阪急交通社「遥かなるシルクロード8日間 」の旅＜おひとり様参加限定＞その７トルファン郊外編

2025/08/21 - 2025/08/28

６日目の旅はトルファン郊外の遺跡巡り。仏教遺跡が大好きな私にとって、玄奘が１か月間滞在した高昌故城は、朽ちかけ具合などの雰囲気がジャワ島の仏教遺跡をほうふつとさせ、大満足。その次に訪れたベゼクリク千仏洞とともに私好みの遺跡でした。観光地化されてしまったカレーズ（地下水路）には落胆しましたが、昼食後、バスに揺られて峠を越えた先には、まさにシルクロードと呼ぶべき素晴らしい景色が広がっていました。

6日目
09：00／ホテル発、高昌故城へ。（55km、約1時間）
高昌故城、ベゼクリク千仏洞、蘇公塔、カレーズ見学、火焔山車窓見学
昼食後、ウルムチへ。（180km、約2時間30分）
17:00 ウラポ古城遺跡見学
ウルムチ着後、夕食はウィグル料理レストラン
21：00頃／新疆信達海徳酒店ホテル着。

エリア 吐魯番(中国)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 3.5
• ショッピング: 3.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 観光バス 飛行機
• 航空会社: 中国東方航空
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: 阪急交通社

１泊した西域カースホテルを出発します。朝食会場が混雑していたこともあり、ビュッフェスタイルの食べ物の種類が少なく、ツアー参加者から「コーヒーもない」との不満が出ていました。ツアー参加者のおばさまは早起きされて近所の公園を散策されたとのことです。私も早起きして街歩きすればよかった。

トルファン郊外では中国第３位の油田があり、たくさんの機械が動いています。

火焔山をバス左手の車窓から見つつ、ホテルから約１時間で高昌故城に到着。入口には約１か月この地に滞在した玄奘像がありました。

高昌故城 城・宮殿

高昌故城の全体像です。左下の①の電動カート乗り場からカートに乗って道なりに反時計回りに１周して点在する建物跡を見学します。途中、いったん⑪で降りて玄奘が説法した建物跡などを見学します。

火焔山を背景に、かつて栄華を誇ったであろう高昌国の建物跡が複数、朽ちかけの状態で残っています。こういう雰囲気、私は大好きです。

地球の歩き方などではさくっと書かれていて、掲載写真もぱっとしないですが、行ってみると、たくさんの建物跡が残っており、ポンペイ遺跡をほうふつとさせます。百聞は一見にしかずですね。観光客も我々しかおらず、独占できました。

電動カートをいったん途中で降りて、玄奘が説法を行ったという建物跡にやってきました。

ガイドさんによると、建物内左奥のこの場所で玄奘が説法を行ったそうです。

仏像がおかれていたであろう場所が説法場所の近くにあります。写真に写っている地元民と思われるおじさん、実はあることをする名手とのこと。なんだと思いますか？

正解は四角形の建物の裏で絶妙の場所から写真を撮る名人とのことでした。この場所を訪れた複数の日本人の方の旅行記にも同様の場所から撮影した写真がありました。

高昌故城の周囲はブドウ畑が広がっています。奥の建物で干しブドウ用のブドウを干しているそうです。

車窓からは、西遊記でおなじみの火焔山が広がっています。トルファンから高昌故城まではバス左手がよいです。

火焔山 山・渓谷

火焔山には複数の縦の溝があります。

一方、高昌故城からベゼクリク千仏洞まではバス右手の光景が素晴らしいです。川が長年かけて削った渓谷が見えてきました。

ベゼクリク千仏洞近くの駐車場では、火焔山の熱砂に埋めて作ったゆで卵を１個１０元（約２００円）で売っています。ガイドさんがサービスしてくれたので私も１ついただきました。砂の色が卵に移って殻をむいたら茶色です。味はややこうばしいですが、塩をかけて食べました。

駐車場の向かいの巨大な崖を登る階段と滑り台がありました。現地ガイドさんいわく、まだこの滑り台を滑っている人を見たことはないそうです。

駐車場の出店では現地のおばさんが干しブドウを売っていました。価格は１袋３０元（約６００円）と、昨日夜の農家レストランの半額。我々のグループが次から次へと買うのを見て、中国人観光客も出店にやってきました。飛ぶように売れるため、現地ガイドさんがお手伝い。最後には売り切れてしまい、おばさんもニコニコです。

駐車場から階段を下りて仏教遺跡「ベゼクリク千仏洞」にやってきました。こちらもこれまでの仏教遺跡と同様、川沿いにあります。

ベゼクリク千仏洞 史跡・遺跡

ガイドブックとかに載っている写真は、ここから撮っているよと現地ガイドさんが教えてくれました。

こちらは、カメラNG、スマホなら撮影可能という謎ルールなのでスマホで撮影しました。フラッシュは厳禁。ですが、保存状態は西千仏洞よりも、さらに悪いです・・・

偶像崇拝を禁止するイスラム教徒などの影響もあり、顔の部分は軒並み、削られています。西洋人探検家によって壁画をまるごと削り取られた跡もありました。その後にやってくるであろうライバルにとられないよう、持ち帰らなかった壁画にも傷をつけていったそうです。

その中でも一番保存状態が良かったのが、こちらの壁画でした。中央が王様とのこと。

ベゼクリク千仏洞の向かいの砂丘で観光ラクダツアーをやっていました。

孫悟空一行の像もありました。

トルファン市内に戻り、昼食はブドウ畑を模した団体客専用の観光レストランです。

観光レストランはブドウを天井に這わせて屋根代わりにしていました。

昼食後は蘇公塔を見学しました。中はモスクになっています。テレビ番組の各地の天気予報でトルファンは蘇公塔の写真を使っているから、中国人は皆知っているとか。

蘇公塔 建造物

その後はカレーズ（地下水脈）へ。地下に降りてカレーズを見ますが、電飾されていたり、すっかり観光地化されてしまい、私の心には響きませんでした。何も加工されていない素のカレーズが見たかった・・・阪急交通社さん、再考をお願いします。

カレーズ民族園 テーマパーク・動物園・水族館・植物園

ただ、カレーズ出口に売っているしぼりたてぶどうジュースはお勧めです。１杯１０元（約２００円）。アリペイ使えました。

カレーズ見学後はバスに乗り、約２時間かけて１８０キロ先の旅の最終目的地ウルムチへ。高速道路内の巨大な検問を過ぎ、峠を越えると、真夏でも雪をかぶった天山山脈が見えてきました。草原では羊や馬が草を食んでいます。それまでの荒野から一転した光景に、シルクロードを旅する醍醐味を感じました。

峠を越えた先で塩湖近くのサービスエリアに寄ります。ここでは、アーモンドなどのナッツ類を安く買えますが、ジップロックのように開け口をしっかり閉じられる袋に入れないと成田の税関で見つかった場合に没収されてしまいます。ここでは普通の袋に入れて渡すので、買わないで下さいと添乗員さんから注意がありました。

高速道路の左右には膨大な数の風力発電用の風車が回っていました。

高速を降りたら、予定を変更し、明日行くはずだったウラポ古城を見学。正直、高昌故城よりも建物跡が残っておらず、疲労もあってあまり印象に残りませんでした。

夕食後、本日宿泊する新疆信達海徳酒店に着きました。

ホテルの向かいにはウルムチ市民の憩いの場、人民広場があり、市民がダンスをしたり太極拳をしたりしています。中央には新疆進軍記念碑がありました。

人民広場には出店もありました。ノスタルジーを感じます。

この後、しばしウルムチ市内を散策しました。新疆ウイグル自治区と聞くと怖いイメージを持つ方もいますが、大都市で町は明るく、夜１０時ごろでも人通りが多くてぜんぜん怖くありません。路上の出店もたくさんありました。

ホテルの部屋からの景色です。ウルムチ市内にはたくさんの高層ビルが立ち並んでおり、大都市です。明日はウルムチ市内観光。NHKの新シルクロード第１話に出てきた念願の「楼蘭の美女」（ミイラ）を見学します。（ウルムチ編に続く）