2023/11/11 - 2023/11/11
173位(同エリア972件中)
Reiseさん
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コロナ禍も落ち着き、やっと見学ができるようになった場所も多いです。
こちらの武庫川女子大学の甲子園会館もその一つです。
説明の方が90分にわたって細かく、ガイドをしてくれました。
もともとは、「東の帝国ホテル」に対して「西の甲子園ホテル」と称された名門のホテルでした。
設計はフランク・ロイド・ライトの愛弟子であった遠藤新。
ライトが帝国ホテルの建設の途中でアメリカに帰国したあとをうけて、帝国ホテルの建設を完成させた人物でもあります。
竣工は1930年 昭和5年。
皇族をはじめ、昭和の初期の要人たちが宿泊、また社交場として多くの人々が集まり、結婚式や宴会なども行われました。
褐色のタイルの壁、テラコッタレリーフ、幸運のシンボル打出の小槌などのオーナメント、光天井の障子、緑釉色の瓦など、ゴージャスで、かつ繊細な雰囲気の建物でした。
ライトの建物はヨドコウ迎賓館でも見学したことがありますが、かっちりとした幾何学的な雰囲気のなかに、自然の美しさも取り入れた繊細さがあったのを思い出しました。
打出の小槌がいたるところに、また防火の意味をこめたものがいたるところにあって、建物が安全に恒久に幸運であるような願いが込められているように感じます。また、遊び心もあって、楽しいいです。
設計者の遠藤新の建物への想いが伝わってくるようでした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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-
駅からも近いのですが、車で来たので、近くの駐車場へ留めます。
もうここが甲子園会館の外まわり。
樹々が茂っています。 -
少し早く来てしまいました。
門で、手続きをします。 -
正面から。
重厚な建物です。 -
煙突も高くそびえたちます。
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屋根の部分は補修が行われていました。
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緑にも囲まれています。
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大木もそびえたっています。
保護樹木が多かったです。
敷地の面積も35628㎡と聞きました。
延べ床面積も6686㎡です。 -
玄関前の樹も力強かった。
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桜の季節も美しいそうです。
いまは葉っぱが色とりどりになって、これも美しいです。 -
どこをみても、絵になる景色でした。
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玄関です。
案内の方がガイドしてくださいます。
予定は90分とありました。
参加者は私達夫婦をいれて、10名程度でした。 -
玄関入口、真ん中には回転ドアがあります。
「おす」と書いてあり、今はもう珍しい表示だそうです。
そういえば、みかけませんね。 -
両脇に開閉のドア。
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玄関入って真正面。
ホテルの雰囲気です。 -
イチオシ
入口の柱の上。
ゴージャスです。 -
このあたりもホテルのフロントの雰囲気が残っています。
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色もシック。
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今はほとんど何にも置いていませんが、ホテル当時はロビー。
シャンデリアも豪華です。
シャンデリア、もともとは、三段のものだったらしいですが、暗いので、後に、4段のシャンデリアにしたとか。 -
窓も広く明るいです。
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建物の見取り図と各階の説明板。
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見学の前に、甲子園会館の歴史やその建物の説明、見どころなどのお話があります。30分くらいでしょうか。。
とても興味がわく、面白いお話ばかりでした。
甲子園会館の歴史も建物の特徴もわかりやすい説明でした。 -
ちょっと見えにくいですけれど、全体図。
甲子園会館も広い敷地ですが、武庫川女子大学も大きな女子大。
女子大学としては全国一の学生数とか。 -
大まかな甲子園会館の歴史。
1930年 昭和5年に甲子園ホテルが開業します。
1944年には戦争の影響で海軍病院に。
終戦後は米軍が接収、クラブとして使用。
1965年になって、甲子園会館として再出発。 -
ホテル時代には、結婚式場や宴会場としても活躍。
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左は建築家のライト。
芦屋のヨドコウ迎賓館などの設計でも有名ですが、帝国ホテルの建設にも関わり、途中、アメリカに帰国したあと、写真右端のライトの愛弟子 遠藤新が帝国ホテルの建設を完成させます。
帝国ホテルの支配人だった林愛作が遠藤新に甲子園ホテルの設計を依頼します。 -
ライトの設計。
下はアメリカ ペンシルバニア州の「落水荘」。世界遺産です。
上は芦屋にある旧山邑邸 ヨドコウ迎賓館です。
説明でもありましたが、水平の線と縦の煙突などの線がとてもきれいです。 -
今は愛知家の明治村に置かれている 旧帝国ホテルの建物。
ライトの建築として有名ですが、帝国ホテルの設計もライトが設計に時間がかかり、期間も費用も膨大にかかったそうです。
下はライトの愛弟子の遠藤新設計の甲子園ホテル。 -
ライトから遠藤新への手紙。
途中切れて、読みにくくてすみません。(-_-;)
遠藤新は師のライトに甲子園ホテルの設計の報告をしています。
そして、それに対してライトが遠藤新に対して、甲子園ホテルの設計についての感想を述べています。
誇張的な表現やバーの椅子などは気に入らなかったみたいですけれど、
塔などはとても良いと褒めています。
愛弟子の作品に対しての率直な感想で、とても興味深かったです。 -
これは、打出の小槌をモチーフにしたものです。
このようなレリーフがあちこちにありました。
打出の小槌は、財運や幸せを運ぶと考えられています。 -
建物の特徴、レリーフ。波模様。雨水が流れ落ちるのも計算されていたとか。
幾何学的なボーダーや水玉模様が見えます。
水玉模様は防火の意味もあったそうです。 -
左の写真は西館のバンケットホールの装飾。
右の写真は宝珠のような棟飾りと緑釉の瓦。打出の小槌が見えます。ちょっと他のものとデザインが変わっているようにも。。 -
庭園から観た壁面の彫刻。
アールデコ模様の彫刻が左右に。
右は女性的、左は男性的といわれているそうです。 -
春の様子、、桜が良く似合います。
一年どの季節も美しいそうです。 -
秋の様子も美しいです。
右上の光の射したものは、冬至のときに、窓から太陽の光がちょうど打出の小槌の彫刻に照射するように設計されているそうです。
「泉水」とよばれる水の入った鉢があり、そこにも打出の小槌のレリーフがあります。
幻想的です。
ちょっとした遊び心ですよね。
こちらを見学することもできるそうです。 -
よく考えられています。
その冬至の様子。 -
光が一直線に。
観てみたい。。。
こんな感じで、写真を使っての説明がありました。
とても理解しやすかったです。 -
一通り説明を受けたので、その後の見学も記憶に残りやすかったです。
赤いじゅうたんも似合います。
玄関からレセプションを通り、客室へ向かう廊下です。 -
この奥の部屋が説明を聞いたお部屋ですが、元は客室であったところ。
いくつかの部屋に分けられていたようです。 -
美しい水鉢のある「泉水」と呼ばれるところ。
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イチオシ
冬至のときは、この右上の窓から直線の光が入ってくる仕組みです。
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イチオシ
ここに打出の小槌の装飾。
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小さな打出の小槌です。
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水鉢の下あたりにも打出の小槌がずらり。
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イチオシ
ホールへ。
大きな打出の小槌。。
建物の中にいくつの打出の小槌があるのだろう~。 -
ホールの装飾も迫力があります。
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イチオシ
こちらも雫がしたたり落ちる様子をイメージしたものだそうです。
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こちらのホールはダンスなど催されたそうです。
奥に見える高い場所にはオーケストラなどが。 -
イチオシ
天井も市松格子の光天井だそうです。
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幾何学的な模様が続きます。
でも、水玉模様が。
水にもこだわりがあったのでしょうか。 -
柱も豪華。
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一度観たら忘れられないようなインパクトの強い装飾でした。
日本的でもあり、でも異国情緒もあり。 -
こちらの大きな窓も貴重なもの。
特に、上の部分はもう今は希少なもの。 -
お庭も良く見えます。
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上に持ち上げるタイプ。
大きな窓です。
女性が一人でも開けれたでしょうか。。 -
暖房の機械を隠すためのもの。
おしゃれですね。 -
皇族も多く来られているようです。
ホテル時代には宿泊も。 -
イチオシ
外の庭、このあたりから観る建物も美しいです。
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こちらが、女性的といわれるレリーフ。
下のほうから、水が流れていたそうです。
水道水。
防火用水だったとか。。 -
こちらが男性的といわれる彫刻のもの。
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水との融和が感じられ、建物を守る意識を感じます。
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屋根の上にも打出の小槌。
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この二つの塔は煙突。
暖房などの設備があったため。
こちらから排気を。
横についている四角の筒は特になんの機能もない、飾りのようなものだそうです。 -
ホールの外から。
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規則的な装飾。
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水玉模様があちこちに。
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気が遠くなりそうなくらいの細かな幾何学模様の壁。
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雨が降っても直接壁にあたらないように、廂も沢山。
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贅沢な作りだとおもいます。
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ホールから庭へ出入りできます。
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この樹と建物の調和が美しかったです。
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日華石で造られた装飾。
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やはり水玉。
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防火をイメージしたものであり、なおかつ、雨からも守られるように設計されている細かさ。
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やはり補修工事も行われ、ところどころに穴をあけ、補修されているそうです。
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お庭もすばらしいです。
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だんだんと紅葉。
もっと紅葉が進むとさらに美しいでしょう~。 -
ここで説明があります。
かつて、池はもっと後ろのほうにあったようで。
小船を浮かべて、建物を眺めたり、楽しんだとか。
すき焼きも食べたりしたそうです。
優雅ですね~。 -
お庭を一周します。
高低のあるお庭。 -
水が流れおち、
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茶室も。
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秋の光景。
石畳も凝っています。 -
確か、茶室は二つあったと思いますが。。
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あちこちに石塔や灯籠もあり。
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池には大きな鯉がいました。
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松はもともとこのあたりの、武庫川沿いあったものもあるようです。
立派な松がたくさん。 -
建物の豪華さと樹々や緑の自然がうまく溶け合っているように思えます。
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建物と緑が計算されているのですね~。
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松も自然のまま。
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ホテルに宿泊した人達は、外の風景も楽しんだでしょう~。
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補修工事も定期的に行われているようで、
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瓦の補修も。
3年ごとにされるそうです。 -
当時の瓦の色を再現するのも苦労されているようです。
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美しい鶯色。
丸の水玉の形も可愛いです。 -
新しい瓦も用いて、昔のものも。
3年ごとに行うそうですが、これだけでも大変な作業です。 -
もう一度建物の中に入ります。
豪華なシャンデリア。
こちらの灯りの形もよく見ると、貝の形。 -
ロビーから玄関を。
クロークがあったところもよくわかります。 -
ロビーに飾られた、当時からあった画。
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ロビーにありました。素焼きタイルの説明。
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建物に使われた日華石。石川県小松市でとれたものです。
加工しやすいそうです。
そのお隣は龍山石。同じく、加工しやすいようです。
兵庫県高砂市でとれたもの。 -
建物で、この形の照明も良く見かけました。
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灯りがつくとこのように。
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緑釉の瓦。
丸い水玉。 -
こちらは暖炉。
やはり水玉。
防火の意味が込められているそうです。
建物の安全に強い願いが込められています。 -
部屋の雰囲気にとても似合っている暖炉です。
何の設備か、飾りか、いっけん、わかりませんが。 -
私がとても心地良く感じたのが、この階段です。
縦に入った線の切込み、これなら、滑ることがありません。
とても階段が安心して登り降りできました。
当時からのものだそうです。 -
こちらの部屋は娯楽室。
山本五十六もこちらで、トランプなどカードのゲームをしていたそうです。
ビリヤードもしていたそう。 -
飾り窓。
いまは窓にシールが貼ってありますけれど、当時は実際に装飾があったのでしょうか~。 -
イチオシ
とても素敵な窓でした。
こちらのお部屋でも、当時の地理のお話があり、この近隣にはゴルフ場があったり、自然の地理も今とは異なっていたようです。 -
さらに上へ。
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こちらからの眺めも素晴らしいです。
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気になったのがこちら。
清掃の際に綱をつなぐものではないか、、、とのことでしたが、使い方については、いろんな見方があるようです。
規則的にこの輪っかがありました。 -
イチオシ
ここでひときわ目立つところ。
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イチオシ
ここにも打出の小槌。。
以前はここに、大黒さんが置いてあったようです。 -
灯りもゴージャスです。
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こちらから見える風景。
武庫川がすぐそば。 -
3年ごとにかえられる瓦。
維持も大変です。 -
玄関あたりでしょうか、、四角の穴。。
明るさが取り込めるようになっているのがわかります。 -
屋根の上の打出の小槌。
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凹凸の幾何学模様の壁。
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すっきりとした階段。
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ここは学生さんたちの製図をしたり、授業を行う部屋。
ひとり1帖ほどのスペースがあり、自分の作業台などが置かれていました。
とても恵まれた環境です。
女性の建築の専門家〜どんどん増えてほしいです。
もともとはダイニングだった場所です。 -
ここで、天井近くにWの文字のような飾り。
これはライトの姓 Wrightの頭文字ではないか、、といわれていました。 -
広いお部屋でした。
下のほうには、学生さんたちの名前や作品があるので、お写真、控えています。 -
最後に見学したお部屋はバー、酒場だったところです。
こちらは暖炉。 -
そして、こちらは椅子ですが、ライトが良くない、、、と評価を下げていた椅子。
ここにも水玉。。 -
床のタイルが可愛いです。
形もいろいろ、色も。
シールが学生さんの勉強のためらしいです。 -
泰山タイルだそうです。
京都の九条の泰山製陶所で造られた、手作りのもの。
微妙な色の違いの組み合わせが面白いです。 -
ここに1930年と。
ホテルのできた年です。
こんな遊び心が面白いです。 -
わざとタイルを裏返しにたのでしょうか~。
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音楽隊があった場所からホールを観た光景。
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最後に、見学に喫茶がついているコースもあって、その時でるケーキがこちらだそうです。
懐かしいバターケーキ、当時のケーキだそうです。
駅の近くにあるライト洋菓子店さん、、
旧甲子園ホテルの時代の製菓長さんのお孫さんがケーキ屋さんを。
今度行ってみよう~とおもいました。
これで90分を超えての見学会の終了です。 -
1階にもパネルで甲子園ホテルの説明がありました。
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貴重な建物の遺産です。
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ライトの建築はヨーロッパにはないそうで、海外からの見学者もあるそうです。
ライトの流れを受け継いだ、旧甲子園ホテルの建物は世界でも注目されている建物なんですね。
とても貴重な時間を過ごすことができました。
最後までお付き合いいだいて、ありがとうございます。(^^
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