#211　ヒヴァからアラル海への日帰り旅行　-ウズベキスタン２-

2024/10/25 - 2024/10/25

ウズベキスタンの1日目
まずはヒヴァからアラル海・ヌクスへ日帰りで行ってきました
往復で15時間かかる長丁場でしたが、アラル海の跡地まで行ってきました


<行程>
日本→ヒヴァ→アラル海→ヒヴァ→ブハラ→サマルカンド→タジキスタン→サマルカンド→タシケント→日本

エリア ヌクス(ウズベキスタン)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 15万円 - 20万円
• 旅行の手配内容: 個別手配

朝5:30にホテルを出発しました。
現地のタクシー会社と事前にやり取りしていて、1日1000000スムでタクシーを貸し切らせてもらいました。

ヒヴァを出発して1時間半。
チルピック・カラに到着しました。

入場料は20000スム(約180円)
階段と歩道が整備されて、歩きやすくなっています。

チルピック・カラは紀元前1世紀ごろに建設された要塞で、当時の城壁がよく残されています。

振り返るとこんな感じ。
緑が多かったヒヴァと比べると、少しずつ砂漠地帯に進んでいるのが分かります。

要塞に到着しました。

ここから先は階段も無いので、足元注意です。

要塞の反対側にはアムダリア川の流れがよく見えます。

一番高いところは平たんになっています。

祭壇跡です。
この時代はゾロアスター教の時代です。
ゾロアスター教は鳥葬の文化です。
亡くなった方をここに置いて、鳥が食べることで天に帰るとされていました。

歴史の授業でゾロアスター教について学びましたが、実際に見たのは初めて。
とてもいい経験でした。

要塞の周辺はこのようにけもの道のようなものがあり、一周できます。
ただし、滑りやすく、道は傾いており、100%の安全は保障できません。
あくまで自己責任です。

見張りも兼ねた穴もありました。

これで車に戻ります。
紀元前の遺跡を見たのは初めてだったかもしれません。
とてもいい経験になりました。

しばらく走るとヌクスの街にが近づいてきます。

ヌクスの街に入りました。
ヌクスはウズベキスタンで5番目に大きな街。
それでも、賑わいは少なく、ひっそりしていました。

ヌクスの中心部にあるサヴィツキー美術館に到着しました。

サヴィツキー美術館 博物館・美術館・ギャラリー

旧ソ連の中央アジアで一番大きな美術館です。

サヴィツキー美術館 博物館・美術館・ギャラリー

左側は綿花の収穫の画で。

サヴィツキー美術館 博物館・美術館・ギャラリー

イチャン・カラ

サヴィツキー美術館 博物館・美術館・ギャラリー

アムダリア川の交易の様子

サヴィツキー美術館 博物館・美術館・ギャラリー

砂漠のキャラバン

サヴィツキー美術館 博物館・美術館・ギャラリー

シルクロードやヒヴァ・ハン国以降のようすが分かる画がたくさんなって面白かったです。

サヴィツキー美術館 博物館・美術館・ギャラリー

次に、ヌクスから車で西に20分。
ミズダハンという場所に到着しました。
一見古代都市のように見えますが、全て墓地になっています。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

ミズダハンはクフナ・ウルゲンチに次いで、ホラズム王国で２番目に大きな街がありました。
古くは紀元前4世紀から人が住んでいたと言われています。
書記はゾロアスター教の聖地として、その後、ホラズム定刻の都市となりました。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

しかし、元(モンゴル帝国)が街を徹底的に破壊。
街は全滅し、その後は墓地として、現在に残っています。

よく見ると全て墓地なのですが、一見街のようにも見えます。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

高台にはモスクや祭壇が残されてます。
これは元が崩壊した後の1500年ごろに建てられたモスクです。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

こちらは地下墓地となっています。
元が支配していた1300年代のものです。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

中はこんな感じになっています。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

屋根の装飾もとてもきれいです。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

地下とは思えないほど立派な建物になっています。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

比較的高台が古い墓地、低い方が新しい墓地になっています。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

ミズダハンの前には１本の道路が伸びていますが、この先5kmくらいでトルクメニスタンとの国境です。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

本当に街の遺跡にしか見えません。
不思議な場所でした。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

丘の一番上にはゾロアスター教の鳥葬場所があります。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

ゾロアスター教が流行ったのは紀元前1世紀～5世紀ごろ。
イスラムになる前の文化が感じられる貴重な場所です。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

一番高いところから。
お墓の様式も時代によって全く違います。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

あちこちで発掘・修復作業が行われていますが、いつ終わるか全くわかりません。
ホラズム帝国第2の都市の全容が明らかになるのは何十年も先のことでしょう。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

1時間くらい滞在して、丘から降りていきます。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

古いお墓は紀元前4世紀、新しいお墓は2024年。
2400年以上の歴史を感じられるとても興味深い場所でした。

ミズダハン ネクロポリス 史跡・遺跡

ミズダハンを出発してさらに北上します。
周辺は綿花の農場が続きます。
秋の終わりということで収穫作業の真っ最中でした。

いよいよモイナクの街の看板が出てきました。
もうすぐアラル海跡に到着です。

午後3時ごろ、ようやくムイナクの「船の墓場」に到着しました。
ヒヴァを出発して10時間。
とても遠かったです。

船の墓場 史跡・遺跡

博物館が併設されていて、ここまでアラル海があったころの生活の様子が展示されています。

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

これは缶詰工場で使われていたものです。

船の墓場 史跡・遺跡

かつては大きなペリカンもいました。

船の墓場 史跡・遺跡

海産物の宝庫で、魚がいくらでも取れたらしいです。

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

一通り博物館を見たら、アラル海の方に向かいます。

船の墓場 史跡・遺跡

アラル海がどのように減少していったのかよく分かるようになっています。

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

モニュメントの脇を進むと、船の墓場に到着します。
モイナクの港にあった漁船が、10隻ほどの船が置かれています。

船の墓場 史跡・遺跡

階段で下に降りてきました。
先ほどの高台とは30mくらいの標高差があります。

船の墓場 史跡・遺跡

朽ち果てた船がたくさんあります。

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

確かにここは湖でした。
でも、湖岸線はここから100km以上遠ざかってしまいました。

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

保存のためにいろいろやっていると思うのですが、日に日に朽ちていくのが分かります。
この漁船もあと何十年見られるのでしょうか・・・

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

中はこんな感じです。
いつ崩れてもおかしくありません。
あくまで自己責任です。

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

船の墓場 史跡・遺跡

この本状態であれば、あと20年持てばいい方じゃないでしょうか。
崩れたあと、レプリカに切り替えるのか、崩れたまま放置するのか、一体どうなるのでしょうか。

船の墓場 史跡・遺跡

今日は朝からずっと曇りだったのですが、ここに来て晴れ間も少し見えて良かったです。

船の墓場 史跡・遺跡

もう一度高台から全景。

船の墓場 史跡・遺跡

時間は4時過ぎですが、緯度が高いため、早くも日が暮れてきました。

船の墓場 史跡・遺跡

こちらが北側になります。
現在のアラル海の湖岸線まで、約100kmあります。

車だと回り道をして3時間以上かかるそうです。

船の墓場 史跡・遺跡

あっという間に船たちも影の中に。

船の墓場 史跡・遺跡

16時半ごろ、モイナクを出発しました。
ヒヴァに帰ってきたのは夜10時ごろ。

ドライバーさんには本当に感謝です。

明日はヒヴァの市街地(イチャン・カラ)を歩きます。

船の墓場 史跡・遺跡