2024/02/24 - 2024/02/24
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morisukeさん
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オッサンネコです。
それは戦後、経済成長に向けて人々の活気が満ち溢れていた時代のこと。
日本の産業を支えていたのは間違いなく「石炭」でした。
全国では数多くの炭鉱が開拓され、石炭を掘り出すために人が集まり、
正に石炭を中心に日本各地で町が形成されていったのでした。
福岡県の最南部に位置する「大牟田」も石炭で栄華を誇った町ですが、
海外から来る石油の波に抗えず、衰退の一途を辿る事になったのでした。
そんな炭鉱で賑わった町の片隅に、
過ぎ去りし日の幻影を垣間見ることができる場所があるそうな。
その名「新銀座商店街」と云う。
其れを実際に目撃した人は云う、いやアレただの廃墟ですやん。
否、幾多の”美”を見てきた賢者は云う、アレは未来に残すべき遺産だと。
そんな儚くも興味深い情報を聞いてしまった以上は… 行かねばならぬでしょう。
果たして「新銀座商店街」はどの様なイリュージョンを見せてくれるのか。
その時の記録です。
-
どうもどうも、オッサンネコことモリネコちゃんです。
時刻はAM8:00 まだ肌寒いJR大牟田駅に降り立ちました~。
大牟田市は言わずもがな、古くは石炭産業で栄えた炭鉱の町ですが、
1997年に炭鉱がすべて閉鎖してからは、衰退の一途を辿っています。
そんな大牟田にのこのこやってきたモリネコですが、
本日はこの町でみっつの『みたい』をクエストしようかと思いまして。
1. 炭鉱で栄えた町の幻影が見える「新銀座商店街」に行ってみたい
2. 三池争議の舞台となった三池炭鉱跡地が見たい
3. かつて炭鉱マンたちが祈りを捧げた丘の上の廃神社が見たい
それでは曇天模様の空の下、新銀座商店街から行ってみましょう (=゚ω゚)ノ -
駅前には大変興味深い記念碑が。
明治日本の産業革命遺産「三池炭鉱関連資産」ですとな ( ゚Д゚)
そう、大牟田の炭鉱史跡は世界遺産を構成する要素であり、
セカケンホルダーとしては見逃せないポイントでもあるのです (`∀´*)
まぁ世界遺産巡りは一旦後にして、まずは件の商店街に行ってみませう。 -
大牟田駅から少し歩いたところにある商店街。
アーケードの額に意気揚々と書かれた東京ではお馴染みの地名…
GINZAですやん…( ゚Д゚)
東京から遥か離れた大牟田の町にも存在する世界のGINZA。
規模的にも本家の銀座には流石にかないませんなぁ。 -
ただし、大牟田のGINZAは一味も二味も違うぜぃ。
全面アーケード張り、雨でも安心してお買い物 (´∀`*)ウフフ
買い物奥様のつよーい味方ですなぁ。 -
大牟田のGINZAは一味も二味も違うぜぃ。
なんと商店街の中にJINJAが出現。
コンクリートの間口の中で鳥居が妖しくも美しく輝いているぅ (*´з`) -
銀座通り商店街は東西南北をクロスする巨大なアーケード街ですが、
もう一方の筋は見事なほど店っ子ひとつもありません。
朝っぱらとは言え通行人は皆無。
町の衰退を目の当たりにしている様で少し切ない。 -
商店街にいきなりトロッコ出現…。
なぜここに…が正直な感想だが、大牟田らしさが全開で d(¯∀¯*) イイ !! -
”炭鉱ホルモン”ですとぉ ( ゚Д゚)
ホルモン、食べたい。
朝だけど、食べたい。
ちなみにモリネコ、レバーは苦手なのでホルモン盛り合わせはいつも困る。 -
大牟田神社を出ると、街並みはガラっと様変わりします。
炭鉱マン達がまだ頑張ってた時から残されている古い家屋群で、
トタンやシャッターの錆具合から昭和のかほりをひしひしと感じるぜぃ。 -
青春の待合室 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
『ザ・ベスト店』ってパロディ感がハンパないぞ。 -
それでは、本日の目的地である「新銀座」商店街に入っていきましょう。
新銀座商店街は、先ほどの銀座商店街の隣の筋にあたります。
大牟田川に沿って路地状に走る連絡道になりますが…
便宜上、『北側』と『南側』に分けちゃいましょう (*´з`)
まずは『北側』の方から。
アーケードの屋根が所々ぶっ飛んでいてかなりいい感じ。
この路地に入るのも勇気が要りますが… 覚悟を決めて、参る `∀´)ウシシ -
新銀座商店街『北側』
もはやシャッター街である。
誰もいない静寂の通路に足音だけがコダマするこの心地よさ (*´艸`)ムフフ
あゝ何とふつくしい…。 -
庇とか完全にぶっ飛んでいるのがご愛敬。
時間が止まったかのような景観にうっとり。
(゚∀゚≡(゚∀゚)≡゚∀゚)ヒョヒョヒョ -
高級紳士服 ニュー東京屋…( ゚Д゚)…。
やはり昭和のご時勢、”東京”はパワーワードになってたのかしら。
『京』の字体に昭和感を感じるのはモリネコだけでしょうか…。 -
イチオシ
それでは新銀座商店街の『南側』。
ここからが本当のワンダーランドです (*´艸`)ヒッヒッヒ
看板の大事なところが崩れ落ちているのが廃感を強調しています。
なぜか私の脳内でムスカ大佐が騒ぎ出す…
ムスカ「素晴らしい… 最高のショウ(店街)だと思わんかね」
それでは勇気を出して TO・TSU・GE・KI。 -
新銀座商店街『南側』
北側に比べて、南側は遺構の昭和感がマシマシになります(笑)
昭和のアーケード街に特有の木製の梁。
ポリビの屋根から漏れる屈折した光。
人気のいない商店街に浮遊する寂寞。
これはもはや後世に残すべき昭和時代の遺産であろうぞ (*´з`) -
商店街の看板を眺めながら当時を思い起こすのもオツなもの。
昔は子供服もお店で買ったのを大事に大事に着ていたんだろうなぁ。
よーく見ると電話番号が5桁… これで事足りていたのかいな (・-・`)?
電話帳に個人情報がすべて載っていた時代が懐かしや…。 -
商店街の階上にかかる看板のレトロ具合がハンパねぇ ( ゚Д゚)
炭鉱全盛期、この商店街には往来する人で溢れていたのでしょう。
先ほどの新しい商店街ができてから、徐々に寂れていったのかなぁと。
過ぎ去りし日の幻影が見えるかの様で、少し切ない気持ちになりんす (*´з`) -
福山洋服店。字体がシブ過ぎる ( ゚Д゚)
そして電話番号はさらに一桁減って4桁に…。
これどういうシステムやったんやろ…。 -
イチオシ
こちらもまた味がある…
パーマ タキ美容室。
うっすらと”完全冷暖房”の文字が。
個人的には100点満点を差し上げたい程のレトロ感なのである。
そして看板の下に目をやると… -
これはぁ……( ゚Д゚)……。
……( ゚Д゚)……ゑ?
絶対アカンやつ ━━━━((((; ゚Д゚))))━━━━ッッ。
廃商店街にポツンと置かれた物の怪。
深く関わると、この異世界から帰れなくなりそう…。 -
もはや呪物級の素晴らしきスマイル。
夜には絶対見たくない…。
あれ、この娘、よく見たらめっちゃべっぴんさんや…。
惚れてまいそうや… (*´з`) -
パーマ タキ美容室のウリ 特殊美顔術…。
どんな処方をしていたのか、気になる気になる… (*´艸`)ヒッヒッヒ -
こちらも時代を感じるワード。
「自然派・無公害」
高度経済成長の弊害として日本各地で発生した公害。
今では無公害なんて聞いても何を言っとるんだという感覚ですが、
当時はようやく『公害』という言葉が世に浸透し始めた時分。
無公害というのは、意識高い系レディのキラーワードだったのでしょう。
とは言いつつ、今でもPFASとか新しい汚染物質は次々出てくるシマツ。
今も昔も変わらず、公害は少なからず形を変えて出てるんですよねぇ。 -
イチオシ
見たこともない型の軽車両がシャッター街に放置されてます。
これもまた昭和遺産の商店街に良いスパイスを与えてますのぅ。 -
紳士服専門店 スミヨシ洋服店。
さっきから服屋多いな…
この店の興味深いのは、看板に『国鉄指定店』と記載があるところ。
モリネコの親父様は旧国鉄職員なので分かるのですが、
国鉄にはかつて”国鉄共済組合”というのが存在していました。
国鉄共済組合は、組合員に対して割安で物資や飲食を提供しており、
更には民間のお店と提携して、組合員に割引を行う指定店を設けてました。
このスミヨシ洋服店も提携店の一つだったのでしょう (*´д`)
もう一つの『三池専門店会の店』、これも興味深いですが、
どんな会だったのか、調べてみても資料はありませんでした (´罒`*) -
いやいやいや、怖い怖い怖い ((((;゚Д゚))))
急に精神崩壊レベルの落書きをブッコんでくるのヤメれ。(`н´¨) -
最後は新銀座商店街の最南部。
こちらはアーケードが完全に崩壊しているため通行止め。
近い将来、恐らくはすべて取り壊しになるんだろうなぁ。 -
逆から見るとこんな感じ。
こんなんが頭に落ちてきたら即死ですね(笑)
皆様もくれぐれも廃墟探索は頭上にお気を付けください (*´з`) -
こちらが新銀座商店街の最南部の出口です。
周辺の建物も崩壊しており、何の建物だったのか知る由もないほど。
あの隙間に入るって… 余程の変態じゃない限り難しいですな (´ω`*)
というワケで一つ目の新銀座商店街の見学はこれにておしまい。
駅に戻って、チャリをレンタルしてから世界遺産を見に行きます。
それではまた~。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- Decoさん 2024/10/29 06:29:25
- 深い!
- morisukeさん、こんにちは。
以前三川坑跡に行かれたとのことで、いつ取り上げられるかと思っていたら、新銀座から。始まりからいきなりディープな旅行記で心動かされるものがありました。
新銀座は、銀座(!)通りや松屋の裏手、やや庶民的な商店街だったかと思いますが1970年代半ばにはあまり栄えていない感じがしていました。ネットなどで見ると1990年代頃には既に今の状態に近くなっていたそうです。
もしかしたら、西鉄栄町駅の移転(1970年頃少し離れた場所に移転した)ことも影響しているかも知れません。
morisukeさんも気づかれたかと思いますが、廃墟のような新銀座でも営業している店はあります。ただ、アーケード側ではなく反対の道路側が店になっているところが殆どです(一軒だけ八百屋さんがアーケード側で営業されていて、北側のアーケードが切れるあたりに洋服屋さんもあります)。
こちらの旅行記はよく観察されていて…タキ美容室跡は私も知っていますが、ここまで詳細には見ていなかったし、写真もどこをフォーカスするかでまったく違った味わいが出ると感心しました。私も深い処を攻める旅行記を心がけていますが、morisukeさんの旅行記を見て、まだまだ浅いと反省しております。
旅行記最後の壊れかけたアーケードの部分、さすがにその部分だけ撤去されました…。
大牟田神社ですが…新銀座の北側の大牟田川は、江戸時代の三池藩領の石炭の積出が行われ、幕末に近い頃には藩の代官の屋敷や関連施設が設けられました。あの神社も代官が設け、その周辺に商店や飲食店が集まって商店街が形成されたようです。近くに古書店があって代官の子孫の方が経営されているようです。
冒頭で書かれた「丘の上の廃神社」…勝立でしょうか。もしそうなら、それはまたディープな…続編を心待ちにしております。
Deco
- morisukeさん からの返信 2024/11/14 02:01:49
- RE: 深い!
- Deco さん
いつもありがとうございます。毎度毎度、返事が遅くなり申し訳ありません_(._.)_
ジモティのDecoさんにこの話を取り上げるなど恥ずかしい限りですが、変化球として笑って頂ければ幸いです。私も完全によそ者なので、この商店街の歴史など知る由もないのですが、90年代には既にこんな状態だったのには驚きました。
私の生まれ育った滋賀の大津でも全蓋式アーケード街が未だに現役なのですが、やはり昔と比べてすっかり寂れてしまいました(涙) と言っても、一部のマニアにはレトロという理由で人気を博している様ですが (^_^;) 2020年には大津の象徴とも言われた、県内唯一の西武百貨店が閉店しました。栄華を誇った炭鉱の町の姿が、我が地元の面影と重なってしまい、少しおセンチな気持ちになりました(笑)
新銀座商店街は、純粋に昭和の遺構だと感じました。令和のご時勢、ここまで昭和の時代が見えるものは早々ない気がします(*´з`) 老朽化や美観の問題、近い将来は確実に取り壊されると推察しますが、できるだけ記憶に残しておきたいと思いました。
大牟田神社やその界隈の事を丁寧に教えて頂きありがとうございました。やはり歴史ある炭鉱の町は色々話が繋がって面白いですね。ちなみに「丘の上の廃神社」は、お察しの通り勝立です。最近Google Mapでも「勝立山の廃神社」と名前が付くようになりましたが、
少し前までは”廃マニア”さんたちの隠れスポットでした (^_^*) 社殿は基礎しか残っていませんでしたが、藪の中に佇む鳥居と狛犬は一見の価値があると思います。
長々失礼しました。ようやく仕事が落ち着いてきたので、ボチボチ続きを書き始めようかな、と。
今後ともよろしくお願いします♪
Mori Neko
-
- 万歩計さん 2024/10/26 08:14:45
- いやはや何と申しましょうか
- morisukeさん、おはようございます。
いやはや何と申しましょうか、この廃墟ぶり。こんなのを発見するmorisukeさんの嗅覚には恐れ入りました。壊れたアーケードに放置されたまま残る個性的な看板類。賑やかだった時代を想像すると何とも空虚です。
私は大牟田から北に30kmくらいの片田舎で高校時代まで育ちました。当時大牟田はデパートもある都会でした。三川坑炭塵爆発の大事故があったのは小学校時代。その数年後に三池工業高校野球部が全国優勝し、沈みがちだった町に久々に明るいニュースでした。確か当時の監督は原前巨人軍監督のお父さん。
続編の世界遺産巡りも期待しています。きっとmorisukeさん独特の視点からの面白い旅行記に仕上がっていると思いますので。
廃墟ファンの万歩計
- morisukeさん からの返信 2024/10/27 18:27:43
- RE: いやはや何と申しましょうか
- 万歩計様
いつもありがとうございます♪
昭和臭を感じられる商店街って全国的にはまだ残ってたりします(笑) 例えば、和歌山の七曲商店街は一見「廃感」が漂ってますが、実際は”生きている“商店街で、そのギャップが逆に心をくすぐったりするのです(≧∀≦*) 特に看板は一度作ったら基本変えないので、昔の字体などがそのまま残っている事が多いですね。それを頑張って探すのが面白いのですが (´∀`о)
大牟田の昔、写真を撮ってたら地元の方とお話しする機会があり、写真にも写っている商店街の空き地に「松屋」というデパートがあった事を教えてもらいました。恐らくは町のシンボル(誇り)に近い存在だったかと思うのですが、現代の消費のスタイルの変化に順応するのは難しいのでしょうね。
三池炭坑も廃業したそのままの姿を残す素晴らしい遺産でした(^_^*) 大したものは出せませんが(笑)引き続きよろしくお願いします!
Mori neko
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