2024/01/02 - 2024/01/02
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norijiroさん
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スリランカといえば何か。それは、カレーでもウイッキーさんでもなく、シギリアロックである。手元にある3冊のガイドブックの表紙にはいずれもシギリアロックがデザインされており、各版元総意のスリランカ代表であることがうかがえた。
シギリアロックとは、5世紀後半にアヌラーダプラ王国のカーシャパ王がシギリアの巨岩上に築いた宮殿跡のことである。カーシャパ王は、弟との家督争いで実父の前王を監禁、殺害して即位した。日本の戦国時代ならよくある話だが、仏教で親殺しは最大の罪。せっかく王位に就いたにもかかわらず国民や僧侶からは軽蔑され、「狂気王」などとも呼ばれた。父親にうらみをもつ家臣に騙されていたという説もあるようで、そりゃ岩の上で遁世したくなる気持ちもわかる。王宮は即位から7年後の478年に完成したものの、カーシャパ王は495年に弟との弔い合戦に敗れて自害に追い込まれた。なかなか気の毒な話である。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
雨こそ降っていないが、いまひとつの天気である。絶好の登頂日和とは言い難い。大丈夫だろうか。
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有名なフレスコ画の「シギリアレディ」。スリランカカレーの店でもよく見かける。なぜまだ登ってもいないのに写真があるかというと、岩の本体に描かれた実物は撮影禁止であり、その代わりとして入口付近の博物館に撮影可能な原寸大のレプリカが展示してあったからである。
シーギリヤ博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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スリランカ人だけでなく、アフリカやモンゴルの女性も描かれており、各地との交易があったことがうかがえる。
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シギリアロックを一望できる場所までやってきた。さすがの迫力ではあるが、肝心の頂上が曇っている。まさか、わが家の旅行史に悪夢として刻まれているあの「ナイタイの悲劇」がふたたび起ころうとしているのか?
古代都市シギリヤ 史跡・遺跡
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解説しよう。ここでいうナイタイとは、北海道上士幌町にあるナイタイ高原牧場のことである。2023年の夏に帯広と札幌を旅行した際、一家でここを訪れた。山の上の高原に牧場が広がっているため、山頂の広場からは広大な十勝平野が一望できるという。
写真は理想のナイタイ(上士幌町ホームページより)。 -
現実のナイタイ。...。
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理想と現実のギャップはあまりにも大きい。あえて長所を探すなら、幻想的、と言えなくもないか。
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霧の向こうにあるはずの十勝平野にソフトクリームを捧げる。子どもが言うには、ここの売店のソフトクリームが北海道で食べたなかで一番だったとのことで、まあ、その点では来た甲斐はあったといえる。そう考えると、悲劇というほどではないかもしれない。
が、はるばるやって来たシギリアロックがこの景観では困る。さすがに山頂でソフトクリームを売っているとも思えない。 -
本丸といえるロックの周囲には堀がめぐらされている。当時はワニが放し飼いになっており、堀に入って生還したものはいなかったとか。
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雲の流れがかなり速く、徐々に山頂が見えはじめた。何とかなりそうだ。
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登山口に到着。岩の隙間を登っていく。
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危険な蜂(WASPS)がいるらしい。「BE SILENT」とあるが、静かにしていれば大丈夫なのだろうか。上のシンハラ語やタミル語に比べて、英語は一言だけで情報量が少ない気がする。蜂の活動が活発な時期は、山頂への道が閉鎖されることもあるという。
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岩でできた自然のトンネル。
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修行僧が瞑想に使ったという台座が残る。宮殿の建設以前から、修行僧が訪れていたらしい。
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城マニアとしては見逃せない石垣。いわゆる打込接である。日本でこのタイプの石垣が作られたのは戦国時代の最終盤とされているが、これは何世紀のものだろうか。
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垂直に切られたような断面を見せる巨岩。どうやって切ったかは謎だ。
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かなり岩に近づいてきた。切り立った崖はなかなか威圧感がある。
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中国人観光客が麓に向かってポーズを決める。何も見えないではないか、と思うが、われわれも同じことをナイタイでやった。やけなのだ。気持ちはわからなくもない。
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岩の基部にあるライオンテラスに到着。ここから、本格的に岩の登頂が始まる。入口には動物の足先が彫られており、かつては上部に頭などもあったらしい。ライオンの像の一部といわれているが、指が3本しかないため、他の動物という説もある。
ライオンテラス 史跡・遺跡
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階段は岩にへばりくつように作られていて、幅も狭いために上のほうへいくとかなり怖い。
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何とか山頂へ到着。心配された天候も回復し、下界を見渡せるまでになった。ナイタイを常と思えば不足なし。
風が吹き渡り気分がよい。シーギリヤ ロック 自然・景勝地
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山頂の面積は約15,000平方メートルで、野球のグラウンドよりやや広いくらいの大きさがある。
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現在残るのはレンガ造りの基礎部分だけだが、下から資材を持ってくるだけでも大変だっただろう。
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下界を一望。広大なジャングルのなかにこの岩だけが聳え立っている。火山の火口と地下のマグマだまりの間の通り道にあったマグマが硬化し、火山本体が風化して削れた後に残った部分だという。だから周囲が垂直なのか。
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大きなプール。水源はどうしていたのだろうか。雨水か?
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いまも残る玉座。座るというよりは寝そべるのにいい感じ。王は父親殺しを後悔していたのか、それとも弟の復讐を恐れていたのか。
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玉座は階段の途中のけっこう半端な位置にある。どういう建物の構造だったのか、なかなか想像しづらい。
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山頂には猿も生息していた。毎日絶景である。
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山頂の遺跡に満足し、下山。帰りもスリリング。
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いったんライオンテラスまで降り、往路とは別ルートへ。外側の壁はミラーウォールと呼ばれている。かつては卵や蜂蜜で塗装され、鏡のようにピカピカになっていたという。当時は反対の崖側に絵が描かれていて、実物の絵と反射した絵の両方を同時に楽しむものだったらしい。いかにも落書きされそうな壁であるため、手錠マークの警告を繰り返し出して犯行を未然に防いでいる。
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シギリアレディの本物を鑑賞した後に下山。コブラのように見えるコブラ岩がある。確かにコブラっぽい気がするが、本物はどんな感じだったっけ。
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皆様のそんな疑問にお答えするため、本物のコブラもいる。
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シギリアロック見学後は近くのホテルのレストランで昼食。バイキング形式だが、だんだん盛り付けがうまくなってきた。
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この日の目的地のキャンディへ向かいつつ、途中のタンブッラに立ち寄る。立派な黄金の大仏が鎮座しているが、ここのメインはさらに奥。
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境内にあった分別用のゴミ箱。カラフルである。
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裏山の長い階段を上っていく。これも修行だ。
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タンブッラ石窟寺院に到着。裏の岩山にある洞窟に多数の仏像が収められている。
ダンブッラ石窟寺院 史跡・遺跡
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5つある石窟のうち、最大の第2窟。
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周囲360度に加え、天井にも多数の仏様。3D立体構造でブッダが迫ってくる。かなりの迫力だ。天井には、ブッダの生涯や侵略者との戦いなどの物語が描かれているという。
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ここでは紀元前3世紀に修行の場として開窟が始まり、紀元前1世紀にシンハラ王朝のワッタガーマニー・アバヤ王がタミル軍との戦勝を記念し、寺院を建立した。以降代々の王朝が修復・増築を行い、現在に続いている。
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石窟内の天井から落ちる水滴をためる壺。どういうわけか、この壺の水はなくなることも溢れることもないという。ダンブッラ(水の湧き出る岩)の名の由来にもなっており、聖なる水として儀式などに使われているという。
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居並ぶ仏像。ありがたや。
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中部の街道沿いには、涼しい気候を利用したスパイスやハーブの農園が多数ある。これらの植物は料理にとどまらず、生活習慣病や美容にも効くという。というわけで、農園に立ち寄ってみた。日本語のできるスタッフにがっちりロックオンされ、園内の植物の薬効等について説明を受ける。
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売店ではこれらの植物を製品化したものを購入できる。正直なところ、そんなに劇的に効くとは思えない。「このタブレットを2錠、毎朝飲めばすぐ痩せる」と、肥満への効果を力説するスタッフの腹がぽっこりと出ているのは、いかがなものであろうか。嘘でもいいから、そのお腹はなんとかしたほうがいいよ。同様のものはキャンディ市内の売店ではるかに安価で販売されているので、まあ、買うかどうかはそのあたりの判断ということになろう。
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車はふたたびキャンディへ向けて出発。途中のマーターレーの町でヒンドゥー教寺院を見学した。雰囲気は完全にインドである。無数の神様があちこちにおわす。
マータレヒンドゥー寺院 寺院・教会
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ここの天井画もなかなかのもの。
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礼拝の時間のようで、派手な音楽が鳴っていた。お祭りのようで楽しかった。
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夕方になってようやくキャンディに到着。キャンディは島のほぼ中央に位置するスリランカ第二の都市で、キャンディ王国(1469年〜1815年)の旧都。文化三角地帯の南端であり、仏教の聖地とされている。
ホテルのレストランで久々の洋食。 -
本格的なイタリアンだった。スリランカは何を食べてもレベルが高い。
明日はキャンディの町を散策する。
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