ヨーロッパ縦断鉄道の旅（第20回）ハンブルク観光

2023/07/13 - 2023/07/15

全く偶然でしたが、私がハンブルクに滞在した7月13日～15日は「ワールドトライアスロン・スプリント&リレー選手権「ハンブルク大会」開催中でした。大会の日程は2023/7/13(木)-16(日)で、街中がお祭り気分でした。

実は私は40歳頃、トライアスロン（水泳＋自転車＋ランニング）に熱中していた時期があり、レース（蒲郡大会、珠洲大会）に出たこともあります。

これも偶然ですが、何とハンブルクマリオットホテルに日本選手団が泊まっていたのです。コーチとお喋りもでき、私も沿道で日本選手の活躍を応援しました。そんな若き頃の想い出がここハンブルクで一気に噴き出し、最高のハンブルク滞在になりました。

まずは、次のユーチューブをご覧ください。ハンブルク「トライアスロン大会」の模様が分かります。世界各国から選抜されたエリート選手だけではなく、年齢別スプリント等の多数の一般参加者もいて、実に楽しいお祭りになっています。
写真：ハンブルク市庁舎

https://youtu.be/T6aqbjWU1c8?t=10

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エリア ハンブルク(ドイツ)

ハンブルクの朝です。この日は「トライアスロン」観戦とハンブルク観光をします。幸いお天気が良く絶好のトライアスロン・レース日和です。

マリオットホテル前にある「Gaensemarkt（ゲンゼマルクト）広場」（写真）には朝早くから大会参加者がエントリーや荷物の預け等の手続をしています。マリオットホテルの早朝からのロビーラウンジ朝食はこのイベントのためのサービスだったかもしれませんね。（確認していません）

マリオットホテルから徒歩８分～10分で行ける「ハンブルク市庁舎」がトライアスロン大会の発着点になっています。トライアスロンはアルスター湖で泳ぎ、湖畔を自転車で疾走し、最後に市街を走ります。

内アスター湖畔にはテントの出店が立ち並びお祭りムードになっています。この大会は4日間にわたって開催され、「ジュニア世界選手権、ジュニア/U23混合リレー世界選手権、年齢別スプリント、混合リレー選手権、スーパースプリント」等、過密スケジュールで開催されました。

大会本部に近いテントではエントリー等、大盛況です。32カ国から約2,500人の選手がエイジグループ世界選手権に参加し、16-19歳から80 歳超まで、あらゆる年齢層で参加しています。

嬉しい驚きがありました。何と、大会会場周辺・道路上に「スズキ自動車」のロゴの横断幕・旗が沢山掲示されているのです。スズキ自動車はこのトライアスロンレースの主要な協賛企業？

内アルスター湖（写真）、選手達はここに飛び込み必死に泳いで帰ってきます。

それを湖畔のレストラン（写真）で飲食しながら観戦します。

市街地にはレース用に道路規制（写真）されています。水泳を終えた選手達は休む暇なく自転車にまたがり、ペタルを漕ぎます。

そして、市街地に作られたレース用道路を疾走します。凄く早いです。あっと言う間に通り過ぎます。

最後はランニングです。老いも若きも、太っちょも痩せも、それぞれのペースで走っていきます。しかし、皆さん、しっかりした走りをしています。

エイドステーションがあり、ここで選手は飲食してエネルギー補給します。これが楽しい！

バナナを食べ、ポカリスエットを飲み、膝と腰のストレッチをして、さあ、出発だ！と、以前の私のトライアスロンレースは素人丸出し完走目的のレースでした。

30年以上も前、私が40歳頃、能登半島の先端にある珠洲市で開催された「珠洲トライアスロン大会」に参加したのです。
https://triathlon-suzu.com/

早朝からレースはスタートし、水泳1500ｍ、自転車100Ｋｍ，ランニング21Ｋｍという「ハーフ・トライアスロン」でした。

珠洲市の綺麗な「鉢が先海水浴場」で1500m泳ぎ、すぐさま自転車に乗って能登半島の先端を２回周回します。１周約50Kmですから自転車だけで100ｋｍです。そして、最後に珠洲市内をハーフマラソン（21Km）です。私のタイムは8時間30分くらいだったです。

長時間のレースはとてもきつかったです。でも、このトライアスロンレースを完走した時の喜びは何物にも代えがたいものでした。体験者だけに、今、ここに続々と完走し家族・友人・知人と抱き合う参加者たちの姿は感動的でした。

その時の記念メダル（写真）がありました。1991年第２回「珠洲トライアスロン大会」でした。今から33年も前、私が39歳の時でした。
注：2024年1月1日の能登半島地震で、珠洲市では全壊や半壊一部損壊を合わせておよそ5500棟の住宅で被害が確認されたそうです。一刻も早い回復をお祈りします。

ハンブルク市庁舎（写真）は幅111mもあり、その中央に高さ112mの塔が建つ壮大な建築物です。文句なくハンブルクのランドマークになっています。建築は1897年。

市庁舎の入館料は大人4ユーロかかり、内部見学はガイドツアーのみで可能です。でも、アーチが美しいロビーは自由に入れます。

ガイドツアーは面倒だし時間がないので、とりあえずロビー（写真）に入ってみました。これだけでも一見の価値ありです。天井が高く美しくも壮大なロビーです。

ロビーの横を抜けると広い中庭（写真）になっています。ここに立派な噴水がありますが、これは1892年にハンブルクで大流行したコレラによる犠牲者、約8600人を追憶するために作られたものです。

噴水の中央に立つのは疫病を表す竜を制する健康と衛生を司るギリシア神話の女神ヒュギエイア（写真）だそうです。新型コロナのパンデミックを経験した後だけに、疫病の再来がないことを祈るばかりです。

ハンブルクはヨーロッパ最大規模の港を有し、湖と運河（写真）に囲まれた「水の都」です。運河の周囲にはカフェ・レストランが立ち並び、ランチタイムやディナータイムは賑わっています。

ちょっと探すのが大変ですが「ニコライ運河」（写真）の周辺を歩いてみました。遠くに見える高い塔は「聖ニコライ教会廃墟」です。

運河の中に港めぐりの遊覧船の発着場ができて、カフェも併設されています。ここでランチタイムにすると楽しいですね。メニュー（写真）を証拠写真として撮っておきました。

ハンバーガー11.9ユーロ（1904円）。

ハンブルクは第二次世界大戦の爆撃によって古い町並みはほとんど残っていませんが、ニコライ運河の周囲は古風な建物（写真）があり歴史を感じさせます。

ニコライ運河と並行して走るダイヒ通り（写真）をぶらぶら歩きます。観光客が多くここにもカフェ・レストランが軒を連ねています。

ハンブルクの正式名称は「自由ハンザ都市ハンブルク」です。ヨーロッパ中世に隆盛を誇ったハンザ同盟の中心都市で港町として繁栄しました。港から続く運河沿いに当時の面影が残る倉庫街（写真）が残っています。

これらの倉庫群（写真）は2015年世界遺産に登録されました。巨大な倉庫群を歩いてみるとその大きさが分かります。

小型ボートツアー（写真）に参加すると、運河が張り巡らされた倉庫街をはじめ、再開発が進むハーフェンシティ、造船所のドックやコンテナ船のターミナルなど迫力ある体験ができそうです。

倉庫群からダイヒ通りにもどり、さらに運河を２つ通り越して、迷いながら苦労して次なる目的地に着きました。

そこが聖ミヒャエル教会（写真）です。この教会は、1762年に創建され、1842年の火災で焼失後、1912年に復元されたバロック様式の教会です。古くからハンブルク市民に親しまれ、「ミッヒェル」の愛称で呼ばれているそうです。。

聖ミヒャエル教会の内部（写真）に入ってみましょう。まずは白亜の壁と大天井に驚かされます。黄金の装飾と明かりが神々しいです。

後方の壁一面に巨大なパイプオルガン（写真）が設置されています。

聖ミヒャエル教会の塔の高さは132mもあり、遠くからでもよく目立つので、航海を終えた船乗りたちにとっては、ハンブルク港の灯台のような存在だったとも言われます。

この展望台に上ることができます。展望台からの眺め（写真）はハンブルク随一。市街地や港を一望のもとに見渡すことができます。

音楽愛好家にとってハンブルクは重要な場所です。メンデルスゾーンやブラームスの生誕地であり、ビートルズが下積み時代に活動していた場所です。「ブラームス博物館」を探して歩き回ります。

「ブラームス博物館」は清閑な住宅街（写真）の一角にありました。見るからに高級住宅街です。当時の面影をきれいに再現しているそうです。

小さな表示しかないので見落としてしまいます。ここが「ブラームス博物館」です。ブラームスの生家は、この近所にありましたが、戦災で焼失してしまいました。

現在のブラームス博物館（写真）は、ブラームスの生家のすぐ近くの、1751年に建てられた商人の館を改装したものです。チケットを購入して「ブラームス博物館」に入ります。

いつも髭の生えた老ブラームスの姿しか目にしていないので、若きブラームス（写真）には驚きました。非常にハンサムですね。

ハンブルク生まれの作曲家・ブラームス（1833~1897）は、人生の後半をウィーンで過ごしましたが、故郷ハンブルクにも、強い愛情を抱いていました。

彼が実際に弾いたことがある1848年製のピアノ「ターフェルクラヴィーア」（写真）私は中学・高校生の時、ベートーヴェンに夢中で、交響曲全集（全９巻）を買って毎日聞いていました。日本人にお馴染みのベートーベンの「第９番」は管弦楽の到達点でしょう。

ブラームスも、ベートーヴェンの9つの交響曲を意識するあまり、交響曲の作曲には非常に慎重でした。ベートーヴェンを乗り越えられるか？その苦労を示すように彼の交響曲第１番は着想から完成までに21年という歳月を要しています。

ブラームスの交響曲第１番は、ベートーヴェンからの交響曲の系譜を正統的に受け継いだ名作として聴衆に受け入れられました。指揮者のビューローには「ベートーヴェンの第10交響曲」と絶賛されたと言われます。

曇り空の重苦しいハンブルクの街並み（写真）を見ながら、ブラームスの「交響曲第１番」をお聞きください。
https://www.youtube.com/watch?v=OULabXciATk

トライアスロン観戦とハンブルク市内観光で疲れ果ててホテルに帰ってきました。まずは熱いシャワーを浴び、ベッドで一休みです。

その後、夕食に出かけました。妻は観光疲れで外食しない、というので１人で出かけ、運河添いのお洒落なレストラン（写真）のテーブル席に座りました。

ハンブルクに来たからには「ハンバーガー」を食べなければ去れません。「ハンバーガー」と「ハンブルク」何だか似てますね。

実は、大きな港町ハンブルグから多くのドイツ人が船でアメリカへ渡りました。そのドイツ人がミンチにして焼いた肉をパンに挟んで食べていたからハンバーガーと付けられたそうです。

ハンバーガーとフレンチフライ、コーラを注文しました。そのハンバーガーはとても美味しかったです。でも、お値段は全部で21.3ユーロ（3408円）。うーん、やっぱり高い！

夕陽に輝く市庁舎（写真）を後に、ホテルに帰りました。
→リューベック観光に続く