初春の五箇山には未だ雪がタップリ！帰りに高岡の瑞龍寺（前田家二代利長の菩提寺）を参拝。

2025/03/12 - 2025/03/12

五箇山・合掌造り観光。初春とは云え五箇山は未だ雪深く背丈ほどもある雪の壁がありました。
白川郷へは昔行った事がありましたが、五箇山は初めて。
金沢への帰路、富山県高岡にある前田利常（加賀、前田家三代で加賀藩の基礎を作った）が長兄で二代利長の為に建立した菩提寺、曹洞宗高岡山瑞龍寺にも参拝して来ました。
現在、「加賀百万石」とよく呼ばれますが、実は加賀は百二十万石で現在の富山県高岡も領地でした。

エリア 五箇山周辺(富山)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 旅行の手配内容: 個別手配

五箇山、相倉の合掌造り集落。両側の雪の壁は人の背丈ぐらいありました。

合掌造りの家屋。白川郷に比べて規模は小さいですが、高山観光とセットになった白川郷に比べると観光化が進んでおらず素朴な雰囲気。
それでも観光バスに乗った外国人観光客のグループがいました。

２階から上は本来は養蚕の為のスペースですが現在は展示室になっています。

実は余り知られていない事ですが、この五箇山の集落では戦国時代から国産の煙硝（鉄砲火薬の原料）をこっそり作っていました。通常は採掘された硝石を輸入して火薬を作りますが、此処では発酵技術をつかって合掌家屋の床下で煙硝をつくっていたそうです。400年前のバイオテクノロジーですね。
この為加賀前田家の領地になった江戸時代にもコッソリと製造を続け、幕末時には前田藩の火薬の備蓄は何と！徳川幕府の監視の目をかいくぐって5トンもあったらしいです。
金沢城を観光した事のある方はよく判ると思いますが、加賀藩は何も文化工芸だけでなく軍事に備えてもいた様です。

少し高台に上がって集落を見回しましたが、雪が深くて凄い事になっています。

合掌家屋群は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、白川郷と共に世界遺産に指定されています。

さて、五箇山から金沢への帰路に高岡市の瑞龍寺に立ち寄りました。
この寺は加賀百万石の文化の基礎を築いた前田家三代利常が腹違いの長兄で前田利家の嫡男の二代利長の菩提寺として建造された曹洞宗の名刹です。

山門、仏殿、法堂が国宝、その他の建物も重文に指定されています。
禅宗の建造物としての価値が高い建物群であるばかりではなく前田家が建てただけあって豪壮な造りです。

山門の金剛力士像は江戸期のものなので、仏像的にはそれ程の物ではありませんが整然と並ぶ伽藍は鎌倉期の特徴を模しています。https://www.zuiryuji.jp/custom.html　

正面向かって右手の大庫裏。対面には修行僧の為の禅堂があります。
最盛期には500名近い修行僧が居たそうなので、当時は福井の永平寺や能登の総持寺祖院と並ぶ曹洞宗の重要な寺院だったようです。

国宝、仏殿内部の本尊釈迦如来像。

仏殿の屋根は金沢城と同じく鉛瓦で葺かれており、総重量は47トン。
鉄砲の玉に加工すると250万発になります。
往時の金沢城の鉛瓦と併せていざとなれば膨大な数の鉄砲玉を作る事が可能で、徳川幕府の目をかいくぐりながら万が一に備えていたことが判ります。

仏殿の天井には通常の寺院では余り無い彩かな彩色画が描かれています。加賀藩の文化の基礎を作った利常らしい優美さだと思います。

正面には前田利長の位牌が安置されています。

此処でちょっと珍しい仏像を・・。
現在は仏殿向かって右手の部屋に安置されている東司の守護神,烏瑟沙摩明王（うすさまみょうおう)、通称「トイレの神様」です。
明王と云うだけあってかなり荒々しいお姿です。ビビッて漏らしそう。

此れは屋根の鬼瓦で右手に居るのは家内です。人と並ぶと屋根がどれほど大きいか判りますね。
別に鬼瓦をオ〇ヨメに掛けようなどとは考えていませんので、お間違え無き様・・・。

参拝後、帰路は鋳物で有名な高岡の街中にある金屋町の街並みに立ち寄り。
此処も金沢の東茶屋街の様に戦災に会っておらず、江戸期の街並みが残っている場所です。

高岡大仏にも立ち寄りました。
かなり大きな仏像ですが寺院の伽藍も見当たらなくて野ざらしでした。

高岡大仏の直ぐ横にあったカフェ・・。
「阿弥陀コーヒー」

そのカフェで売っている大仏焼（笑）