路地裏から見上げる通天閣

2023/11/30 - 2023/12/01

北海道に住んでいますが、フグ料理の「づぼらや」が閉店した話は聞いていました。
そこでフグを食べたのはもう20年以上前だけど、あの巨大なフグの提灯がなくなるというのは、とても寂しい気持ちになりました。
いったい、新世界はどうなったんだろう。
ところが、久しぶりに訪れた通天閣界隈はものすごい賑わいで、明かりの消えたづぼらやがどこにあるかわからないほど、その界隈はギラギラしていました。
世は去り、世は来る……

エリア ミナミ（難波・天王寺）(大阪)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 私鉄 徒歩 ジェットスター

四年ぶりの新千歳空港、国際線への通路にある「ロイズチョコレートワールド」のコレクション展示コーナー。
バスで札幌市内から空港に着いて、なんとなく３Fまで上ってきたら博物館みたいになっていました。

ロイズ チョコレートワールド テーマパーク

チョコレートのあれこれを学べる、チョコレートミュージアム。

旅の予算枠はいつもあらかじめ決めています。
大人の事情でそうしているのですが、その中で何ができるか、という計算が意外に楽しくてクセになります。
まあ、クセにならない人がほとんどでしょうが……。

今回、紅葉の京都をわずかな予算内で回るというミッション……。
その「大目標」をクリアするため、やりたいことは二の次、三の次。
空港は美味そうなもので溢れていますが、フードコートの「はなまるうどん」。
注文は「かけ」小290円で、一つはミニ牛肉ご飯290円をセットにしてシェア。

はなまるのうどんは久しぶりに頂きますが、麺がおいしくなったような気がします。
がんばれ、格安路線。

はなまるうどん 新千歳空港店 グルメ・レストラン

で、そこそこバーゲンのジェットスターで、関空へ。
がんばれ、格安航空。

ああ、空港からの南海電車まで地味に値上げしている。
新今宮駅まで100円くらい上げただろうか。
こういいうのが、ミッションクリアのハードルを上げる。
しかも、空港からの関空アクセスきっぷも9月いっぱいで終了したとのこと。

と、ブツブツぼやいているのは、とあるホテルの一室。

いちおう四畳半みたいですが、江戸間よりせまい団地間、いや、もっと小さいんじゃないかな……。

三畳が関の山だな。

内装も布団も、けっこうきれいでした。
禁煙ルーム指定。
たばこのニオイは、入るときほのかに感じる程度で、すぐに気にならなくなりました。

この界隈の安ホテルのつくりは、おおむね三畳間に団地用の鉄製扉、中央に水回りがあってそれを囲むように部屋が配されている。
トイレもこの区画に併設されていることが多いみたい。
ちなみに、ウォシュレットでした。

あと、五階と一階に小さな給湯器があります。
IHヒーターがあるのですが、洗面台にはお湯は出ません。
カミソリで髭を剃るので、器にお湯を組んできて使いました。

新今宮駅かいわいは、高級ホテルも進出してすっかり様変わりしています。
初めてこの辺りに恐る恐る宿泊した1２年前は、駅周辺の宿もそんな感じでしたが、今ではすっかり設備投資して、部屋は狭いながらもこぎれいなホテルに変身しています。
相変わらず格安路線なので、外人などに大人気ですね。

で、今回ついにあいりん地区に泊ってしまいました。
あびこ筋というんでしょうか、通天閣がある地域と隔てている大きな通りを渡った南側は、中年以上の大阪人にその名前を出したとたんに顔をしかめる西成地域です。
潜入ルポとかではありません。

ビジネスホテル 加賀 宿・ホテル

すぐ目の前には、本当に潜入ルポがある500円宿。
まあ、仕事でペンを走らせる人たちは大げさに書きますから。

少し休んでから気を取り直して(笑)、大通りを渡って通天閣の方に。
JRのガード下をくぐり……、
ちなみに、この新今宮から天王寺までの線路は、厳密にいうと大阪環状線ではなく関西本線なのだそうです。
いずれにしても、明治時代に開業した線路です。
そしてこのように高架化されたのは、昭和の初期からだそうです。

もひとつちなみに、このガードを通っているのは由緒正しい「紀州街道」です。
江戸時代には、この街道を紀州藩のお殿様が参勤交代のために通ったとか。

で、このガードをくぐると、目の前に星野リゾートのOMO7大阪がドーンと立っています。
まぶしいのなんの。

JR線に沿って阪堺電気軌道を渡り、

おっと、電車が来ました。
かわいい路面電車です。

阪堺電気軌道 乗り物

ああ、本当にあの愛嬌のあるフグ提灯は撤去されてしまったんだなあ。
左手に、明かりの消えたづぼらやがあります。

夕方の五時を回ったところで、底冷えがしますが、あたりは観光客でごった返している。
外人さん、多いですね。

このビリケンは見覚えがある。

通天閣を横目に見て、ジャンジャン横丁の方に進む。

通天閣 名所・史跡

ジャンジャン横丁は、朝から酒臭い息を吐いているおじいさんがふらふらしていますが、夜は早くて、6時前なのにそろそろ店じまいするところが多い。
やっている人が年取って、そうなっちゃったんだろうか。

ジャンジャン横丁から北に出たところにこのお店があり、以前に利用したことが。
ワンコインのセットがあったなあ。

と、いまでもやってる！
串5本とビールで550円。
串二本がどて焼きになると660円。

やまと屋 １号店 グルメ・レストラン

どて焼きのほうを注文。
ビールはグラスですが、酒に弱いのでこれで十分。

どて焼きになぜか縁がなくて、これが初めて。
おいしい……。
すじ肉がしっかり煮込まれていて、相方もすっかり気に入っていました。
いつか、ジャンジャン横丁の人気の店でも立ち飲みしながら注文してみたい。

串は牛肉、オクラ、なすび。

ソースは、ソース差しから掛ける方式になっていました！
二度漬け厳禁は、今は昔なのか……。
時代の流れを感じる。

ありとあらゆる壁に、お品書きが張ってあり、見ているだけで楽しい。
「孤独のグルメ」みたい、と相方も喜んでいます。
鯛茶漬け440円也を一つ頼んでみました。
けっこうたっぷりタイの身が入っていて、おいしい。
相方も注文。

このあたり、日本酒やハイボールなどを二杯注文すると一杯おまけが来るシステムなので、いわゆる千ベロの街なのでしょうか。
外で飲む習慣のない自分としては、けっこう冒険しています。

堺筋で大通り(あびこ筋？)を渡り、通り沿いに歩いて阪堺電車の線路を越えたところにたこ焼き屋さんがありました。
ああ、たこ焼き食べたい。
値段を聞いた妻が、即財布を取り出して買いました。
「いくらだったの？」
「10個200円だって」
「安っ！」
店の名前は「たこ焼き屋」というみたいで、隠れた名店のようです。

意外に広い店内でちゃちゃっと用意して、私がぼんやり立っているのを見て
「ああ、お二人なら爪楊枝を追加しておきますね」
と、追加で二本差してくれる気配り。

宿に戻って

美味しかった。
コンビニで買ったビールでやりました。

さて、ビジネスホテル加賀は二人で3000円、近くの人気銭湯「入船温泉」の入浴券付き。
経営が一緒だそうです。
銭湯の料金は、本来520円。
ちゃんと人数分くれます。

後の暴れん坊将軍になった、5歳のころの徳川吉宗も通ったかもしれない紀州街道沿いにあるこの銭湯は、内装も新しく男湯には岩風呂の小さな露天もついている。(暴れん坊将軍のくだりは特に関係ありません)
久しぶりに1万3000歩も歩いた足を電気風呂に入れると、ビリビリとほぐしてくれる。

露天風呂に行くと、撃たせ湯のボタンがあったので押してみる。
突然、ものすごい勢いで二条の湯が流れ落ちてきました。
まるで滝行のような打たせ湯に、雲水のようなスタイルの自分の旅が重なりました。
って、ちょっと大げさか。

入船温泉 温泉