2023/07/01 - 2023/07/02
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ブリッヂ・トレック(橋梁旅行)さん
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古レールの刻印を巡る旅ですが、写真の枚数が増えてきたので、2つに分けることにしました。
その1では主に英国・米国、その2では日本・その他諸国のレールと区分してみました。博物館等に所蔵のレールで一部混じっているものもありますが、ご容赦下さい。
登場するレール
国産 ・官営八幡製鐵所
・富士製鐵
・JFEスチール(日本鋼管)
・合同製鐵
・大阪製鐵
・日本特殊鋼
ドイツ製・GuteHoffnungsHutte
・Gewerkschaft Deutscher Kaiser
・KRUPP
・Thyssen, Fossoul & Co.
・Union, AG für Bergbau, Eisen- und Stahl-Industrie
ベルギー製・Sambre and Meuse
・Forges de la Providence
・Société anonyme John Cockerill
フランス製・Wendel et Cie.
・Société des Aciéries de Micheville
・Forges de Joeuf
ルクセンブルク製・Aciéries Réunies de Burbach-Eich-Dudelange
スイス製・Gesellschaft der Ludwig von Roll'schen Eisenwerke
カナダ製・Algoma Steel Corporation Limited
参考資料 ・古レールのページ
https://homepage-nifty.com/arashi/
・日本における鉄道用レールの変遷/土木学会
・レールの趣味的研究序説/西野・淵上
・九州の古レール見て歩き
その1はこちら⇒https://4travel.jp/travelogue/11784261
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 レンタカー 新幹線 JR特急 JRローカル 私鉄 徒歩
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-
北陸本線旧線 山中ロックシェッド(待避線) 八幡製鐵所
37 ○s 1951 IIIII OH
八幡製鐵所は官営八幡製鐵所、日本製鐵、八幡製鐵所、新日本製鐵、日本製鉄と名称が代わるのですが、面倒なので八幡製鐵所と表示していきます。
※○の中にsが入っている記号は八幡製鐵所を意味するものですが、ここでは「○s」と表記しています。 -
越美北線 柿ヶ島駅 八幡製鐵所
30 ○s 1938 IIIIIIII O H
30や37は単位長さ当たりの重量でここでの単位はkg / mですが、諸外国や古い八幡製鐵所のものはポンド/ヤードで、単位が異なります。
OHはOpen Hearth(平炉)で製鋼した事を意味しています。柿ケ島駅 駅
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剣先跨線橋 八幡製鐵所
○s 60 A 1914 X
1914 X以外は不鮮明でよく判りません。
1914年には第一次大戦が始まったので鉄の需要が高まり、翌年、翌々年は輸入レールが激減したものと思われます。橋梁の鋼材も同様です。 -
あいの風とやま鉄道 高岡駅 八幡製鐵所
○s NO 60 A 1907 X高岡駅 駅
-
鍋屋浄水所 八幡製鐵所
○s NO 60 A 1913 III
浄水所の天井クレーンが古いレールに載っていました。 -
イチオシ
近鉄生駒鋼索線山上線宝山寺駅 八幡製鐵所
○s NO 45 A 1906 ?
八幡で45ポンドは初めて見ました。名鉄本揖斐駅でも見つかっているようです。裏側に「エ」の刻印があるものも有りました。
「日本における鉄道用レールの変遷」によると、本州以南では支線でさえ50ポンド以上のレールからスタートし、45ポンドスタートは北海道のみ。レールに詳しい博多行き特急かもめ様によると、北海道官設鉄道発注のGHH製45ポンドレールもこの路線にあるそうなので、同じく北海道から流れてきたものと思われます。宝山寺駅 駅
-
京福電鉄嵐山本線 四条大宮4号踏切付近 八幡製鐵所
○s NO 60 A 1907 X -
長良川鉄道 美濃市駅 八幡製鐵所
○s NO60B 1906 I
NO60Bは60ポンド第2種という断面規格。美濃市駅 駅
-
長良川鉄道 美濃市駅 八幡製鐵所
30 A ○s 2603. III OH
2603は皇紀2603年を意味し、1940~1948年は皇紀で表示されていました。西暦では1943年(昭和18年)となります。 -
JR飯田線 大嵐駅 八幡製鐵所
30. A. ○s 2607 IIIIII
終戦が皇紀2605年ですが、2608の刻印もあるようです。大嵐駅 駅
-
静岡鉄道 新清水駅 八幡製鉄所
30 A ◯s 2602 IIIIIIIIIII OH新清水駅 駅
-
垣内の橋 八幡製鐵所
37 ○s 1949 IIIIIIII OH
1948かもしれません。皇紀から西暦へ戻した直後のレールです。 -
左沢線 須川橋梁付近 富士製鐵
←40N LD ◇s 1970 I
←は圧延の方向を示しています。
LDは純酸素上吹き製鋼法を意味し、オーストリアのリンツとドナウィッツの両製鉄所で開発されたことから、この2都市の頭文字をとってLD法と呼ばれているそうです。
◇sは富士山の山を四つ組み合わせた富士製鐵の社章で、四辺が円弧状になり角も雪を冠した富士山の様な形になっています。この年の3月には八幡製鐵と合併して新日本製鐵になったので、富士製鐵最終年のレールです。 -
JR東海道線 興津~清水間 日本鋼管
←60 LD NKK 2002 12
NKKは日本鋼管株式会社の略称。2003年に川崎製鉄と合併しJFEになります。 -
予讃線 矢落川陸閘付近 JFE
LD JFE 2021 2
左側に ← 50N 等と続いている物と思われます。 -
千寿ヶ原2号公園 合同製鐵
下 jis 15 2048 GODO
合同の15kgレール、2048は製造年ではなくJIS許可番号のようです。 -
JR中央西線 藪原駅付近 日本特殊鋼
9K.J.E.S. ☆ .1951
J.E.S.は1976年に大同に吸収された日本特殊鋼の略称と思われます。
GHHと共に小断面で、森林鉄道の物か。藪原駅 駅
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阪神陸閘左岸ゲート 大阪製鐵
15 JIS OSC
陸閘の引戸式防潮鉄扉を引き出すレールに小さい15kgレールが使われていました。
大阪製鐵では6~30kgのレールを製造しているようです。 -
近鉄名古屋線 鶴橋駅 グーテ・ホフヌングス・ヒュッテ/独
G.H.H.1921
GHHは刻印が短く、裏側に続きがある事もあるのですが、初心者なので確認していません…。鶴橋駅 駅
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JR中央西線 藪原駅付近 グーテ・ホフヌングス・ヒュッテ/独
GHH ?11C
森林鉄道等で使われる軽レールは、刻印もかなり省略しているようです。藪原駅 駅
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JR飯田線 飯田駅 グーテ・ホフヌングス・ヒュッテ/独
GHH1913飯田駅 駅
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JR関西本線 四日市駅 グーテ・ホフヌングス・ヒュッテ/独
G.H.H. 1914 II 50lbs
第一次世界大戦が起き、鋼材の輸入が激減した1914年(大正3年)の物は貴重かもしれません。
下側のレールもGHHで、この駅の上屋南半分はGHHのレールが多数使われています。四日市駅 駅
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ことでん琴平線 高松築港駅 DK/独
D K 1911高松築港駅 駅
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関西本線伊賀上野駅 ティッセン/独
A.THYSSEN HUTTE 1922
不鮮明で非常に判読しにくいですが、ティッセンは間違いないのではないかと思います。「HUTTE」の文字は他に事例が見当たらないので、間違っているかもしれません。
ティッセンは後にクルップと合併しました。伊賀上野駅 駅
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九州鉄道記念館 クルップ/独
KRUPP 1903I K T K
KTKはJR九州の前身の一つ、九州鉄道。九州鉄道記念館 美術館・博物館
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中央本線旧線 クルップ/独
KRUPP 1903 /X\
山を2つ重ねた/X\のマークは山陽鉄道の社章を象っています。 -
富山地方鉄道 新魚津駅 ウニオン/独
UNION 1925. XII. 60LB.A.S.C.E.
UNIONはドイツのドルトムント鉱山製鉄連合なので、英語読みのユニオンではなくドイツ語読みしています。新魚津駅 駅
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イチオシ
旧下杉橋 ウニオン/独
UNION
中央上の短いレールです。切断されて続く部分が無いのが残念。 -
天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅資料館 ウニオン/独
UNION D 1887. N.T.K
Dはドルトムント、NTKは日本鉄道と思われます。天竜浜名湖鉄道 車両基地 転車台 鉄道歴史館 美術館・博物館
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JR東海道線 興津駅 ウニオン/独
UNION 1903. I.R.J.興津駅 駅
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京都鉄道博物館 プロビデンス/仏
R △ 60LBS. 6040. A.S.C.E. VIII.1926
ヴェンデル/仏
H-WENDEL IX 1925 75LBS-ASCE-TB 工 ←
ウニオン/独
UNION 1905. /X\.
?
ダーリントン/英
+ DARLINGTON IRON CO70 IGJR
プロビデンスの刻印は、高知の越知橋の鋼材でも見かけました。京都鉄道博物館 美術館・博物館
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JR東海道線 喜内前橋梁 ヴェンデル/仏
H-WENDEL VII 1925 75LBS ASCE TB 工
TBは製鋼法を意味しているようです。工は発注者が官営鉄道の意。 -
南海高野線 高野下駅 ヴェンデル/仏
H WENDEL-VI 1927-75LBS-ASCE-TB←←
この他にもテネシーやボルコウ・ボーン等のレールも展示されています。高野下駅 駅
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関西本線笠置駅跨線橋 ヴェンデル/仏
H-WENDELーIX 1924 75LBS ASCEーTB 工 ←笠置駅 駅
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京福電鉄嵐山本線 四条大宮4号踏切付近 ヴェンデル/仏
ASCE 6040 TB
九州の古レール見て歩き様によると、反対側には「H WENDEL IV 24」というような刻印があるヴェンデルのレールだそうです。この配置のヴェンデルは初めて観ました。 -
VIー24
表面は判読できなかった為か撮っていないのですが、同所の別のレールにヴェンデルの表面らしき物がありました。 -
長良川鉄道 郡上八幡駅 ミシュヴィル/仏
MICHEVILLE VII 1925 TB ASCE 60lbs 工 →
MICHEVILLEが不鮮明ですが、多分合ってると思います。郡上八幡駅 駅
-
イチオシ
比叡山鉄道線もたて山駅付近 ジュフ/仏
T-JOEUF-1926
国内では多分ここでしか見つかっていない珍品。1969年(昭和44年)まで続いたジュフ製鉄(Forges de Joeuf)の製品ではないかと思われます。
京阪グループのイベントで刻印部やスライスが販売された事もあるようですが、今も現役で使われています。 -
九州鉄道記念館
イリノイ/米 7506 ILLINOIS STEEL Co SOUTH WKS II 1902
アルゴマ製鋼/加 ALGOMA STEEL -60 LBS -IIIIIIIIIIII 1905
コッケリル/ベルギー COCKERILL - 1924
ヴェンデル/仏 H-WENDEL IX 1925-75LBS-ASCE-TB 工←
色んな国のレールが展示されています。おすすめ! -
琴平電鉄高松築港駅付近 アーベッド/ルクセンブルク
ARBED DUDELANGE 1925
ちょっと角張った独特なフォント。ARBEDはAciéries Réunies de Burbach-Eich-Dudelangeの略称で、ルクセンブルグに残った唯一の鉄鋼メーカーでしたが、スペイン・フランス等の企業と合併しArcelorMittalに。高松築港駅 駅
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屋島ケーブル屋島登山口駅 フォン・ロール/スイス
L. DE ROLL-BERNE
頭部が異様に長く、上に広がる楔状のレール!マレーシアのペナンヒル鉄道でも同じ刻印が見つかっているようです。会社名がドイツ語なのに「L.von ROLL」ではなく「L.DE ROLL」とフランス語らしき表記なのが多言語の国、スイスっぽくて面白いですね。
御岳登山鉄道の説明によると、この形状はギーセライベルン型(Giesserei-Bern Type)と呼ばれているそうです。 -
坂本ケーブル様の情報では、愛宕山ケーブルや御岳山登山鉄道等でも同様の形状のレールが使われ、天橋立鋼索鉄道では今も使われているとか。御岳登山鉄道では、ロープが切断された際には自動的にレール頭部を両側から挟み込んで搬器を止める非常ブレーキが使われているそうで、同様の目的でより頭部が大きく制動子が外れにくい楔状のレールを採用したものと思われます。
図はギーセライベルン型制動装置
出典:日立評論 -
イチオシ
小湊鐵道 月崎駅 S&M/ベルギー
S&Mー60-ASCE-XII-1923
S&MはベルギーのSambre and Meuseではないかと言われていますが、よく分かっていないようです。月崎駅 駅
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19世紀のレールや双頭レール、今はなき山陽鉄道や大阪電気軌道・京都市電等の痕跡を示すものもあり、これも立派な鉄道遺産です。今年(2023年)は我が国の鉄道開業150周年という事で、各地でイベント等も開催され、全国旅行支援も始まりました。
私は橋を観るのがメインで、レールについてはついでにちょっと調べてみる程度のスタンスで、レールの断面形状まで確認されるような専門家の方々からすれば甚だ物足りない内容ですが、それでもこれだけ多くのメーカーのものに出会ってきました。皆さんも駅等でちょっとした空き時間に、レールの刻印を調べてみませんか?
※冒頭に紹介した「古レールのページ」はとてもよくまとまったサイトです。是非ご覧になって下さい。
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