2024/07/17 - 2024/07/17
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AandMさん
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ベルギー王立美術館は、古典美術館、近代美術館、マグリット美術館、世紀末美術館で構成される複合施設です。ただ2024年7月、世紀末美術館は休館中(Temporarily inaccessible)でした。
私達はブリュッセル・カードを持っていましたので、美術館に自由に入ることができましたが、時間が限られていましたので、マグリット美術館(https://4travel.jp/travelogue/11928707)と古典美術館を主に見学しました。この旅行記では、古典美術館の様子を紹介します。
古典美術館(Old Masters)には、15世紀から18世紀に活躍した画家達の作品が展示されていました。独特の農民画で知られるピーター・ブリューゲル(父、子)や宗教画のピーター・ポール・ルーベンス作品が特に充実しています。訪問者数も多くはなく、広々とした展示室に絵画が掲げられていますので、ゆったりとマイペースで見学できました。ブリューゲルやルーベンス好きの人にとって必見の美術館だと思います。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 レンタカー 徒歩
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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「芸術の丘」を登ったところにある「王立広場」、この広場周辺には多くの美術館や博物館があります。王立美術館もその一つ。
ロワイヤル広場 広場・公園
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王立美術館の入り口、両側に見事なブロンズ像があります。
ブリューゲルとルーベンスの作品が充実している古典美術館 by AandMさん古典美術館 (王立美術館) 博物館・美術館・ギャラリー
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王立美術館は1803年に開設された長い歴史を有する美術館。オールド・マスターズ(古典美術)は、中央吹き抜け構造の主要建物の上階に展示されていました。建物もとても立派です。
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オールド・マスターズ、古い作品から新しい作品の順で見ることにします。
ディルク・ボウツ(Dirk Bouts, 1410-1475)の作品「皇帝オットー3世の神明裁判・火の試練 Justice of Emperor Otto III, Ordeal by Fire」、1471-1473年 -
これもディルク・ボウツの絵で、構図が前の絵と似ています。
「皇帝オットー3世の判決・無実の伯爵斬首 Justice of Emperor Otto III, Beheading of the Innocent Court」
オットー三世(980-1002)は神聖ローマ皇帝。オットー三世を巡る神話が残されており、これらの絵は神話の情景を描いたものです。 -
「最後の審判 The Last Judgement, 1413, 1482」
1413年にディルク・ボウツが描いた絵を1482年にアウグスティン・デ・ブルンAugustine de Bruneが補修しています。
15世紀のフランドル地方の人々の死生観が描かれている興味深い絵だと思います。 -
「最後の審判」左側の部分拡大
審判を受ける死者の姿が描かれています。 -
「最後の審判」右下側の部分拡大
審判の結果、地獄に送り込まれた人々の姿 -
アードリアン・イーゼンブラント(Adriaen Isenbrant, 1510-1551)が描いた「女神たちの中の聖母子 Virgin and Cupid among Femail Saints」
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アードリアン・イーゼンブラントがブルージュのノートルダム聖堂に描いた宗教画「聖母の七つの悲しみの二連祭壇画 Left wing of the Dyptych of Seven Sorrows of the Virgin of the Church of Notre-Dome, Bruges」
ディルク・ボウツの「最後の審判」の約50年後に描かれた宗教画ですが、型にはまった感じの絵です。ディルク・ボウツの「最後の審判」の方がアピール力があって、興味深いと思います。 -
ギリシャ神話に題材を取った「アポロとダイアナ Apollo and Diane, 1530」、ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranah I, 1472-1553」の作品
16世紀になると、男女のヌード像が出現します。ギリシャやローマ時代にも多くの裸像彫刻が製作されていますが、絵画で再現されているように感じます。 -
旧約聖書「創世記」に題材をとった「アダムとイブ」
「アポロとダイアナ」ではダイアナの背後に鹿が描かれていますが、こちらの絵ではイヴの後ろに牡鹿が描かれています。 -
イブの左上方に蛇が描かれています。
蛇がイブに「知識の木の実」を食べるように唆し、イブが手に持っている木の実に齧った跡があります。
全能神から食べるなと禁じられていた木の実を食べたため、この後、アダムとイブが「エデンの園」から追放されることになります。 -
フランドルのルネッサンス画家であったコーネリス・マサイス(Cornelis Massys, 1510-1556)の作品「聖アンソニーの誘惑 The Temptation of St. Anthony」
聖アンソニーはキリスト教の聖人の一人で、苦行を行ったことで知られます。 -
フィンセント・セラー(Vincent Sellaer, 1490-1554)の作品「ジュピター、アンティオーペと子供達 Jupiter, Antiope and their Children」
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オランダの画家ピーター・アールツエン(Peter Aertsen, 1507-1575)の作品「マーサとマリアの家のキリスト Christ in the House of Martha and Maria」
聖書に出てくる物語の一場面が描かれています。 -
ピーター・ブリューゲル(父)(Piter Bruegel I, 1525-1569)の作品「イカロスの墜落 The Fall of Icarus, 1560年代」
ギリシャ神話の題材です。 -
ピーター・ブリューゲル(父)の作品「東方三博士の礼拝 The Adoration of the Magi, 1556」
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ピーター・ブリューゲル(父)の作品「叛逆天使の墜落 The Fall of the Rebel Angeles, 1562」
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ピーター・ブリューゲル(父)の作品「鳥罠のある冬景色 Winter Landscape with Bird Trap, 1565」
オランダの冬の景観が写実的に描かれた絵で、ピーター・ブリューゲル(父)作品の代表作の一つです。 -
ピーター・ブリューゲル(父)の作品「ベツレヘムの人口調査 The Numbering of Bethlehem. 1566」
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ピーター・ブリューゲル(子)(Pieter Brugel II, 1564-1638)の作品「祭りの行列の断片 Fragment of a Fair, the Procession」
ピーター・ブリューゲルには父と子がいて、名前が同じです。名前の後にIあるいはII、the elder あるいはthe youngerと付記して区別されますが、時々間違えます。父(the elder)の作品には宗教色が入っている場合が多く、子(the younger)作品は農民や庶民の暮らしが描かれている場合が多いように思います。 -
ピーター・ブリューゲル(子)の「幼児虐殺 The Massacre of the Innocents」、1565年 - 1567年頃に描いた絵画
「幼児虐殺」は「マタイ伝」で伝えられる逸話で舞台はベツレヘムですが、この絵では画家の故郷であるネーデルラントを舞台にして描かれています。ピーター・ブリューゲル(父)が「ベツレヘムの人口調査」の絵で用いたのと同じ方法が用いられています。 -
ピーター・ブリューゲル(子)の作品で「謝肉祭と四句節の喧嘩 Battle of Carnival and Lent, 1616」
118 cm × 164 cmのキャンバスに、17世紀初頭のオランダ庶民の様子が丁寧に描かれています。200人近い人が登場しており、様々な振る舞いをしています。 -
「謝肉祭と四句節の喧嘩」の中央部の拡大
広場中央の井戸で女が水を汲み、その向こうでは魚が売られています。 -
「謝肉祭と四句節の喧嘩」の右上方部の拡大
子供たちが駒回しをして遊んでいます。中世のお祭りでの庶民の振る舞いが、丁寧に描かれており、とても面白い絵です。 -
ピーター・ブリューゲル(子)の作品で「屋外での婚礼のダンス The Wedding Dance in the Open Air, 1607」
これも楽しめる絵です。 -
白色スカーフ女の視線と振る舞い、相方の表情が生き生きと描かれています。
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この階に展示してあるオールド・マスターズ作品の約半分を見終えました。美しい絵、面白い絵、どっきりさせられる絵、教訓的な絵などが沢山あり、見応えがありました。
引き続き、後半を見学します。 -
ジェイコブ・ヨルダーンス(Jacob Jordaens, 1593-1678)の作品「酒を飲む王様 The King is drinking, 1630」
本物の王様ではなく、一人が王様に扮して皆で酒を飲むお祭りの場面を描いたものだそうです。酔っ払うことを戒める意味が込められている作品です。 -
ダフィット・テニールス(子)(David Teriers II, 1610-1690)の作品「田園風景 Pastorale Scene」
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ピーター・ポール・ルーベンス(Peter Paul Rubens, 1577-1640)の作品「ムーア人の顔、四つのスケッチ Four Sketches of the Head of the Moor, 1640」
黒人を描いた絵、珍しいと思いました。写実的な絵で、ルーベンスが習作として描いたようです。 -
ピーター・ポール・ルーベンスの作品「カトリック信仰の勝利 The Triumph of the Catholic Faith」
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これもピーター・ポール・ルーベンスの作品「聖ベネディクトの奇跡 The Miracles of Saint Benedict」
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ダーフィット・フィンクボース(David Vinckbooms, 1576-1632)の作品
フィンクボースはオランダ黄金時代の画家でピーター・ブリューゲル(父)の影響を受けたと云われます。一画面に多数の人を丁寧に描く画風、ブリューゲルと似ています。 -
1550-1600年頃に描かれた作者不詳の作品「擬人化された風景、女の肖像 Anthropomophic Landscape: Portrait of a Woman」
中世のオランダで擬人化した風景画が流行ったようです。見て楽しめる絵です。 -
セバスチャン・ブランクス(Sebastiaen Vrancx, 1573-1647)の作品「戦闘の光景 Battle Scene」
ブランクスはルーベンスと同じ工房で働いていたフランドルの画家です。 -
ピーター・ブリューゲル(子)(Peter Brughel II, 1564-1637)の作品「巡礼者の帰還The Return of the Pilgrimage」
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数百人の男女、犬、猫、馬などが描かれているスケールの大きな絵は、ジャック・カロ(Jacques Callot, 1592-1635)の「インプリネータの祭り The Impruneta Fair, 1620」と題する作品です。
インプリネータはイタリアの地名です。 -
ピーター・ブリューゲル(父)(Peter Bruegel I, 1525-1569)の作品
沢山の人が描かれています。 -
これもピーター・ブリューゲル(父)の作品で、食器類が売られている市場の様子が描かれています。
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ピーター・ブリューゲル(父)(Peter Bruegel I, 1525-1569)の「聖マルティンのワイン祭りLe vin de la Saint-Martin, 1565-1568」と題する作品で、148cm x 270cmの大作です。
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「聖マルティンのワイン祭り」の部分を拡大すると、農民たちが様々なワインの飲み方をしている様子が描かれていることが分かります。
ピラミッド状に人々が群がっているのは、ワインに殺到する農民たちの気持ちを表していると解釈されています。 -
喧嘩をする人、酔い潰れている人達も描かれています。ワインに群がる人達を戒める寓意画としてブリューゲルが描いた、と解釈されています。
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ブリューゲルの絵とは全く異なる画調で描かれている絵は、ジャック・ルイ・ダヴィッド(1748-1825)の作品「マラーの死 The Death of Marat」
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これもジャック・ルイ・ダヴィッド(1748-1825)の作品「ヴィーナスと三美神に武器をとり上げられるマルス Mars is disarmed by Venus」
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ピエール・ジョセフ・セレスタン・フランソワ(Pierre^Joseph Celestin Francois, 1759-1851)が1810年に描いた作品「ヨーロッパの略奪 De Ontroering van Europa」
ギリシャ神話の題材を描いたものです。 -
ピーター・ポール・ルーベンス(Peter Paul Rubens, 1577-1640)の「聖母戴冠The Assumption of the Virgin」
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この宗教画は、テオドール・ファン・ローン(Theodoor van Loon, 1581-1649)が描いた「メアリーの被昇天The Assumption of Mary」
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オールド・マスターズ作品は広々とした展示室に掲げられており、大型の作品が多く、見応えがあります。ベンチもあるので、お気に入りの絵をじっくり眺めることもできます。贅沢な空間です。
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ダニエル・セーヘルス(Daniel Sephers, 1590-1661)の作品「花に囲まれたキリスト降誕 Galand of Flowers surrounding a Nativity」
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ジャック・ダルトワ(Jacques d'Arthois, 1613-1686)の作品「冬景色Winter Landscape」
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「バベルの塔The Tower of Babel」、雲に達する巨大な塔と多数の人々や動物が描かれている雄大な絵は、ヨース・デ・モンペル(Joos de Momper II, 1564-1635)の作品
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「バベルの塔」には、召使を連れた貴族、家を建てている大工や石工、荷物を運ぶ人、工事をする人達など、様々な人々が描かれています。中世生活の様子を知ることができるのも面白い、と感じます。
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ヤン・シーベレックス(Jan Siebereckls, 1627-1703)の作品「市場の中庭Market Garden Courtyasrd」
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前の絵と同様に中世フランダースの景観が描かれています。「フランダースのケルメス(田舎祭り)」
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コルネリス・スクート(Colnelis Schut, 1597-1655)の作品「スザンナと老人達Susanna and the Elders」
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アブラハム・ヤンセンス(Abraham Janssen van Nuyssen, 1571-1632)の作品「欲望 Lascivia」、1615-1623年頃に描かれた絵です。
アブラハム・ヤンセンス は、フランドルのバロック期に活躍した画家で、フランドルで最も優れた歴史画を描いたと評されています。 -
15世紀から18世紀に活躍した画家達の作品が展示してあった古典美術館(Old Masters)を見学し終えて、1階に降りてきました。この階にも幾つかの見事な絵が展示されています。
この絵はグスタフ・ワッペルス(Gustaf Wappers, 1803-1874)が描いた「ベルギー独立革命の情景Episode of the Belgian Revolution 1830」と題する作品。19世紀の絵画です。ピラミッド状に積み重なった人々が描かれている構図は、16世紀に活躍したフランドルのピーター・ブリューゲル(父)が「聖マルティンのワイン祭り」用いた構図と似ていると思います。伝統が受け継がれているように感じます。 -
王立美術館の一階、前方に出口が見えます。左手壁に掲げられているのがグスタフ・ワッペルスの「ベルギー独立革命の情景」で、とても大きな絵です。描かれている人物はほぼ等身大で、前に立って絵を眺めていると、絵の画面の状況が目の前で起こっているようにも感じられました。
王立美術館に展示されていたオールド・マスターズ、以前から好みであったブリューゲルやレンブラント作品が数多く展示されており、本物を鑑賞できた満足感を味わいました。また、彼らの作品以外にも15-18世紀に活躍したフランドル地方の画家達の素晴らしい絵が沢山ありました。
ベルギー王立美術館は、宮殿のような立派な建物に世界的に有名な画家たちの作品が展示されており、しかも訪問者数も多くはありません。マイペースでゆったりと鑑賞することが出来ました。素晴らしい美術館です。
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