでしまっていますが、ザルツブルグ大聖堂や三位一体教会のオルガニストを務めたほか、作曲家としても多数の作品を残しています。

ゴエモン「石板の上の方に"Schwester W.A.Mozart"って書いてあるぞ。」

そう、このお墓にはあのモーツァルトのお姉さん、マリア・アンナ・モーツァルトも一緒に葬られているのでした。

子どものころはモーツァルトを凌ぐ才能の持ち主ともいわれ、ピアニストとしても有能な人であったそうですが、当時女性音楽家が活躍する道は険しく、音楽家としての成功はかないませんでした。

カタコンベ全景。

ゴエモン「あんな上の方まで登ったんだな。景色がいいわけだ。」

さて、いったん聖ペーター教会を後にして、ホーエンザルツブルク城に向かいましょう。お城までは直通のケーブルカーがあり、ザルツブルクカードで乗車することができます。

フェストゥングバーン (ケーブルカー) その他の交通機関

ケーブルカーは高速で頂上まではあっという間に到達。

ゴエモン「おお。いいい眺めだな。」

ホーエンザルツブルク城塞 城・宮殿

ゴエモン「市街地方面の眺めもいいね。」

ゴエモン「なんだかまだ上に登れるみたいだよ。行ってみよう。」

頂上からは峩々たるザルツブルク周辺の山々と、その麓ののどかなザルツブルクの家並みを眺めることができます。

ザルツブルクはその名の通り「塩の砦」。かつては独立国でした。

近隣の山から取れる、岩塩から精製された塩を販売することで得た経済力を背景に、大司教が領主も務めるというユニークな政体の国として独立を維持してきましたが、1803年にハプスブルク家が領主権を取得、その後一時バイエルンの支配下になりましたが1816年にオーストリアに編入され、第二次世界大戦後の混乱はあったものの今日に至っています。

ホーエンザルツブルク城の内部は歴史博物館のようになっています。こちらは1994年に発見された12世紀に建築されたとされる教会の跡。

ゴエモン「教会の跡と言われなければただのボロい部屋にしか見えないな。考古学者って大変だね。」

ゴエモン「ホーエンザルツブルク城は最初から要塞として作られたもので、創建は11～12世紀と大変古いお城だよ。15世紀後半に拡張されて防衛能力がさらに高まったんだって。大砲もあって物騒だな。」

そんな歴史もあって武器等の展示が多くあります。興味ある人には面白い展示かもしれませんが、goemonp達にはあまりささらずスルー。

近代の展示もありました。

ゴエモン「さて帰りは歩いて降りるよ。坂道がすごい急勾配なので、滑りにくい靴を履いていくことをおすすめするよ。鳥なら飛べばいいけど、人間は不便だな。」

ゴエモン「途中から眺めるザルツブルク大聖堂の眺めもなかなか素敵だよ。」

ゴエモン「なんだか変な金の玉があるぞ。あれれ、上に人が乗ってるじゃないか。なんだこりゃ。」

一応アート作品らしいです。カピテル広場という場所にありますが、正直かなり違和感のあるオブジェでした。一説にはどこかに対になる女性の像があるとも言われているようですが、どこにも見当たりませんでした。

ゴエモン「というわけで再び聖ピーター教会まで戻ってきたよ。今回は中にも入ってみよう。」

ザンクト ペーター教会 寺院・教会

なかなか雰囲気のある教会です。現在の聖堂は17～18世紀にかけて建設されたもので、内部には聖ピーターの生涯を描いた絵画が飾られています。

ゴエモン「次は『レジデンツ』と呼ばれるかつての領主大司教の住居にやってきたよ。実質的な王宮みたいなもんだね。さすがになかなか立派な造りだなあ。」

レジデンツ 城・宮殿

ゴエモン「残念ながらレジデンツはこちらの入り口周辺の大ホール以外は写真撮影禁止だったよ。でもザルツブルクが独立を失った時のオーストリアとの条約調印の間とか、若き日のモーツァルトが大司教の前で演奏した部屋とかいろいろ見ごたえのある施設なので、時間に余裕があったら是非訪問してみてね。」

ゴエモン「そしてこちらはレジデンツの前にあるレジデンツ広場だよ。かつてはこの場所に墓場があったらしいんだけど、16世紀に当時の領主が墓場を取り壊して広場にしたんだって。埋葬されてた人たちは化けてでないのかな。」

レジデンツ広場 広場・公園

ゴエモン「こちらはその近くにあるモーツァルト広場にあるモーツァルト像だよ。なんだか作曲家というより冒険家か英雄みたいな像だな。」

モーツァルト像 モニュメント・記念碑

さて、これでだいたいザルツブルクの有名どころは見終わったのですが、まだ帰りの電車の時間までに少し時間があったので、ザルツブルクカードで無料で入れるクリスマス博物館というのに入ってみました。

ザルツブルク ヴァイナハツミュージアム 博物館・美術館・ギャラリー

ゴエモン「おお、サンタがいるな。ところで隣にいる不気味な人物は一体だれ？」

ドイツ圏ではいい子のところに訪れる普通の赤白サンタの他に、悪い子のところにやってくる「ブラックサンタ」なる第二のサンタがいるのだそうな。悪い子にお仕置きをしたり、石炭がらなどのがらくたをプレゼントしたり、中にはどこかへ悪い子を連れ去ってしまう黒サンタもいるのだとか。

ゴエモン「日本のなまはげみたいなもんかな。くわばらくわばら。まあ僕はいい子なので関係ないけどね。」

その他にもいろいろなクリスマスに関する展示がありましたが、それほど大きな施設ではないですし、入館料を払ってまで入るほどの施設かと言われると微妙です。クリスマス好きの人か、ザルツブルクカードで無料で入れる人はどうぞ。

シュタットブリュッケ橋を通って、ザルツブルクの美しい風景にも最後の別れ。

駅前のスーパーで夕食を購入。

ワインの品ぞろえも豊富。鳥ラベルが興味をひきますが、さすがに電車でボトル空けて酒盛りするわけにはいかないので我慢我慢。

日本のキッコーマンのお醤油もありました。EUR4.29（700円超）となかなかのお値段。

ウィーン行き特急電車でウィーンへ戻ります。

ザルツブルク中央駅 駅

さきほどのスーパーで買ったお弁当とビールで夕食。

そろそろ日本食が恋しくなるころとてチキンかつ丼と海苔巻きを購入しましたが、チキンかつ丼はなんとご飯が酢飯。海苔巻きはまあまあだったもののやはり米が今一つ。日本食もどきをビールで流し込みながらの侘しい夕食。

さあ後はホテルに帰るだけ、と思っていたら気が緩んでいたのかやらかしてしまいました。

ウィーン西駅で降りなければならなかったのに、なんか一駅前で車両内のお客さんが全員ぞろぞろ降りていたので、ウィーン西駅についたと勘違いして下車してしまいました。

ゴエモン「どうすんねん。」

幸いその駅からは市内に向けて地下鉄が出ていたので、30分ばかりホテルに着くのが遅くなった以外は実害はなかったのですが、やはり海外では油断は大敵ですね。

明日はウィーンを発ち、最後の目的地プラハへ向かいます。