専門ガイドと歩く 木曽路全11宿、制覇の旅（１日目）贄川宿・奈良井宿ほか

2023/10/20 - 2023/10/20

木曽路全１１の宿場町を たった３日間で訪ねるツアーに参加しました。
全行程歩くのが本当でしょうけれど、宿場町間の移動はバスで。
それでも専門ガイドの方の説明を聞きながら 旧中山道を中心に歩くと、いい運動です。
（１日目）
新大阪（ひかり）8:19発 → 名古屋（特急しなの）→ 塩尻 12:45着
　※名古屋で前の列車が異常点検のため、55分遅れで到着
　　塩尻駅で「木曽てくてくガイドの会」専門ガイドと合流し、いざ出発！
塩尻 13:00発→ ①贄川宿 13:25着（55分）→ ②奈良井宿 14:30着（35分）→ ③宮ノ越宿 15:20着（35分）→ ④薮原宿 16:15着→ ホテル 17:00頃着

エリア 木曽・塩尻(長野)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 観光バス 新幹線 JR特急 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: クラブツーリズム

JR塩尻駅をバスで出発して、最初の目的地・贄川関所に到着しました。
でも漢字が読めない（苦笑）、「にえかわせきしょ」です。
駐車場から、やや坂を下ったところにあります。

贄川宿 名所・史跡

贄川関所は 木曽１１宿の北の入口にあたる関所で、当時の資料を元に復元された施設です。
豊臣秀吉が木曽を直轄領とし、東西交通の要塞をおさえるためと 豊富な木材とその流通路を掌握するために、ここ贄川に番所を置いたといわれています。

贄川宿 名所・史跡

入ってすぐの部屋は囲炉裏があり、壁には木曽に関係する写真や資料が掲示されています。
また部屋の隅には お勝手があり、ここで簡単な食事がとれるようになっていました。

贄川宿 名所・史跡

次の部屋は上番所。
通行人や荷物などの検査を行った場所です。
壁に掲示されている「贄川関所・常備常置表」をともに、槍や弓、銃などが展示されていました。

贄川宿 名所・史跡

火鉢が置かれた部屋、きっと関所の責任者の部屋ですね。

贄川宿 名所・史跡

他にも 中山道の交通に関わる資料や当時の古文書が展示されています。
（なお壁に掲示されている資料の一部は 地元の方が作成したようで、大きな文字・短い文章で とても分かりやすい）
関所では、木材とその加工品の持ち出し（白木改め）や木曽を出る女性（出女）を厳しく取り締まっていたそうです。
女性だけがそのような扱いなんて、今の時代だと大問題！

贄川宿 名所・史跡

あれっ、岩倉具視の恋文？
興味津々で、目が留まります（笑）。
岩倉具視が一目ぼれした相手に出したラブレターが公開されているなんて、まさか本人は夢にも思っていないでしょうね。

贄川宿 名所・史跡

贄川関所を出て しばらく歩いていると、なぜか郵便局の前で止まりました。
普通の郵便局だけど．．．なに？　
どうやら、このポストに何かあるらしい。

贄川宿 名所・史跡

なんと「ＬＥＴＴＥＲ」と書かれたポスト！
しかも ひさしの上に花模様がある。
昭和２３～２４年頃、戦後占領下の試作品として製造されたものだそうです。
日本で３台しか存在しないそうで、とても珍しいポスト。

贄川宿 名所・史跡

ここは本陣跡。
そして その先に．．．

贄川宿 名所・史跡

「麻衣廼（あさぎぬの）神社」と書かれた碑と、その背後に見える観音寺。
観音寺は高野山金剛峰寺を本山とする 木曽谷に ただ一つ残っていた真言宗の寺院です。
そして観音寺から さらに山の中にあるのが、麻衣廼神社。
残念ながら、この街道からは見ることができません。

贄川宿 名所・史跡

深澤家住宅です。
典型的な贄川の商家として 国の重要文化財に指定されています。
深澤家は屋号を加納屋と称して 行商を中心とする商家を営み、京や大阪などにも販路を伸ばせたほど、贄川屈指の商人だったそうです。

贄川宿 名所・史跡

この住宅は建築年代がほぼ明らかで保存状態もよく、江戸末期の町屋の姿を忠実に残した価値の高いものとされています。
特に２階部分が 細かい格子窓を出梁で持ち出して深い軒をつくる構造（出梁造り）が特徴で、ひさしの屋根も二重構造になっています。

贄川宿 名所・史跡

贄川宿を出発して、今度は奈良井宿にやってきました。
JR奈良井駅前の駐車場から 出発です。

奈良井宿 名所・史跡

奈良井宿はアクセスがとても良く、駅前から奈良井宿のメイン通りが続きます。
両側には ずらーっと雑貨や土産物店、旅館や飲食店が立ち並び、つい立ち寄りたくなります。

奈良井宿 名所・史跡

「中村屋 御櫛所 利兵衛」と書かれたこの建物は 国指定重要文化財で、元櫛問屋・利兵衛さんの住居。

奈良井宿 名所・史跡

通りの突き当りまでくると、「鍵の手」と呼ばれる曲がり角があります。

奈良井宿 名所・史跡

鍵の手は城下町によくある枡形と同じ構造で、街道を二度 直角に曲げることで、敵が一気に入り込まれないようにする防御策です。

奈良井宿 名所・史跡

ここは上問屋史料館。
その玄関前に「明治天皇 奈良井行在所」碑と「明治天皇 御駐輦所」碑が並んで建っていました。
明治天皇がここで ご休憩されたようです。

奈良井宿 名所・史跡

「御休泊」の看板を掲げる ここは御宿・伊勢屋です。
老舗の旅籠で、江戸時代は下問屋でした。

奈良井宿 名所・史跡

店前のアクセント。
とてもセンス良く、置かれていました。

奈良井宿 名所・史跡

時々、後ろを振り返ってみると、紅葉が始まりかけた山々と 古い町並みとのコントラストが旅気分を盛り上げます。

奈良井宿 名所・史跡

「喫茶たなかや」の店前には、人を乗せた年代物の籠。
先祖代々、大切に保存されていたのでしょうね。

奈良井宿 名所・史跡

創業約200年の老舗蔵元・杉の森酒造。
木曽五大名酒の一つとされていましたが、２０１２年に閉蔵しました。
ただその９年後、新たに「suginomori brewery」として再建したそうです。
名家の底力にあっぱれ！

奈良井宿 名所・史跡

奈良井宿の次は、ここ宮ノ越宿です。
本当は先に藪原宿に行く予定でしたが、列車の遅れにより 閉館時間が迫る宮ノ越宿に変更です。
なお町並みを歩くというわけではなく、木曽町ゆかりの武将・木曽義仲と巴御前を紹介する２０２１年にリニューアルオープンした義仲館の見学です。

義仲館 美術館・博物館

入口正面には木曽義仲と巴御前の人形が置かれていて、義仲から資料館のコンセプトを説明する声が聞こえてきました（声は、木曽町出身の俳優・田中 要次さん）。
そして、これまで義仲について語られてきた言葉や絵を紡ぎながら、義仲伝絵巻として壁画で表現するなど 他の展示もアート的な要素が強く、一般的な歴史資料館とは見せ方が異なるのが特徴です。　

義仲館 美術館・博物館

例えば この絵は、あるアーティストが思う「巴御前の伝説」がテーマ。
そして同じテーマで、来館者自身が描く体験コーナーも設けられていて、とてもユニークな試みです。

義仲館 美術館・博物館

本日最後の目的地・藪原宿です。
ここは尾州御鷹匠区役所跡。
区役所は はじめ妻籠宿にありましたが、伊奈川の鷹の飼育場と統合して ここ藪原宿に移されました。

街道を歩いていると、地酒の店をよく見かけます。
この店は ガイド お勧めの酒造店。
でも残念ながら、今日は定休日みたいです。

「防火高塀跡」と書かれた場所にきました。
元禄年間に藪原宿のほとんどが焼失してしまう大火にみまわれ、その後の対策として土を盛り、石垣を築き、その上に高い土塀をつくって防火壁を設けた跡が残っています。

ここは、お六櫛を取り扱うお店。
藪原宿は「お六櫛の里」として有名で、お六櫛は木曽の伝統工芸品として日本遺産に認定されています。
昔、お六という娘がお告げにより ミネバリで作った櫛で髪をとくと、頭の病が治ったという言い伝えがあることから、この名が付けられたそうです。

もちろん、お六櫛の製造元である問屋もありました。

藪原宿 高札場跡です。
江戸幕府中心の幕藩体制が確立した際、その情報伝達方法として「高札場」が宿場等に設けられたので、その場所があったところです。

藪原宿 南端の町外れにある一里塚。
後ろには 蒸気機関車D５１が展示されていました。
一里塚は江戸時代、主要街道に江戸日本橋を起点として一里（約4km）ごとに設けたもので、ここは 中山道六十九次の およそ中間地点にあたる場所を示しています。

日暮れが早くて、しかも小雨が降っていることもあり、すっかり暗くなってから、ホテルに到着しました。
今日はゆっくり休んで、明日も木曽路を歩きます。

ホテルルートインコート伊那 宿・ホテル