北大阪急行の２つの新駅＆駅前に城が輝く福山を歩く【山陽新幹線フリーパスで関西日帰り旅その3】

2024/12/03 - 2024/12/03

　JR西日本の格安パスで、春以来の大阪にやって来ました。日帰り旅ではあるけれど、新幹線のスピードを生かし、夕方まで関西の鉄道を満喫！
　さらに帰路にも山陽新幹線の駅に１駅に寄り道して、フリーきっぷを存分に活かしました。

エリア 箕面(大阪)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 新幹線 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

　淡路駅から阪急千里線に乗って、山田駅に来ました。

阪急千里線 乗り物

　大阪モノレールとの乗り換え駅で、両駅の間には中規模のショッピングモールがあります。
　双方とも１０分間隔なので待ち時間はないはずですが、帰宅時にあえて電車を１本遅らせて買い物をすれば、効率が良さそう。

山田駅 駅

　モノレールの改札をくぐります。大阪モノレールの駅には、テーブル付の椅子と本を備えた、ちょっとしたカフェのような待合スペースがあるのが特徴。
　電車待ちにはもちろん、休憩や待ち合わせに重宝するスペースです。

　高速道路の上を快走するモノレール。まずは門真市方面の電車で、万博記念公園駅に向かいます。

大阪モノレール 乗り物

　まだまだ新しいと思っていたモノレールも、世代交代が始まっているんですね。すれちがった3000系電車は、見たことない流線形のスマートな車両。デビューは…え、2018年？
　乗ったことのある路線でも、たまに「乗りなおし」をしておかないと、あっと言う間に浦島太郎になってしまいます。

　万博記念公園駅で分岐する彩都線の電車は、真ん中のホームに停車中。「本線」の上下線の電車いずれからも、階段を使わずに乗り換えできます。

万博記念公園駅 駅

　夕方４時前の帰宅時間とあって、ほどほどに乗客がいましたが、先頭の展望席は空いていたので、遠慮なく着席！

　「本線」を立体交差でオーバークロスする、迫力ある車窓を楽しめました。

　途中の阪大病院前までは、大学生の頃の「関西乗りつぶし」で乗ったことがあり、その後2007年に延伸した彩都西までが未乗の区間です。http://smasaki.web.fc2.com/20001001/kansai3day-2.html
　色付く街路樹が美しい、幹線道路の上を走っていたかと思えば…

　視界が開け、巨大なマンション群が見えてきました。これが国際文化公園都市・彩都か！

　眼下に目を移すと、丘陵地を段々状に整える造成工事が進行中。

　万博記念公園から11分で、支線の彩都線の終着駅・彩都西駅に到着。駅の背後には住宅街とともに、物流倉庫が林立しています。
　宅地開発は当初計画通り進まず、物流拠点に転換したと聞いていましたが、宅地だけでも結構な面積があって、充分成功しているように見えました。

彩都西駅 駅

　ニュータウンの玄関口らしく、駅前には中型スーパーや金融機関が並びます。
　また交通結節点の機能もあり、阪急バスが発着。北大阪急行の箕面萱野駅行きの路線があるので、両鉄道の終端駅同士をワープしちゃいましょう。

　きれいな戸建て住宅群を抜けると、活用に至っていない土地がちらほら。しかし背後には物流基地が陣取っていて、「失敗開発」という印象は受けません。

　トンネルを抜け峠を下れば、茨木市から箕面市に入ります。

　市街地で渋滞にはまり、少し遅れて箕面茅野駅に到着しました。
　バス降車場が国道沿いに設けられているので、タイムロスなくバスが着けられて、すぐ電車に乗り継げるのがいいですね。

　一方、バスの乗車場にはちゃんとロータリーが設けられており、分かりやすく待合スペースも充分。うまいレイアウトだなと思います。
　箕面萱野駅は、今年（2024年）３月に延伸開業したばかり。ショッピングセンターの、みのおキューズモールと一体になっています。

　てっきり駅開業とともにできたモールだと思っていたのですが、2003年の開業で、結構歴史があるんですね。
　人工芝の広場には、子どもや学生が思い思いにくつろいでいて、自由さが感じられる空間でした。

みのおキューズモール ショッピングモール

　モールは新御堂筋と千里川を挟んで、３つのゾーンで展開されています。千里川は親水空間にもなっていて、モールの施設の一部のようです。

　橋を渡ったWESTゾーンも、ゆとりたっぷり。
　郊外型モールでありながら、開業20年で「駅ビル」機能をも兼ね備えるようになった、いいとこ取りのモールでした。

　北大阪急行・箕面萱野駅自体は、最小限の駅設備です。

北大阪急行電鉄 南北線 乗り物

　直線に延び、木ルーバーの天井が温もりあるホーム。電車は地下鉄御堂筋線に直通して、梅田・なんば・天王寺へ乗り換えなしで結びます。
　道路が発達しているので車で動くにも不自由なく、最強の街です、箕面。

　車止めに見送られながら、１駅南へ下ります。

　今年の延伸区間のもう一つの新駅、箕面船場阪大前で下車しました。
　地下の駅からデッキまで、３層をぶち抜く通路がお出迎え。膜天井を照らす、柔らかな照明が暖かいです。

　エスカレーターを上がれば、そこは阪大箕面キャンパス。質素堅実がモットーの国立大学法人とは到底思えぬ（！？）、都市型の高層ビルキャンパスです。

　大学の附属図書館には、なんと市立図書館を併設。大学が指定管理者となることで、一体運営されています。

　駅までの通路にはベンチだけでなく、カウンターテーブルも設けられ、いろんな語らいから新たな「何か」が生まれそう。

　図書館棟には市立の文化芸能劇場まで併設されていて、国立大学とも、市立施設とも思えぬセンスを感じます。
　劇場の前は、これまたくつろげそうな屋外広場。

　気候がよければ、勉強や論文執筆すらできてしまいそうです。「開かれた大学」から一歩も二歩も進んだ駅前風景には、結構な衝撃を受けました。

　北大阪急行から御堂筋線に乗り入れ、新大阪駅に戻って来ました。この駅、人のいない時間はあるんでしょうか。

新大阪駅 駅

　持ち時間はほとんどない中、関西らしい味を少しでも感じたくて、改札内のたこやきスタンドで、明石焼きをビールで流し込みました。
　もっとゆとりある旅にすればいいのにと自分自身思いますが、滅多にない一人旅、詰め込むだけ詰め込んでしまうのは自然な？流れです。

　18時02分発の「のぞみ45号」で、新大阪を立ちます。

山陽新幹線 乗り物

　もちろんグリーン車への乗車権はしっかり行使。バタバタと乗り歩いた疲れを、ゆったりシートで癒します。

　しかし席を温める間もなく、新大阪から44分の岡山駅で下車。向かい側ホームに止まる、「こだま861号」に乗り換えです。
　今も山陽新幹線のスターの地位に君臨する、500系新幹線が待っていました。

岡山駅 駅

　６号車の指定席は、元はグリーン車だった車両。どっしりした座席に座れるので、ファンも多い車両です。
　座面がちょっと高い上に、指定席化で足置きが撤去されてしまったので、足の落ち着きは悪いんだよね…というのは、グリーン車に乗る権利があるからこそ出る贅沢な発言。

　いつもは、こだま専用の格安きっぷで乗っているので、ありがたみしか感じません。
　岡山からわずか23分、福山で下車します。往路と同じく、せっかくのフリーきっぷなので、降りたことがなかった街を歩いてみようのコーナーです。

福山駅 駅

　新幹線ユーザーのとっての福山の印象は、すなわち「駅前城」である福山城の存在感が絶大。夜間は常時ライトアップしているのも、新幹線から見えるからこそです。

福山城 名所・史跡

　逆に、新幹線の駅が間近に見える城も、ここくらいなものでしょう。

　城壁と色付く木々の向こう側に、レールスターが止まっています。

　繁華街は城と反対側の、駅の南。駅前のアーケードは少し懐かしいテイストで、再開発前の大分駅前を思い出しました。

　再開発された区画もあり、巨大ビジョンがなかなかなインパクト。

　おしゃれイメージの商店街。大分の府内５番街に通じるところがあります。

　そう思いながら見ていると、アーケード商店街からも大分っぽさを感じてきました。
　人口も似たようなもの（いずれも４５万人と少し）で、大分市で大学時代を過ごした僕としては、親近感が沸く街並みです。

　ふらり暖簾をくぐりたくなりますが、帰らないと明日が辛くなる時間です。

　飲み屋街の中に神社があるのが面白い。無事に旅を終えられそうなことに、感謝しながら手を合わせました。

　わずか51分でひたすら歩き回った福山探検を終え、駅弁を買い込み、20時04分発の「のぞみ49号」に乗り込みました。
　のぞみ「準」停車駅の中でも、福山駅の停車本数は段違いに多く、１時間に１本以上が確保されています。

　いつもの旅ではなかなか手が届かないグリーン車を、今日はたっぷり味あわせてもらいました。　次に乗れるのは、いつかな…

　駅弁もちょっと贅沢。

　口の中に、磯の香りが広がりました。
　食後はチータラをチビチビ食べながら、残り少ない一人時間を楽しみます。

　１時間半で博多に到着。15分で接続する「つばめ」に乗れば、我が家はもうすぐそこです。

博多駅 駅