2023/09/16 - 2023/09/18
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鯨の味噌汁さん
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ドライバー氏のアドバイスに従い三つの遺跡をまわったら、翌日以降の予定が丸々空いてしまった。せっかく遠くまで来たのにヒマである。
- 旅行の満足度
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
さいわいにして、ホテルは(町中にあるが)リゾート仕様になっており、プールもある。
プールサイドのベンチにおいて「トド・セイウチに変身し終日ゴロゴロ」とゆう方向性もなしとしない。
だがしかし、かーちゃんは水着を持ってきていないとゆう。 -
それにプールサイドで日光浴なんてのは(夏の短いところから来た)アングロサクソンとかゲルマンの生態であって、6月から9月まで連日猛暑日、湿度90%の埼玉県から来た埼玉人は、やる意味がない。
もちろん浦和の沼影市民プールでガッツリ焼いてるお兄さんはいるが、あそこは昔から有名なハッテン場なのでそもそも目的が違う。ちなみに沼影市民プールはあまりにナニがアレなので今年限りでのお取り潰しが決定している。
話を戻す。
「この後はどういたしましょうか」
執事モードでかーちゃんに尋ねると
「列車に乗りたい」
後半、ジャカルタまでは列車移動の予定だけど。
「特急じゃなくて、各駅停車に」
あーなるほど。地元の人が乗るやつね。それもいいなぁ。 -
とゆうわけで三日目。いつもよりゆっくり起き、中庭のレストランで朝食。噴水などもありなかなかオシャレである。
お客さんは白人観光客が半分くらいだろうか。残りはアジア人で、マレー系・中国系。
ツアーのお客さんも何組かいたが、いずれも白人。どの国からきているのかはわからない。
日本人は商用らしい5-6人の団体さんが静かに朝食をとっていた。
お仕事に向かう前らしく、皆さまきちんとした格好である。
「日本車がシェア90%なのは、こうした方々の血のにじむような営業の結果であろう」
なんて感慨がわき、「ありがたやありがたや」と日本人ビジネスマンの後ろ姿をソッと拝む鯨の味噌汁である。
だがしかし、先方がワシらを見たら
「国際結婚で年の差婚、いずれあのハゲはマラッカ海峡に沈められる運命」
なんてふうに見えてるのかもしれない。
なにしろうちのかーちゃんはヨーロッパにおいて「ベトナム人」または「シンガポール人」に間違えられた実績がある。早い話が東南アジア顔なのである。 -
地球の歩き方を広げ、列車で行ける町を探す。
するとジョグジャカルタから1時間ばかり北東にソロとゆう町があった。
「インドネシアの奈良」なんて書いてある。旧王族の王宮があるそうな。
インドネシアの王宮ってどんなんかしらね。
とゆうわけで、ぼちぼちと行ってみることにする。
ホテルから駅までは20分ほどなので、のんびり歩いていく。
駅員さんに「ローカルトレインでソロに行きたい」と壊滅的な英語で告げると、見事に通じ、切符の窓口まで連れて行ってくれる。
さらに出発のプラットフォームまで先導してくれる。なんとやさしい。外国人観光客の扱いに慣れてるのか、それともワシらが「かわいそうな老人」に見えてるのか。 -
やってきた列車に乗り込むと、ぎりぎりで座れるくらいの混み方だった。
ジョグジャカルタ駅が始発で、駅を通過するごとにお客さんが増えていく。
さすが全島人口1億5000万、人口密度世界一の島だ、人はどこに行っても多い。
かっこいい制服の「鉄道警察隊」みたいな青年が定期的に巡回している。そのせいもあって車内の治安はいい。
おばあちゃんが乗ってくると、制服の青年は座ってる若者に声をかけ、席を譲らせる。若者はおとなしく席を立つ。
シルバーシートなどの表示のない席だが、そんなやりとりが普通にある。
マナーいいじゃないか。チカンがどっさりいる埼京線のほうが民度が低い。負けてるぞ埼玉。 -
田園地帯を1時間半ほど走ってソロに到着。
駅から輪タクを拾って王宮を訪ねてみると、石造りでも天守閣でもなく、やや大きめの平屋であった。うちの近所の地主・ホンマさんの家よりは広い程度だ。(だからどうした)
敷地内にはステージもあり、頭に金色のとんがり帽子を載せてクネクネ踊るショーを、時間を決めてやってるようである。
ワシはノンビリ系の舞踊を見ると眠くなるので見ないけど、見たい人は事前にHPなどで確認していくとよいであろう。
旧王族一家は普段はジャカルタに住み、ときどきこの王宮にやってくるそうだ。離宮ってやつですね。
共和制のインドネシアに現役の王族はいないけれど、今でも国民の尊敬の対象になっているようで、ガイドの女性は
「第10代のお世継ぎは30歳で独身なんです」
目をキラキラしながら解説してくれた。
ちなみに近所の地主・ホンマさんちの息子さんも30代で独身だ。(だからどうした)
王宮も「この床はイタリアの大理石」なんてのがウリだそうで、観光客を呼ぶにはちょい弱い。ってか大幅に弱い。
よって「インドネシアの奈良」なんて言ったら「せんとくん」がツノ出して怒ると思う。 -
王宮を見物した後は、通りのはす向かいにある古道具屋街をぶらぶらする。
どこかの遺跡からかっぱらってきた(かもしれない)仏像、半世紀前に彫られたオミヤゲ彫刻、さらには埴輪もどきまで並んでいる。なかなかのカオスっぷりだ。
ワシが探すのは自分へのお土産、普段使いの陶器。
もともと見る目はないから、安物でいい。
まぐち一間の店がみっちりと並ぶ中、日本で焼かれたらしい青磁の小鉢を見つけ、店番のおばさんに値段を聞く。 -
「300,000ルピア」
3000円か。
たっけーなぁ。
ハードオフだったら200円で売ってそうなんすけど。
3000円は、おばさんの日当3日分くらいか。
以下、わかりやすく日本円換算で。
ワシ「1000円にまけれ」
婆「だめだめ、これは由緒ある家から出たものである、3000円」
ワシ「じゃあそこにある皿も買う。ふたつで1500円」
婆「うーん(悩むふり)、ふたつなら4000円」
ワシ「ふたつで2500円」
婆「いいえ、3000円」
ごめんねー、じゃあいらない、とさわやかに店を去る。お約束で背中に声がかかる。
「おーけー、2500円」
値段はあってないようなもの。
日本のどこかからやってきたのであれば、ワシが日本に連れて帰ってあげよう。 -
四日目はチルボンとゆう街に泊まり、やっぱりぼちぼちと街歩き。
写真は「ゴア・スニャラギ」とゆうようわからん建造物。
お屋敷でも寺院でもない、サンゴ石とコンクリートで作ったジャングルジムのごときもの。こんな意味不明なもん作ってどーすんだ。 -
地球の歩き方には「王族が瞑想した」なんて書いてあった。全体に意味不明である。毒キノコとタケノコのオブジェみたい。
ワシ、旅先でこんな「へんなもの」見物する趣味、なかったんだけどなぁ。
だれに毒されたんだろう。4T迷惑老人会の影響であろうか。 -
そして、やっぱりこの町にも王宮。やっぱり平屋。
でもってガイドさんが胸を張って
「この門には中国とオランダの陶器がはめ込まれています」
あーはいはい昔の喫茶店でよくあったヤツですね。 -
五日目は午前の特急列車でジャカルタに向かう。
この旅では、インドネシアの鉄道旅が目的の一つだった。
ジャカルタージョグジャカルタはヒコーキなら1時間、あっとゆうまだ。
だから帰りは鉄道を選択し、地べたからの眺めをじっくり味わうことにする。 -
鉄道だと7時間。景色はゆっくりゆっくり、後方へ動いていく。
車窓に広がるのは中部ジャワの農村風景だ。
平地は稲作。丸みを帯びた台地には畑が作られている。 -
どこまで行っても広々した田園地帯が続く。
それが途切れると列車は橋を渡り、町に着く。
土地はなだらかで、日本のような険しい山岳地帯はない。遠くに火山らしい山影が見える。 -
ジャワ島の耕地率は60%だという。
これがどれだけすごい数字かというと、日本で耕地率が一番高い茨城県でも30%。
天下の農業県・茨城の倍なのだ。さすが人口1億5000万人、なんとも潔い耕しっぷりではないか。 -
収穫を迎えた田んぼには旗が立てられ、村びとが集まり、稲刈りをしていた。
機械は見当たらず、当然のように手刈り。その場で脱穀し、籾は広げて天日干しだ。
田んぼの真ん中に天幕を張り、その下でお弁当を使っているおばちゃんたちもいる。懐かしい風景だ。
多分おそらく、これから農業の機械化が進み、労働人口は都市部や工場に向かうんだろう。稲作民族は勤勉だからこれからGDPはガンガン上がるんだろうな。
いいなぁ。
この国は今から青春で、かつ成長期なんだな。 -
列車は午後遅く、ジャカルタに到着。
帰国便は深夜なので、駅に荷物を預けて、最後の街歩きに出かける。
乗りこんだ電車にどこか見覚えがあったので、車体を確かめたら「モハ」の文字があった。JRの中古車両が輸出され、現役で活躍しているらしい。 -
とはいえ最終日であるからあまり欲張らず、コタ駅周辺のコロニアル建築を見物することに。
駅を降りて北上すると、いくつかの建物を経て、方形の広場にたどり着く。
観光名所らしく、夕方に近い時間、たくさんの観光客、それに地元の方々がのんびりお散歩している。
ガイドブックを見ながらかーちゃんがゆう。
「右手が歴史博物館、奥が絵画・陶器博物館ですって」 -
うーん。博物館より、どこかでのんびりしたいなぁ。
ちなみに正面に「カフェ・バタビア」って看板が見えるが、あれは何であろう。なんか喜ばしい予感がするんだけど。
「バタビアはジャカルタの昔の呼び方。オランダ植民地時代の1805年創業ですって」
だったらビール飲めそうだな。
「うん、生ビールも出すって書いてある」 -
おおお生ビールがあるのか!(歓)
実はインドネシア上陸後、まともにビールを飲んでない。
ホテルのバーにはしょぼい缶ビールしかなかったし、スーパーにもコンビニにも売ってなかった。
「軽食も充実と」
よし、今夜は居酒屋モードだ。(いつもだろ) -
…とゆうわけで、観光はさっさと終了し、カフェ・バタビアに侵入する。
一階は喫煙席なので二階に案内される。
木目調の店内は落ち着いた雰囲気だ。
木枠にはめられた窓ガラスが、少しだけ波打って、長い時間を刻んでいた。
最初の中ジョッキを一息で飲み干し。
二杯目の中ジョッキをやはり一息で飲み干し。
三杯目と四杯目は大ジョッキに切り替え、のんびりと味わう。 -
かーちゃんは「バタビア・フラワー」とゆう紫いろのカクテル。
おつまみはミートボールコロッケ、エビフライ、イカリング。
「なんで揚げ物ばっかりなのよ!!」
「それはですね串カツ田中にいると思えば」
せっかくジャカルタにいるのに、頭の悪い会話を重ねつつ、カフェ・バタビアの夜は更けていったのである。
(おしまい)
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この旅行記へのコメント (8)
-
- ももであさん 2023/11/07 17:36:57
- 何はともあれ
- 鯨さん インドネシアへ行かれたのですね。
王宮がホンマさん家と同程度だったり、旧山手線の電車を払下げ
してるのを見ると、まだまだ安泰~なんて錯覚しますが、あと
25年もしないうちに、日本のGDPを追い抜く勢いとか...
つい先日は、ジャカルタで中国版新幹線の開業が話題になってたし
その次は、日本車率90%が中国EV率90%に代わるのでしょうか。
こうなったら沼ぷーのお兄ちゃんたちを派遣して、密かに経済成長の
足を引っ張るしかないですね!?
何はともあれ11月11日は“串カツ田中の日”
260円以下の串カツが110円となれば行くしかないです。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2023/11/08 12:06:05
- 抜かれますって
- ももさま、
お久しぶりです!
同じ稲作民族、しかも当然のように二期作三期作。国民性は多分日本と似てますよね、マジメで勤勉、よく働くの。
本文にも書いたけど、いずれ農村部の機械化が進めば、彼らは優秀な工場勤務の労働者になるでしょうから、製造業は安泰。人口2億5000万って日本の倍ですから内需も安定。なんか未来が輝いてるなーと。東南アジアはどの国も青春してますよね…
>何はともあれ11月11日は“串カツ田中の日”
マジですか!
調べたら南浦和に一軒あるんで凸撃しようかしら?
-
- 小心者さん 2023/10/05 21:43:27
- ハッテン場に詳しすぎて草
- やはり王宮より街歩きっすよね!
『ゴア・スニャラギ』めっちゃええやないですか!
この旅行記、行く前に読みたかった!
>ワシ、旅先でこんな「へんなもの」見物する趣味、なかったんだけどなぁ。
>だれに毒されたんだろう
あいつか!? あいつやな!?
今後ぜひとも精進してください。
「もう懲りごりや」と思っていたジャワ島ですが、旅行記拝見してまた行きたくなりました。健忘症やろか。
あと、たまに顔を覗かせる卓越した文章力と表現力が腹立たしいです。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2023/10/06 14:19:16
- ハッテン場と知らず、ガンガンプールで泳いでたデブは私です
- いやそれがさ、近所でチャリで行けて、400円で50メートルプール泳ぎ放題なもんで、夏は一人で通ってガンガン泳ぎまくってたの。
ある年の夏。
ふと気づけば、そのプールの観覧席にソレっぽい方々が折り重なるように鈴なりになってたのね。いわゆるひとつのカワズ合戦みたいな風景で。それでギョッとして家に帰ってGoogle 先生に聞いたら「関東有数の出会いの場」なんて出てきて、尿道開きましたよマジで。誘われなくってよかったわ。
えーとなんの話だっけ。あーそうそうジャワ島。
小心者さんのほうが10年ばかり早くついてたのね~
でもってソロも旅しとるやん! しかも泊まって奥の遺跡までグイグイ行ってるし。食い意地も張ってるし。雲泥の差とはこの事かいな。
こっちはぶらぶら歩いただけだものね。ワシこそこの日記読んでから行くべきやった、事前にもっと調べておけばよかったわ~。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2023/10/06 19:49:16
- ハッテン場に気を取られてボケ拾いそこねた
- >あいつか!? あいつやな!?
>今後ぜひとも精進してください。
コラーーーーーー!
何とぼけてんの!
あんたさんですがな!
お嫁にいけないカラダにされてもうた。
責任取ってもらいます!
- 小心者さん からの返信 2023/10/06 20:59:34
- 絶対に怪しい
>コラーーーーーー!
ストレートすぎて草
…えっ!? わしなん!? そうなん!?
しかし、味噌汁大先生の簡潔な旅行記はカッコよくて真似したいです。
どうでもええ写真をダラダラと並べてしまう自分が悔しい。
文章力が無いと難しいよね。ちょっと寄越しなさいよ。
-
- フィーコさん 2023/10/05 07:45:23
- 7時間かー
- 味噌汁大先生 おはようございます♪
ジョクジャカルタからジャカルタ、電車で7時間なんですね。
昔、ツアーでエアとホテル3万で行き、ボロブドゥールへ行きたい人は現地で相談だったのですが飛行機いっぱいと言われクレームもんで。
私は行きたいと思っていなかったのですがジャカルタだけでは見るものなくヒマでした。知ってれば(調べていれば)行けたかも。
コタ駅近くはどこへ行くのか?
ビール飲んで居酒屋バージョンでしたか。
私、海洋博物館へ行き
跳ね橋(川?海がゴミだらけ)を見ながらウロウロしてました。
フィーコ
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2023/10/05 08:48:29
- 跳ね橋にはたどりつけず
- お手紙ありがとうございます
>ジョクジャカルタからジャカルタ、電車で7時間なんですね。
乗る列車にもよりますが、早い便でそれくらいですね。
値段は安くて3000円くらい。ネットで買えました。
新幹線みたいに「あっとゆう間に通り過ぎる」感じではなく、特急列車くらいの感覚です。
踏み切り待ちしてるバイクの方々の表情まで見えました。これくらいがちょうどいいです。バスだと10時間超で長すぎるし。
>昔、ツアーでエアとホテル3万で行き
おお、安いですねぇ。円が強くてツアーだと、以前東南アジアはそれくらいの値段でありましたよね。
ジョグジャカルタへのヒコーキは、安いのだと往復1万円くらいでありました。
LCCだと直前欠航がありそうでイヤだったんで、違う会社にしたんですが結局欠航(哀)
安い方から席は埋まるから欠航リスクは高い方の会社にあるんだなと。
>コタ駅近くはどこへ行くのか?
>ビール飲んで居酒屋バージョンでしたか。
>私、海洋博物館へ行き
>跳ね橋(川?海がゴミだらけ)を見ながらウロウロしてました。
海洋博物館は見ておきたかったけど、たどりつけなかった。跳ね橋も。アルルのはなぜか二回行ってます。
この日は暑くて、夕方になっても気温が下がらなかったから、ビールで正解でした。
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