狂おしいほど美しい『幕末土佐の天才絵師 絵金』サントリー美術館☆2025年9月

2025/09/24 - 2025/09/24

幕末から明治初期に活躍した土佐（高知県）の絵師 弘瀬金蔵（1812～1876年）は、地元では「絵金（えきん）さん」と呼ばれてきました。歌舞伎や浄瑠璃の物語を絵金が描いた屏風絵は色鮮やかで、残酷な場面も多く、とても印象的です。
香南市赤岡町を中心に高知のあちこちで、夏祭りの間に神社や商店街で絵金の屏風絵が飾られるそうです。それを見ることはまだ実現していませんが、絵金の芝居絵屏風を展示している美術館、赤岡町の「絵金蔵」を2024年5月に訪問しました。
⇒『南国市、香南市、香美市をぶらり(3)☆高野山満願ドライブ2024年⑥-3』https://4travel.jp/travelogue/11908322
「絵金蔵」でも、複製が多く、本物を鑑賞することが難しいのが現実です。それが、六本木のサントリー美術館で、香南市赤岡町や高知市朝倉、高知県立美術館、香美市立美術館などから集められた100点近い作品が展示されています。東京の美術館では初の絵金の大規模な回顧展です。

エリア 六本木(東京)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 5.0
• 交通: 4.0

• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

東京メトロ 千代田線で、西日暮里駅から乃木坂駅に向かいました。

東京メトロ 千代田線 乗り物

乃木坂駅（東京都港区南青山）
地上に出て、外苑東通りを六本木方面に歩きます。

乃木坂駅 駅

徒歩8分で東京ミッドタウンに着きました。

21_21 DESIGN SIGHT（港区赤坂）
東京ミッドタウンのミッドタウン・ガーデンにある美術館で、企画展「そのとき、どうする？展 ?防災のこれからを見渡す?」を開催中のようです。

21_21 DESIGN SIGHT 美術館・博物館

東京ミッドタウン（港区赤坂）に到着。

サントリー美術館は10:00の開館ですが、東京ミッドタウン内の店舗は11:00オープンのため、10:00から11:00までの間は、「GALLERIA 」の1階入口から入ります。

東京ミッドタウン ショッピングモール

ガレリア1階のツリーシャワーの前に、「TOKYO MIDTOWN AWARD 2014 アートコンペ」受賞作品が展示されていました。

小林万里子（1987年大阪生まれ。多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻、同大学院修了）
《世界の心臓》
「天井から流れ落ちる水、ツリーシャワーをめぐって、布や糸、和紙、粘土などの素材で表現された動植物が集うインスタレーションを発表。水が命を循環させる源であることを、多様な手仕事のディテールで可視化しました。流れ去る水がどのように巡り、再び私たちのもとへ戻るのか。」

サントリー美術館はガレリア 3階にあります。

サントリー美術館 美術館・博物館

『幕末土佐の天才絵師 絵金』
入場料：一般 1,800円
期間：2025/9/10(水)～11/3(月)

香南市赤岡町や高知市朝倉、高知県立美術館、香美市立美術館などから集められた100点近い作品を見ることができます。

4階第１展示室「第1章 絵金の芝居絵屏風」から回ります。<撮影禁止>
3階第２展示室「第２章 高知の夏祭り」【撮影可】
　 第３展示室「第３章 絵金 と周辺の絵師たち」＜撮影禁止＞

「わくわくわーくしーと」が4枚用意されていました。それぞれ関係する展示室のところで中をめくります。

「わくわくしーと」を入れて持ち帰れる袋も用意されていました。
絵金についての解説と、美術館の鑑賞心得が書かれています。

第１展示室「第1章 絵金の芝居絵屏風」から回りました。撮影禁止です。
香南市赤岡町の夏祭りでなければ見ることができない屏風絵などが、30点以上展示されています。思った以上に色彩鮮やかで、残酷なシーンもリアルに描かれているのが良くわかります。

「わくわくしーと」1枚目をめくると、「お気に入りの作品を見つけて、メモしよう」でした。

「わくわくしーと」２枚目は、撮影禁止の第１展示室「第1章 絵金の芝居絵屏風」にありました。

人形浄瑠璃『花衣いろは縁起 鷲の段』の説明でした。

3階に下ります。
第２展示室「第２章 高知の夏祭り」【撮影可】
第３展示室「第３章 絵金と周辺の絵師たち」＜撮影禁止＞

第２章 高知の夏祭り

高知市朝倉の朝倉神社
毎年7月24日に開かれる祭礼では、参道に山門式に組まれた「絵馬台（台提灯）」が置かれて、芝居絵屏風を見ることができるようにしているそうです。

1台に、裏表それぞれ2枚、合計4枚の絵屏風を見ることができます。

倉・前田
（右）『近江源氏先陣館 盛綱陣屋』絵馬台木札に「絵金作」とある
（左）『船弁慶』絵馬台木札に「絵金作」とある

倉・前田
（右）『加賀見山旧錦絵 鶴岡八幡』
（左）『伊賀越道中双六 岡崎』夜回り番の提灯には絵金の雅号「雀翁」の文字。

朝倉宮の前・奥
（右）『伽羅先代萩 御殿』絵馬台木札に「絵金作」とある
（左）『仮名手本忠臣蔵 判官切腹』絵馬台木札に「絵金作」とある

朝倉宮の前・奥
（右）『嬢景清八島日記 日向島』絵馬台木札に「河田小龍作」とある
（左）『妹背山婦女庭訓 吉野川』絵馬台木札に「河田小龍作」とある

河田 小龍（かわだ しょうりょう）
文政7年10月25日（1824年12月15日）ー 明治31年（1898年）12月19日）
日本画家、思想家。
嘉永5年（1852年）　中浜万次郎（ジョン万次郎）を取り調べ、『漂巽紀畧五巻』にまとめた。
私塾、墨雲洞を開いて、絵や漢学、蘭学などを教えた。坂本龍馬、近藤長次郎、武市半平太、岩崎弥太郎、後藤象二郎にも影響を与えた。

芳原下西組
（右）『敵討優曇華亀山 赤堀屋敷』
（左）『蝶花形名歌島台 小坂部館』

香美市土佐山田町の八王子宮
屏風を飾るための大型の「手長足長絵馬台」が5点あるそうです。
唐破風の軒下には、鳳凰や猩々などの立派な彫刻が施されています。

『岸姫松轡鑑 朝比奈上使』伝河田小龍作
飯原兵衛は北条時政から、源頼家の子を懐妊している司姫の首を差し出すように迫られている。
巡礼の与茂作と娘おそよがやってきた。兵衛は実の娘とわかったおそよを姫の身代わりにして、丸格子窓の奥で殺害。
気色ばむ与茂作の周囲には、妹の死に涙する兄と母や、司姫が頭を下げて詫びる。
時政の上使、朝比奈三郎（画面左）は、実はおそよと契っており、その首を持ち帰る。

『芦屋道満大内鑑 葛の葉別れ』
安倍保名の家を葛の葉姫と父の信太庄司が訪れ、家にいた葛の葉姫が実は保名に命を助けられた狐だったと露見。
狐は童子を置いて去り、本物の葛の葉姫が我が子として育てる決意を固める。
庄司は背後で腕組みをし、保名と葛の葉姫は母の狐を恋い慕う童子を止めている。
屋外には、保名と童子が見送る中、狐火と共に飛び去る狐、葛の葉が描かれている。

『由良湊千軒長者』
安寿姫と厨子王の人買い譚が題材。
奥州五十四郡の主だった岩木判官政氏の死後、娘の安寿姫と弟の対王丸は悪商人にかどわかされて、丹後国由良湊の三庄大夫に売られ、姉は汐汲みに、弟は柴刈りの仕事でつらい日々を送っていた。
松の向こうの女性たちが見ているのは天橋立。

『絵本太功記 杉の森とりで』
一向宗徒と尾田春長（織田信長）方の和睦失敗の責任を問われた鱸孫市は、紀州の杉の森砦に籠城。
自害する覚悟を決めて、子の重若丸に自分の首を真柴久吉（豊臣秀吉）に届けるように教えるが、妻の雪の谷が自害を遮ろうとして木に縛られる。
孫市の切腹を見届けた親の重成は勘当を許し、孫市は迷う重若丸の手に自分の手を添えて、わが身を切り落とした。

『玉藻前曦（あさひの）袂 道春館』伝河田小龍作
藤原道春の後室、萩の方は、鷲塚金藤次から、獅子王の剣を献上するか、桂姫の首を差し出すかの選択を迫られる。
萩の方は、娘の初花姫を桂姫の身替わりにと提案。双六で負けた方の首を討つことになり、初花姫が負ける。
しかし、金藤次が桂姫を討ったため、怒った萩の方が金藤次に斬りかかる。この後、金藤次は丸窓から現れた安倍菜女之助に刺され、桂姫は実の娘であると告白し、息絶える。

『図太平記実録代忠臣蔵 大序(垣間見)』高知県立美術館

『図太平記実録代忠臣蔵第二 二段目 力弥使者・松切』高知県立美術館

『図太平記実録代忠臣蔵第三 三段目 裏門』高知県立美術館

「絵馬提灯（行燈絵）」も、高知の夏祭りのもう一つの風物。
本来は、中にろうそくを入れて飾る灯り。

「わーくしーと」をめくります。

『釜淵双級巴 第十二』アクトミュージアム
大泥棒、石川五右衛門が夜に忍び込んだ家で、起きてしまった赤ちゃんをあやしている場面。
絵馬提灯は毎年新調されるため、現存するものは非常に少なく、これら24点は、近年発見されたそうです。

第３展示室「第３章 絵金と周辺の絵師たち」＜撮影禁止＞
これだけ多くの「絵金」を見ることができるとは思ってもいなかったので、とても嬉しいです。
しかも、年数が経っているにもかかわらず色鮮やかで、リアリティあふれる描写力に感動しました。

最後の「わくわくわーくしーと」をめくりました。

『三人上戸』他、墨で下絵として描かれた人物がいろいろ。

満足して展示室を後にしました。

サントリー美術館 shop×cafe
ミュージアムショップでは、高知県の「絵金蔵」よりもはるかに様々なグッズがありました。
加賀藩城下の金澤尾張町で藩政期の創業より伝統の加賀麩を作る「不室屋」で、加賀麩を生かしたスイーツや食事を食べることもできます。

サントリー美術館 shop×cafe グルメ・レストラン

「BRAND NEW KE：in Tokyo」
ガレリア地下1階のアトリウムで、大韓航空（KAL/KE）のイベントをやっていました。

アメニティやテーブルウェアの展示もあります。
ファーストとビジネスのシートを体験できるとありましたが、予約制だったので諦めました。

航空券やオリジナルグッズの抽選会に参加できるスタンプラリーをやっていました。
①LINEで体感航空をフォローします。

②ここで写真を撮ってスタッフに見せます。
③ファースト＆プレステージクラスのカトラリーブランドについてのクイズに回答。

④好きなチャームを選んで、オリジナルキーリングの作成。

キーリングは持ち帰って後で組み立ててくださいとのこと。

⑤好きな就航地を背景に写真が撮れるフォトブースで記念写真 (^^♪

⑥会場で撮った写真にハッシュタグをつけてInstagramに投稿！
抽選で、航空券は当たらず、ステッカーとボールペン２本をいただきました。

KOREAN AIRは、サービスが良くて、太っ腹ですね！

ガレリア地下1階のアトリウムからコートヤードに出ると、テラス席がありました。

ガーデンテラスに続いています。

芝生広場があります。ここは、檜町公園とも呼ばれています。

巨大アート『フラグメントNo.5』（フロリアン・クラール）があります。

檜町公園 公園・植物園

『The Fanatics』（トニー・クラッグ）

ムクドリ（椋鳥・白頭翁）発見！
スズメ目 ムクドリ科
都会でも暮らせるたくましさがあるけど、群れになると、鳴き声は「騒音」、木に止まると「糞害」をもたらすことで、時折問題になっています。

ランチをしに、六本木駅に向かおうと、プラザ地下１階を通ると、巨大アートがここにもありました。

大理石の彫刻『意心帰』安田 侃

六本木駅（港区六本木）
東京メトロ日比谷線と都営大江戸線の乗換駅になっています。
駅からは、地上の有名な交差点にも出られます。

六本木駅 駅

アマンド 六本木店（港区六本木）
昔からあるお店で、大学生の頃に一度入った記憶があります。

アマンド 六本木店 グルメ・レストラン

トゥー・ドッグス・タップルーム(港区六本木)
ネットで調べて、クラフトビール、ステーキ、本格的石窯ピザが食べられると期待してやってきました。２階の入り口は閉まっていました。どうも営業は夜だけのようです。

トゥー・ドッグス・タップルーム グルメ・レストラン

相鉄フレッサイン東京六本木（港区六本木）
２軒目の候補店は、六本木駅より徒歩２分という便利な立地です。

相鉄フレッサイン東京六本木 宿・ホテル

SUZU CAFE 六本木
相鉄フレッサインの１階にあります。

SUZU CAFE 六本木 グルメ・レストラン

ネットで見て、こんな好立地でランチがとてもリーズナブルなんて、何か裏があるんだろうかと半信半疑でメニューを見ると、「裏」はありませんでした！

さらに、ランチタイムは、無料でドリンクバーもついています。

グレープフルーツ、オレンジ、グレープ、カシス、アイスティー、ジャスミンティーや、コーヒー各種、紅茶、ハーブティーなど、いろいろあります。

『マルゲリータ』（1,150円）
モッツァレラチーズがたっぷりで美味しくて、大好きなピザです。

たっぷりなサラダもついていました。
結構歩いて喉が渇いたので、スパークリングワイン（330円）もいただきました。

あまりにも居心地が良くて、のんびり滞在できました。
高級そうな六本木にもこんなリーズナブルなお店があるんですね。

今日は一日、目の保養ができて、お腹も満足して、素敵な一日になりました。