2024/07/13 - 2024/07/13
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たびたびさん
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鞆の浦に日本三大火祭りのひとつ、お手火神事というのがあるようで。そんなの初耳ですけど、どうなんでしょうねえ。まあ、日本三大〇〇って、往々にしてけっこう適当ですからね。改めて調べてみると、鞍馬の火祭(https://4travel.jp/travelogue/10724184)、扇祭(那智の火祭り)は当然かなと思いますが、その他でも鬼夜、天狗の火渡り、須賀川 松明あかし(https://4travel.jp/travelogue/10953181)、向田の火祭りとか。案の定、いっぱい出てきて、そんな定まったものではないですね。ただ、それでも、地元広島にそんなのがあるということだとやっぱり行かないわけにはいきません。また、その日は、鞆の浦から福山駅に帰ってくる時間の遅い臨時便のバスもあるということ。それなら安心して訪ねることができるでしょう。
さて、お手火神事は、鞆の浦の式内社、沼名前神社で行われる火祭り。鎌倉時代に起源を持つというのですが、長く中断していたとも。まあまあ、それはそれとして、今では復活。翌日行われる神輿渡御に先立って、境内を祓い清めるための行事です。
引き出された大手火は重さ約150kg。神火を移された後、ひとりの担ぎ手が直接背中に負って動き出す。なるほど~。これは力が入りますね。炎はどんどん勢いを増して、近くで見ているこちらにもけっこうな火の粉が飛んでくるくらいですから、担ぎ手は重いのと熱いのとで、たぶん信じられないくらいの過酷さだと思います。横から担ぎ手にバケツで水をかける役目の人もいて、その人も必死の面持ち。チームとしての真剣さも伝わってきました。
大手火は三本。順番に石段を少しづつ上って、まずは仁王門を目指します。一方、石段にはそれを待ち構える大勢の群衆。大手火から小手火に神火を移し、各家に持帰るという目的のある人もいるのですが、なんにせよ交通整理とかがないので、もうぐちゃぐちゃ。すべての人が入り乱れて、えらいことになってました。私も群集をかき分けて近づいたり、離れたり。半分こわごわで神事の臨場感を味わいましたが、危ない目に遭わないようにと用心しながらの緊張感もあってけっこうヘトヘト。仁王門辺りの盛り上がりを確認して、退散としました。ちなみに、神事は大手火三本が本殿の前に集結して終了だとか。熱気はまだまだ続いていましたが、もう充分だったと思います。
ところで、大手火は、鞍馬の火祭の大松明と似ていますが、大きさはこちらの方があるかも。炎の迫力も一段違うような気がしました。そういう意味だともっと有名になってもいいのかもしれませんが、これ以上観客が増えると危険かな。ほどほどの規模で続いて行くというのがいいところかと思います。
なお、お手火神事は夜の祭りなので、その前は、尾道と福山駅周辺を散策。特に、尾道のなかた美術館に甘味処 ととあんは、ずっと気になっていたところでしたが、やっぱりさすが。やっと大事なピースが埋まったような気分になりました。一方の福山の方は、次回はレンタカーかな。まだまだピースが多すぎて、課題は持ち越しのままですね。
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広島駅から尾道駅に到着。なかた美術館が一番のお目当てですが、なかた美術館のある尾道駅の西側エリアは少し遠いので歩いたことがないですからね。この機会に少しほかのところも寄ってみます。
西願寺は、大林監督の映画、尾道三部作の一つ「さびしんぼう」のロケ地になったお寺。映画でも西願寺の名前で登場します。
寺は西側といっても、市街地の一番奥の高い場所。訪ねるにはなかなかハードな場所ですね。 -
境内に上がるには最後も急な石段を上がる必要があって、それも坂の町、尾道らしいと言えばそうなのかな。
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ただ、境内に入ってしまうと特になんということはないけどですね。
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西願寺から少し戻ってきて。
これがなかた美術館。地元の船舶の塗装会社、ナカタ・マックコーポレーションの社長、中田貞雄氏のコレクションを展示する美術館です。
規模としては中といったところ。 -
しかし、個人美術館としては十分立派なものでしょう。
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フランス人画家ポール・アイズピリのコレクションが自慢です。
といっても、ポール・アイズピリですか。あんまり聞いたことはないですけどね。
キャリアや血筋からすると、父のバスクで、母はイタリア。活動は、パリから南仏ですから、スペイン、イタリア、フランスが混在する画家。自由な環境で才能を磨いた姿が想像されますね。 -
第一室から入ると
その鮮やかな色彩は目を見張るもの。 -
イチオシ
人物の描写も個性的で強烈。素晴らしいですね。
こんな画家がいたんだあという新鮮な驚きがありました。 -
奥に向かって、
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イチオシ
黄金色のバックのブーケ
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イチオシ
トランプ占い
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水差しの花
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運河の向こうに広がる街の風景の構図も遠近法とか無視の痛快さ。
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人物の捉え方も独特の感性。
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イチオシ
ロザリー
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小鳥と少年
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男の顔
三つ並べるだけでも、かなり楽しいです。 -
サントロペの海
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モニタ
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カーニバルみたいな集団かな
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ブルーのバックの花
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リゾートでバカンスを楽しむひと時かな。
その後調べるとポール・アイズピリはそれなりに人気がある画家のようですが、こうした画家にちゃんと目を付けるというのも磨かれたセンスの証なんでしょうね。なかた美術館、なかなかの美術館だと思います。 -
昼飯は、尾道ラーメン 喰海へ。
この辺り、海岸通りには尾道ラーメンのお店が何軒もあって、尾道ラーメンの激戦地になっていますよね。 -
なるほど。ここのラーメンも、背油の甘さとすっきりした醤油味の組合せがしっかりしていて、これぞ尾道ラーメンといった感じ。チャーシューの出来もいいし、やっぱり競争があるとこうやってどの店もレベルが高くなるのかなあ。ここも文句なくおいしいです。
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で、楽しみにしていたのは、この甘味処 ととあん。
本通り商店街の中で、便利な場所なのですが、営業時間のこともあってなかなか機会がなかったんですよね。 -
イチオシ
いただいたのは、当然、看板商品の本わらび餅。
純国産本わらび100%のわらび餅は色が黒いんですが、ここもそれ。京都でも茶寮宝泉でしかないタイプです。氷水に浮かべてあるわらび餅はほんのりと甘くて、 -
それを特製の黒蜜、
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黄粉に付けていただきます。
うーん、これは本物。間違いなく至極の逸品だと思います。
こういうお店があること自体も、やっぱり尾道は普通ではない。尾道の魅力はもっともっと日本中に知られていいように思います。 -
尾道駅から福山駅に移動して。ここからは、福山駅の北側エリアを少し歩きます。
しぶや美術館は、福山通運の創業者、澁谷昇の旧宅を活用した美術館。 -
高い塀に囲まれた邸内は緑の濃い庭園と
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落ち着いた純和風の日本家屋が建っていて、
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ここも
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なかなかの
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雰囲気ですね。
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ここは、地元の有志の作品が展示されている部屋ですが、
メイン展示室の方では備後地方ゆかりの作家を中心に企画展をしていて、この日は澁谷昇が好んで収集した小林和作の小林和作賞を受賞した木梨修の企画展。鮮やかな色彩感覚が一種独特の作品でした。感覚としては、スーパーリアリズム的な味わいがあると思いましたが、いかがでしょうか。 -
しぶや美術館から少し北に進んで、
艮神社は、天永年間(1100年頃)の創建。 -
福山地方一円の鬼門守護神、厄除神です。
石段を少しあがってしっかりした神門をくぐると -
正面が本殿。
この日は夏詣でのバージョン。夏越祭大祓式に向けて茅の輪がありました。 -
艮神社の裏手の道を抜けると福山八幡宮。備後福山の総鎮守です。
ところで、構えがとても独特。延広八幡宮と野上八幡宮を一体とした神社ではあるのですが、今でもそれぞれに本殿、拝殿、随身門に鳥居を備えていて、完全にダブルの構えになっています。張り合っているというわけでもないのでしょうが、それぞれ同じくらいの立派さ。 -
それぞれにあんまり堂々としているので、そこまでの違和感は感じないのも面白いところです。
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福山駅から鞆の浦にやってきました。まだ、かなり早かったみたいですね。
古民家カフェ 胡屋は、鞆の浦の市街地。どこか時間をつぶすところはないかとうろうろしていて見つけたお店です。沼名前神社にも近い辺りだし、そういう意味でもここなら安心ですね。 -
かつての酒屋さんか何かだと思いますが、店内も悠々として立派な構え。古民家カフェではあるのですが、外観からして少し入るのが気が引けるくらいもったいのある雰囲気です。
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メニューがあって、
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イチオシ
いただいたのは、クリームソーダ。
青い朝顔のグラスにクリームの上には麦わら帽子のトッピング。涼しげで爽やかなインスタ映えする逸品です。建物の方といい意味でのギャップもあって、けっこうなサプライズですね。いずれにしても暑い季節にほっと一息。ゆっくりと流れる時間を楽しませてもらいました。 -
まだ早いかもしれませんが、
沼名前神社にやってきました。 -
やっぱりまだ閑散としています。
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ただ、仁王門の辺りには少し人影。どこでも早い人はいますからね。
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境内の一角には、
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既に三本の大手火が出番を待っていました。
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一番奥の本殿まで上がると
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中では子供たちが太鼓の練習中。
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今日のお手火神事には関係なくて、明日の神輿渡御とかが本番なんだと思います。
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だんだん時間が近づいてきまして。
これは役員の方たち? -
大手火の方でも最後の点検かな。
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さて、日が暮れて。
石段で、何かを待っています。 -
と
本殿の方から下りてくる集団。 -
仁王門を通って、
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神火を運んできたようです。
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神火は、大手火の元へ。
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松明を背負う人の姿。
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神火を移したと見えて、松明は帰っていきました。
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大手火の手前の方で立ち上がる炎。
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神火が勢いよく立ち上がっています。
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右端の大手火に着火しました。
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さっそく小松明に神火をもらう人。
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これを家に持ち帰るんだと思います。
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大手火の方はこれからが本番。
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イチオシ
大手火を背負った若い衆がみえてますけど
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気合十分。
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何度も吠えて
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気合を入れ直します。
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ただ、周囲はもみくちゃ状態。
小松明に神火をもらう人だけじゃなくて、大勢の観客が押し寄せる。
若い衆をサポートしてバケツで水をかける役目の人も必死です。 -
炎の熱さはすごいし、
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火の粉もバンバン。
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私も近づきたいけど、
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容易ではないですね。
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担ぎ手が代わりまして。
この人は無言で重圧に耐えてますよ~ -
それでも炎に容赦はない。
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ますます勢いを増しているように感じます。
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さあ、一本目は仁王門に入っていきますよ~
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二本目の大手火にも着火です。
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しっかり移ったよう。
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炎の勢いがすごいです。
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頭からフードを深くかぶった担ぎ手。
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水をどんどん掛けてもらってますけど
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それでも炎の熱さは半端ない。
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イチオシ
汗だく必死の思いで
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担いでます。
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いやいや
炎の勢いはすごすぎ。 -
イチオシ
離れてみている人は気楽なものですけど
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少し近づけばもう地獄の熱さ。
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そのギャップも何とも言えないものがありますね。
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ただ、これだけの大群衆に見守られて。
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担ぎ手からすると
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ある意味、元気をもらっている面もなくはないのかも。
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やっぱり、少人数で静かにというものではないですね。
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派手なパーフォーマンスも観衆がいなければ成り立ちません。
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三本目の大手火です。
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手際よく着火。
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燃え盛る炎を確認して、
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前の大手火に続きます。
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二つの大手火を捉えました。
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一応、このアングルは狙っていたものなんですが、そうでもないかな。
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あとは、仁王門に迫る大手火。
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仁王門の奥に回って、上がってくる大手火を狙います。
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イチオシ
なんとか三本がひとつに収まりましたが、どうでしょうね。
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どっちにしても、これが限界。三本の大手火と仁王門を収めたところで良しとします。
では、これで終了。臨時便のバスで帰ります。お疲れさまでした。
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